「賃貸と持ち家どちらにするか悩んでいる」
「そもそもどっちがお得なの?」
「生涯コストのシミュレーションをしたい」
賃貸か持ち家か検討する場合、生涯コストを比較するのが大切です。将来にわたって支払うコストが算出できるので、より比較検討しやすくなります。
生涯コストの比較を怠ってしまうと、後悔することも…
この記事では、賃貸と持ち家を比較したいと考えている方向けに以下の情報を解説します。
- 賃貸と持ち家の生涯コストの比較
- メリット・デメリット
- 比較ポイント
- 口コミ
賃貸と持ち家で悩んでいる方にとって、必見の内容です。ぜひ参考にしてみてください!
【シミュレーション】賃貸と持ち家の生涯コストを徹底比較
賃貸と持ち家の生涯コストは、大きく異なります!
それぞれの違いを見極めて、どちらが自分に向いているのか判断にしましょう。
なお、賃貸と持ち家のコスト比較は「【プロが解説】賃貸と持ち家で1,300万円の差は出る!生涯コストやそれぞれのメリットを解説」でも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください!
1. 持ち家
30歳の人が以下の条件で4.000万円の住宅を購入した場合、90歳までの60年間を想定すると総額は約7,322万円かかります。
コスト | 詳細 |
---|---|
初期費用 | 200万円 (物件の5%を想定) |
住宅ローン | 約5,454万円 (金利1.870%、35年固定、頭金・ボーナス払いなし) ※住宅ローンは「フラット35」を利用。 返済期間は35年、元利均等返済、全期間固定金利で1.870%(2024年1月現在)を適用。 (月の返済額は約12.9万円) |
住宅ローン諸費用 | 約88万円 |
リフォーム費用 | 800万円 (400万円×2回を想定) |
固定資産税 | 600万円 (平均で年10万円を想定) |
火災保険など | 180万円 (年3万円を想定) |
合計 | 7,322万円 |
生涯コストを算出する際は住宅ローンだけではなく、固定資産税やリフォーム費用がかかることも頭に入れておきましょう!
2. 賃貸
持ち家と比較しやすいよう、家賃を毎月のローン返済額と同程度の約12.9万円(管理費込み)で計算しました!
コスト | 詳細 |
---|---|
敷金・礼金 | 25.8万円 (家賃2ヶ月分) |
生涯支払う家賃 | 12.9万円×720ヶ月=9,288万円 (60年×12ヵ月=720ヵ月) |
契約更新料 | 12.9万円×30=387万円 (2年ごとなので30回支払う) |
火災保険 | 60万円 (年1万円を想定) |
合計 | 9,761万円 |
更新契約料も生涯コストで考えると負担が大きいですね…
3. 比較シミュレーション
最後に、持ち家と賃貸の生涯コストを比較してみましょう。
種類 | 生涯コスト |
---|---|
賃貸 | 9,761万円 |
持ち家 | 7,322万円 |
差額 | 2,439万円 |
シミュレーションによると賃貸と持ち家は約2,400万円の差があり、持ち家の方がコストを抑えられることがわかります。
仮に、持ち家の生涯コストと同程度にしようと考えた場合、約9.6万円に抑えなければなりません。
(差額2,400万円÷720ヵ月(60年×12ヵ月)=約3.3万円、月額家賃12.9万円-3.3万円=9.6万円)
持ち家は賃貸と比較すると、初期費用が高いのがデメリットです。ただし、住宅ローンを完済すると毎月の支出を抑えられるため、賃貸よりも生涯コストが安いことがわかります。
生涯コストを参考にしつつ価値観や収入状況、ライフプランなどを考慮し比較検討しましょう!
なお、賃貸を選んだ際に後悔しやすいポイントについては、関連記事「【悲報】一生賃貸は賢い選択とはいえない3つの理由!老後のリスクや取るべき行動を解説」でまとめています。あわせて参考にしてみてください。
賃貸と持ち家を生涯コスト以外で解説!メリット・デメリット
賃貸と持ち家のメリット・デメリットを知っておくと、より比較検討しやすくなります!
ここからは、順番にどのようなメリット・デメリットがあるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
賃貸のメリット
賃貸のメリットを以下のようにまとめてみました!
- 固定資産税といった経費を支払う必要がない
- 自分の仕事や状況にあわせて住む場所を変えられる
- 一度にまとまったお金を支払う必要がない
- ローンに追われる必要がない
- 付帯設備に関する修理費は大家に払ってもらえる
なかでも一度にまとまったお金を支払う必要がないのは、大きなメリットといえるでしょう。持ち家を建てる場合、頭金だけでも住宅の価格に対し10~20%程度かかります。
今すぐ資金を用意できない場合は、賃貸を選ぶのがおすすめです!
賃貸のデメリット
賃貸のデメリットをまとめると、以下のとおりです。
- 自分の資産にならない
- 老後は入居を拒否される可能性がある
- 物件の選択肢が少ない
- 間取りや設備のグレードが持ち家よりも劣ることが多い
- リフォームができない
将来的に資産が欲しい場合、家に自由度やクオリティを求める人は向かないかもしれません…
また、老後は入居を拒否される可能性がある点も大きなデメリットです。将来的に住む場所を失うリスクについて、あらかじめ理解しておきましょう。
持ち家のメリット
持ち家に住むメリットは、以下のとおりです。
- 賃貸よりも設備や内装の質が高い
- ファミリー向けの物件が多い
- 間取り変更やリフォームをしやすい
- 将来的な資産になる
- 完済すれば老後の住居費の負担を減らせる
「将来的な資産になる」「完済すれば老後の住居費の負担を減らせる」といったメリットは、持ち家独自のものです。
将来に不安がある場合は、持ち家のほうが向いています!
住宅ローンの返済はプレッシャーになりますが、老後のことまで見込んでいる場合は持ち家のほうがメリットが多いのが強みです。
持ち家のデメリット
持ち家に住むデメリットとして、以下の例が挙げられます!
- 住宅ローンの返済に追われ続けることになる
- 住み替えが簡単にできない
- 家が完成するまで時間がかかる
- 家のメンテナンスに継続的なコストがかかる
- 固定資産税がかかる
とくに住宅ローンの返済や、メンテナンス費用がかかるのは痛いポイントですね…
住宅ローンを払い続ける余裕がない人には向いていません。自分たちの状況と照らし合わせながら、賃貸と比較しましょう。
賃貸と持ち家の比較については、関連記事「【損しない】賃貸と持ち家の特徴を徹底比較!生涯コストや老後についても解説」でも行っています。さらに細かい比較をしたい方は、あわせてチェックしてみてください。
賃貸と持ち家を生涯コスト以外で比較する6つのポイント
生涯コスト以外で持ち家と賃貸で比較する場合、以下の視点を持ちましょう!
- ライフプラン・ライフスタイル
- 仕事との兼ね合い
- 収入
- 家に対するこだわり
- 選択肢の幅広さ
- 老後の過ごしやすさ
それぞれ順に詳しく解説します。
1. ライフプラン・ライフスタイル
ひとつの場所に拠点を構えて住み続けたいのであれば、持ち家がおすすめです!
持ち家は一度建ててしまうと、気軽に引っ越せません。引っ越す場合は、売却の手続きで時間がかかってしまいます。
一方で気軽に引っ越したい場合は、賃貸のほうが向いています!
賃貸は気軽に住み替えられるので、気分が変わりやすい人におすすめです。持ち家と異なり売却も考える必要がないので、転居時の負担が少ないのもメリットといえるでしょう。
2. 仕事との兼ね合い
転勤が多い場合は、賃貸を選ぶのがおすすめです。持ち家は簡単に売却できず、転勤が決まった後に多くの手続きに時間を費やすことになります。
また、持ち家があると住宅手当が受けられません!
現在勤めている会社で住宅手当が出ているのであれば、賃貸に住み続けたほうがお得です。現在の仕事や待遇なども考慮して検討しましょう。
3. 収入
収入が不安定なのであれば、賃貸のほうがおすすめです。
とくに自営業、フリーランスは賃貸のほうが安心して住み続けられるでしょう!
持ち家は住宅ローンの債務、定期的なメンテナンス費用の支払いがあります。常に返済や支払いに追われ続けるため、安定した収入が必須です。
自分の将来的な収入状況も加味したうえで、両者を検討しましょう。
4. 家に対するこだわり
持ち家は自分たちのイメージを反映しやすいのが、最大の強みです。自分たちの理想のマイホームを建てたい人は、持ち家のほうが向いています。
リフォームできるのも持ち家ならではの強みですね!
住み続けていて間取りやデザインに不満点が出てきても、リフォームすれば自分たちのイメージに近づけられます。
一方で賃貸はほとんどの場合、リフォームができません。家のこだわりが強い人は、賃貸を避けましょう。
5. 選択肢の幅広さ
持ち家は、基本的に単身向けの物件が多い傾向にあります!
人によっては、選択肢が少ないと感じる場合もあるでしょう。
一方で持ち家は、ファミリー層向けの部屋数が多い物件まで選択肢が豊富です。とくに大所帯の家庭であれば、持ち家のほうが快適に住めます。
自分たちの現在の家族構成はもちろん、将来どのぐらい子供を増やす予定なのか考えたうえで検討しましょう。
6. 売却できるか
住宅ローンが完済していて立地や環境が良い物件であれば、将来的に資産価値が衰えない可能性が高いです。資産価値が落ちず、問題なく売却ができそうであるなら持ち家にするのがよいでしょう。相続を受けた親族の選択肢を増やせます。
ただし、築年数が古く資産価値が低い場合には、家を売却できない可能性があります。売却できない可能性が高い場合には、賃貸を選んだほういいでしょう。
家を相続する人がいない場合は賃貸がおすすめです!
賃貸と持ち家どちらがいい?おすすめな人を口コミとあわせて紹介
賃貸が向いている人・持ち家が向いている人の特徴は、明確に分かれています!
実際にどのような違いがあるのか、口コミとあわせて紹介します。
【賃貸】転勤族などすぐに引越しをする人
賃貸か持ち家か
経済学的に考えると、どちらかが圧倒的に有利にはならない。
例えば持ち家の方がずっと割安なら、家を貸して儲けようとする人が増えるよね。そうすると賃貸物件の供給が増えて家賃が下がる。引越しが好きな人は賃貸、そうでない人は持ち家って感じで選べばいいんじゃないかな。
引用元:X(旧Twitter)
転勤などで引越しが多い人は、賃貸がおすすめです。
引越しが多い人は、賃貸であれば住む場所を変えやすいですね!
【賃貸】自宅で働いている人
よく持ち家派か?賃貸派か?という議論がありますが、
資金面で言ったら、完全に賃貸が圧倒的勝利です。
僕は30歳の時に家を建てて、13年間持ち家で生活をしたんですけど、途中で家を売却して今では賃貸マンションに住んでます。
大きく言うと3つ理由があって、
賃貸の方が
・ライフスタイルに合わせて引っ越しできる
・家賃の半分経費で落とせる
・セキュリティ面が安全これはほんとデカいんですよね。
引用元:X(旧Twitter)
(以下、省略)
自宅で働いている自営業の人は、家賃を経費で落とせます。自営業の人は賃貸に住むことで、税金を減らせる可能性があります。
家賃を経費計上したいフリーランスの人におすすめです!
【賃貸】自然災害のリスクを取りたくない人
うちはずっと賃貸なんだけど、これだけ自然災害あるなら、ずっと賃貸でいいかなと思う。独身だし、持ち家を持つリスクの方が大きいな。自然災害で孤立したら仕方ないが、移動できるのであれば、引越しすればいいだけだしな。
引用元:X(旧Twitter)
自然災害によって建物が被害を受けた場合、原則として大家が責任を負います。そのため、賃貸に住んでいれば自然災害のリスクを取る必要がありません。
持ち家だと、修繕費用を自分で支払う必要があります。
【持ち家】性能がいい家に住みたい人
賃貸と持ち家のメリット
・賃貸
✅すぐ引越しできる
・持ち家(戸建て)
✅性能がいい
お金に関してはピンキリなので除外🤤
僕は夏暑くて、冬寒い家には住みたくなかったので持ち家にしました✨
どちらを選ぶにしても自分が住んでメリットはどちらか?をしっかり考える必要があるよ
引用元:X(旧Twitter)
持ち家は住宅の設備を自分で選べて、賃貸と比較して住宅性能が良いと言われています。
断熱性能が高い家に住みたいと思ったら持ち家がおすすめです。
【持ち家】同じ場所に住み続けたい人
持ち家と賃貸とどちらが正解かという問いには、その不動産との付き合い方と、価値観によると答えているよ。
引用:X(旧Twitter)
その土地に愛着があり、ずっと住むつもりなら買えばいいし、それなら不動産価値は下がっても、その分固定資産税が下がるのでリセールしないなら問題ない。
欲しくないなら買わないのが正解。
気に入った土地があるなら持ち家を建てるのがおすすめです!
持ち家を建てれば、好きな街で長い間住み続けられるでしょう。
【持ち家】子どもがいる人
(前略)
逆に一軒家のメリットは・庭がある(子ども達が喜ぶ)
・ガレージがあるぐらい。
(省略)
引用元:X(旧Twitter)
庭があれば、子どもを遊ばせられますね!
一軒家であれば庭を作れます。庭があることで、目の届く所で安心して子どもを遊ばせられるでしょう。また、一軒家なら周囲に響く生活音を気にしなくても良いのもメリットです。
「どっちが向いているかわからない」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください!
ハウスメーカーの営業担当として、年間最多販売を記録した私があなたの悩みを解決します!
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賃貸と持ち家の生涯コストを比べる前に知っておくべき前提知識
賃貸と持ち家の生涯コストを比べるのも大切ですが、以下の背景も理解しておきましょう。
- 不動産価値は今後大きく変わる可能性がある
- 働き方の多様化により収入が変わる
- 不動産業界が変化している
将来にかかわってくる部分なので、ぜひ参考にしてみてください!
1. 不動産価値は今後大きく変わる可能性がある
持ち家は資産になるかもしれませんが、今後の価値が高くなるという保証はありません。
とくに空き家が増えている状況について、知っておくことが大切です!
野村総合研究所のデータによると、年々空き家率が増えていることがわかります。2033年には30%以上になると予想されているほどです。
引用:野村総合研究所
今後空き家が増えていくと、売ろうと思っても低価格でしか売れないリスクが出てきます。住んでくれる人を必死に探さないといけなくなるため「持ち家を買っても最悪売ればいい」といった考えは捨てましょう。
2. 働き方の多様化により収入が変わる
持ち家に住み続けられる条件のひとつとして、安定した収入の維持が挙げられます。
しかし、働き方の変化や終身雇用の崩壊などが起きているため、今後も安定した収入が得られるとは限りません。
数十年後の予測がしづらい状況になってしまいました…
また、コロナ禍の影響による不景気も長引き、給料の低下やリストラ率の上昇が懸念されています。以前よりも、持ち家を持つリスクが上昇しているといえるでしょう。
3. 不動産業界が変化している
新たな住み方を提示するサービスが複数登場しています。そのため、不動産業界はこれから大きく変化していく可能性があります。
たとえば「goodroom」は、ホテルに住めるサブスクです。2週間以上の滞在で借りられます。登録された物件に限られるものの、ホテルなのでもちろん家具・家電は完備、掃除はプロが行ってくれます。月々10万円以下で借りられる物件もあるので、コスパは抜群だといえるでしょう。
「借りる」「買う」以外の住み方が今後出てくる可能性があることについて、理解しておくのが重要です。
持ち家に住む人が今後減って、売れなくなるというリスクを考えておきましょう!
賃貸と持ち家の生涯コストに関するよくある質問
賃貸と持ち家の生涯コストに関するよくある質問について2つ解説します。
- 賃貸と持ち家で1300万円の差があるって本当?
- 老後は賃貸物件が借りられないって本当?
どちらにしようか悩んでいる方は、参考にしてください。
1. 賃貸と持ち家で1300万円の差があるって本当?
賃貸と持ち家で1,300万円の差が出るかどうかは、比較する条件次第で変わってきます。今回賃貸と持ち家のコストを比較したところ、約2,400万円の差がありました。
種類 | 生涯コスト |
---|---|
賃貸 | 9,761万円 |
持ち家 | 7,322万円 |
差額 | 2,439万円 |
家賃や住宅の価格、期間によっても異なるので、1,300万円の差があるという言葉を鵜呑みにしないようにしましょう。
2. 老後は賃貸物件が借りられないって本当?
「賃貸を借りられない」というのは嘘です。ただし、賃貸住宅を借りづらくなることは事実。理由は以下のとおりです。
- 働いていないため収入が少ない
- 一人で暮らすケースが多く孤独死の心配がある
- 連帯保証人を立てられないことがある
老後に賃貸が借りづらくなる点は理解しておく必要があります。
賃貸と持ち家どちらにするかは生涯コストだけではなくライフスタイルも考慮しよう
持ち家と賃貸の生涯コストを比較すると、持ち家のほうが安いことがわかりました。ただし、コストだけで決めてしまうと、自分にあわないことがあるので注意が必要です。
持ち家と賃貸には、それぞれメリット・デメリットがあります。
どちらもリスクがあるので、1人で比較検討して決めるのはなかなか大変…
持ち家と賃貸で悩んでいるのであれば、経験豊富なプロに相談にのってもらうことで安心して検討できます。
私はハウスメーカーの営業担当として、年間最多販売を記録した経験があります。自分1人で判断に迷う場合は、ぜひご相談ください!