「完全分離型の二世帯住宅にすると後悔する?」
「義両親と同居すると気を遣ってストレスが溜まりそう…」
「完全分離型と完全同居型どちらがおすすめ?」
両親または義両親と一緒に住むなら、完全分離型の二世帯住宅にしたいと考える方は多いでしょう。しかし、プライバシーが守れそうだからという理由だけで決めると後悔するかもしれません。
間取りパターンによっては、生活音が気になったりコミュニケーションが不足したりする可能性があるからです。
そこでこの記事では、大手ハウスメーカーで15年以上の住宅販売をした経験のある筆者が、以下の内容を解説します。
- 完全分離で後悔する理由
- 後悔を防ぐ対策と魅力
- 完全分離の間取りパターン
- 間取りパターン別の向いている人
完全分離の二世帯住宅を建てたいと考えている方は、最後までご覧ください!
二世帯住宅の3タイプをサクッと解説
二世帯住宅は、間取りや利用方法の面から以下の3つのタイプに分けられます。
- 完全同居型
- 一部共有型
- 完全分離型
完全同居型は、リビング・ダイニングなど主要な生活空間のすべてを二世帯で共有するタイプです。そのため、一世帯だけで済む家と間取りや設備は大きく変わりません。
一部共有型とは、浴室やトイレなどの一部は共同で利用するものの、玄関やリビングは世帯ごとに設けられているのが特徴です。
完全分離型は、浴室やトイレを含むすべての設備や空間が、完全に分けられています。
完全同居型や一部共有型は、完全分離型に比べてコミュニケーションがとりやすく建築費用を抑えられる一方で、プライバシーの確保が難しい点がデメリットです。
設備や空間が完全に分けられている完全分離型では、互いが別の家に住んでいるかのように生活できるのが魅力ですね!
二世帯住宅の完全分離で後悔する7つの理由
二世帯住宅の完全分離型で後悔する理由は、以下の7つです。
- 生活音が気になる
- 友人を家に呼びにくい
- 支払いでトラブルになる
- 同居よりも光熱費がかかる
- 建築費用が高くなる
- お互いの様子がわからない
- 共用部分を掃除する役割が偏る
同居後のトラブルを減らすためにチェックしておきましょう。
1. 生活音が気になる
二世帯住宅の完全分離型では、生活音が気になってトラブルになることがあります。
とくに、住居を1階と2階で分ける横割り型で多いです!
子どもがいる子世帯が2階で暮らす場合、親世帯の不満が溜まることがあります。生活スタイルの違いによって、足音や話し声が気になって寝られないことがあるからです。
生活音が気になると、お互い快適に過ごせませんよね!
上下階で分けて同居する場合には「家の中では走らない」「20時までに来客を帰す」などと、事前にルールを決めておくのがおすすめです。
2. 友人を家に呼びにくい
両世帯の玄関を2つに分けていても相手の世帯に気を遣い、友人を呼びにくいことに後悔する可能性があります。とくに玄関が隣り合わせの場合には、立ち話はしづらいと感じるでしょう。
とはいえ、友人を呼びにくいからと毎回外出したり、相手の家にお邪魔したりするのは友人に気を遣いますよね!
玄関を離したり壁を設けたりして工夫すると、後悔を減らせますよ!
3. 支払いでトラブルになる
メンテナンス費用についてどちらが負担するのか決めておかないと、トラブルになることがあります。
とくにメンテナンスは、100万円単位の大きな金額が動くことがあるので、事前に決めておくことでストレスを減らせます。あとから話し合いの場を設けるのは子世帯からすると気が引けてしまうでしょう。
「かかった費用の半額にする」「敷地面積割合に応じる」など、具体的に決めておくことをおすすめします。
どちらかに負担が偏らないよう検討しておく必要がありますね!
4. 同居よりも光熱費がかかる
完全同居型はキッチンや浴室などを共有しますが、完全分離型は各世帯に設備が1つずつあるためそれぞれの家庭で光熱費がかかります。
完全同居型世帯と比較すると倍の費用がかかると考えてよいでしょう!
各世帯が使った光熱費がパッと見てすぐにわかるのはメリットですが、節約しようと思っている方に完全分離型は向いていません。
節約を目標にしているなら、完全同居型を選びましょう!
5. 建築費用が高くなる
完全分離型は一世帯住宅よりも大きな建物が必要なため、建築費用や土地代が高くなりやすい傾向です。完全同居の二世帯住宅よりも、1.5〜1.8倍の費用がかかることもあります。
各世帯に同じ設備があるので、費用が高くなりやすいんですね!
家賃や土地代をできるだけ安くしたいなら、郊外や田舎を選ぶのがおすすめです。都心よりも土地代が安いため費用を抑えられます。
建築費用を抑えるためには、地域の設計事務所や工務店を選びましょう!
二世帯住宅の費用相場については、関連記事「【タイプ・坪別】二世帯住宅の費用相場!安く抑える6つの方法や注意点などを詳しく解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
6. お互いの様子がわからない
同じ物件に住んでいても、会う機会がなければお互いの様子がわからず、二世帯住宅にした意味を感じられない場合があるでしょう。
わざわざ会いに行かなくても様子を確認できるように、二世帯が集まれるリビングや庭を作るのがおすすめです!
とくに、親世帯が年齢を重ねた際にはどのように過ごしているか心配に思うことがあるかもしれません。気軽に交流できる場所を作っておき、コミュニケーションが取りやすい環境を整えておきましょう。
7. 共用部分を掃除する役割が偏る
庭やガレージなどの共用部分について掃除する担当を決めておかないと、どちらかに偏って不満が溜まってしまいます。
快適に生活するためにも住み始める前に話し合い、後悔を減らしましょう!
「奇数月は子世帯、偶数月は親世帯」などと、事前に決めておけば偏りをなくせるため掃除のストレスを軽減できます。
完全分離型でも共用部分はあるので、しっかり話し合う必要がありますね!
完全分離の二世帯住宅で後悔しないための4つの対策
完全分離の二世帯住宅で後悔しないためには、以下の4つの対策を覚えておきましょう。
- 両世帯の希望をふまえて設計する
- 生活音を防ぐ工夫をする
- 支払いについて割り振りを決める
- 生活ルールを話し合う
マイホームを建てる前に、同居後の生活をイメージしておくことをおすすめします。
お互いが不満を溜めないためにも、対策をチェックしてみてください!
1. 両世帯の希望をふまえて設計する
ハウスメーカーとの打ち合わせは、できるだけ両世帯出席するのがおすすめです。
どちらかが打ち合わせに出席できない場合は、あらかじめ二世帯で話し合っておき、希望を実現できるようにすると後悔を減らせます。事前に二世帯の意見をまとめておき、話し合いがスムーズに進められるようにしておきましょう。
譲れない条件を共有しておくのがコツです!
2. 生活音を防ぐ工夫をする
完全分離型であっても同じ建物である以上、互いの生活音が気になりますよね!
両世帯の生活音にストレスを抱えないようにするには、家の設計時に工夫が必要です。
床や壁に吸音性の高い建材を使うことで、隣の部屋や階下への音漏れを防げます。吸音性の高い建材には、ロックウールやグラスウール吸音材などが挙げられます。
また間取り設計時に、水回りなど生活音が出やすい設備を、相手の寝室やリビングから離して配置することも効果的です!
住み始めてからであれば、2階の床に防音性能の高いマットやカーベットを敷く方法もあります。
3. 支払いについて割り振りを決める
支払いの負担について、両世帯で割り振りを決めておくのが大切です。住宅ローンやメンテナンス費用など、支払いが分かれていないものは誰が払うのか決めておかないとトラブルになる可能性があります。
とはいえ、子世帯からお金の話は切り出しにくいですよね…
同居後は快適に生活するために、早いうちから話し合っておきましょう。角が立たないよう、実子から話し合いの場を設けるよう頼んでみてください。
4. 生活ルールを話し合う
あらかじめ生活ルールを話し合っておくと、不満に感じることを減らせます。たとえば「〇時以降は電気を消す」「友人を呼ぶときは事前に連絡しておく」などのようなルールを決めておきましょう。
間取りを考えるときにルールを決めておくとよいです!
ここまで完全分離型の二世帯住宅について解説してきましたが、同居後の生活について不安が拭いきれない方がいるかもしれません。そのような方は、すーさんの相談窓口をご活用ください。
「年間全国最多販売」の表彰を受けた私なら、同居に起こりやすいトラブルや不満の原因を把握しているため、あなたの悩みを解決できます。LINEでサクッと相談できるので、ぜひお気軽にご連絡ください!
\ ノープランでOK /
完全分離の二世帯住宅に住む4つの魅力
二世帯住宅には、完全分離型のほかに完全同居型や部分共有型があります。完全分離型にしかないメリットは以下の4つです。
- プライバシーを確保しやすい
- 部分共有に比べて生活スタイルが違ってもストレスにならない
- 賃貸としても活用できる
- 税金が優遇される
二世帯住宅を建てたい方で、どのタイプにしようか迷っている方はしっかりチェックしておきましょう!
1. プライバシーを確保しやすい
完全分離型は、生活スペースがしっかり分かれているため、プライバシーを確保できて相手に気を遣う場面を減らせます。
とくに同居に抵抗を感じている方は、完全分離型がおすすめです。距離がありますが、お互いサポートが必要なときにすぐ駆けつけられるため安心できます。
干渉されたくない方にもおすすめですね!
2. 部分共有と比べて生活スタイルが違ってもストレスにならない
完全分離型は、生活スタイルが違ってもストレスを感じることが少ない間取りです!
夜中の話し声や早朝の足音などが頻繁に聞こえると、睡眠に影響を与える可能性があります。夜勤がある方は気を遣うかもしれません。
部分共有型や完全同居型の場合には、生活スタイルが違うとお互いにストレスを感じてしまうでしょう。
しかし、完全分離型なら気にすることなく生活できます。とくに縦割り型であれば、物音を気にせずストレスを最小限に抑えられます。
生活スタイルが異なる二世帯住宅なら、完全分離型がおすすめです!
3. 賃貸としても活用できる
二世帯住宅で共有部分がある場合、賃貸の需要はあまり多くありません。しかし、完全分離型の物件は各世帯が使う部分のみで生活できるため、将来賃貸としても活用できます。
どちらかが家を出たときに使わない世帯を賃貸として利用できるので、物件の価値を上げたい方におすすめです。
賃貸として活用できるのは、完全分離型の大きなメリットです!
4. 税金が優遇される
完全分離は、完全同居型や一部共有型より税金面で優遇されます。以下に減額される税金の種類をまとめました。
減額される税金 | 内容 |
---|---|
不動産取得税 | 新築時1世帯ごとに1,200万円の控除が受けられるので、二世帯住宅なら控除額が2倍になる |
固定資産税 | 新築時1世帯あたり120平米まで2分の1に減額されるので、二世帯住宅なら240平米まで減額される |
住宅ローン | 各世帯が住宅ローンを組めばその分減額される |
相続税 | 一定の条件を満たせば、二世帯住宅でも小規模宅地等の特例を適用して土地の評価額を減額できる |
税金の負担が抑えられるのはうれしいですね!
二世帯住宅のメリット・デメリットについては、関連記事「【保存版】二世帯住宅のメリット・デメリット12選!間取りや完全分離など成功・失敗例を紹介」で詳しく紹介しています。二世帯住宅にしようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
完全分離の二世帯住宅を建てるときの間取り2パターン
完全分離の二世帯住宅を建てるときは、以下の2パターンの間取りがあります。
- 縦割り型
- 横割り型
それぞれメリットが異なるので、後悔しないためにも特徴を押さえておきましょう。
1. 縦割り型
縦割り型は、物件の半分で世帯を分ける間取りです。玄関から分かれている場合がほとんどなので、横割り型よりも距離を保てます。
近くには住みたいけれど、あまり距離が近いと気を遣って疲れてしまう方におすすめの間取りです!
ただし横割り型の場合、どちらの世帯も2階への上り下りが必要になります。親世帯が高齢になり足腰が弱くなった場合に、2階への上り下りは負担になる可能性があります。
親世帯が暮らしやすい間取り設計が大切ですね!
2. 横割り型
横割り型は、1階と2階で世帯を分ける間取りです。将来、親世帯の介護が必要になってもそのまま使えるので、1階を親世帯、2階を子世帯が使う傾向にあります。
縦割り型よりも関わる機会が増えそうですね!
また間取りが一般的な住宅と大きく変わらないため、比較的建築費用も抑えられます。階段を2つ作らなくても済むため、生活空間を広くとれることもメリットです。
一方で「上階の音が下階に響きやすい」「一般的には玄関は共用になる」点がデメリットとして挙げられます。
ほかの間取りについては、関連記事「【経験者から学ぶ】間取りで後悔しがちなポイント10選!失敗する理由や成功させるためのコツを紹介」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
【縦割り型】二世帯住宅の完全分離が向いている人の特徴2選
二世帯住宅の「縦割り型」「横割り型」の選択は、ライフスタイルや新築の条件によって異なります。こちらでは「縦割り型」が向いている人の2つの特徴を解説します。
- 世帯の独立性を高めたい
- 敷地に余裕がある
自身の状況と比べて、確認してみてください。
1. 世帯の独立性を高めたい
縦割り型は部屋や設備が完全に分かれているため、独立した別の家のように生活できます。
世帯それぞれの玄関を取り付けやすいため、共用する部分はまったくありません!
横割り型の場合には上階の足音など生活音が響きやすくなりますが、縦割り型ではその心配はなく、互いに干渉し合わない生活が可能になるでしょう。
2. 敷地に余裕がある
縦割り型は同じ建物ではあるものの、実質2軒の家を建てることと変わらないため、一定の広さの敷地が必要です。
敷地が狭いと1つのフロアの面積はどうしても小さくなってしますね!
縦割り型を選択する場合には、用意できる敷地面積からどの程度の広さの家を建てられるかよく確認しましょう。
【横割り型】二世帯住宅の完全分離が向いている人の特徴3選
「横割り型」は、一世帯で住む家と同じような間取りを作れるタイプです。こちらでは「横割り型」が向いている人の3つの特徴を解説します。
- 大空間のリビングが欲しい
- 親世帯の階段の昇り降りの負担を減らしたい
- 建築・設備費用を節約したい
一つひとつ見ていきましょう。
1. 大空間のリビングが欲しい
横割り型は、縦割り型に比べて1フロアで広い面積を確保できます。縦割り型の場合、敷地を半分に割ってそれぞれの世帯の空間を作るため、広い面積の確保が困難です。
広いリビングが欲しいという方には、横割りが適していますね!
2. 親世帯の階段の昇り降りの負担を減らしたい
横割り型の二世帯住宅では、1階を親世帯、2階を子世帯が利用する方法が一般的です。親世帯は1階で生活が完結できるため、階段の上り下りは不要です。
親世帯は加齢に伴って足腰が弱くなってしまいますが、1階で生活が完結できるので身体的な負担がありません!
3. 建築・設備費用を節約したい
横割り型は、縦割り型に比べて建築費用が抑えられます。縦割り型は、同じ建物ではあるものの2軒家を建てることと変わらないためです。
もちろん横割り型であっても、水回りなどすべて2セット必要ですが、縦割りに比べれば安く抑えられますね!
完全分離の二世帯住宅を建てて後悔なく生活しよう
完全分離型の二世帯住宅は、プライバシーを確保しやすかったり税金の優遇を受けられたりするなどメリットが多くあります。二世帯住宅を建てようと考えている方は、各タイプを比較して自分たちに合うものを選びましょう。
ある程度の距離感が欲しいなら、完全分離型がおすすめですね!
とはいえ、理想の住まいを実現できるか不安に思う方がいるかもしれません。そのような方は、すーさんに相談すると悩みを解決できます!
すーさんの相談窓口では、二世帯住宅の注意点や快適に生活する方法などを紹介しています。同居のストレスを減らすためにも事前に対策しておくのが重要です。
二世帯住宅を建てたいけれど、不安があって踏み切れない方は、ぜひ一度ご相談ください!