「マイホームの購入にいくらかかるか知りたい」
「どのくらいお金があれば住宅は購入できるの?」
「初期費用の詳細について知りたい」
マイホームを購入するのは、多くの方が生涯に一度でしょう。そのため、実際にかかる費用がどのくらいになるか想像するのは難しいですよね。
とくに、購入時に支払う初期費用は、貯金の目安にもなるため事前に知っておきたいものです。
この記事では、以下について紹介していきます。
- 初期費用の目安
- かかる費用の内訳
- 初期費用のシミュレーション
- マイホーム購入前の注意点
- 初期費用を抑える方法
マイホーム購入時の参考になりますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
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マイホームを購入する際にかかる初期費用の目安
初期費用は「頭金」と「物件価格以外の諸費用」の大きく2つに分けられます。
頭金は自己資産で、購入時に支払うお金です。物件価格の10〜20%程度を目安に、頭金を支払う方が多いです。
頭金を多く支払っておくとローンの利子を減らせるため、支払い総額を抑えられます!
一方で、諸費用はマンションや戸建てといった物件種別によって、負担する金額が異なります。新築・中古問わず、戸建ては物件価格の6〜10%、マンションでは3〜5%が目安です。
条件によって大きく異なるため、総額ではなく一つひとつ確認しておくことが重要です!
なお、毎月かかる費用については、関連記事「【事前に確認】マイホームに毎月かかる5つのお金!総額の目安や節約する方法を解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
マイホームの初期費用にかかる内訳一覧
マイホームの購入時にかかる初期費用の内訳をひとつずつ解説していきます。
- 頭金
- ローン契約
- 登記
- 保険
- 税金
- 仲介手数料
- その他諸費用
各項目の詳細を把握しておくことで、初期費用を節約できたり、急な支払いに備えたりできます。予算を立てる際に参考にしてみてください。
もっと詳しく家づくりや資金調達について知りたい方は、LIFULL HOME’Sの「はじめての家づくりノート」がおすすめです。
マイホーム購入に必要な基礎知識を身につけられますよ!
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
1. 頭金
頭金とは物件総額価格からローンで借りる金額を引いた、自己資産での支払いを指します。自分で金額を決められますが、一般的には物件価格の10〜20%程度を支払う方が多いです。
近年では、頭金0円にすることも可能なため、初期費用の負担を軽減させられます!
しかし、貯蓄のすべてを頭金として支払ってしまうと、急な出費に対応できないことがあります。ある程度の預金が残るように、頭金を設定することが大切です。
なお、頭金については、関連記事「【貯金0はNG】マイホームの頭金は住宅価格の1〜2割が目安!支払うメリット・デメリットや注意点を解説」でより詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. ローン契約
住宅ローンを組む際には「融資手数料」や「ローン保証料」について知っておく必要があります!
融資手数料はローンを組んだ金融機関に支払う費用です。定額制であることが多いですが、中には「融資額×2%」のような定率制にしている場合もあります。融資額によって金額が異なるので、実際に計算し支払いが少ないほうを選びましょう。
また、ローン保証料とは、住宅ローンを契約する際に保証会社に支払う費用のことです。病気や失業などの理由で金融機関への返済が滞ってしまったとき、保証会社が立て替えてくれます。その場合、返済先が金融機関から保証会社へ変更される点にご注意ください。
住宅ローンに関する費用や金利は、金融機関によって異なります。いくつかの金融機関を比較検討してみると良いでしょう。
金融機関を検討する際には、簡単に金利を比較できるモゲチェックを活用するのがおすすめです!
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
3. 登記
土地や建物の所有権を法務局にて登記簿に記載することを「登記」といいます。土地や建物が自身のものであると、第三者に示すために必要です。
登記する際には「固定資産税評価額×2%」の登記免許税がかかります。
固定資産税評価額は、購入金額ではなく自治体が計算した金額であるため注意してください。また、住宅ローンを組む際には抵当権の設定も必要です。
金融機関が土地や建物を担保にして、お金を融資したことを示すためです!
一定の要件を満たせば税率軽減が受けられる場合があるため、不動産会社や自治体に相談してみてください。
なお、登記の手続きは手間がかかり複雑であるため、司法書士へ依頼する方が多いです。その場合、登記免許税とは別に代行料がかかります。
4. 保険
住宅ローンを組む際には、火災保険の加入がほぼ必須です。インターネットで加入すれば、保険料を抑えられることがあるので、複数の会社を比較することをおすすめします。
ちなみに、金融機関から保険会社を指定される場合がありますが、強制ではありません。
また、火災保険に加入する際には、あわせて地震保険に加入しておきましょう。住宅ローンの契約に必須ではないものの、地震保険単独では加入できません。
「地震大国」と呼ばれる日本では、いつどこで大きな地震が起きてもおかしくないため備えておくと安心です。保険に加入しておくと、火事や地震で被災した際に保険金を受け取れるので、生活を立て直すのに役立ちます。
5. 税金
マイホーム購入には、以下4つの税金がかかります。
- 不動産取得税:評価額×3%
- 印紙税:1〜2万円程度
- 固定資産税:評価額×1.4%
- 都市計画税:評価額×0.3%
不動産取得税と印紙税は購入時に、固定資産税と都市計画税は毎年かかります。
毎年支払う税金は、1月1日時点で物件を所有している方が対象です。購入した年には、売主に支払うことが一般的です。
控除や優遇もあるため、市区町村の窓口に相談してみると良いでしょう!
6. 仲介手数料
中古物件を購入する際は、仲介手数料がかかります!
一般的に中古物件の購入時には仲介会社を利用するでしょう。物件価格が400万円を超える場合には「物件価格×3%+6万円+消費税」を上限に、手数料がかかります。
あくまで上限のため、交渉次第で金額は変わってきますよ!
また、仲介会社によって金額が変わってくるため、相見積もりを取るようにしてください。
新築住宅を中心とした、ハウスメーカーやデベロッパーといった売主から直接購入する場合には、仲介手数料は発生しません。
7. その他諸費用
その他に、以下の諸費用が発生する場合があります。
費用 | 概要 |
---|---|
手付金 | 物件購入の意思を示す |
申込証拠金 | 購入の申込時に不動産会社に支払う |
修繕積立基金 | マンションなどの共用部分の大規模修繕工事にかかるを前払いしておく (築年数・中古問わず発生する) |
工事準備費用 | 「地盤調査費」「地鎮祭や上棟式」「設計管理費」など、独自にかかる費用 |
このほかに、家具・家電や引越し費用などのお金も忘れずに計算してくださいね!
難しい用語や手続きもあり、慣れていないと混乱してしまうことも多いでしょう。また、支払い先がそれぞれ違うため、誰に聞けば良いのか悩んでしまうこともありますよね。
「すーさんの相談窓口」では、家づくりに気になるお金の相談もできます。無料で利用できるので、お気軽に相談してみてください!
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【住宅価格別】初期費用シミュレーション
マイホームの初期費用のシミュレーションを、以下の住宅価格別に紹介します。
- 3,000万円
- 4,000万円
- 5,000万円
今回は、以下のような条件で初期費用を計算します。
- 頭金:0円
- ローン保証料:住宅価格の2%
- 仲介手数料:物件価格×3%+6万円
- 登記費用:30万円
- 火災保険料:30万円
- 税金(不動産取得税、印紙税など):15万円
- その他初期費用:30万円
支払いのイメージがしやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
1. 3,000万円の住宅なら初期費用は261万円かかる
内訳 | 初期費用 |
---|---|
頭金:0円 ローン保証料:60万円 仲介手数料:96万円 登記費用:30万円 火災保険料:30万円 税金:15万円 その他初期費用:30万円 | 261万円 |
国土交通省の調査によると、令和3年度の住宅建築資金の平均は3,459万円です。住宅にかかる費用が3,000万円であれば、無理のない返済計画を立てやすいといえるでしょう。
とはいえ、初期費用では261万円がかかる見込みです。予算に余裕があれば、頭金を入れることで、最終的なローン支払い金額が下がるため検討してみてください。
頭金の支払い金額に迷ったら、相場である住宅価格の10~20%を目安にしてみると良いでしょう!
2. 4,000万円の住宅なら初期費用は311万円かかる
内訳 | 初期費用 |
---|---|
頭金:0円 ローン保証料:80万円 仲介手数料:126万円 登記費用:30万円 火災保険料:30万円 税金:15万円 その他初期費用:30万円 | 311万円 |
4,000万円の住宅だと、初期費用が300万円を越えるケースが出てきます。ローンの支払いだけでなく、初期費用にも目を配らなければ、マイホーム購入後の生活が厳しくなるかもしれません。
シミュレーションとは別に、家具や家電などの費用が発生することも忘れないようにしましょう!
マイホームにかかる初期費用は、一部住宅ローンに含められるケースがあります。しかし、借入金額が上昇するぶん、月々の利息支払いが多くなる点には注意が必要です。
3. 5,000万円の住宅なら初期費用は361万円かかる
内訳 | 初期費用 |
---|---|
頭金:0円 ローン保証料:100万円 仲介手数料:156万円 登記費用:30万円 火災保険料:30万円 税金:15万円 その他初期費用:30万円 | 361万円 |
5,000万円の家は、一般的には価格の高い住宅に該当します。初期費用も住宅価格に合わせて上昇するため、見積もり段階で詳細な金額をチェックしておく必要があるでしょう。
また、広い家に住んだ場合、マイホームの修繕費をはじめとした維持費が高くなっていくことには注意しなければなりません。
初期費用についてもしっかり資金計画に入れ、ライフプランどおりの生活を送れるようにしましょう!
マイホーム購入の前に知っておきたい3つの注意点
マイホーム購入の前に知っておきたい注意点は、以下の3つです。
- ローン借入額を減らすために頭金を多く支払う
- 家具・家電の代金も計算しておく
- 維持費についても理解しておく
一つずつ見ていきましょう。
1. すべての貯蓄を頭金として支払わない
頭金を多く支払えば、月々の利息が減り、最終的な支払い金額を減らせます。
とはいえ、無理に支払うと、マイホーム購入後に生活が苦しくなってしまいかねません。手付金や登記費用などの初期費用を差し引いたうえで、資金に余裕がある場合は、頭金を多く支払うことを検討してみてください。
頭金を多く支払えば、ローン審査の優遇対象になるケースもありますよ!
2. 家具・家電の代金も計算しておく
集合住宅から引っ越しをする場合、家具・家電を一新するケースがほとんどでしょう。家電・家電にどの程度費用がかかるか考慮しておかないと、予算が足りなくなってしまう可能性があります。
冷蔵庫や洗濯機など、値段が大きいものから計算しておくと、予算計画が立てやすいですね!
ベッドやソファーなどの大型家具にかかる費用も確保しておき、マイホーム引き渡しと同時期に購入しましょう。以前の住まいで使っていた家具を移動させることで、引っ越し費用が余計にかかってしまう可能性があります。
3. 維持費についても理解しておく
マイホームを所持していると、住んでいるだけで維持費が発生します。維持費には、主に以下のようなものが該当します。
- 固定資産税:土地および物件の所有者が、毎年国に納める税金
- 修繕費:マイホームの劣化を防ぐための修繕費用
- 火災保険料:火災保険などの契約更新時に支払う料金
マイホームでかかる維持費は、年間40~50万円を目安にしておくといいでしょう。維持費がどの程度かかるのかを理解しておくだけで、初期費用を含めたマイホーム購入の見通しが立てやすくなります。
マイホームの修繕は、外壁を中心に築10年以降で実施するケースが多いです。計画的に貯金しましょう!
マイホーム購入時に初期費用を抑える4つの方法
初期費用は物件価格の15〜30%を占めるため、少しでも支払いを抑えたいですよね。この章では、安くするための4つの方法を紹介します。
- 住宅ローンに組み込む
- 仲介手数料を減らす
- 登記手続きを委託しない
- 保険料を削減する
ただし、最初の支払いを減らすだけで将来的には支払いが必要であったり、手間をかける必要があったりとデメリットも存在しています。自分に合った方法を慎重に選んでみてください。
1. 住宅ローンに組み込む
金融機関によっては、初期費用の一部をローンに組み込める場合もあります。ただし、支払い総額が減るわけではありません。むしろ利息が増えてしまう点には注意が必要です。
オーバーローンとなり、金利が高くなる可能性もあります。
どうしても初期費用を準備できない場合のみ検討してみてください!
物件売却の難易度が上がる可能性もあるため、慎重に検討しましょう。
なお、住宅ローンを組む際には注意も必要です。関連記事「【要チェック】住宅ローンの借りすぎで後悔しない7つのポイント!借り入れ額の目安や対処方法を解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!
2. 仲介手数料を減らす
諸費用の中で大きな割合を占める仲介手数料を減らせれば、初期費用はかなり抑えられます!
不動産仲介会社を通さずに、売主やデベロッパーから直接購入する場合には仲介手数料は発生しません。
また、法律で定められている「物件価格×3%+6万円+消費税」の仲介手数料は、あくまで上限であるため、交渉の余地があります。同一物件で何社か取り扱いがある場合、相見積もりを取ってみることも効果的です。
ただし、無理な交渉は相手からの印象が悪くなり、取引自体が白紙になる場合もあるので注意してくださいね。
3. 登記手続きを委託しない
住宅購入後には登記が必要です。司法書士に依頼することが一般的ですが、自身でも行えます。代行費用を抑えられるので、時間に余裕がある方におすすめです。
ただし手間がかかったり、知識が必要だったりと大変です!
代行すると、必要書類を揃えたり、法務局へ何度も足を運んだりといった時間をお金で買えます。知識量や使える時間と相談しながら判断してみてください。
4. 保険料を削減する
安い火災保険を選ぶことで初期費用を抑えられます。たとえばネット保険は人件費がかかっていないぶん、割安で加入できます。
ほかにも、クレジットカード会員だけが加入できる保険もあります!
人によって安くなる会社は異なりますので、一度調べてみるのがおすすめです。
なお、数年間分を一括払いにすることで保険料を抑えられることがあります。
初期費用に余裕がある方は参考にしてみてください。
マイホームの購入計画時は初期費用の抜け漏れを防ごう
マイホーム購入時には、物件価格の15〜30%程度の初期費用がかかります。頭金0円で家が建てられる方法も増えてきましたが、初期費用を0円にはできません。
計算しておかないと、予算内に収まらない事態も起こり得ます!
依頼している不動産会社の営業マンや信頼のおける知人に相談しながら、計画を立てて慎重に購入することが大切です。
「すーさんの相談窓口」では、ローンシミュレーションはもちろん、予算の相談やハウスメーカーの提案など幅広い相談が可能です。マイホーム購入で不安がある方は、ぜひお気軽に相談してください!