「自身の年収に対して適正な住宅ローンの金額はいくらなのかな?」
「住宅ローンを借りすぎて後悔することはある?」
「返済できなくなったときのことを考えると心配」
住宅ローンは30年程度かけて返済するため、どのくらいの金額であれば無理なく返せるのか悩んでいる方は多いでしょう。将来的に返済に行き詰まらないようにするために、住宅ローンを組む際のポイントを理解しておくことが大切です。
住宅ローンをちゃんと返せるのか心配になりますよね。
この記事では、住宅ローンについて以下の内容を解説します。
- 借り過ぎで後悔するケース
- 後悔しないためのポイント
- 適正な住宅ローンの借り入れ額の目安
- 住宅ローンを借りすぎて後悔した場合の対処方法
大手ハウスメーカーで15年勤務した僕の経験をふんだんに盛り込んでいるので、お役に立てるはずです!
住宅ローンを組む際のポイントが理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
住宅ローンを借りすぎて後悔している人は約20%
株式会社AlbaLinkが2021年におこなった「住宅ローンついての意識調査」によれば、住宅ローンを組んで後悔しているという人の割合は18.3%です。年収299万円以下の方に限定すると、25%の方が住宅ローンを組んで後悔しています。
後悔した人があげた最も多い理由は「ローンの返済に困った」ことです!
約40%と半数近い方が、住宅ローンの返済に困っている事実があります。住宅ローンを組んで後悔しないためには、しっかりとした「ローンの返済計画」を立てることが大切です。
住宅ローンの借りすぎで後悔するケース3選
住宅ローンを借り過ぎると、どのようなケースで「失敗した」と後悔するのでしょうか。こちらでは、主に以下3つのケースに分けて解説します。
- 頭金を払い過ぎてしまう
- ライフイベントを考慮しない
- 毎月の返済額が多すぎる
住宅ローンの借り入れを考えている方は、ぜひチェックしておきましょう!
1. 頭金を払い過ぎてしまう
「月々の返済額を減らしたい」と考え、頭金を多く支払おうと考えている方は少なくありません。
十分に頭金を用意しておくのは、もちろん大切です。しかし、頭金を払い過ぎて貯金がほとんどなくなってしまうのは避けたいものです。
急な出費があったときに、対応できなくなってしまう恐れがあります。たとえば、家の修繕や車の買い替えが必要になると、数十万~数百万円の支払いが求められます。
とはいえ、安易に「頭金なしで住宅ローンを組もう」と考えるのはおすすめできません!
詳しい内容は、関連記事「【よく考えて】頭金なしで住宅ローンを組んで後悔する3つの理由!メリット・デメリットも解説」にて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
2. ライフイベントを考慮しない
ライフイベントによっては、出費が大きくなったり収入が少なくなったりする場合があります。
とくに注意したいのが、出産です。
厚生労働省の調査によると、入院・分娩費用など出産費用は全国平均で1人当たり約46.7万円です。出産一時金は1児につき50万円支給されますが、超えるケースも珍しくありません。
たとえば、東京は出産費用の平均値が約55万円、中央値が約54万円と、どちらも50万円を超えています!
さらに、産休育休を取ると収入は減ります。そのため、パートナーの収入にだけ頼っていると、ローンの支払いが難しくなってしまう恐れがあるのです。
出産だけでなく、結婚や子どもの大学入学などのライフイベントも考慮に入れて住宅ローンを組みましょう!
3. 毎月の返済額が多すぎる
借入可能額と実際に返済できる額は異なります!
そのため、借入できる最大の金額で家を購入すると、毎月の支払いが難しくなってしまうケースがあります。
住宅ローンを支払う際には、どのくらい費用をかけられるのかシミュレーションをしなければなりません。収入に対して、無理なく払える支出を考えましょう。
なお、家にかかる費用は、住宅ローン以外にもあります。固定資産税や修繕費などがかかることも頭に入れておきましょう。
なお、関連記事「【対策が重要】マイホームの維持費で後悔する5つの理由!費用を抑える方法と目安も解説」では、家を購入したあとにかかる費用を解説しています。あわせてチェックしてみてください。
住宅ローンを借りすぎて後悔しないための8つのポイント
住宅ローンの借りすぎで後悔する原因は、将来的な返済の見込みの甘さです!
こちらでは、ローンを借りすぎて後悔しないためのポイントを8つ解説します。
- 年収が上がることを前提としない
- 返済期間には余裕を持たせる
- 住宅ローン控除の節税効果を過大評価しない
- 定年時に完済できるようにする
- 夫婦の収入額でローンを組まない
- 家族の変化を想定する
- 身の丈に合った家づくりをする
- 利用する金融機関を吟味する
ひとつひとつ見ていきましょう。
1. 年収が上がることを前提としない
住宅ローンの返済計画を立てる際には、年収が着実に上がっていくことを前提にしないほうが良いでしょう。
今の会社で年収が着実に上がっていく保証はありませんし、転職で給与が下がることも考えられます。
会社の経営状態や社会情勢によって、上げ幅が期待を下回ることは珍しくありません。
将来の年収の増加が不透明である以上、現在の収入をもとに借り入れ額を決めたほうが安心です!
2. 返済期間には余裕を持たせる
金利の支払いを減らすために、返済期間を短くしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、返済期間が短ければ、月々の返済金額が増えます。返済期間は繰り上げ返済で短くできますが、長期の延長はできません。
返済に余裕ができた際には繰り上げ返済をすれば良いので、無理に短く設定する必要はありませんよ!
3. 住宅ローン控除の節税効果を過大評価しない
住宅ローンは、借り入れ残高に1%を乗じた額が所得税から控除されます。
借り入れ額が大きいほど控除額は大きくなります!
しかし、住宅ローン控除があったとしても大きな節約になるわけではありません。住宅ローン控除は、借り入れ負担を減らすための補助的な制度と考えておくべきでしょう。
4. 定年時に完済できるようにする
住宅ローンの借り入れ期間は、定年時に完済できるように設定しましょう。多くの金融機関では完済年齢を80歳まで許容していますが、年金生活で返済を続けることは困難です。
また、退職金を使って完済する計画もできるだけ避けたほうが安心です。
退職金の金額は変動する可能性がありますし、住宅ローンの返済で使ってしまえば老後資金が不安ですよね!
住宅ローンは、給与所得の範囲で返済できる計画を立てましょう。
5. 夫婦の収入額でローンを組まない
共働きの世帯では、夫婦でローンを組む「ペアローン」を利用するケースがあります。
夫婦の年収を基準にすると、1人よりも多くの借り入れができるためよく利用されている制度です!
しかし、育児や家庭の事情、会社の業績悪化などから、どちらかの収入が大きく減った際に返済が苦しくなります。
多額の借り入れができるという理由から、安易にペアローンを組むことは避けたほうが安心です。
6. 家族の変化を想定する
住宅ローンを組む際は、子どもの進学や親の介護によって家計の支出が増えることを想定しましょう。住宅ローンは長期間に及ぶため、借り入れ時から家庭の状況が変化します。
借り入れ時に返済できるぎりぎりの金額であった場合、将来的に支払いに苦労する可能性が高くなります!
長期間返済が続く住宅ローンでは、家計の変化に対応できるように月々の支払額に余裕を持たせられるようにしておきましょう。
7. 身の丈に合った家づくりをする
家を建てる際、多くの人は理想の住宅を追求してしまいがちです!
しかし、理想を追求するあまり、身の丈に合わない金額の家を建てると返済に苦労します。
住宅ローンは、普段の生活では扱わない大きな金額の借り入れです。金銭感覚が麻痺して、正常な判断ができないことがあります。
家を建てる際には、自身の返済能力にあった金額であるか冷静に考えましょう。客観的に判断するのが難しい場合には、専門家に相談するのがおすすめです。
「すーさんの相談窓口」では、大手ハウスメーカーに15年間勤務した僕の経験をもとに、あなたの家づくりを徹底的にサポートいたします!
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8. 利用する金融機関を吟味する
住宅ローンを提供している金融機関はさまざまです。金利や優遇される条件などが異なるため、吟味して選ぶ必要があります。
なお、給与振込の口座がある銀行でローンを契約するのは控えましょう!
審査が通りやすかったり、滞納したりするリスクが少なかったりしますが、必ずしも条件がよいとは限らないためです。
とはいえ、豊富な住宅ローンをひとつひとつ比べるのは労力がかかりますよね…!
住宅ローンのリサーチには「モゲチェック」がおすすめです。登録情報と銀行の審査基準をもとに、あなたにぴったりの金融機関を提案してくれます。
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
適正な住宅ローンの借り入れ額の目安|手取りの20%程度
適切な借り入れ額に悩んでいる方は、年間の返済額が手取り年収の20%を超えない範囲を目安にしましょう!
一般的に金融機関がローン審査をする際には、返済比率という数値を用います。返済比率は、額面年収の20%程度が基準です。
しかし、額面年収は所得税などが含まれているため、手取りよりも多い金額が掲載されています。そのため、額面年収の20%でローン契約をすると、実質的に20%以上の返済が必要です。
たとえば、額面年収が400万円(月収30万円・ボーナス40万円)の方の場合、20%は80万円です。とはいえ、額面年収400万円の場合、手取りは320万円程度になることを考慮する必要があります。
年収320万円(月収26.6万円)から年間80万円を返済した場合、割合は25%です。ボーナスを除いた月々の給与に換算すれば、月収26.6万円から6.6万円も返済に充てなければなりません。
金融機関の額面年収を基準にした返済比率に比べ、手取り年収に占める返済額の割合は大きくなります。
自分にあった借り入れ額を検討する際には、手取り年収を基準に20%程度の範囲に収まるようにしましょう!
なお、住宅ローンの借り入れで迷った際には、相談窓口を活用するのがおすすめです。お金や家づくりのプロからアドバイスをもらうことで、失敗を避けられます。
相談窓口については、関連記事「【絶対見て】住宅ローンの相談はどこにする?タイミングや比較ポイントもあわせて解説」で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
住宅ローンを借りすぎて後悔した場合の対処法5選
住宅ローンを借りすぎてしまった際には、返済額を減らす必要があります。こちらでは、住宅ローンを借りすぎて後悔した場合の対処方法を5つ紹介します。
- 返済方法を変更する
- 金利の低い住宅ローンに借り換える
- 安い物件に買い替える
- 賃貸に住み替える
- リースバックする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 返済方法を変更する
一定期間だけ返済が困難になる場合は、返済方法の変更で対応します。以下3つの変更で、月々の返済額を抑えられます。
- 返済期間の延長
- 一定期間の元本据え置き
- ボーナス返済額の変更
返済期間は、半年~3年程度の期間で延長可能です。元本据え置きは、一定期間だけ月々の返済を利息分のみにできます。
またボーナスの返済額を変えることで、月々の支払い額の増減調整が可能です。
いずれの方法も、返済総額を減らせるわけではないため、根本的な解決にはなりません。
返済方法の変更は、特定の期間だけ支払いが困難になった場合の対処方法です!
2. 金利の低い住宅ローンに借り換える
住宅ローンの借り換えをおこなうことで、金利を低く抑えられる可能性があります。
住宅ローンを組んだ後であっても、借り入れをおこなう金融機関は変更できます。
住宅ローン比較サービス「モゲチェック」を運営する株式会社MFSが2021年におこなった「住宅ローン選びの後悔」調査によれば、後悔の原因で最も多く挙げられた回答(31.7%)は「もっと金利の低い金融機関を選べば良かった」です。
また、借り換えられることを知らない人は、30歳代では40.4%にのぼりました。
わずかな金利の差であっても、何十年と支払い続ければ差額は大きくなりますよ!
「金利が高い」と感じたら、他の金融機関の金利を調べてみましょう。
3. 安い物件に買い替える
住宅ローンを組んだ家を売却して、安い物件を購入すれば返済額を抑えられます。具体的には「中古物件への買い替え」「マンションから戸建てへの買い替え」などです。
マンションの場合、管理費や修繕積立金など住宅ローンの返済以外にも様々な費用がかかるため、戸建てへの買い替えで月々の住居費を抑えられる可能性があります!
売却益だけで住宅ローンを完済できなかった場合であっても、任意売却という方法を取れば買い替えが可能です。任意売却とは、債権者(住宅ローンを借りている金融機関)の許可を受けて住宅を売却する方法です。
また、一般市場で売却ができないケースでは、不動産会社に買い取ってもらう方法があります。
不動産会社に売却できれば、買主を探す手間がなくなりスムーズに手続きが可能ですよ!
4. 賃貸に住み替える
住宅ローンを組んだ家を売却して、賃貸物件に住み替える方法があります。住宅ローンの月々の返済額よりも家賃が安い場合、月々の住居費を抑えられます。
住宅ローンを組んだことに後悔している場合、賃貸物件への住み替えは根本的な解決方法です!
ただし、賃貸物件に住み替える場合は、家の売却益で住宅ローンを完済する必要があります。また、生涯家賃を支払わなければならないため、慎重な検討が必要です。
5. リースバックする
買い替えや賃貸への住み替えは、引っ越しが必要です。
住居を当面変えたくないという場合は、リースバックという方法があります!
リースバックとは、自宅を不動産会社に売却したうえで、同じ家を賃貸物件として借りる方法です。また「買い戻し特約」により、将来的に同じ家を再度購入できます。
ただし、売却価格は通常の住宅市場に比べて安くなる傾向があります。また、賃貸契約の期間は通常2年程度であるため、長く住み続けられません。
不動産会社は、物件の第三者への売却を目的にリースバックで買い取っているためです。
リースバックは長期間自宅に住み続けられませんが、住宅ローンを完済できるため返済に苦労している方にとっては有力な選択肢と言えます!
住宅ローンの借りすぎで後悔したら専門家に相談しよう
住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、将来の仕事や家庭の変化に対応できる返済計画を立てる必要があります。
生涯同じ会社に勤め続けるとは限らないため、将来の年収の見通しを立てることは困難です。また家族の病気や介護など、家計の支出が大きく変わることも珍しくないでしょう。
想定していなかった状況で返済が困難になった場合は、買い替えや住み替えなどの選択肢があります!
もしもの場合に備えて、返済が困難になった場合の対処方法を理解しておきましょう。
自身の支払い能力にあった家づくりを考える際には、専門家に相談することが大切です!
「すーさんの相談窓口」では、住宅会社の選び方から住宅ローンの組み方まで、家づくりに関する様々な相談を受け付けています。予算に限りはあるけれど、少しでも理想に近い家づくりをしたいという方はお気軽にご相談ください!