「マイホームを建てたら、毎月どれくらいのお金がかかる?」
「毎月の固定費を抑える方法を知りたい」
「税金の減免措置や控除はありのかな?」

マイホームって建ててからローンの返済以外にどんな費用がかかるのか、不安に感じている方は多いのではないでしょうか?
初期費用にばかり気を取られて、毎月かかる費用を準備できないと維持が困難になります。建ててから「こんなはずじゃなかった」とならないために、あらかじめ毎月どの程度の費用が必要なのか理解しておくことが大切です。
この記事では、マイホームに毎月かかるお金について以下の内容を解説します。
- マイホームに毎月かかるお金の目安
- マイホームにローン以外で毎月かかるお金
- マイホームに毎月かかるお金を節約する方法
費用面で後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください!


マイホームに毎月かかるお金の目安は9~14.5万円程度


マイホームに毎月かかるお金の内訳は、以下のとおりです。
かかるお金 | 金額 |
---|---|
住宅ローンの返済 | 8~12万円/月(95~140万/年) |
固定資産税 | 8千~1.25万円/月(年間10~15万円/年) |
都市計画税 | 2.5~4千円(3~5万円/年) |
水道光熱費 | 3~4万円/月 |
火災保険料 | 2.5~8.3千円(3~10万円/年) |
毎月かかるお金の中でも、住宅ローンの返済額がもっとも大きな割合を占めます。返済額は、令和3年度国土交通省の住宅市場動向調査の以下の数値を参考にしています。
年間平均額 | 月間平均額(年間平均額/12) | |
---|---|---|
注文住宅 | 139.4万円 | 11.6万円 |
分譲住宅 | 137.2万円 | 11.4万円 |
中古住宅 | 95.2万円 | 7.9万年 |
固定資産税は、不動産を所有している間は毎年支払わなければなりません。都市計画税は、住宅の立地によっては不要です。いずれも1年に1回の支払いです。
水道光熱費は、総務省家計調査(令和4年3月)によると平均約3.2万円。季節による変動はもちろん、断熱性といった住宅性能によっても変わってきます。



光熱水費は電気料金の値上げも考慮して、多めに見積もっておくと良いですね!
火災保険料は、住宅ローンを組む際の条件とされている場合があります。このほか、新築の住宅であっても、5~20年程度の頻度でのメンテナンス費用も必要です。
マイホームにローン以外で毎月かかる5つのお金


マイホームには、ローン以外にも税金や水道光熱費など様々な費用がかかります。



こちらでは、それぞれの費用の計算方法や概要について詳しく解説していきます!
- 固定資産税(年間)
- 都市計画税(年間)
- 火災保険料
- メンテナンス料(5~20年)
- 水道光熱費
請求が来てから困らないように、一つひとつ確認しておきましょう。
1. 固定資産税(年間)
固定資産税とは、不動産にかかる税金です。毎年1月1日時点で、土地と建物の所有者に請求されます。



不動産を所有している限り、毎年支払いが必要です!
固定資産税は「課税標準額×1.4%」で計算します。課税標準額とは、一般的には不動産評価額(実勢価格)の50~70%です。
つまり住宅価格が2,000万円の場合、課税標準額の目安は1,000~1,400万円となり、固定資産税は14~19.6万円/年です。
ただし固定資産税は、以下の表のとおり減税措置があります。
課税対象 | 減税措置 |
---|---|
【建物】一戸建て住宅 | 3年間・1/2を減額(120㎡相当分が限度) |
【建物】マンション(3階建て以上の耐火・準耐火建築物) | 5年間・1/2を減額(120㎡相当分が限度) |
【土地】小規模住宅用地(200㎡までの部分) | 評価額×1/6 |
【土地】一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額×1/3 |
減税措置は、一戸建て住宅とマンションの場合、令和6年3月31日までに購入した新築物件が対象です。
2. 都市計画税(年間)
土地計画税とは、市街化区域内に土地と建物を所有している方にかかる税金です。市街化区域とは、都市計画によって整備が進められている地域のことです。



ご自身が所有する土地が市街化区域内であるかは、市役所や不動産会社などで調べられます!
都市計画税は「課税標準額×0.3%」で計算します。たとえば、1,000万円の土地の都市計画税は、3万円です。
都市計画税は、土地に対してのみ以下の条件で減税措置が設けられています。
課税対象 | 減税措置 |
---|---|
【土地】小規模住宅用地(200㎡までの部分) | 評価額×1/3 |
【土地】一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額×2/3 |
建物にも課税されますが、その場合の減税措置はありません。
3. 火災保険料
火災保険への加入は、住宅ローンを組む際に条件となっている場合があります。年間3~10万円が相場であり、主に以下の5点で金額が変わります。
- 建物の種類(一戸建て、マンションなど)
- 建物構造(災害耐性)
- 建物の評価額(建物、家財)
- 保険の内容
- 保険の期間
一般的に、地震保険をつけると年間10万円程度です。
4. メンテナンス料(5~20年)
メンテナンス料は、毎月支払いが発生するわけではありませんが、将来の負担に備えて貯蓄しておく必要があるでしょう。



新築の住宅であっても、5~20年程度経つとメンテナンスが必要になります!
不動産情報サービスのアットホームの「一戸建て修繕の実態に関する調査」によれば、居住を始めてから30年以上経った方が修繕にかけた費用の平均は、木造住宅で470.2万円、鉄筋・鉄骨造で617.7万円です。
主な修繕内容や費用は、以下の表を参考にしてみてください。
修繕内容 | 修繕が必要になる築年数 | 修繕費用の目安 |
---|---|---|
外壁塗装 | 10~20年 | 100~150万円 |
屋根塗装 | 15~20年 | 50~100万円 |
軒先・軒裏塗装 | 15~20年 | 30~50万円 |
床下・シロアリ対策 | 5~20年 | 30~50万円 |
クロス張替え | 5~10年 | 20~60万円 |
フローリング張替え | 15~20年 | 20~60万円 |
トイレ・お風呂・キッチンの部品交換 | 10~20年 | 100~150万円 |
アットホームの調査によれば、修繕を行った場所でもっとも多かったのが「外壁」、次に「屋根」「トイレ」と続きます。
5. 水道光熱費
マイホームで生活を始めれば、水道光熱費がかかります。総務省家計調査報告(2023年3月)によれば、毎月かかる水道光熱費の目安は以下の表のとおりです。
項目 | 月額 |
---|---|
電気代 | 17,228円 |
ガス代 | 7,891円 |
ほかの光熱費 | 1,813円 |
上下水道料 | 5,090円 |
合計 | 32,022円 |
水道光熱費の合計額の平均は、約3.2万円です。電気代の高騰を考慮して、余裕を持って見積もっておきましょう。
マイホームに毎月かかるお金を節約する方法4選


マイホームには、住宅ローンの返済のほか、税金や保険料など様々な費用がかかります。



毎月かかるお金は、少しでも節約したいですよね!
こちらでは、マイホームに毎月かかるお金を節約する4つの方法を解説します。
- エコ住宅を購入する
- 住宅ローン控除を利用する
- 住宅ローンをボーナス等で繰り上げ返済する
- 金利の低い住宅ローンに借り換えする
一つひとつ見ていきましょう。
1. エコ住宅を購入する
エコ住宅とは、高断熱や省エネ性能の高い住宅を指します。断熱性の高い家は、外気の温度変化の影響を受けにくいため、冷暖房費の節約につながります。



エコ住宅は、国が推奨する性能を保持していれば補助金も受けられますよ!
以下の表は、国が行うエコ住宅に対する補助金の一覧です。
補助金名 | 対象 | 補助金額 |
---|---|---|
こどもエコすまい支援事業 | 「高い省エネ性能を持つ住宅」を建てる方で、18歳未満の子どもがいるまたは夫婦どちらか39歳以下。 | 100万円/戸 |
ZEH支援事業 | ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を建てる方 | 55~100万円 |
LCCM住宅整備推進事業 | LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅を建てる方 | 140万円/戸 |
地域型住宅グリーン化事業 | 認定長期優良住宅等を建てる方 | 90万円~ |
水道光熱費は毎月必ずかかる費用であるため、エコ住宅は長期的に見ると大きな節約になるでしょう。
2. 住宅ローン控除を利用する
住宅ローンを組んだ場合、年末時点での住宅ローンの残高の0.7%が13年間、所得税や住民税から控除されます。住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」と言います。
ただし、住宅ローン控除を受けるには、以下の4つの条件を満たさなければなりません。
- 住宅ローンの返済期間が10年以上
- 物件を取得してから6か月以内に入居すること
- 登記簿上の床面積50㎡以上、1/2以上が自己の居住用であること
- 所得が2,000万円以下であること



建物の種類によって控除の上限額が決まっている点に注意してください!
3. 住宅ローンをボーナス等で繰り上げ返済する
毎月の住宅ローンの返済を減らしたい方は、ボーナスといったまとまったお金が入った際に繰り上げ返済をしましょう。



繰り上げ返済はすべて元本に充てられるため、金利の支払総額を抑えられます!
また、繰り上げ返済には、主に以下の2つの方法があります。
- 期間短縮型
- 返済額軽減型
期間短縮型とは、月々の返済額を減らさずに返済期間を短くする方法です。一方、返済額軽減型は、期間を変えずに毎月の支払額を減らす方法を指します。
毎月の支払いを減らしたい場合には「返済額軽減型」を選択しましょう。ただし、支払総額は「期間短縮型」のほうが抑えられます。
4. 金利の低い住宅ローンに借り換えする
住宅ローンの金利は、金融機関によって異なります。支払いが始まってからであっても、ほかの金融機関に借り換えが可能です。



住宅ローンの返済は数十年間続くため、金利の小さな差であっても総額は大きく変わってきます!
住宅ローン金利の比較には「モゲチェック」を活用してみてください。複数の金融機関を一括で比較できるため便利です。
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!


家を建てる際には毎月かかる費用を計算しておこう


マイホームを建てる際には、頭金といった初期費用や住宅ローンの返済に目が行きがちです。
しかし、マイホームを建てることで、固定資産税を含む税金や火災保険料などの費用が毎年かかってきます。



また、将来のメンテナンス費用も無視できません!
マイホームを建てることを検討している方は、毎月かかる費用を事前に計算しておきましょう。
マイホームの購入は、多くの方にとって人生で一度きりです。マイホームを建てることに不安を抱えている方は、プロに相談しましょう。



私はハウスメーカーの営業マンとして、数多くの方のマイホームの購入をサポートしてきた実績があります!
知識がまったくない方でも、ぜひお気軽にご相談ください。

