「マイホームを買うときの頭金とは?」
「頭金はいくら払うものなの?」
「頭金がゼロでもマイホームは買える?」
マイホームを購入する際、頭金の支払い金額に悩む方は多いのではないでしょうか。
しっかり考えることなく頭金の支払い額を決めてしまうと、数百万円損をすることもあります…
正しく金額を決められれば無駄な出費を抑えられるので、金銭的な余裕も生まれやすいでしょう。
この記事では、ハウスメーカーに15年間勤務した経験のある筆者が、以下の内容を解説します。
- 頭金についての基礎知識
- マイホーム頭金の平均支払い額
- 頭金ゼロで住宅を購入する注意点
マイホームの支払いで、損をしたくない方に必見の内容です。この記事を参考に、頭金の理解を深めてください。
マイホーム購入時に支払う頭金とは?手付金との違いについても解説
こちらでは、マイホームを購入する際に支払う頭金の概要について解説します。
- 頭金はローンとは別に支払うお金のこと
- 手付金との違い
「頭金と手付金って同じだと思っていた」という方は、必見ですね!
1. 頭金はローンとは別に支払うお金のこと
頭金とは、ローンを使ってマイホームを購入する際に、商品代金の一部を契約時に支払うお金のことです!
頭金を支払うことでローンを借りる金額を抑えられるので、金利が下がり支払い総額を減らせます。
たとえば、3,000万円の住宅を金利1%のローンを組んで購入する場合、支払い額の違いは以下のとおりとなります。
頭金あり | 頭金なし | |
---|---|---|
頭金の金額 | 500万円 | 0円 |
住宅ローンの金額 | 2,500万円 | 3,000万円 |
利息(1%の場合) | 25万円 | 30万円 |
支払い総額 | 3,025万円 | 3,030万円 |
頭金を支払うと、支払い総額を下げられることがわかるでしょう。
ローン金額が減るので、月々の支払いが楽になりますね!
2. マイホームの頭金と手付金の違い
手付金とは売買契約を確実にするために、買い手が売り手に支払うお金のことです!
買い手は支払った手付金を手放すことで、契約を解除できます。また、売り手が受け取った手付金の倍額を買い手に支払うと、契約の解除が可能です。
一方、頭金には手付金のような効力はありません。
手付金は頭金とは違い法的な力があり、売り手と買い手の信頼性を強固にすることを覚えておきましょう!
なお、支払った手付金は、最終的に住宅購入費用に充てられます。
マイホーム頭金の平均支払い額は住宅価格の1〜2割
マイホームの頭金と融資額の割合の平均は、以下のとおりです。
住宅種類 | 融資額 | 頭金(割合) | その他資金 |
---|---|---|---|
注文住宅 | 3,717万円 | 641.2万円(18.7%) | 108.3万円 |
土地付き注文住宅 | 4,694万円 | 449.6万円(9.6%) | 226.7万円 |
建売住宅 | 3,719万円 | 317.7万円(8.5%) | 216.4万円 |
中古一戸建て | 2,704万円 | 274.3万円(10.1%) | 137.5万円 |
マンション | 4,848万円 | 987.8万円(20.4%) | 168.7万円 |
中古マンション | 3,157万円 | 528.9万円(16.8%) | 118.5万円 |
参考:2022年度 フラット35利用者調査
取得した住宅の種類や購入者の年齢などに違いはありますが、頭金は1~2割程度支払っている人が多いことがわかります。
1〜2割程度支払う必要があるわけではないので、あくまで参考程度に理解しておきましょう!
【価格別】マイホームの頭金のシミュレーション
「マイホーム購入時の頭金はどのくらいかかるのか」と考えている方は、多いのではないでしょうか。こちらでは、以下3つの物件価格別に、ローン返済額や月々の支払い額をシミュレーションしてみましょう。
- 2,000万円
- 3,000万円
- 4,000万円
なお、借り入れ金利は1%、借り入れ期間は35年と想定しています!
1. 2,000万円の家の頭金
頭金 | ローン返済額 | 月々の支払い額 |
---|---|---|
0円 | 23,711,746円 | 56,457円 |
100万円 | 22,526,399円 | 53,634円 |
200万円 | 21,340,799円 | 50,811円 |
300万円 | 20,155,199円 | 47,989円 |
400万円 | 18,969,599円 | 45,166円 |
500万円 | 17,783,999円 | 42,343円 |
2,000万円の家だと、頭金がなくとも月々の支払いが6万円を下回ります。マイホームの価格を抑えると、頭金がない状態でも家計を圧迫する可能性が低いでしょう。
2. 3,000万円の家の頭金
頭金 | ローン返済額 | 月々の支払い額 |
---|---|---|
0円 | 35,567,998円 | 84,686円 |
100万円 | 34,382,398円 | 81,863円 |
200万円 | 33,196,798円 | 79,040円 |
300万円 | 32,011,198円 | 76,217円 |
400万円 | 30,825,598円 | 73,394円 |
500万円 | 29,639,998円 | 70,571円 |
3,000万円の家は、月々の支払いが7~8万円程度です。また、頭金0円の場合と500万円支払った場合とでは、月々の支払いに1万円以上差が出ることがわかります。
35年という長い期間で考えると、ローン返済額も大きな差が生まれていますね!
3. 4,000万円の家の頭金
頭金 | ローン返済額 | 月々の支払い額 |
---|---|---|
0円 | 47,423,997円 | 112,914円 |
100万円 | 46,238,397円 | 110,091円 |
200万円 | 45,052,798円 | 107,269円 |
300万円 | 43,867,198円 | 104,446円 |
400万円 | 42,681,598円 | 101,623円 |
500万円 | 41,495,998円 | 98,800円 |
頭金なしの場合と500万円の頭金を支払った場合では、総支払い額に約100万円もの差が生まれます。
同じものを購入するなら、総支払い額は少しでも安くしたいですよね!
ローンを借りる前には頭金と借り入れ金額について計算をして、細かく数字を把握しましょう。
「マイホームの頭金をいくら用意すればよいのかわからない」「数百万円も貯められるのか不安」という方は、ぜひ「すーさんの相談窓口」を利用してみてください。大手ハウスメーカーで15年間営業していた経験を活かし、住まいに関するあらゆるお悩みを解決に導きます。
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マイホームは頭金ゼロでも購入できる!気をつけるべき4つのポイント
マイホームは、頭金がなくとも購入できます。不動産会社によっては「頭金0円でも契約できる」と、うたい文句を掲載しているところもあるでしょう。
しかし、頭金なしで家を購入する際には、以下4つの注意点を把握しておく必要があります。
- 支払利息が増える
- ローン審査が厳しくなる
- 担保割れの可能性がある
- 諸経費は現金が必要なケースが多い
「少しでも頭金を用意しておけばよかった」と後悔しないよう、注意点を押さえておきましょう!
1. 支払利息が増える
頭金がゼロの状態だと、それだけ借りる額が増えることになります。利息は借入金に対してかかるため、借りる額が多ければ多いほど、負担が大きくなるということです。
たとえば、4,000万円の家を購入したときの頭金の額ごとの利息負担を比較してみましょう。
頭金 | ローン返済額 | 利息の合計額 |
---|---|---|
0円 | 47,423,997円 | 7,423,997円 |
100万円 | 46,238,397円 | 7,238,397円 |
500万円 | 41,495,998円 | 6,495,998円 |
頭金が多いほど、支払う利息が少なくなっていることがわかります!
毎月の返済額も増えるため、購入後に無理なく支払っていけるのかを考える必要があります。
2. ローン審査が厳しくなる
頭金がない場合、頭金を用意している場合と比べてローンが通りにくくなる恐れがあります。物件を売った際に、売却価格が住宅ローンの残高よりも安くなるリスクがあるためです。
物件売却後に住宅ローンの返済ができなくなった場合、金融機関が取り戻せるお金が少なくなることが予想できます。そのため、頭金ゼロだとリスクが高いと判断されてしまい、ローン審査が厳しくなりやすいのです。
頭金ゼロでローンを借りたいのなら、複数の金融機関に審査を依頼する必要がありそうですね!
3. 担保割れの可能性がある
担保割れとは、住宅ローンの残高が売却額を上回る状態です。「オーバーローン」と呼ばれることもあります。
たとえば、家の売却額が3,000万円で、住宅ローンの残高が3,500万円だと、500万円の担保割れです!
頭金がゼロだと、利息が高くなります。支払い総額が高くなるため、担保割れしてしまう可能性が高くなるのです。
4. 諸経費は現金が必要なケースが多い
マイホームを購入する際には、住宅や土地の価格以外にも多くの費用がかかります。たとえば、以下の費用を支払う必要があります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 各種保険料
これらの諸費用はローンに含めず、現金で支払うことが一般的です。頭金も同様に、現金で支払うことが多いです。
諸費用も含めてローンを組むことは可能ですが、借り入れ金利が高くなるのであまりおすすめできません…!
住宅購入の諸費用については、関連記事「【よく考えて】頭金なしで住宅ローンを組んで後悔する3つの理由!メリット・デメリットも解説」にて詳しく解説しています。安く抑える方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
マイホームの頭金の金額を決める際の3つのポイント
ここでは、マイホーム頭金の金額を決める際の3つのポイントを解説します。
- 毎月の家計収支を把握する
- 預貯金とのバランスを考える
- 支援を受けられるか確認する
全て理解してから金額を決めていきましょう。
1. 毎月の家計収支を把握する
毎月の家計収支を把握すると、月々に支払える住宅ローンの金額がわかります。住宅ローンで支払える金額の目安ができるので、頭金の金額を明確にできます。
また、不要な出費が洗い出せるので節約につながり、浮いたお金を頭金として貯金できるでしょう。
頭金を準備する際には、目標金額と期間を明確にすると、貯金に成功しやすくなります!
余裕を持って住宅ローンの支払いができるように、頭金を用意しましょう。
2. 預貯金とのバランスを考える
頭金を支払いすぎてしまうと生活に悪影響を与える可能性があるので、預貯金とのバランスを考えましょう。
貯金額の目安は、生活費の3〜6ヶ月分です!
事故や怪我などの急な出費に対応できるため、月々のローン支払いにも余裕が生まれます。
自営業者や歩合制などの収入に波のある仕事をしている場合には、生活費の1年分を貯金しておくと良いです。
貯金があれば急に収入が下がった場合でも、不安を感じずに生活できますよね!
なお、マイホームを購入する際の貯金額については、関連記事「【見ないと損】家を建てるのに必要な貯金額は400〜600万円!貯金なしが難しい理由や注意点も解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. 支援を受けられるか確認する
住んでいる市区町村によっては、住宅購入支援をしている場合があります!
たとえば、以下のような支援があります。
- こどもみらい住宅支援事業
- 地域型住宅グリーン化事業
- ZEH補助金 など
また、両親から支援を受ける場合には、贈与税が軽減されることを覚えておきましょう。通常110万円以上の贈与は課税対象となりますが、住宅購入が目的なら最大1,000万円までが非課税です。
住んでいる地域や親族の力を借りて、マイホームにかかる費用負担を軽減させられないか確認してみてください。
参考:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
マイホームの頭金は預貯金とのバランスを考えよう
マイホームを購入する際に頭金を支払うことで、利息金額を減らせます。とはいえ、払いすぎてしまうと日々の生活に悪影響を与えたり、急な出費に対応できなかったりするリスクがあることには注意が必要です。
マイホームを購入する際の頭金は預貯金とのバランスを考えて、無理のない金額を支払いましょう!
「どうしても頭金の支払い額を決められない」「貯金がなくて頭金を支払えない」などのお悩みがあれば、ぜひ「すーさんの相談窓口」をご活用ください!
頭金といったお金に関することはもちろん、ハウスメーカーや間取りの決め方など、あらゆるお悩みを受け付けています。
不安や疑問を残さないためにも、お気軽にご相談くださいね!