「家を建てる際の初期費用の目安を知りたい」
「新築と中古住宅では、初期費用に違いはあるの?」
「頭金0円の住宅ローンを借りれば、自己資金なしでも家を建てられるのかな?」
住宅ローンを組んだとしても、最初にどのくらい費用が必要かわからず不安を抱えている方は多いのではないでしょうか?
近年は頭金なしでも借りられる住宅ローンも増えてきたため、初期費用なしでも家を建てられると考えている方もいるかもしれません。
しかし、家を建てる際には家本体や土地以外にもさまざまな費用がかかります。
この記事では、家を建てる際に必要な初期費用について以下の内容を解説します。
- 初期費用の目安
- 初期費用の内訳
- 安く抑える方法
- 注意点
家を建てる際に必要な金額が具体的にシミュレーションできる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください!
家を建てる際の初期費用は物件価格の15~30%
家を建てる際には、以下の2つの費用が必要です。
- 住宅ローンの頭金:購入価格の10~20%
- その他初期費用:購入価格の3~10%
2つの費用を合わせると、物件価格の15~30%程度になります!
具体的には、フラット35利用者調査(2022年度)の購入価格平均を元に算出すると、初期費用は以下の表の金額になります。
購入価格平均 | 初期費用目安 | |
---|---|---|
注文住宅(土地付き) | 4,018万円 | 602~1,206万円 |
建売住宅 | 3,185万円 | 477~956万円 |
中古一戸建て | 2,292万円 | 343~688万円 |
マンション | 3,692万円 | 553~1,108万円 |
中古マンション | 2,509万円 | 377~753万円 |
たとえば、3,500万円以上の物件を購入すると、最大1,000万円以上の初期費用が必要ということですね!
ただし、初期費用は条件によって大きく異なるので、一つひとつの費用を確認することが大切です。
家を建てる際の初期費用は分割できない
初期費用が大きく必要になった際には、分割で支払えないかと考える方も多いでしょう!
住宅本体と土地は住宅ローンで支払えますが、初期費用は分割できません。
頭金なしの住宅ローンを借りたとしても、初期費用の準備は必要です。手持ち資金0円では、家は建てられません。
これから家づくり、資金調達についての勉強をされる方は、LIFULL HOME’Sの「はじめての家づくりノート」を入手してみてください。
家づくりのスケジュールや住宅ローンの選び方など、マイホームの購入にあたっての基本的な知識が身につくのでおすすめです。
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
家を建てる際に必要な9つの初期費用
家を建てる際には、住宅ローンを借りたとしても初期費用の準備が必要です。こちらでは、9つの初期費用について解説します。
- 頭金
- 手付金
- 申込証拠金(新築の場合)
- 仲介手数料(中古の場合)
- 登記費用
- 税金
- 住宅ローン諸費用
- 火災保険料
- 新築工事の準備費用
新築、中古によって必要な初期費用が変わります。一つひとつ確認してみてください。
1. 頭金:物件価格の10~20%
住宅ローンを組む場合の頭金は、一般的には10~20%程度が必要です。ただし、多くの金融機関では頭金なしでも住宅ローンを組めます。
頭金なしで住宅ローンを組むと「借り入れ期間が伸びる」「月々の返済が増える」といったリスクがあるので、検討が必要です!
定年退職後も住宅ローンを返済する必要があると、経済的に負担を感じる可能性があるため、十分注意しましょう。
なお、関連記事「【貯金0はNG】マイホームの頭金は住宅価格の1〜2割が目安!支払うメリット・デメリットや注意点を解説」では、頭金についてより詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。
2. 申込証拠金(新築の場合):2~10万円
申込証拠金は、契約締結前に支払うお金です。売買契約は完了していませんが、申込証拠金を支払えば売主は他の人に売れません。
住宅ローンの審査で正式な契約までに時間がかかる場合に、申込証拠金を支払って物件を押さえておけば安心ですね!
法律で金額の定めはありませんが、2~10万円程度が相場です。
買主は申込証拠金を支払った後でも、購入キャンセルができます。キャンセルした場合は返金され、契約を締結した場合は手付金の一部になります。
3. 手付金:物件価格の5~10%
手付金とは、売買契約の締結時に契約の証拠として買主から売主に支払うお金です。
相場は、物件価格の5~10%です。法律で20%以上の手付金を受け取ることは、禁止されています。
手付金は住宅購入の支払いに繰り入れられますよ!
4. 仲介手数料(中古の場合):物件価格×3%+6万円+消費税
中古住宅を購入する場合には、物件を仲介した不動産会社に手数料を支払う必要があります。新築の場合には、仲介手数料は不要です。
仲介手数料の金額は、宅地建物取引業法で定められており「物件価格×3%+6万円+消費税」で計算します。
5. 登記費用:固定資産税評価額×2%+代行料
土地と建物を購入した後には、法務局に登記が必要です!
登記する際には「登録免許税」という税金の支払う必要があります。
登録免許税は「固定資産税評価額×2%」で計算します。また登記の手続きを司法書士に依頼する場合には、代行料も必要です。
6. 税金
住宅購入時には、以下の3つの税金がかかります。
税金 | 概要 |
---|---|
不動産取得税(購入時のみ) | 固定資産税評価額の3~4% |
印紙税(購入時のみ) | 1,000万円超・5,000万円以下の場合2万円 |
固定資産税(毎年) | 8〜15万円ほど |
都市計画税(毎年) | 3〜5万円ほど |
不動産取得税と印紙税は購入時にのみかかり、固定資産税・都市計画税は毎年かかる税金です!
印紙税はすべての課税文書にかかる税金で、住宅購入時には「不動産売買契約書」や「建築工事請負契約書」に必要です。
固定資産税・都市計画税は1月1日時点の所有者に課税されます。中古住宅を購入した場合など、年の途中で所有者が変わる場合は日割りで買主が売主に支払います。
7. 住宅ローン諸費用
住宅ローンを利用する場合には、以下の4つの費用が必要です。
費用 | 概要 |
---|---|
事務手数料 | 借り入れ額の1~3% |
保証料 | ・前払い型:数10万~100万円 ・金利上乗せ型:借り入れ額の0.2% |
印紙税 | 2~4万円 |
抵当権設定費用 | 借り入れ額×0.1~0.4% |
保証料は、ローンを返済できなくなった場合に、保証会社から支払いを代行してもらうために必要なお金です。
以前は連帯保証人を付けることが一般的でしたが、現在は金融機関が指定する保証会社と保証契約を結びます!
保証金は一括で「前払い」する方法と毎月の返済時に支払う「金利上乗せ型」の2つのパターンを選べます。前払い型の場合には、数十万円~100万円程度の準備が必要です。
抵当権設定費用とは、物件に金融機関の権利を付ける際に必要な「登録免許税」と司法書士への代行費用です。抵当権は、返済ができなくなった際に金融機関が債権を回収するために必要な手続きです。
住宅ローンに関する諸費用は、金融機関によって異なります。借り入れの金利も異なるため、住宅ローンを組む際には金融機関を比較検討する必要があります。
金融機関の比較検討の際には、モゲチェックをご利用ください。複数の金融機関の金利を簡単に比較できるためおすすめです!
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
8. 火災保険料:3~10万円/年
住宅ローンを組む際には、火災保険への加入が条件とされている場合が多くあります。火災保険は、年間3~10万円程度の費用が必要です。
一般的に、地震保険を含めると年間10万円ほどになります!
9. 新築工事の準備費用(新築一戸建ての場合)
新築一戸建てを建てる場合には、以下の2つの費用が必要になることも。
費用 | 概要 |
---|---|
地盤改良工事費用 | 30~150万円 |
水道負担金 | 15~30万円 |
住宅建設地の地盤が弱い場合、地盤改良工事をする必要があります!
地盤改良工事費用は、工法によって大きく金額が変わります。比較的簡単な表層工事では30~50万円程度ですが、柱状改良工事では100万円以上の費用が必要です。
水道負担金とは、道路から住宅まで水道管を引き込む工事です。道路の舗装状況等によりますが、15~30万円程度の費用が必要でしょう。
このように、家を建てる際にはさまざまな初期費用がかかります。
「マイホームを建てるか迷っている」という方は、ぜひすーさんの相談窓口を活用してみてください。ライフスタイルや家族構成などをヒアリングし、家づくりに関するアドバイスをおこないます。
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家を建てる初期費用を安く抑える方法5選
家を建てる際の初期費用は、建物と土地の価格の15~30%と高額です。できるだけ初期費用を安く抑えたいと考える方は多いでしょう。
こちらでは、初期費用を安く抑える方法を5つ紹介します。
- 頭金を減らす
- 住宅ローンの保証料を下げる
- 売主やデベロッパーから直接購入する
- 火災保険料を抑える
- つなぎ融資の利用を控える
ただし、初期費用を抑えるとデメリットが生じることがあるため、注意が必要です!
1. 頭金を減らす
頭金は建物と土地の購入額の10~20%が相場であるため、初期費用の大半を占めています。そのため、頭金を減らすことで初期費用を大きく抑えられるでしょう。
多くの場合、頭金0円でも住宅ローンは組めます。ただし「毎月の返済額が増える」または「返済期間が長くなる」ことについて覚悟しなければなりません。
頭金を減らす場合は、返済計画をしっかり検討しておくことが大切です!
2. 保証料がかからない金融機関を選ぶ
「フラット35」や一部の「ネット銀行」の住宅ローンは、保証会社を利用しないため保証料がかかりません。保証料は前払いすれば数十万円~100万円の費用がかかるため、大きく初期費用を減らせます。
ただし、保証料がかからない金融機関は「事務手数料が高額」または「審査が厳しい」場合があります!
とくに、事務手数料は金融機関によって異なります。保証料がかからなくても、支払総額で費用を抑えられるか確認することが大切です。
3. 売主やデベロッパーから直接購入する
中古の住宅やマンションを購入する場合、不動産会社への仲介手数料が必要です。住宅の所有者やデベロッパーから直接購入すれば、仲介手数料は発生しません。
所有者から直接購入できる物件は「売主物件」と呼ばれます。最近は売主物件を取り扱うサイトがあるため、必ずしも不動産会社を通す必要はありません。
ただし、不動産会社が代行してくれる売買契約といった手続きを自分で行わなければならない点にはご注意ください!
4. 火災保険料を抑える
家を建てる場合、火災保険に加入する必要があります。
一戸建て住宅の相場は、年間3~10万円と幅があります。そのため、初期費用を抑えたい場合は、保険料が安い保険会社を選びましょう。
複数の保険会社に見積もりを依頼して比較することをおすすめします。
ネット保険は、保険料が安い傾向にあります!
5. つなぎ融資の利用を控える
つなぎ融資とは、注文住宅を建てる際、土地購入費や中間金など事前に用意しなければならないお金を借り入れることです!
つなぎ融資を利用すると、利息が発生します。たとえば、1,500万円を金利2.5%で6ヶ月借り入れると、約18.5万円の利息がかかります。
つなぎ融資の利息は、住宅ローンよりも高めに設定されていることが多いです。そのため、初期費用を抑えたい方は、できるだけ利用を避けましょう。
なお、どうしてもつなぎ融資を利用しなければならない場合は、住宅会社と交渉してみてください。場合によっては、着手金や中間金などの支払いをなくしてもらえるかもしれません。
つなぎ融資について詳しく知りたい方は、関連記事「【永久保存版】つなぎ融資がもったいないと言われる5つの理由!メリットや必要性・おすすめな人を解説」をご覧ください。
初期費用だけじゃない!家を建てる際の注意点5選
家を建てる際には、初期費用以外にも目を光らせたい注意点があります。主に、以下の5点です。
- 信頼できるハウスメーカー・工務店を選ぶ
- 土地探しにこだわる
- 予算のバランスを考える
- 展示場見学は事前準備をおこなう
- 住み始める時期から逆算してスケジュールを立てる
ポイントを押さえて、マイホームづくりを成功させましょう!
1. 信頼できるハウスメーカー・工務店を選ぶ
家を建てる際には、ハウスメーカーや工務店に依頼することになります。とはいえさまざまな企業があるので、しっかり吟味することが大切です。
主に、以下のポイントを比較しつつ選びましょう。
- 建築費用
- デザイン
- 採用している構造
- 営業担当の対応
なお、こちらで挙げた比較ポイントは、ほんの一握りです!
ハウスメーカーや工務店選びについて詳しく知りたい方は、関連記事「【元住宅営業マンが力説】ハウスメーカーの選び方7選!失敗しないための5つの注意点を紹介」をチェックしてみてください。
2. 土地探しにこだわる
土地を持っていない場合は、購入しなければなりません!
土地を探す際には、安全性の高いところを選びましょう。具体的には、地盤が丈夫であったり、災害の危険性が低かったりする地域を指します。
地域の安全性を確かめるには、国土交通省が運営しているハザードマップを利用するのがおすすめです。洪水や土砂災害、津波などの災害の危険性の有無を確認できます。
「ハザードマップ 地域名」で検索すれば、誰でも閲覧可能です!
3. 予算のバランスを考える
マイホームの予算をオーバーすると、それだけ初期費用がかさんでしまいます。そのため、バランスを考えて家を建てなければなりません。
あれもこれもとオプションを追加したり、グレードを上げたりすると予算はあっという間にオーバーします。そのため、優先順位をつけて、予算を超えないように注意しましょう。
マイホームづくりは大きな金額が動くため、金銭感覚が麻痺しやすいので気をつけてくださいね!
4. 展示場見学は事前準備をおこなう
住宅展示場に行くことで、マイホームに関する情報を集められます。しかし、事前準備をおこたると、ただ足を運んだだけで終わってしまう恐れがあります。
せっかく時間を割いて行くのなら、有意義な時間を過ごしたいですよね!
そのため、以下のような事前準備をおこないます。
- 予約していく
- 質問リストを考える
- 事前にハウスメーカーのカタログを確認しておく
しっかり準備をしてから足を運び、マイホームづくりの情報収集をしましょう。
5. 住み始める時期から逆算してスケジュールを立てる
いつまでに家を建てるかを決めておきましょう。期限が決まっていない状態だと、家づくりが進まないためです。
なお、マイホームを建てるのには、主に以下の期間がかかります。
- 準備期間:2~3年
- 建築から入居まで:6~10ヶ月程度
つまり、長いと4年近くかかるということですね!
「子どもが小学校に入るまでにマイホームがほしい」と建てる時期が決まっている方は、逆算してスケジュールを立てましょう。
家を建てる際に必要な初期費用で悩んだら「すーさんの相談窓口」をご利用ください
家を建てる際には、住宅ローンの頭金以外にも初期費用が必要です。手付金や税金などが含まれて、家を建てる総額の15〜30%ほどが必要になるでしょう。
頭金0円の住宅ローンを組んだとしても、初期費用なしでは家を建てられません!
初期費用を抑えるためには、金融機関を選んだり、火災保険料を抑えたりすることが大切です。
家を建てる費用に不安がある方は、ぜひ「すーさんの相談窓口」をご活用ください。ハウスメーカーでの住宅販売の経験が豊富な私が土地探しから資金調達など、どのようなことでもご相談に乗ります。