「家を建てる年収の目安は?」
「いくら収入があればどれくらいのクオリティの家が建てられるか、イメージを知りたい!」
「年収が少なくても家を建てる方法は?」
家を建てる際に、どの程度のクオリティの家なら問題なく建てられるか気になる方は多いはずです。
年収に見合わない物件だと住宅ローンの審査に落ちる可能性が高いですし、融資を受けられたとしても返済が大変そうです…
今回は家を建てる目安の年収が気になる方に向けて、家づくりのプロである筆者が以下の内容を紹介します。
- 家を建てられる年収の目安
- 家を建てる際に知っておきたいお金の知識
- 年収別に建てられる家のイメージ
- 年収が少なくても家を建てる方法
- 住宅ローンを無理なく返済するポイント
建てられる家のイメージを掴んでおくことで、思わぬ出費に悩むリスクを軽減できます。家の購入で失敗したくない方は、ぜひ最後までお読みください!
家を建てる人の平均世帯年収と住宅ローン返済について解説
ここでは、家を建てる人の平均世帯年収と住宅ローンの返済額について解説します。
- 家を建てる平均世帯年収は600〜800万円未満が最多
- 家を建てる世帯の年収に対する住宅ローン返済負担率は16.4%
住宅を購入する際は、初期費用だけでなく、ローンの返済額も考慮しなければなりません!
どれくらいお金が必要なのか把握するために、ぜひ参考にしてみてください。
1. 家を建てる平均世帯年収は600〜800万円未満が最多
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によると、家を建てる人の平均世帯年収は「600万〜800万円未満」の世帯が最多で、全国・3大都市圏それぞれ25.7%、23.1%となっています。
具体的な平均世帯年収は、全国で801万円、3大都市圏では896万円で、平成30年度以降、上昇傾向にあります!
そのため、家を建てるには、世帯年収600万円がボーダーラインであるといえるでしょう。
年収600万円未満でも家を建てることは可能ですが、上手にやりくりする必要があります。
2. 家を建てる世帯の年収に対する住宅ローン返済負担率は16.4%
住宅を購入する方の中には、数十年かけてローンを返済する方も多いでしょう。
国土交通省のデータによると、全国・3大都市圏ともに78.6%の世帯が「住宅ローンあり」と答えています。
住宅ローン年間返済額は、全国平均で174.0万円、3大都市圏平均で183.1万円です。年収に対する住宅ローンの返済負担率は全国平均で 16.4%、三大都市圏平均で 16.7%となっています。
長期的に返済できる額かどうかを事前にシミュレーションしておくことが大切ですね!
住宅ローンは借りすぎても危険なので、適切な額を見極める必要があります。
借り入れ額の目安や借りる際に気をつけるべきポイントが気になる方は、関連記事「【要チェック】住宅ローンの借りすぎは後悔のもと!8つの注意ポイントや借り入れ額の目安を解説」を参考にしてみてください。
【年収別】建てられる家のイメージとローン返済シミュレーション
ここからは、家を建てるときのローンのイメージを年収別に紹介します。
- 年収400万円
- 年収500〜700万円
- 年収800〜900万円
- 年収1,000万円以上
建てられる家のクオリティも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 年収400万円|土地があればデザインにこだわれる
年収400万円の場合、土地がすでにあればデザインにこだわった家をつくれますが、ない場合はローコスト住宅を検討することになるでしょう。
土地取得費の全国平均は約1,436万円のため、住宅の建設費の目安は1,600万円です!
できるだけ多く頭金を用意すれば、さらに余裕が生まれるはずです。
年間の返済額 | 約100万円 |
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借り入れ金額 | 3,000万円 |
2. 年収500〜700万円|素材や設備にこだわれる
年収500万〜700万円の場合、グレードの高い注文住宅を建てられます。
素材や設備を選んだり、家に中庭をつくったりできます!
年収500万円の方も、300万円以上の頭金を用意できれば4,000万円の予算が使えるので、理想の家づくりが実現できるはずです。
年間の返済額 | 約125万円 |
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借り入れ金額 | 約3,750〜4,550万円 |
3. 年収800〜900万円|オーダーキッチンがつくれる
年収800〜900万円の場合、オーダーメイドのハイクラス住宅がつくれます。
オリジナルキッチンをつくったり、海外ブランドの製品を組み込んだりと、できることの範囲が広がるでしょう!
一方で、シンプルなつくりにすれば、住宅ローンの借り入れ額を減らせます。家づくりの優先度に合わせて、調整しましょう。
年間の返済額 | 約200万円 |
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借り入れ金額 | 6,000〜6,800万円 |
4. 年収1,000万円以上|建物以外の部分にもこだわれる
年収1,000万円以上の場合、立地・間取り・設備にこだわったうえで、ほぼ希望通りの家がつくれます。
駐車場といった建物以外のスペースや立地にもこだわれるので、暮らしやすい家づくりが実現できるはずです!
また、オール電化や食器乾燥機つきキッチンといった設備や、二世帯同居に適した間取りもつくれます。
年間の返済額 | 約230万円 |
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借り入れ金額 | 7,000万円 |
家を建てる際に知っておきたいお金の知識
家を建てるときに、年収以外で知っておくと便利なお金の知識を紹介します。
- 住宅ローンの借り入れ可能額の目安
- 返済負担率の目安
- 頭金の目安
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 住宅ローン借り入れ可能額の目安は年収の5〜6倍
住宅ローンは、好きなだけ借り入れできるわけではありません。借りたい額を申告し、金融機関の審査を受ける必要があります。
審査に通らないと、予算を下げて融資が受けられる物件を探し直さなければなりません…
事前に借りられる額がはっきりしていないので「良い物件を見つけたけれど、融資が受けられなかった」というケースもあり得ます。
住宅ローンの借り入れ可能額は、目安として年収の5〜6倍だといわれています。
借り入れを検討する際は、目安の金額を大幅にオーバーしていないか確認してみてください。
2. 返済負担率の目安は20〜25%
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことで、住宅ローンの審査でチェックされる項目のひとつです。
返済負担率が高いと、生活が苦しくなってしまいます…
返済負担率の目安は20〜25%で、限度は30〜35%です。オーバーしていないか、ローンの審査を受ける前に確認しましょう。
また、住宅ローンの返済で金利の変動が不安な場合は、フラット35を選ぶのがおすすめです。民間のローンより審査が緩く、繰上げ返済の手数料や保証料が不要なので、収入が不安定な自営業の方にぴったりです。
フラット35は固定金利なので、返済の計画が立てやすいですよ!
3. 頭金の目安は購入金額の20%以内
頭金を用意することで、住宅ローンとして借り入れる額を減らせます。
トータルの借り入れ額が減れば、月々の返済額を抑えたり、返済期間を短縮したりできます!
頭金の目安は、住宅購入価格の20%です。
たとえば、5,000万円の住宅を購入する場合は、1,000万円程度が目安になります!
住宅ローンを借りる際には、借り入れ可能額や返済負担率などを計算する必要がありますが、初めての方だと不安な方も多いでしょう。
また、数多くの住宅ローンから自分に合ったものを見つけるのが難しいという方もいるかもしれません。
そのような場合は、ぴったりの住宅ローンを提案してくれるオンライン診断や、毎月の返済額をシミュレーションできるモゲチェックの活用がおすすめです。
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
住宅ローンを無理なく返済する3つのポイント
住宅ローンを無理なく返済するポイントは、以下の3つです。
- 頭金を用意しておく
- 繰上げ返済や借り換えを検討する
- 住宅ローンの返済期間を長くする
それぞれ詳しく解説します!
1. 頭金を用意しておく
頭金を多く支払うことで、住宅ローン全体の金額を減らせます。
月々の返済額が減少するため、家計の負担が抑えられ、生活に余裕が生まれます。
借入金額が減るため返済期間の短縮にもつながり、場合によっては早期の完済も可能です。また、頭金を多く支払うと資金準備状況が良いとみなされ、金融機関の審査が通りやすくなる可能性も高くなるでしょう。
2. 繰上げ返済や借り換えを検討する
住宅ローンの返済負担を軽減するために、繰上げ返済や金利条件のよい住宅ローンへの借り換えを検討するのも1つの方法です。
繰上げ返済をすると、返済期間が短縮するだけでなく、総返済額に対する利息を抑えられます。
住宅ローンの借り換えによって、金利を低く抑えたり、他の金融機関のサービスを受けられたりするケースもあるでしょう。
ただし、借り換え時には手数料がかかるため、慎重に検討してください!
3. 住宅ローンの返済期間を長くする
住宅ローンは、繰上げができても期間を延ばすのは難しいので、毎月払えるか不安な場合はあらかじめ期間を長めに設定しておきましょう。
とくに、年齢が若い方は、返済期間を長く設定するのがおすすめです。毎月の返済額を抑えられるので、家計の負担を減らせます。
年収が少なくても家を建てられる7つの方法
年収が少ないからといって、注文住宅の購入を諦める必要はありません。工夫次第で、家を建てる初期費用やローンの支払いの工面は可能です。
少ない年収で家を建てる場合、以下7つの工夫を凝らしましょう。
- 土地代を抑える
- シンプルなつくりにする
- 設備のグレードにこだわらない
- 共働きで世帯年収を増やす
- 親や祖父母から援助を受ける
- 変動金利で借り入れ可能額を増やす
- 勤務先や自治体の制度を活用する
順番に解説します。
1. 土地代を抑える
最寄駅から離れた場所にある土地を選ぶことで、土地代を安く済ませられます。
また、住みたいエリアが譲れない場合は、三角地や旗竿地などの形が変わっている土地を選ぶと、予算オーバーするリスクが減らせます。
土地代を抑えられれば、建設費に回せる予算が増えるでしょう!
なお、土地を選ぶコツに関しては、関連記事「【まるわかり】土地探しのコツ7選!家づくりのプロが失敗例や基礎知識もあわせて紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. シンプルなつくりにする
廊下や部屋の数を減らしたり、水回りをまとめたりすることで、建設費を抑えられます。
デザインにこだわらなければ、予算内での家づくりがしやすくなります!
間取りや設備を考える際は、予算と照らし合わせながら検討しましょう。
3. 設備のグレードにこだわらない
収入が少ない場合でも家を建てる方法として、設備のグレードにこだわりすぎないことも有効な選択肢の1つです。
例えば、キッチンやバスルームなど水回りの設備を選ぶ際、ハイスペックなものから標準仕様のグレードに変更すれば、家づくりにかかる費用を抑えられます。
あまり多くを求めすぎず、どうしても譲れないこだわりを絞り込むことが大切です。
4. 共働きで世帯年収を増やす
パートナーがいる場合は、共働きで世帯年収を増やせば、ローンの借り入れ額がアップします。
また、共働きの場合は、収入合算契約やペアローンなどを利用できます。
これらの制度は、手数料を減らしたり控除を受けたりする際に便利です!
5. 親や祖父母から援助を受ける
子や孫の住宅購入のために親や祖父母が資金を贈与する場合、条件を満たせば最大1,000万円まで非課税になります。
通常は1年間に110万円を超えたら贈与税の対象になってしまうので、とてもお得です!
ただし、住宅購入目的での贈与税非課税枠は2026年12月31日で終了するので、気をつけてくださいね。
6. 変動金利で借り入れ可能額を増やす
変動金利のほうが、固定金利よりも金利が低い傾向にあります。そのため、変動金利のほうが、住宅ローンの審査で借り入れ可能額を増やしやすいです。
返済期間が同一の場合、金利が低いほうが支払う利息の総額も少なくなります!
ただし、変動金利は金利が上昇するリスクがあるので要注意です。
7. 勤務先や自治体の制度を活用する
勤務先や住んでいる自治体によっては、独自の融資制度や補助制度が適用できるケースがあります。
たとえば大阪市では、初めて住宅を取得する新婚世帯や子育て世帯向けに、条件つきで住宅ローンに対する利子補給制度を設けています!
自分が家を建てるエリアで利用できる制度がないか、確認してみてくださいね。
また、お金がないけれど家を建てたいという方は、関連記事「【工夫次第】お金がないのに家を建てるときの3つの最低条件!住宅ローンの審査内容も解説」をチェックしてみてください。家を建てる最低条件やお金がない状況別の不安の解消方法を紹介しています!
家を建てる人の年収を目安に理想の暮らしを実現させよう
家を建てるときは、年収に見合ったローンの借り入れやシミュレーションが欠かせません。ローンが家計の負担になりすぎないように、数十年後を見越して借り入れ額を決めましょう。
子どもの受験や進学といった大きな出費があるタイミングでも、払い続けられるか考慮したいですね!
また、少ない年収で家を建てる場合は、土地代を抑える・つくりをシンプルにするなどの工夫が必要です。
そのうえで、共働きで世帯年収を増やす・勤務先や自治体の補助制度を活用するなどの方法でやりくりすれば、長期的な負担を軽減できます。
家づくりで絶対に後悔したくないなら、早い段階から家づくりのプロに相談することをおすすめします!
「すーさんの相談窓口」なら、実体験に基づいた根拠のある話が聞けるため、家づくりで後悔することを大きく減らせるでしょう。
年収から建てられる家のイメージを掴み、ローンの不安を解消するためにも、ぜひお気軽に相談してみてください。