「高気密高断熱の家を建てられるおすすめのハウスメーカーは?」
「選び方や注意点を知りたい!」
「UA値やC値にはどんな意味があるのかな」
高気密高断熱の家は冬は暖かく夏は涼しいため、快適な生活が送れます。現在、断熱性や気密性に力を入れているハウスメーカーも多くあります。
とはいえ、ハウスメーカーのWebサイトを見ていても、どの会社を選べば良いのかわからない方は多いのではないでしょうか。
この記事では、大手ハウスメーカーに15年間勤めた経験のある筆者が、高気密高断熱の家について以下の内容を解説します。
- 選ぶコツ
- 選ぶ際の数値基準
- おすすめのハウスメーカー
- 建てるメリット
- 建てて後悔する理由と対策
主なハウスメーカーの特徴を比較できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください!
高気密高断熱の家が得意なハウスメーカーを選ぶ5つのコツ
高気密高断熱の家が得意なハウスメーカーを比較する際のポイントは、以下の5つです。
- 施工実績
- 断熱材の種類
- 断熱工法の種類
- 断熱窓の種類
- 換気システムの種類
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 施工実績
ハウスメーカーの施工実績を見ることで、技術力や信頼性がわかります。過去の建築例からは「どのような家が得意なのか」「施主の満足度が高かったのか」などの情報を得られるでしょう。
また、施工実績は住宅性能表示だけに頼らない判断ができます。
住宅性能表示の数値はあくまで設計値です。実際の建築時とは異なることがあるため、ハウスメーカーの実績や評判の確認は欠かせません!
2. 断熱材の種類
断熱材は、家の断熱性能を大きく左右します。断熱材の種類は、主に以下の3つがあります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
繊維系 (グラスウールなど) | 熱が伝わりにくく低価格 | 湿気対策が必要 |
発泡プラスチック系 (ポリエチレンフォームなど) | 耐水性が高い | 熱に弱い |
天然素材系 (ウールなど) | 調湿性能が高い | コストが高い |
それぞれの特性を理解し、自分の家に最適な材料を選ぶことが大切ですね!
3. 断熱工法の種類
断熱工法には、断熱材の施工方法や施工場所に違いがあります!
断熱材の施工方法は、いかに隙間をなくすかがポイントです。粒状の断熱材を入れる充填断熱工法や、構造材の継ぎ目に隙間なく施工する方法などがあります。
施工場所という点において、多くの高断熱の家では、壁だけでなく天井や床など全体に断熱材を入れる方法が主流です。
4. 断熱窓の種類
窓は家の中で最も熱が逃げる場所であるため、断熱性能が重要です!
ハウスメーカーが採用しているガラスやサッシの種類、窓の大きさや数を確認しましょう。たとえば、トリプルガラスやLow-Eガラスを採用している窓は、高い断熱性を持っています。
また、窓の大きさや配置も重要で、光の取り入れ方や視界の確保、部屋の明るさにも大きく影響します。
窓の選択は、快適な住環境をつくるうえで欠かせない要素です。
新築の窓については関連記事「【口コミあり】窓が少ない家でも後悔する3つの理由!失敗を防ぐ工夫やメリットも紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
5. 換気システムの種類
高気密高断熱の家は空気が滞留しやすいため、適切な換気システムが不可欠です。とくに、24時間換気システムは重要な要素となります。
換気システムには第1~3種があり、それぞれに特徴があります!
第1~3種のそれぞれの特徴は、以下の表を確認してみてください。
種類 | 特徴 |
---|---|
第1種 | 給気・排気の両方を機械換気で行う |
第2種 | 給気を機械換気で、排気は自然換気で行う |
第3種 | 給気を自然換気、排気を機械換気で行う |
機械換気とは、ファンを使って強制的に換気を行う方法です。自然換気と違い、必要なときに安定して換気を行えます。
高気密高断熱の家が得意なハウスメーカーを選ぶ際の3つの数値基準
各ハウスメーカーが建てる家の断熱性や気密性は、住宅性能表示の数値で示されています。こちらでは、以下の3つの数値について解説します。
- UA値|外部への熱の逃げやすさ
- C値|隙間面積
- Q値|熱の逃げやすさ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. UA値|外部への熱の逃げやすさ
UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことで、数値が小さいほど外部への熱の逃げにくい家であることを意味します!
断熱性能はUA値に応じて7つの等級に分かれています。ただし各等級のUA値の基準は、全国を8つに区分された地域によって異なる仕組みになっている点に注意が必要です。
たとえば「ZEH水準」の断熱基準と同等であることを表す等級5の場合、UA値は東京(6地域)では0.60W/m2・K、北海道(1地域)は0.40W/m2・Kです。
自身の地域が8つの区分のどこに位置するかは、国土交通省の「地域区分新旧表」を確認してみてください。
2. C値|隙間面積
C値は「相当隙間面積」を示す数値で、住宅全体にどれくらいの隙間があるかを表し「住宅全体の隙間の合計面積÷延床面積」で求められます。
C値が小さいほど隙間が少なく、高気密な家と言えます!
C値は一般的な住宅では10㎠/㎡で、高気密住宅では1.0㎠/㎡以下です。
3. Q値|熱の逃げやすさ
Q値は「熱損失係数」を示し、住宅全体の熱の逃げやすさを表す指標です。Q値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性が高い家と言えます。
Q値は延床面積を元に計算される点で、家の表面全体で計算するUA値とは異なります。
延床面積の大きな家では数値が小さくなるため、現在はUA値を使うほうが主流です!
ハウスメーカーの断熱性と気密性について比較する際には、すーさんの相談窓口をご利用ください。ハウスメーカー営業担当として15年の経験がある私が、各ハウスメーカーの特徴をわかりやすく解説します。
高気密高断熱の家の建築を検討している方は、お気軽にお問い合わせください!
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高気密高断熱の家が得意なハウスメーカー5選
現在多くのハウスメーカーが、断熱性や気密性の高さを売りにしています。こちらでは、ハウスメーカーの中でもとくに高気密高断熱が得意な会社を5つ紹介します。
- 一条工務店
- スウェーデンハウス
- アイフルホーム
- セキスイハイム
- トヨタホーム
一つひとつ見ていきましょう。
1. 一条工務店
項目 | 内容 |
---|---|
UA値(W/㎡•K) | 0.25 |
C値(㎠/㎡) | 0.59 |
断熱材の種類 | 高性能ウレタンフォーム |
断熱工法・特徴 | 外内ダブル断熱構法 |
窓の断熱 | 防犯ツインLow-E トリプル樹脂サッシ |
換気システム | 第一種換気システム(ロスガード90) |
一条工務店は、とくにエネルギー効率の高い家を建てることで知られています!
家全体を断熱材で包み込む「内外ダブル断熱工法」を採用しており、また「トリプル樹脂サッシ」という断熱性の高い窓を使用していることが特徴です。
そのことから、住宅性能値はUA値0.25W/㎡•K、C値0.59㎠/㎡と日本のどこの地域でも対応できる、高い断熱性と気密性のある住宅を建てられます。
2. スウェーデンハウス
項目 | 内容 |
---|---|
UA値(W/㎡•K) | 0.36 |
C値(㎠/㎡) | 0.64 |
断熱材の種類 | グラスウール |
断熱工法・特徴 | 壁パネル同士の接合部に継ぎ目断熱材を挟み込む気密施工 |
窓の断熱 | 木製サッシ3層ガラス窓 |
換気システム | 第一種換気システム(24時間熱交換型換気システム) |
スウェーデンハウスは北欧スウェーデン発の住宅ブランドで、日本国内においても高い評価を受けています。
北欧スウェーデンの厳しい冬の気候に対応するための優れた断熱性能と気密性を備えていますよ!
また、北欧特有のシンプルで洗練されたデザインと、機能性の高い建築スタイルが特徴です。
3. アイフルホーム
項目 | 内容 |
---|---|
UA値(W/㎡•K) | 0.55 |
C値(㎠/㎡) | 1.0 |
断熱材の種類 | 高性能グラスウール |
断熱工法・特徴 | ハイブリッド構法 |
窓の断熱 | サーモスL複層ガラス |
換気システム | 第一種換気システム(ダクトレス熱交換換気システム) |
アイフルホームは、手頃な価格で質の高い住宅が人気のハウスメーカーです。
低コストで建てられる住宅ですが、UA値は0.55W/㎡•Kと、東京であれば「ZEH水準」の断熱基準を満たしています。
経済性と機能性を兼ね備えているため、とくに若い家族や初めて家を建てる方に人気です!
4. セキスイハイム
項目 | 内容 |
---|---|
UA値(W/㎡•K) | 0.54 |
C値(㎠/㎡) | 1.6 |
断熱材の種類 | グラスウール |
断熱工法・特徴 | 工場内での断熱材の設置 |
窓の断熱 | アルミ樹脂複合サッシ |
換気システム | 第一種換気システム |
セキスイハイムは、高品質なプレハブ住宅の製造と販売を行うハウスメーカーです。とくに耐震性能や耐久性に優れた住宅を提供することで知られています。
セキスイハイムでは、施工不良を起こさないよう、断熱材の設置を工場内生産で行います。
セキスイハイムの家は厳しい品質基準に基づいた工場製造を経て建築され、一貫した品質管理が特徴です!
5. トヨタホーム
項目 | 内容 |
---|---|
UA値(W/㎡•K) | 0.7 |
C値(㎠/㎡) | 2.8 |
断熱材の種類 | グラスウール |
断熱工法・特徴 | 充填断熱工法 |
窓の断熱 | 高遮熱断熱複層ガラス |
換気システム | 第一種換気システム(ピュア24セントラル) |
トヨタホームは、トヨタグループに属するハウスメーカーです。品質管理と生産効率の高い建築プロセスを特徴としています。
断熱施工では充填断熱工法を採用しており、基礎から天井までを断熱材で包み込むことで高い断熱性を実現しています!
高気密高断熱の家が得意なハウスメーカーについては関連記事「【快適な暮らし】暖かい家を建てられるおすすめハウスメーカー10選!選ぶポイントや注意点も解説」でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
高気密高断熱の家を建てる3つのメリット
高気密高断熱の家を建てるメリットを確認しておきましょう。こちらでは3つのメリットを解説します。
- 光熱費の節約になる
- 建物内の温度差が小さくなる
- 防音効果が高まる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 光熱費の節約になる
高気密高断熱の家は室内の空気が逃げにくく、外からの流入も少ないため、冷暖房を効率良く使えます。
たとえば、断熱性が高い家では冬に暖房を使用する時間が減り、光熱費が削減されます。
光熱費の大幅な節約が期待できますね!
高気密高断熱の家は建設時の初期コストが高くなりますが、長期的に見て経済的なメリットが大きくなるでしょう。
光熱費を抑える方法については関連記事「【お得で快適】光熱費がかからない家を建てる4つのポイント!節約につながる設備も紹介」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
2. 建物内の温度差が小さくなる
高気密高断熱の家では部屋ごとの温度差が少なくなり、建物全体として一定の温度を保ちやすくなります。
建物内の温度差が少なくなると、冬場のヒートショックのリスクが軽減されるメリットがあります!
一般的な家では、部屋ごとの温度差が大きく移動する際に体温調節が難しくなりますが、高気密高断熱の家ではそのような問題が大幅に減少するでしょう。
3. 防音効果が高まる
高断熱高気密の壁は、外の騒音を遮断する効果もあります。とくに都市部や交通量の多い場所に住んでいる場合、防音効果は大きなメリットです。
家の中が静かで落ち着いた環境となり、ストレスの軽減につながりますね!
また、家の中の音も外に漏れにくいため、子どもやペットがいる家庭では周囲への配慮を減らせるでしょう。
高気密高断熱の家を建てて後悔する5つの理由と対策
高気密高断熱の家は多くのメリットがありますが、後悔したという声もあります。こちらでは、高気密高断熱の家で後悔する5つの理由を対策とあわせて紹介します。
- 建築費用が高額になる
- 期待していたよりも寒く熱い
- 窓が小さく少ない
- 空気が乾燥する
- 結露やカビができる可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 建築費用が高額になる
高気密高断熱の家を建てる際には専門の資材や工事が必要になるため、一般的な住宅に比べて建築費用が高額になります。
ただし初期コストは上がるものの、長期的には光熱費の削減につながるため、トータルでは得とも言えます。
また、初期費用が高額になる問題があったとしても、窓や断熱材などのグレードを下げないようにすることが重要です。
ダウングレードすると、期待していた効果が得られなくなる可能性があります!
建築費用と効果のバランスを考慮することが肝心です。
建築費用を抑える方法については関連記事「【計画が命】新築で予算オーバーしたときに削るところ7選!費用を抑えるテクニックを解説」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
2. 期待していたよりも寒く熱い
高気密高断熱の家ではエアコンが不要になると考えられがちですが、実際には完全に不要になることはありません!
またハウスメーカーの施工方法によって、断熱性や気密性は大きく変わります。
設計数値だけではわからない実際の感覚を得るために、モデルハウスで実際に体で確認することが大切です。
3. 窓が小さく少ない
断熱性能を上げるために、窓を小さくする、数を減らすという方法が取られることもあります。
窓が小さくなることで部屋が暗くなり、後悔することも…
しかし、窓の断熱性を上げると大きい窓の設置が可能になり、明るく開放感のある部屋にできます。
窓が少ない家については関連記事「【口コミあり】窓が少ない家でも後悔する3つの理由!失敗を防ぐ工夫やメリットも紹介」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
4. 空気が乾燥する
高気密性により、外からの空気(湿気)が入りにくく、室内の空気が乾燥しやすくなることがあります。
高気密の家では、換気システムの整備が欠かせないうえ、加湿器の使用や暖房の温度を下げるなどの対策が必要です。
加湿器を活用することで、冬場でも適切な湿度を維持し、快適な住環境を実現できるでしょう!
5. 結露やカビができる可能性がある
室内の暖かい空気が壁の断熱材の内部に侵入し、結露の原因になることがあります。結露の問題は断熱材の隙間が原因で起こるため適切な工事が必要です。
適切な施工に加えて、換気計画をしっかり立てることも必要ですね!
吸気、排気の経路に含まれない部屋では湿気が溜まりやすいため、適切な換気計画が必須です。
たとえば、換気システムを導入していても、とくに湿気が溜まりやすい部屋には追加の換気策を検討してみてください。
高気密高断熱の家のハウスメーカー選びは専門家に相談しよう
高気密高断熱の家を建てる際には、各ハウスメーカーの住宅性能数値や工法などを確認しましょう。
ただし住宅性能はあくまで設計数値であるため、施工方法によっては期待どおりにならない場合もあります。住宅性能や工法だけでなく、実績や施工に信頼できる会社を選ぶことが大切です。
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