「暖かい家を建てられるハウスメーカーはどこ?」
「どういう基準で選べばいいの?」
「暖かい家の特徴は?」
暖かい家を建てたいと思っても、さまざまなハウスメーカーがあるため自分で探すのは大変です。
暖かい家を建てたいと思っている方は、断熱性能の基準をしっかりと把握してからハウスメーカー選びをしましょう。
この記事では、15年間大手ハウスメーカーに勤務経験のある元営業マンの私が、以下の内容を詳しく解説します!
- 暖かい家の特徴
- 断熱性能を表す3つの数値
- 暖かい家を建てられるおすすめのハウスメーカー
ぜひ最後まで読んで、家を建てる際の参考にしてみてください!
暖かい家の特徴
暖かい家とは、高断熱・高気密な住宅のことをいいます。高断熱の住宅の特徴は以下の通りです。
- 外壁、床下、天井裏などに断熱材を詰めて、断熱効果を高めている
- 室内外の熱の伝導を最小限に抑えており、外気温による影響を受けにくい
断熱材を入れることで、熱が逃げるのが遅くなります!
高気密の特徴は以下の通りです。
- 壁の内側や床下など、断熱材や防湿シート、気密テープなどを使用している
- 住宅内の隙間がしっかりと埋められているため外気が入りにくい
気密性が高いと、暖かい空気が外に逃げにくいです!
高断熱と高気密を組み合わせることで、冬は暖かく、夏は涼しい住宅を建てられます。
断熱性能を表す3つの数値
断熱性や気密性が高いかどうかを判断する数値は以下の3つです。
- UA値(外皮平均熱貫流率)
- Q値(熱損失係数)
- C値(隙間相当面積)
UA値とQ値はどちらも断熱性能の基準です。1999年の省エネ基準ではQ値でしたが、2013(平成25)年の改正省エネ基準からはUA値が使われています。
それぞれの数値について詳しく見ていきましょう。
1. UA値(外皮平均熱貫流率)
断熱性能の基準であり、熱がどのくらい家の外に逃げやすいかを表しています。
UA値(W/㎡・K)=単位温度差当たりの外皮総熱損失量÷外皮総面積
値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いといえるのです!
日本は外気温の地域差が大きいため、UA値は住んでいる地域によって基準が定められています。
参考:地域区分新旧表
地域別のUA値の基準は以下の通りです。
- 北海道は0.46W/㎡・K
- 宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県は0.75W/㎡・K
- 関東といった大部分は0.87W/㎡・K
寒い地域ほどUA値の基準が低くなっているんですね!
居住している地域のUA値を確認してみると、ハウスメーカー選びもしやすくなるでしょう。
2. Q値(熱損失係数)
断熱性能の基準であり、家の熱の逃げにくさを表す数値です。
Q値=(各部の熱損失量の合計+換気による熱損失量の総合計)÷建物の延べ床面積
数値が小さいほど断熱性が高く、省エネ性能が高いといえますね!
Q値は換気による熱損失を含む点と、建物の床面積のみで算出する点がUA値と異なります。また、Q値は建物の述べ床面積が大きいほど小さくなり、断熱性が高いと判断されます。
大きい家のほうが断熱性が高くなりますね!
住宅の断熱性能をより正確に判断できるようにするために、2013年の省エネ基準改正後からはQ値に変わってUA値が用いられています。
断熱性能はQ値ではなくUA値で判断したほうがよいでしょう。
3. C値(隙間相当面積)
気密性を表す数値であり、建物全体で隙間がどのくらいあるのかを表したものです。
C値=住宅全体の隙間面積÷延べ床面積
数値が小さいほど隙間が小さく、気密性がよいということです!
数値は、実際に1棟1棟測定した値から算出します。
暖かい家を建てられるおすすめのハウスメーカー10選
多くのハウスメーカーではC値・Q値・UA値のいずれかを公表しており、数値を比較して暖かい家を建てられるハウスメーカーを選べます。
ここでは、建築物省エネ法で基準値が定められている断熱性を表すUA値を基準に、ハウスメーカーランキングを作成しました。
- 大共ホーム|「無暖房の家」シリーズ
- 土屋ホーム|CARDINAL HOUSE
- 一条工務店|外内ダブル断熱構法
- クレバリーホーム|エネリート・サーモ
- フィアスホーム|アリエッタDS
- アイフルホーム|ハイクオリティパネル-ダブル
- ヤマト住建|エネージュUW
- ミサワホーム|高断熱住宅
- スウェーデンハウス|基本性能
- 三井ホーム|基本性能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、ハウスメーカー選びに悩んでいる方は、関連記事「【2023年最新】ハウスメーカーのおすすめ20選!失敗しない選び方やよくある質問も解説」も参考にしてみてください!
1. 大共ホーム|「無暖房の家」シリーズ
UA値 | 0.15W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 記載なし |
- 外張り断熱100mm以上である
- 内張り断熱約90mmである
- トリプルガラスを使用したドイツ製サッシを採用している
大共ホームのUA値=0.15W/㎡・Kは、国が定めた盛岡市の基準値UA値=0.56W/㎡・Kの約3.7倍、北海道の基準値UA値=0.46W/㎡・Kの約3.1倍の断熱性能であり、夏は涼しく、冬暖かい省エネ住宅に住めます。
ただ、岩手県のみの建築会社であるため、他県に住む方は建築できません。
岩手県に住んでいて暖かい家に住みたい方におすすめですね!
2. 土屋ホーム|CARDINAL HOUSE
UA値 | 0.19W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 0.38㎠/㎡ |
- 断熱性能が高いフェノールフォーム断熱材を採用している
- 床下の基礎断熱を採用している
- 気密性能は業界最高水準の0.38㎠/㎡である
土屋ホームの「CARDINAL HOUSE」のUA値は0.19W/㎡・Kであり、2022年度省エネ大賞製品・ビジネスモデル部門最高賞「経済産業大臣(ZEB・ZEH分野)」を受賞しています。
参考:2022年度(令和4年度) 省エネ大賞 受賞者一覧
土屋ホームは北海道で創業しているため、断熱性能が高い住宅の建築を得意としており、寒い地域に住んでいる方におすすめです。
施工エリアは、北海道、東北、関東、甲信です!
3. 一条工務店|外内ダブル断熱構法
UA値 | 0.25 W/㎡・K |
Q値 | 0.51W/㎡・K |
C値 | 記載なし |
- 一般的な断熱材の約2倍の性能を発揮する「高性能ウレタンフォーム」を採用している
- 防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシで約5倍の断熱性能を実現している
- 換気による熱逃げを防ぐ熱交換換気システム「ロスガード90」を採用している
一条工務店のUA値は0.25 W/㎡・K、Q値は0.51W/㎡・Kとともに業界最高水準であるため、断熱性に優れた住宅を建てられます。
国の基準に比べ、一条工務店は約5倍の性能があります!
高知県、沖縄県以外は展示場があるため、見学できる方も多いでしょう。
4. クレバリーホーム|エネリート・サーモ
UA値 | 0.26W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 記載なし |
- 小屋裏にこもった熱の侵入を防ぐブローイング断熱材を採用している
- 外壁は2重の断熱構造を採用している
- 樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラスで窓からの熱の出入りを削減している
- 床下全体を外気と遮断して断熱性能を高めている
クレバリーホームの「エネリート・サーモ」は、0.26W/㎡・Kであり、北海道の基準値UA値=0.46W/㎡・Kをクリアしています。
施工エリアは全国なので、どこに住んでいても利用できますよ!
クレバリーホームの住宅はタイル外壁を標準装備、耐震性にも強い構造をしているため、夏は涼しくて冬は暖かい家に長く住み続けられるでしょう。
5. フィアスホーム|アリエッタDS
UA値 | 0.27W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 0.33㎠/㎡(2021年平均値) |
- 壁の内側と外側に世界最高レベルの断熱性能の断熱材をダブルで採用している
- 世界トップクラスの断熱性能を持つトリプルガラス樹脂サッシを採用している
- 遮熱シートを家全体に採用している
- 全棟で気密性を測定しており優れた気密性がある(C値は0.33㎠/㎡2021年平均値)
フィアスホームのアリエッタDSのUA値は0.27W/㎡・K、C値は0.33㎠/㎡であり、環境先進国であるスイスに学んだ世界基準の断熱性能です。
施工は、山形や東京、茨城や山梨などに限られます!
C値を公表しているハウスメーカーはあまりありませんが、アリエッタDSは全棟で気密性を測定し公表しているので安心して依頼できるでしょう。
6. アイフルホーム|ハイクオリティパネル-ダブル
UA値 | 0.27~0.32W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 0.51㎠/㎡以下 |
- 「構造用面材」「高性能断熱材」「粘弾性体」を一体化した高性能パネル「ハイクオリティパネル」を壁面と天井屋根面に採用している
- 家全体の断熱性能のバランスにあわせたサッシを採用してくれる
アイフルホームのハイクオリティパネル-ダブルは、UA値0.27~0.32W/㎡・K、C値は0.51㎠/㎡以下の高性能パネルです。
断熱材は、3種類から選べますよ!
居住地や予算に合った断熱材を選べるため、一年中快適に過ごせるでしょう。
7. ヤマト住建|エネージュUW
UA値 | 0.28W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 0.5㎠/㎡以下 |
- 家全体を内側、外側から断熱するダブル断熱を採用している
- 内側と外側を断熱材で包みこんでいる
- 高断熱樹脂サッシ・Low-Eトリプルガラスで太陽光を遮断、冬の寒さや結露を防いでいる
ヤマト住建のエネージュUWのUA値は0.28W/㎡・K、C値は0.5㎠/㎡以下であり、高断熱・高気密な住宅です!
気密測定技能者は18名在籍しており、気密性を計測しています。
室温をほとんど変えずに計画的に空気を循環させて汚れた空気や湿気を排出するので、快適な生活を送れるでしょう。
8. ミサワホーム|高断熱住宅
UA値 | 0.33W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 記載なし |
- 高精度の木質パネルや高性能ガラスを採用している
- 建物の隙間を発泡ゴムシートや気密テープ、分離盤用パテでふさいで気密性を高めている
ミサワホームの高断熱住宅には、標準で高精度の木質パネルや高性能ガラスが採用されているので、断熱性の高い住宅が建てられます!
ミサワホームは木造住宅を得意としており、夏涼しくて、冬暖かい木造住宅を建てたい方におすすめです。
9. スウェーデンハウス|基本性能
UA値 | 0.36W/㎡・K |
Q値 | 1.18W/㎡・K |
C値 | 0.64㎠/㎡ |
- 木製サッシ3層ガラス窓を採用している
- 壁パネルの継ぎ目に断熱材をはさみこんでいる
- 継ぎ目を防湿気密フィルムで覆って隙間を徹底的に減らしている
スウェーデンハウスの基本性能は、快適な生活を送れるように一棟一棟Q値を計算、C値を測定しています!
すべての住宅で高気密・高断熱性が証明されているので、安心してマイホームを建てられるでしょう。
また24時間熱交換型換気システムを採用しているので、常に新鮮な空気とともに生活を送ることが可能です。
10. 三井ホーム|基本性能
UA値 | 0.39W/㎡・K |
Q値 | 記載なし |
C値 | 0.35㎠/㎡以下 |
- 木造2×6の「プレミアム・モノコック構法」を採用している
- 屋根には断熱構造材「ダブルシールドパネル」を採用している
- 壁面のロックウールに厚さ140㎜のものを採用している
- 高断熱・高遮熱を実現した窓(アルミクラッド樹脂サッシや高遮熱Low-Eガラス)を採用している
三井ホームの基本性能は、2013年に「住宅・建築物の省エネルギー基準」が改正されて以降、アルゴンガス入り高遮熱Low-E複層ガラスをはじめとした断熱性の高い建築部材を取り入れています。
窓も断熱性の高い素材が使われており、冬の結露を防ぐことが可能です。
また高断熱だけではなく、耐震性・耐久性も優れていますよ!
「どのハウスメーカーを選べばいいかわからない」「失敗しないメーカーにしたい」と考えている方は、すーさんの相談窓口をご活用ください。
元ハウスメーカーの営業マンだった僕が、あなたの希望に添った理想の会社をご紹介します!
そのほかにも家づくりに関する悩み事なんでも相談できるので、お気軽にご連絡ください。
\ ノープランでOK /
暖かい家を建てる際の3つの注意点
暖かい家を建てられるハウスメーカーを紹介しましたが、建てる際の注意点もあります。
- 公表されている数値の家は建てられない
- 数値は実測値ではなく設計値である
- 日差し対策をする必要がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 公表されている数値の家は建てられない
間取りを作る中で大きな窓をつけたり窓の数を増やしたりすると断熱性能は下がるため、公表されている数値の家は建てられない場合があります。
断熱性能を比較する場合には、どのような断熱工法を取っているかを確認するとよいでしょう!
また、住む地域によって必要な断熱性能は異なります。そのため、居住地に合った断熱性能を持つハウスメーカーを選ぶのがおすすめです。
2. 数値は実測値ではなく設計値である
C値は実際に建てた家での実測値ですが、Q値とUA値は図面を設計した際に計算して出した数値です。そのため、実際に建てた場合に同様の値で建てられるわけではありません。
断熱性能の高い家は木造住宅である場合が多く、職人さんの技術次第で建物の品質が大きく左右される可能性があります!
実際に住宅を建てる場合には、施工実績や施工方法なども確認するとよいでしょう。
3. 日差し対策をする必要がある
UA値やQ値、C値には太陽光が考慮されていないため、日差し対策をする必要があります。
高断熱・高気密住宅では外気の影響も受けにくいですが室内の熱も外に逃げにくく、窓から太陽光が入ると室内の空気が温まり、温度が自然と高くなってしまうためです。
夏場は、太陽光ができるだけ入らないように日差し対策が必要です!
日差し対策には以下のようなものがあります。
- 軒(のき)を長くする
- 庇(ひさし)をつくる
- 窓を遮熱ガラスにする
- ブラインドや遮光カーテンを取り付ける
- 窓に断熱シートを貼る
- 植物を育ててグリーンカーテンを作る
建てた後ではなく建築中に対応していると安く済む場合があるため、ハウスメーカーの方に相談してみてください。
暖かい家を建てるためには慎重にハウスメーカーを選ぼう
ご自身が居住する地域によって標準の基準値が異なるため、必要な値を確認してからハウスメーカーを選びましょう。
UA値は実測値ではないため、間取りや断熱工法も確認して見てくださいね!
とはいえ、自分ではどのような間取りがいいのか、断熱工法がいいのかわからない場合もあるでしょう。暖かい家を建てるための心配事を含めて、家づくりのプロに相談するのがおすすめです。
私は、15年間営業マンとして大手ハウスメーカーに勤務した、家づくりのプロです。どんな小さな疑問や悩みに対しても、実績や経験をもとにお答えします!
相談は無料なので、以下からお気軽にご連絡ください!