「黒い外壁にするとどんなデメリットがある?」
「周りから非常識だと思われそうで心配」
「資材や配色のポイントを知りたい!」
黒い外壁の家はこれまではあまり多くありませんでしたが、近年では高級感やスタイリッシュな雰囲気があると人気です。
しかし、黒色はおしゃれである一方で注意が必要な色です。外壁を黒くするデメリットを理解しておかないと、家を建ててから後悔する可能性も少なくありません。
この記事では、家づくりのプロである筆者が新築住宅の黒い外壁について以下の内容を解説します。
- 失敗と言われる理由
- 後悔しない理由
- 風水での意味合い
- 失敗しないための対策
黒い外壁のデメリットを理解すれば、対策が立てやすくなります。ぜひ参考にしてみてください!
新築住宅の黒い外壁が失敗と感じる4つの理由
黒は明るい色と比べておしゃれに感じられる一方で、デメリットもあります。こちらでは新築住宅の黒い外壁が失敗と感じられる理由を4つ紹介します。
- 白い汚れが目立つ
- 熱を吸収しやすい
- 劣化が早い
- 隣家に嫌がられる
一つひとつ確認していきましょう。
1. 白い汚れが目立つ
黒い外壁は、砂埃や鳥のフンなどの白っぽい汚れが目立ちます。また、サイディングといった金属系の黒い外壁では、傷がつくと基材の色が見えて目立ちます。
交通量の多い場所や海岸近くの家では、とくに汚れが気になるでしょう!
しかし、黒い雨だれ跡は目立ちにくい点はメリットです。滑らかな素材やセルフクリーニング機能のある外壁材を使えば、汚れを落としやすいため便利でしょう。
2. 熱を吸収しやすい
黒色は光を吸収するため、黒い外壁は表面温度が上がりやすい特徴があります。とくにガルバリウム鋼板の外壁は熱伝導率が高く、素手で触ると火傷をする可能性も。
ただし断熱性能の高い家であれば、外壁が熱くなったとしても室内まで熱くなることはありません。
黒い外壁の家が暑くて大変だとは一概には言えないのです。
ガリバリウム鋼板の外壁については関連記事「【20年後も安心】外壁をガルバリウムにして後悔する7つの理由!対策やメリットを解説」で詳しく解説しています。あわせて読んでみてください!
3. 劣化が早い
外壁は紫外線といった影響で劣化すると、色が褪せてきます。外壁塗料に含まれている顔料が、チョークの粉のように浮き出てしまうためです。
一般にチョーキング現象と呼ばれます!
黒い外壁は紫外線を吸収しやすいため、劣化が早くなります。黒色は白に比べて顔料が少ないため、色褪せよりもツヤがなくなる点が気になるでしょう。
4. 隣家に嫌がられる
お隣の家の外壁が黒色になったことで
わたしの家のリビングが暗くなってしまいました…
リビングだけでなく、その他の部屋も
お隣の家の方向に窓がある部屋は
室内が暗くなりました。
隣の家の黒い外壁で部屋が暗くなる… | お家で小さな幸せ見つけよう
黒い外壁の家は圧迫感や暗い雰囲気を与えるため、近隣住民から嫌がられる可能性があります。
黒い外壁の家はまだまだ見慣れないため、変わった人と思われることもあるようです!
狭小地に家を建てる場合には、隣の家との距離が近くなるためとくに注意が必要です。黒い壁が光を吸収してしまい、隣の家に光が届かなくなる可能性が高くなります。
そのほか、狭小住宅で気をつけたほうが良いことは関連記事「【設計次第】狭小住宅で後悔する7つの理由!間取り実例や注意点を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
新築住宅の黒い外壁が失敗ではない3つの理由
黒い外壁にはデメリットがありますが、ほかの色にはない以下のようなメリットがあります。
- モダンな雰囲気になる
- 多くの色と相性が良い
- 黒い汚れが目立たない
一つひとつ見ていきましょう。
1. モダンな雰囲気になる
外壁を黒くすると、高級感が出てモダンな雰囲気の家になります。黒い外壁の家はまだまだ少ないため、おしゃれで個性的な家であると受け取ってもらえる場合も多いです。
日本の歴史ある「町屋」や「古民家」の外壁が黒いことも良い印象を与える理由かもしれませんね!
2. 多くの色と相性が良い
外壁のベースカラーを黒にすると、ほかの色を選びやすくなります!
黒は色味がないため、ほかの色と合わせやすいでしょう。たとえば、以下のような色の組み合わせが考えられます。
- 黒と白:モダン、スタイリッシュな雰囲気
- 黒と茶:高級感、大人の雰囲気
- 黒と赤:アクセントのあるおしゃれな雰囲気
一般的には黒と白の組み合わせが多いですが、さまざまな場合をシミュレーションしてみましょう。
3. 黒い汚れが目立たない
黒い外壁は白っぽい汚れは目立ちますが、雨だれといった黒い汚れは目立ちにくくなります。
雨だれは放っておくと汚れがこびりついて、なかなか落とせなくなります!
明るい色の外壁ではすぐに雨だれが目立ち始めるため、こまめなクリーニングが必要です。そのことから、黒色は明るい色の外壁に比べて、クリーニングの頻度は少なく済むでしょう。
黒い外壁にする際は、メリットとデメリットの両方をしっかり理解しておく必要があります。「メンテナンス方法が心配」「近隣の目が気になる」など、悩んでいる方はすーさんの相談窓口にご連絡ください。
ハウスメーカーで15年営業経験を持つ私が、家づくりに関する相談に何でも無料で対応いたします!
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新築住宅の黒い外壁で失敗しないための5つの対策
黒い外壁は劣化への対策や周囲との調和が大切なポイントです。こちらでは、黒い外壁で失敗しないための5つの対策を解説します。
- 外壁素材にこだわる
- 外装部材の色との相性を確認する
- 薄い黒にする
- 黒一色にしない
- 景観条例で外壁の色が制限されていないか確認する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 外壁素材にこだわる
黒い外壁を作る選択肢は以下の4つです!
- ガルバリウム鋼板
- 塗装
- サイディング
- 木材
金属製のガルバリウム鋼板は、色味が濃いため引き締まった印象を与えます。塗装には、樹脂製や自然素材系のものなど、さまざまな選択肢があります。
樹脂製は濃い色、自然素材系はグレーに近い色になることが特徴です。
サイディングは、色味や柄が豊富にあるため細かな色味のこだわりを実現しやすい素材です。
木材で外壁を黒くする場合、一般的には焼き杉を用います。杉板の表面を炭化させることで耐久性がアップします。
外壁素材を選ぶ際には、デザイン性や機能性が自身に合っているか確認してみましょう。
外壁の素材別の特徴は関連記事「【一覧表】新築外壁の種類・色の選び方!素材別の特徴や費用の目安を解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 外装部材の色との相性を確認する
外壁を黒くすると、室外機や雨樋など外装部材の色との相性が気になります!
外装部材が黒と調和しない色の場合、家全体が安っぽく見えてしまいます。
たとえば、室外機には黒や茶などのカラーバリエーションはありません。カラーバリエーションのない外装部材は、周囲を囲って隠す工夫が必要になります。
外壁の色の相性については関連記事「【一長一短】白い外壁で後悔する4つの理由!メリットや対策・相性のよい配色事例も紹介」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
3. 薄い黒にする
外壁を黒くする場合、少し薄い色を選びましょう。濃い黒はツヤが出すぎて、安っぽく見えてしまいます。
少し薄い黒のほうが周囲と調和するため、近所の方に嫌がられる可能性も低くなります。
また、色味だけでなく仕上げをマットにするとより高級感が出ます。黒の外壁のツヤは劣化により落ちてくるため、初めからツヤのない仕上げにするほうが経年劣化を感じにくくなるでしょう。
4. 黒一色にしない
外壁は黒一色にせず、ツートンカラーやワンポイントだけでも他のほかと組み合わるのがおすすめです。外壁や外装部材などすべてを黒一色にすると、圧迫感や暗い雰囲気が強くなります。
ハウスメーカーのカタログを参考に、外壁のカラーコーディネートを検討してみるのもおすすめです!
5. 景観条例で外壁の色が制限されていないか確認する
自治体の景観条例では、地域の景観を守るために奇抜な色の使用を制限しています。外壁の色を決める際には、違反していないか確認しましょう。
景観条例は平成16年に施行された景観法に基づき、各自治体が制定しています。
各自治体の考えによって規制が異なるため、家を建てる住所地での確認が必要です。
新築住宅における黒い外壁の風水での意味合い
黒は全部の色を混ぜてできるため、すべてを「飲み込む」「溜め込む」という意味合いがあります。そのことから「貯金が増える」「秘密を守る」などと結び付けられ、信頼感が増す効果があると言われています。
また、風水では「北の方角」が信頼という意味を持っているため、北側の外壁を黒にすることがおすすめです!
一方で、黒の溜め込むという意味合いは「停滞させる」「寄せ付けない」という負の効果とも結び付けられます。風水の観点からは、良い意味だけでなく悪い効果も理解しておきましょう。
新築住宅の黒い外壁で失敗しないためには色味や調和を大切にしよう
黒い外壁は、モダンでおしゃれな印象があるため人気です。
しかし「町の雰囲気が暗くなる」「怖い」などの印象を持つ方も少なくありません!
また、紫外線のダメージにより、比較的早くツヤがなくなるといったデメリットもあります。
外壁を黒くする際には「薄い黒でマットに仕上げる」「ツートンカラーやワンポイントの明るい色を入れる」などの工夫をすると、デザイン性が高く近所の方から嫌がられることも少なくなります。
外壁のカラーコーディネートは、ハウスメーカーのカタログを参考にすると良いでしょう。なかなかしっくりくるデザインに出会えない場合は、すーさんの相談窓口にご相談ください。
カラーコーディネートのポイントやおすすめのハウスメーカーを紹介しますよ!