「変形地に家を建てるとなぜ後悔するの?」
「後悔しないようにするための方法が知りたい」
「間取りはどうすればいい?」
変形地を購入予定の方も購入した方も、変形地での家づくりに不安は尽きませんよね。
変形地での家づくりで後悔しないためには、さまざまな工夫が必要です!
そこで本記事では、大手ハウスメーカーに15年勤務した経験のある筆者が、以下の内容を解説します。
- 変形地を選んで後悔する理由
- 後悔しない間取り
- 対応できるハウスメーカー
ぜひ本記事を最後まで読んで、変形地でも後悔しない家づくりを実現しましょう!
変形地とはどんな土地かをサクッと解説
変形地(変形敷地)とは、一般的な正方形や長方形ではない土地のことです。わかりやすい形状には、三角形・台形・五角形などがあります。
住宅街だと角地や角度が90°でない十字路やT字路の近くにある土地にも多いですね。
坂道などに位置する傾斜地も変形地に該当していて、屋内を水平にするためには埋め立てなどの工夫が必要です。京都の古い家に多い短編が長辺に比べてかなり短く、細長い土地(うなぎの寝床)も該当します。
他にも、旗竿敷地も変形地のひとつです。
L字型のような形状で、道路や歩道に面した部分に門があり、細長い小道を抜けた先に家があるイメージですね。
変形地を選んで後悔する7つの理由
家づくりで変形地を選ぶと後悔する理由は、以下の7つです。
- 有効面積が狭くなる
- デッドスペースができる
- 部屋数が少なくなる
- フルオーダーで割高になる
- 耐久性に影響する
- 快適さを感じにくい
- 資産価値が下がる
それぞれの理由について、対策や工夫も合わせて解説します。
1. 有効面積が狭くなる
家づくりでは土地の形状に関係なく、50坪の土地に有効面積50坪の家を建てられません。
有効面積を簡単に説明すると、家の底面積(≒1階の床面積)のことです。
変形地は角地などで、そもそも土地面積が狭いことも多く、土地の形状も影響して一般的な土地よりも有効面積が狭い傾向にあります。
なぜなら、建築基準法により、敷地境界線から外壁を1mもしくは1.5m下げて建築する必要があるからです。
※第一種低層住居専用地域(低層住居:2~3階建て)に適用される建築基準法
また、建蔽率(けんぺいりつ)でも家の広さは制限されて、地域によって30〜80%と決められています。
※建蔽率:敷地面積に対して家を建てられる面積の割合(家の底面積)
土地の形状に限らず、土地面積を目一杯に使った家は建てられません……
変形地での家づくりは、隣家や道路などの周辺環境に合わせて、最大限の有効面積を考えた家づくりが重要です。家の形状を自由に選べたり、デザインできたりするハウスメーカーや工務店を探す必要があります。
2. デッドスペースができる
変形地の家づくりでは土地だけではなく、家の内部にもデッドスペースが生じます。例えば、三角形の土地に長方形の家を建てると、角にデッドスペースが生じます。
広ければ駐車場、狭ければウッドデッキやバルコニーなどに活用するのがおすすめです!
また、家の底面積が三角形の場合、リビングや台所など面積の広い部屋を正方形にしようとすると、角にあたる部分にデッドスペースが生じます。
洗面所や収納スペースなど、形状が気にならない部屋を配置して有効活用しましょう。
変形地では土地と家の両方に利用しにくい場所が生まれるので、それぞれに合わせた対策と工夫が必要になります。
3. 部屋数が少なくなる
有効面積が狭くデッドスペースが多くなる変形地の家は、どうしても部屋の数が少なくなりがちです。
土地面積が狭い角地などでは、さらに部屋の数が制限されていまいます……
対策としては家の階数を増やすことを検討しましょう。家自体を大きくするには、駐車場を外に設けるのではなく、インナーガレージ(ビルトインガレージ)を採用するのもおすすめです。
ガレージを家の内部に入れることで、土地の有効面積いっぱいに家を建てられます!
ビルトインガレージのポイントについては、関連記事「【憧れの設備】ビルトインガレージの建設費用の相場!安く抑える7つの方法も詳しく紹介」でも解説しています。
変形地での家づくりは間取りのポイントになるので、費用の相場や工事費を安くするポイントをチェックしてみてください。
4. フルオーダーで割高になる
変形地は面積と形状に合わせた家づくりが求められるため、基本的にはオーダーメイドになります。したがって、一般的な注文住宅よりさらに割高になるのがデメリットです
ユニット工法や木材枠組壁工法などサイズに規格がある工法は使えず、コストの削減余地が少なくなります。
また、対応できるハウスメーカーが限られている点も、割高に感じやすい理由のひとつです。
複数のハウスメーカーに見積作成を依頼できず、価格の適正や比較の判断が難しいため価格交渉も困難です。
5. 耐久性に影響する
変形地の形状などによっては、家の耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。傾斜地の場合、家を水平にするためには埋め立てが必要です。
通常の土地に建つ家と比べて、耐震性に影響が生じる場合があります。
また、土地の形状に合わせた家づくりになるため、外壁の面ごとに面積や形状が揃いにくくなる点にも注意すべきです。各面にかかる力が均一にならないため、大きな地震でねじれ倒壊につながるリスクがあります。
対策ポイントは、デッドスペースができても家の形状は直方体を意識することです。六面体で支えるモノコック構造は、航空機や自動車に利用される構造で高い強度を誇ります。
耐久性(構造や耐力壁)に実績があるハウスメーカーに依頼するのもおすすめです!
6. 快適さを感じにくい
変形地によっては近隣住宅との距離が近かったり、家の向き(方角)が制限されたりして快適さを感じにくい場合があります。
家同士の距離が近ければ、生活音や話す声が聞こえることも…….
家の形状やデザインによっては、風通しや日当たりをさらに悪化させる恐れがあり、後悔の原因になります。
窓の方角や位置によっては風が循環しない、昼間でも電気を点ける必要があるなど不便さが目立ちますね。
快適性を改善したりアップしたりするには、さまざまな工夫が必要です。隣家や道路などの都合で窓が取り付けられない場合には全館空調や天井ファンを導入して、風が循環する工夫を採用すると良いでしょう。
採光の問題については、天窓や吹き抜けを活用することでおしゃれ度もアップします。また、ルーフバルコニーや中庭などを配置すると、快適さだけでなく高級感もプラスできるのでおすすめです。
快適性を上げるポイントについては、私のInstagramの投稿を確認してください。約6万人に聞いた家づくりの成功ポイントを一挙大公開しています!
7. 資産価値が下がる
一般的な住宅でも、建設当初から時間が経過するほどに資産価値は下がります。
変形地の場合であれば、元々の低い地価も影響して、新築時点でも一般的な住宅ほどの資産価値はありません。つまり、資産価値を念頭においたライフプランを描くのは困難です。
駅やスーパーなどが近ければ、利便性の良さから中古で売れる可能性もありますが、期待するのは難しいでしょう。
変形地に建てる際は売り出すことを考えずに、思い切って「自分好みにデザインする!」勢いで家づくりを検討してみてください。
ここまで変形地で後悔する理由と、対策やポイントを解説してきました。しかし、変形地での家づくりは、一般的な住宅に比べて難易度が高いのは事実です。
初めての家づくりに加えて、変形地の難易度の高さから不安や心配事も多いでしょう。そんな時には、家づくりのプロであるすーさんにLINEで相談してみてください。
変形地で後悔しないポイントや間取りの工夫、家づくりのちょっとした不安や疑問でも、家づくりのプロである私が解決します!お気軽にご相談ください!
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変形地でも後悔しない間取り3選
変形地の家づくりでも、後悔しない間取りを3つ紹介します。
- 三角形×30坪
- 台形×30坪
- L字型×20坪
それぞれの間取りには、変形地をうまく活かしたポイントがたくさんあります。ぜひ、あなたの家づくりの参考にしてみてください。
1. 三角形×30坪
三角形の斜辺や角の間取りを工夫することで、デッドスペースをうまく活用しているのが特徴です。また、リビングなどメインの部屋を四角形にしているのも狭小さを感じさせません。
斜辺にトイレ、家の角には押入れや玄関を配置することで、居住空間を確保するすばらしい工夫が施されています!
土地のデッドスペースに対しては、駐車場にすることで無駄なく活用できています。
2. 台形×30坪
変形地の中でも台形は、家の形状を四角にしやすいのがポイントです。土地の面積が狭い以外に、上底と下底の長さに極端な差がないなどの条件がそろえば、一般的な土地での家づくりに近い間取りもできます。
実際に間取り図だけを見ると「四角形の土地に建てたの?」と見間違えるほど、工夫された間取りです。
駐車場や玄関スロープ、ウッドデッキなどで、台形の土地で生じるデッドスペースをうまく活かしていますね!
吹き抜けで採光を確保しつつ、ルーフバルコニーで快適性をアップしているのも見逃せません。小屋裏収納で収納スペースを確保しているなど、一般的な住宅にも取り入れたくなる間取りに仕上がっています。
3. L字型×20坪
L字型の変形地での家づくりは間取りに加えて、採光や風通しなど考慮すべき点が多いのが特徴です。
L字の曲がり部分にキッチンを配置することで、一般的な住宅のキッチンのようですね!
ルーフバルコニーや天窓を設けることで、採光を確保しているのもポイントです。
スケルトン階段やグレーチングを採用して、1階まで光を届ける工夫がすばらしいですね!
変形地に対応できるハウスメーカー3選
変形地に対応できるハウスメーカーを3社紹介します。
- 大成建設ハウジング
- トヨタホーム
- BLISS
3社とも実績のあるハウスメーカーですので、変形地で家づくりを検討する時に相談してみましょう。
1. 大成建設ハウジング
項目 | 概要 |
---|---|
企業名 | 大成建設ハウジング株式会社 |
対応エリア | 全国(北海道・沖縄県 含む) |
特徴 | ・鉄筋コンクリート住宅 ・断面図で家を設計するデザイン性 ・長期保証制度特約 ・60年安心サポートプログラム |
地震にも火災にも強いコンクリート住宅「パルコン」が、大成建設ハウジングの特徴です。鉄筋コンクリート住宅は、歪みや変形に強く耐震性が高くなります。
1,000℃の火に2時間以上さらされても耐力が低下しない驚きの性能です!
変形地や狭小地で難しいとされる採光や風通しの問題については、断面図から設計を考えることで上下階の関係を整えているのがポイントです。
延長保証などアフターサービスも整っているので、耐久性と快適性を両立した家づくりに興味がある方はチェックしてみてください。
2. トヨタホーム
項目 | 概要 |
---|---|
企業名 | トヨタホーム株式会社 |
対応エリア | 宮城県から大分県まで27都府県 |
特徴 | ・エスパシオ ・60年長期保証 ・トヨタグループの企業力 |
都市ならではの変形地や狭小住宅に対応してほしい方には、トヨタホームの「エスパシオ」がおすすめです。25cm単位で建物の拡張と配置ができるのが特徴で、土地と住宅内のデッドスペースを限りなく減らせます。
30cm定規よりも短い単位で、家づくりを調整できるなんてびっくりです!
採光や通風を確保するために、グレーチングバルコニーや中庭を実現できるのもポイントです。隣家や道路からの視線が気になる場合には、ハイウォールバルコニーの依頼もできます。
トヨタ自動車株式会社と同じトヨタグループなので、信頼と安心感は段違いですね!
25年目まで5年ごとに無償点検、60年長期保証という充実したアフター保証で、あなたの家づくりを総合的にサポートしてくれるハウスメーカーです。
3. BLISS
項目 | 概要 |
---|---|
企業名 | 株式会社BLISS |
対応エリア | 京都・千葉県・埼玉県 ※別途相談可能 |
特徴 | ・PATIO atelie ・10年間のかし保険とJIOの延長かし保険 ・365日24時間対応のコールサービス |
狭小住宅でも変形地でも、遊び心のある家づくりを諦めたくない方におすすめしたいハウスメーカーがBLISSです。「PATIO atelier」なら、耐震・制震と地震に強く、高断熱で省エネも実現します。
狭小・変形・特殊立地に対する高い施工ノウハウが強みで、ホームページでは複数の施工事例を確認できます。
快適性だけではなく、ボードハウスやガレージハウス、ホームシアターなど遊び心も両立できるんですね!
アフターサービスも充実していて、1・5・10年の無料点検に加えて、24時間365日受付のコールサービスもあります。
トイレの水があふれた、家のカギを無くしてしまったなど、ささいなことでも連絡できる安心感はうれしいですね。
初めての家づくりでも遊び心を妥協したくない方や、家のトラブルで相談しやすいサポートが欲しい方におすすめです。
変形地でも後悔なく理想の家づくりを叶えよう
変形地での理想の家づくりは難しいことから「妥協が必要か……」と諦めてはいけません。間取りや機能性などを工夫することで、オリジナリティ溢れる家づくりを叶えるチャンスがあります。
独創的なデザインで、あなただけの家づくりを楽しみましょう!
とはいえ、初めての家づくりが変形地だと、難易度が高くなるのは事実です。間取りの工夫は経験がなければイメージできません。
そんな時には「すーさんの相談窓口」を利用してみてください。「すーさんの相談窓口」では、家づくりのプロがあらゆる相談に対応します。
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