「3階建て住宅の価格相場はいくら?」
「費用は抑えられるの?」
「3階建て住宅の魅力を知りたい!」
3階建て住宅は土地代が高騰していても、コストを抑えながら建てられるため人気があります。とはいえ、価格を抑えて理想を叶えるためには、ポイントを知っておくことが大切です。
3階建て住宅に絶対に必要な費用と、削減できる費用のどちらも知っておきたいですね!
そこで本記事では、3階建て住宅を視野に入れている人に向けて、住宅のプロが以下についてまとめました。
- 3階建て住宅で必要な費用と価格相場
- 価格を抑えるポイント
- 3階建て住宅を建てるメリットと注意点
3階建て住宅のコストや魅力についてしっかり理解できるので、ぜひ最後までお読みください!
3階建て住宅で必要な4つの費用
3階建て住宅を建てる場合、1〜2階建てとは異なり、以下の追加費用が発生します。
- 構造計算費
- 地盤改良費用
- 基礎や構造材費
- 足場工事費
2階建て住宅を建てるときよりコストがかかるため、知らなければ予算を圧迫しかねません。必ずチェックしておきましょう。
なお、一般的な注文住宅を建てる際に必要な費用は、関連記事「【これでカンペキ】注文住宅の相場は3,000〜4,000万円!費用を抑えるコツや予算別の特徴を解説」で解説しています。あわせてチェックしてみてください。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
1. 構造計算費
3階建てや鉄筋コンクリート造の大規模な建物を建てる場合、建築基準法により、構造計算書の提出が義務付けられています。
構造計算書を作成する際は、専門の設計士が建物の安全性・機能性・経済性などを考慮して構造設計を立てます!
構造計算書の作成には費用がかかり、木造の場合は20万円程度、コンクリート造だと28万円ほどが相場です。
2. 地盤改良費用
3階建て住宅は2階建て住宅より重量が増える分、地盤調査や地盤改良が必要になります。
とくに3階建て住宅だと、地盤調査は必須事項です!
地盤調査の結果、改良が必要だと判明すると、地盤調査費に加えて地盤改良費が発生します。改良の規模は地盤の状態によって変わりますが、最大で100~200万円程度の費用を想定しておきましょう。
3. 基礎や構造材費
住宅を3階建てにする場合、耐震性や耐火性の基準を満たすために、鉄骨造や鉄筋コンクリート造での工法を採用することがほとんどです。
一般的な木造住宅に比べて構造材が重いうえに、ワンフロア分の柱や壁の量が多くなるため1.5倍の重量にもなるからです。
重い荷重を支えるためには、しっかりとした基礎工事と構造材が必要なため、費用がかさむことにつながります。
4. 足場工事費
住宅の外壁や瓦屋根をメンテナンスする際は、足場の組立が必須です。
2階建てと比べると、3階建てのメンテナンスは足場の面積や施工単価が上がるため工事の総額が高くなるでしょう。
陶器瓦やタイル外壁など、メンテナンス頻度を抑えられる素材を選択するなどの工夫をすると、長期的にみて節約できるのでおすすめです。
3階建て住宅の価格相場
3階建て住宅の価格相場は、利用するハウスメーカーや構造によって異なります。
木造より鉄骨造、ローコストハウスメーカーより大手ハウスメーカーのほうが費用が高くなる傾向です!
大手ハウスメーカーの場合、1坪あたり70〜100万円で建てられます。ローコスト住宅を扱うハウスメーカーなら、1坪あたり40~60万円ほどに抑えられるでしょう。
以下の表では、坪数あたりの価格の違いをハウスメーカーの規模ごとにまとめています。
坪数 | 大手ハウスメーカー | ローコストハウスメーカー |
---|---|---|
20坪 | 1,400〜2,000万円 | 800〜1,200万円 |
25坪 | 1,750〜2,500万円 | 1,000〜1,500万円 |
30坪 | 2,100〜3,000万円 | 1,200〜1,800万円 |
35坪 | 2,450〜3,500万円 | 1,400〜2,100万円 |
40坪 | 2,800〜4,000万円 | 1,600〜2,400万円 |
土地の広さと予算をもとに、依頼するハウスメーカーが決められますね!
3階建て住宅の価格を抑える9つのポイント
3階建て住宅の価格を抑えるポイントは、以下のとおりです。
- 延床面積を取りすぎない
- 土地面積を小さくする
- 軟弱な地盤を避ける
- 資材を搬入しやすい土地を選ぶ
- 木造住宅にする
- 間取りをシンプルにする
- 水回りをまとめる
- 窓のサイズ・枚数を調整する
- リビング階段を採用する
予算をオーバーしないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
なお、家づくり全体にかかる費用を抑えるコツについては、関連記事「【知らなきゃ損】安く家を建てる13のコツ!おすすめハウスメーカーや事例もあわせて紹介」で解説しています。あわせて参考にしてみてください!
1. 延床面積を取りすぎない
延床面積とは、建物全ての階の床面積を合計した面積です!
延床面積が小さいほど、建築費を抑えられます。しかし、小さすぎると窮屈で暮らしにくくなるので要注意です。
暮らしやすさを考慮しつつ、ちょうど良い延床面積を検討しましょう。
2. 土地面積を小さくする
土地は面積が小さくなれば、価格は安くなる傾向です。そのため、狭い面積で居住スペースを確保したいなら、3階建て住宅がぴったりといえます。
場所によりますが、建物の費用と同じくらいかそれ以上の土地代がかかることがありますよ。
また、土地面積が小さければ、固定資産税が抑えられます。不動産会社に依頼したり、自身で売地を調べたりして理想の土地を探してみてください。
なお、トータルコストを下げるには、地下や屋上といった空間を有効活用するのが有効です。
3. 軟弱な地盤を避ける
3階建住宅を建てる際は、地盤改良が必要になるような土地は避けましょう。軟弱な地盤は土地の強度や安定性が低く、建物の荷重を十分に支えられません。
たとえば、水分を多く含む粘土質や泥質の土壌や砂地、埋立地などが軟弱な地盤に該当します。
なお、地盤を改良するには以下のような工程を踏むことが必要です。
改良方法 | 工程 |
---|---|
表層改良工法 | 深さ2mほど掘って固化材と土を混ぜる |
柱状改良工法 | 土と固化剤を混ぜて柱の形に整える |
鋼管杭工法 | 土の中に鋼管を入れる |
地盤改良が必要になった場合、高額の工事費用がかかるでしょう。コストを抑えたいなら、土地選びの段階から軟弱な地盤を避けるのが賢明です!
4. 資材を搬入しやすい土地を選ぶ
住宅の建設費を抑えたい場合には、車の出入りがしやすいかをチェックしておきましょう。別途の資材搬入コストがかからないためです。
なお、車での運び入れがスムーズな土地は以下のとおりです。
- 道が開けている
- 道幅が広い
- 隣の住宅との距離が近すぎない
- 土地の形が特殊でない など
車の搬入が難しくなれば、クレーンや専用車両の手配が必要になりプラスで費用がかかります。
5. 木造住宅にする
木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて建材費や工事費が比較的安価です。
構造計算によって強度が充分だと確認できれば、木造住宅でも構造上の心配はありませんよ。
3階建て住宅でコストを抑えたいなら、木造住宅も視野に入れてみてください。
6. 間取りをシンプルにする
部屋数が増えるほど間仕切りや建具も必要になるので、費用がかさみます。そのため、部屋を増やしたい場合には、大きな部屋をパーテーションで区切ることを検討してみましょう。
パーテーションなら取り外しが簡単なので、家族のライフスタイルの変化にあわせやすいですね!
7. 水回りをまとめる
浴室・洗面台・トイレなどの水回りを一箇所にまとめると、排水管が短くて済むので、材料費や施工費を抑えられます。
各階にトイレがある場合も、上下階の同じ場所に配置することで、コストダウンにつながりますよ!
8. 窓のサイズ・枚数を調整する
窓の面積が大きいほど、費用はかかります。そのため、数を減らしたりサイズを小さくしたりして、コストを抑えましょう。
窓の面積が小さいほど断熱性能がアップするので、エアコン代が抑えられますよ!
ただし、あまりに窓の面積が少なすぎると採光が悪くなる可能性があります。ハウスメーカーと相談して、採光量を確保できるように工夫しましょう。
なお、窓の種類や選び方については、私のInstagramの投稿で詳しくまとめています。あわせてチェックしてみてください!
9. リビング階段を採用する
リビング内に階段を設けると、廊下などの専用スペースを省略でき、住宅の価格を抑えられます。なお、節約につながる具体的な理由は、以下のとおりです。
- 廊下部分に必要な建物の有効面積が減るから
- 廊下や階段周りの壁やドアなどの設置が不要になるから
ちなみにリビング内階段は、空間が広く見えるので狭小地などに家を建てる場合には採用したいアイデアの1つです!
ここまで3階建て住宅の費用や節約のコツを紹介しましたが、自身に適した方法がいまいちイメージがつかないとお困りの方がいるかもしれません。そのような方は、住宅のプロに頼ることをおすすめします。
たとえば、大手ハウスメーカーに15年間勤めた経験を持つすーさんが対応する「すーさんの相談窓口」では、豊富な知識から親身になってアドバイスがもらえます!
住宅に関する相談はすべて無料なので、お気軽にご連絡ください!
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【価格以上の魅力】3階建て住宅を建てる5つのメリット
追加の費用がかかるのがネックの3階建て住宅ですが、以下のようなメリットもあります。
- 眺めと陽当たりが良い
- 土地を有効活用できる
- 目的に応じて部屋を使い分けられる
- 水害に備えられる
- 土地の税金を抑えられる
順に解説します。
1. 眺めと陽当たりが良い
3階建ての標準的な高さは約13mです。一般的な2階建ての場合、高さが10mを超えることはほぼありません。そのため、周囲に高い建物がなければ、見晴らしの良い景色を楽しめるでしょう。
最上階部分の日当たりが確保されるうえに、外からの視線を気にする必要がないのは嬉しいポイントです!
2. 土地を有効活用できる
狭い土地でも、高さを活かすことで、十分なスペースを確保できます。
1階をお店やガレージにしたりロフト収納を設けたりと、工夫が広がりますね!
3. 目的に応じて部屋を使い分けられる
3フロアあると目的別に分けられるので、使い勝手は良いでしょう。使い分けの具体例は以下のとおりです。
- 1階を店舗や事務所、2階と3階を住宅部分として利用する
- 1階を親世代、2階をリビングや水回りなどの共有部分、3階を子世代が暮らすスペースにする
3階建てにすることで延床面積が増えるので、使い方の選択肢が増えます!
4. 水害に備えられる
住宅を建てるとき、自然災害のリスクはしっかり想定しておきましょう!
とくに、近くに川がある場合やハザードマップの浸水地域に土地に家を建てる場合は、水害リスクを考慮しておくと安心です。
3階建ての場合なら1階にガレージや水回りを配置し、2・3階を居住スペースにすれば、床上浸水の被害を減らせます。
ハザードマップには、想定される浸水深(洪水により浸水する深さ)の目安が記載されています!
浸水深よりも上の階に避難できれば、一時的ではありますが身の安全を確保可能です。
5. 土地の税金を抑えられる
不動産を所有している人は、毎年「固定資産税」を支払わなければなりません。課税対象である建物の評価額は年々下がりますが、土地については築年数関係なく一定額を収める必要があります。
土地の路線価・床面積が同じなら、3階建て注文住宅は敷地面積を抑えられるので、節税効果が期待できます!
持ち家の固定資産税が気になる方は、関連記事「【相場を紹介】持ち家の固定資産税はいくら?シミュレーションを使った計算方法や節税のコツを解説」もあわせてチェックしてみてください。費用をシミュレーションすることで、大きな出費に慌てず過ごせるでしょう。
3階建て住宅の価格以外の3つの注意点
ここでは、価格以外で知っておきたい3階建て住宅の注意点を紹介します。
- 土地の用途地域によっては建てられない場合がある
- 生活動線が確保されていないと暮らしにくい
- 老後を見据えた間取りにする必要がある
順に見ていきましょう。
1. 土地の用途地域によっては建てられない場合がある
住居エリアによって用途地域の条件が異なり、3階建てが建てられないことがあります。
また、そのほかにも以下のような考慮すべき制限が複数あります。
制限 | 概要 |
---|---|
高さ制限 | 北側隣地の建物の日照を確保するため建物の高さを制限 |
斜線制限 | 隣地境界線からの距離に応じて建物の高さを制限 |
建ぺい率 | 建物の大きさを一定の割合に制限 |
これらの制限や条件を把握し、土地選びの段階から慎重に検討しましょう!
2. 生活動線が確保されていないと暮らしにくい
3階建ての住宅でありがちなのは、生活動線が複雑になってしまい、移動がしにくくなることです。
2階建ての注文住宅とは違い、階段の位置ひとつでも利便性が大きく変わります!
また、1フロアに配置する部屋数が多いと、空間の広さを確保できず圧迫感を抱きやすいです。フロアが増えるからこそ、開放的なデザインを意識しましょう。
3. 老後を見据えた間取りにする必要がある
3階建て注文住宅で階段を昇り降りする生活は、若く体力のあるうちは問題を感じなくても、年齢が上がるにつれ負担に感じやすくなります。
一般的な2階建てでも、高齢になると1階で全て済ませるようになることが多いです!
将来が不安な場合には、リフォームでエレベーターを設置することを視野に入れておきましょう。納戸やクローゼットを広めにしておき、必要な際にエレベーターを導入できるようにしておくと、老後も2・3階を活用できます。
3階建てでも価格を抑えたマイホームが実現できる
通常の建築費に加え、構造計算費や地盤改良費用が必要な3階建て住宅。土地の用途地域によっては建てられなかったり、生活動線が確保されていないと暮らしにくかったりするので、事前の準備やシミュレーションが重要です。
しかし、3階建て住宅には価格以上のメリットがたくさんありますね!
見晴らしの良さや土地を有効活用できる点などは、3階建て住宅ならではのメリットです。また、フロアを増やすことで、土地の面積は変えずに部屋数を確保できます。
これからマイホームづくりをするなら、3階建てを視野に入れてみると選択肢が広がるでしょう。とはいえ、本当に後悔しないか不安に思う方がいるかもしれません。
そのような方は、住宅のプロに相談して不安を解消しましょう。「すーさんの相談窓口」で親身になってアドバイスしてくれるすーさんは、土地選びからホームインスペクションまで一貫して任せられる住宅のプロです。
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