「狭小住宅の価格はどれくらい?」
「普通の住宅より安い?」
「なるべく費用を抑えたい」
狭小住宅を建てたときの価格が、普通の住宅と比べてどの程度違うのか知りたいと思っている方はいないでしょうか。
小さな土地に建てるので、費用を抑えられるのであれば嬉しいですよね!
この記事では、狭小住宅の価格について、以下のポイントに沿って解説します。
- 相場と内訳
- 高くなる理由
- 価格を抑える方法
- おすすめのハウスメーカー
狭小住宅が自身に適しているかを判断し、購入に踏み切れるようになりますので、ぜひ最後までお読みください!
狭小住宅の価格相場は1,500~2,000万円
狭小住宅に明確な定義はありませんが、一般的には15~20坪(50〜66㎡)程度の土地に建てる家と言われています。
国土交通省の「建築着工統計調査 住宅着工統計」によると、1㎡あたりの工事予定額は25万円です。そのため、20坪(66㎡)の場合は「25万円×20坪(66㎡)=1,650万円」と想定できます。
狭小住宅は3階建てにする場合が多いので、1,500~2,000万円程度が相場になると考えられます!
2023年フラット35利用調査によると、注文住宅の面積平均は約36坪(120㎡)のため、販売価格の相場は3,000万円程度です。
参考:住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」
狭小住宅は、全国平均の半分以下で建てられる場合と、割高になるケースが考えられる物件だと言えるでしょう!
狭小住宅の価格の内訳
狭小住宅の価格は、以下のような内訳で構成されています。
- 本体工事費|7割
- 付帯工事費|2割
- 諸費用|1割
狭小住宅がどの部分で費用が発生しているのかを知るためにも、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1. 本体工事費|7割
本体工事費とは、家そのものを建てるために発生する費用のことです。
- 基礎
- 骨組み
- 内装・外装
- 屋根
- 設備(キッチン・トイレ・浴室など)
狭小住宅の場合は、3階建てにするケースが多いことから、本体工事費の割合が大きくなりやすいのが特徴です。そのため、価格を抑えたい場合は、本体工事費を下げる意識を持つとよいでしょう。
地下室やビルトインガレージなど、狭小住宅ならではの間取りを追加すると、価格が高くなる傾向があります!
2. 付帯工事費|2割
付帯工事費とは、家の工事以外にかかる費用です。
- 外構(庭・フェンス・門扉など)
- 屋外給排水
- 地盤改良
狭小住宅は外構を作らないケースが多く、付帯工事費の削減が可能です!
3階建ては、建物の重量が増加することから、土地の強度を上げる地盤改良が必要なケースがあります。地盤改良の必要性は土地の調査をしてみなければわからないため、見積もりの時点で予算にふくめておくことが大切です。
3. 諸費用|1割
諸費用とは、工事にかかる金額以外で必要な費用のことです!
- 契約手数料
- 印紙代
- 登記手続き
- 引越し
一般的な家と狭小住宅では、諸費用に大きな差はありません。とはいえ、想定外の出費になることを避けるためにも、事前にどの程度の諸費用がかかるのかは確認しておく必要があるでしょう。
理想としているマイホームで、実際にどのくらいの費用が必要なのか知りたい場合は、無料の相談窓口を活用することをおすすめします。
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狭小住宅の価格が割高になる6つの理由
狭小住宅の価格が高くなる理由は、主に以下の6つです。
- 3階以上にすると構造上のコストが上がる
- 地盤改良費が発生する可能性がある
- 作業スペース確保の費用がかかる
- 防音対策が必要になる
- 採光の確保に高い技術が求められる
- 間取りの工夫に費用がかかる
一般的な住宅との違いを理解するためにも、ひとつずつチェックしてみてください。
1. 3階以上にすると構造上のコストが上がる
狭小住宅は、十分な居住スペースを確保する目的で、3階以上で建設されることがほとんどです。そのため、一般的な住宅と比べ、建築コストが上昇します。
たとえば、狭小3階建ては一般的な1・2階建て住宅に比べて地震に強い構造が特徴です。十分な耐震性をもつことを証明しないと、行政から建築許可を得られないためです。
建築に技術が必要なことから、予算オーバーの可能性があります!
とはいえ、狭小住宅の場合はエリアが狭いことから土地代が安くなる傾向にあります。建築コストとのバランスを見て、家づくりを進めるか判断してみてください。
2. 地盤改良費が発生する可能性がある
一般的な住宅に比べ、狭小住宅は地盤改良費が発生する可能性が高いです。3階以上で建築するケースが多く、重量増加が考えられるためです。
地盤が弱いままだと、土地に歪みが発生して建物が倒壊する危険性があります…!
家を建てる前に、建築する住宅の重さを想定した計測をおこない、土地の補強が必要かの判断がなされます。土地の状態や家の重さなどにより状況は異なるため、調査するまで費用が発生するかは不明なケースがほとんどです。
狭小住宅で3階建てにする場合は、地盤調査費があるものと想定して予算を組むことをおすすめします!
3. 作業スペース確保の費用がかかる
狭小住宅は、狭いスペースでも工事ができるように工夫しなければなりません…!
狭小住宅の場合、隣の家との距離が近かったり、作業車を止める場所がなかったりする問題が発生します。そのため、工事スペースを確保するためだけに、足場を組むケースも考えられるでしょう。
また、運搬のクレーン車が入れない場合は、人力で資材を運ばなくてはなりません。そのような事態を想定し、見積もり金額に費用が加算されています。
4. 防音対策が必要になる
狭小住宅の場合、隣の家との距離が近く、防音対策が必要なケースがあります。
近隣トラブルを避けるためにも、防音対策には気を遣うべきですね!
テレビの音や子どもの泣き声などが漏れないように対策が必要です。気密性の高い構造にしたり、遮音加工を施した壁を設置したりするなど、配慮をしておきましょう。
5. 採光の確保に高い技術が求められる
3階建て以上の狭小住宅を建てる場合、1・2階部分に暗くて風通しの悪い空間が生まれやすくなります。
隣家とのプライバシーを考慮しながら十分な採光と風通しを確保する必要がありますね!
光を取り入れるためには、以下のような工夫が考えられます。
- 大開口窓を設ける
- 階段室を吹き抜けにして天窓から自然光の恩恵を受ける
- 天井高さを利用して高窓をつくる
- ストリップ階段や螺旋階段にして2階からの光を入れる など
壁からよりも天井から取り入れられる光は3倍と言われており、光が入りやすい分室内温度が上昇することには考慮が必要です。
部屋を明るく開放的にするためにかかる費用も含めて、快適な空間を作る工夫をしましょう。
6. 間取りの工夫に費用がかかる
狭小住宅は、限られたスペースを快適に利用するため、間取りを工夫することが求められます。たとえば、以下のような工夫です。
- ビルトインガレージ
- スキップフロア
- 吹き抜け
- ロフト
- 地下室
特殊な間取りにするほど、複雑な構造になり資材費や工事費が増えそうですね…!
価格を抑えるためにも、ハウスメーカーから詳細な見積もりをもらい、予算と相談しながら間取りを決めるとよいでしょう。
なお、狭小住宅の間取りのポイントについては関連記事「【恥じる必要なし】狭小住宅がみじめと言われる5つの理由!メリットや間取りのポイントも解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
狭小住宅の価格を抑える4つの方法
狭小住宅の価格を抑えるには、以下の4つの方法が有効です。
- 規格住宅にする
- シンプルな構造にする
- 防火地域を避ける
- 工事コストの低い土地を選ぶ
狭小住宅の価格を抑えたいのであれば、土地選びから気を遣う必要がありますね!
1. 規格住宅にする
規格住宅とは、ハウスメーカーが決めたプランのなかで建てる住宅のことです。
用意された規格に沿って建築されるため、安い費用で建てられるのが魅力です!
理想と近いプランが見つかれば、コストを抑えてマイホームが実現できる可能性があります。ただし、土地が特殊な形状をしている場合、建てられないケースがあるため注意が必要です。
規格住宅に興味があるけれど、どのハウスメーカーに相談すればいいのかわからないなどとお悩みの方は、住宅のプロに相談することをおすすめします。
私は、住宅営業員に対して講師をおこなっている家づくりのプロです!豊富な知識を使って、悩み解決のお手伝いをします。
すーさんの相談窓口では、丁寧なヒアリングであなたにぴったりのハウスメーカーを紹介します。少しでも予算を抑えて狭小住宅を建てたいと思う方は、お気軽にご相談ください!
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2. シンプルな構造にする
できる限りシンプルな構造を心掛けるだけで、住宅の本体価格を抑えられます。
家の形を複雑にしたり、入り組んだ間取りにしたりすると費用が追加されてしまうでしょう!
とはいえ、坪数が少ない狭小住宅では、間取りを工夫して快適に過ごせるような対策も必要です。ハウスメーカーの提案と自身の理想をすり合わせつつ、シンプルにできるところがないかを探しましょう。
なお、私が実際におこなった減額調整は、以下のInstagramの投稿にまとめています。代替案の紹介もしているので、あわせてチェックしてみてください!
3. 防火地域を避ける
防火地域とは、火災発生時の被害を抑えるために設定された地域で、主に住宅が密集しているところが該当します。
狭小住宅は市街地に建てるケースが多く、防火地域に該当する可能性が高いです!
防火地域で3階建ての家を建てる場合、耐火建築物として設計をしなければなりません。耐火建築物とは、火に強い資材を使って建てられた家のことで、火災時でも延焼を防ぐ効果を持ちます。
耐火建築物の場合、屋根を不燃材料にしたり、柱を一定以上の太さにしたりするなどの規定をクリアしなければなりません!
本来必要のない費用の追加を防ぐため、防火地域を避けることもひとつの手段です。
4. 工事コストの低い土地を選ぶ
家を安全に建てるための工事が必要な土地や、搬入に手間のかかる土地は、コストが高いと言えるでしょう!
たとえば、土地の高低差が2m以上ある場合、自治体が定める「がけ条例」が適用されるケースがあります。がけ条例とは、土砂災害の防止のため、敷地内の壁の設置を義務付ける取り決めのことです。
壁を作るのは建築主なので、余計なお金が発生してしまいます…。
また、あまりにも道が狭い土地だと、車での資材の運搬ができません。人の手で資材を運ぶための人件費が必要となり、そのぶん見積もり金額が上昇します。
土地を選ぶ際は、工事コストが発生しないかも考えておくと、予算を減らすことにつながるでしょう。
なお、土地探しのポイントについては関連記事「【選択肢は4つ】土地探しはどこに行けばいい?失敗しないポイントをプロが伝授」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
規格住宅なら価格を抑えられる!狭小住宅が得意なハウスメーカー5選
ここからは、マイホーム費用を抑えたい方に向けて、規格住宅を用意しているハウスメーカーを紹介します。いずれも狭小住宅づくりが得意なので、参考にしてみてください。
- ミサワホーム
- 住友林業
- タマホーム
- ヘーベルハウス
- アイダ設計
それぞれ見ていきましょう。
1. ミサワホーム
項目 | 概要 |
---|---|
名称 | ミサワホーム |
狭小住宅プラン | ・CENTURY Primore 3 ・GENIUS UD ・GENIUSまちの空 |
特徴 | ・豊富なバリエーションを備えた狭小住宅プラン ・高品質な木材が叶える温かく丈夫な構造 ・「蔵のある家」と言われる大容量の収納スペースがある |
ミサワホームの狭小住宅は、商品ラインナップが豊富で、デザイン性にも優れています。
「蔵のある家」は、一般的な住まいと比べて収納面積を3倍以上に増やしてくれます。
さらに、1.5階や2.5階といったスキップフロア構造の「高い天井・開放的な空間」に仕上げられるのも大きな特徴です。
2. 住友林業
項目 | 概要 |
---|---|
名称 | 住友林業 |
狭小住宅プラン | プラウディオ |
特徴 | ・BF(ビッグフレーム)構法の主要構造材は一般的な105mm角の柱の約5倍 ・「耐震等級3」を確保している ・木材活かした温かみのあるデザイン |
住友林業の狭小住宅プランは、木材の使用を強調したデザインが特徴的です。
自然素材が湿度を調節したり、空気の質を良くしたり、心地の良い空間づくりをしてくれます。
住環境の質を高める工夫が多く、素材の質感を活かした空間づくりが日本人の心を魅了し続けています。
3. タマホーム
項目 | 概要 |
---|---|
名称 | タマホーム |
狭小住宅プラン | 木望の家 |
特徴 | ・長期優良住宅に標準で対応している ・住宅性能表示制度「等級3」をクリア ・コストパフォーマンスが高い |
タマホームの狭小住宅は、高品質と適正価格にこだわったローコスト住宅です。木をふんだんに使い、視覚的にもリラックスできるデザインとなっています。
長期優良住宅とは、『この家は安心して長く快適に暮らせますよ』と、国土交通省からお墨付きを得られた住宅のことです。
コスパがいいうえに、自由度の高い設計ができるところが支持されています。
4. ヘーベルハウス
項目 | 概要 |
---|---|
名称 | ヘーベルハウス |
狭小住宅プラン | ・terra craft(テラクラフト) ・FREX3 ・TOWNCOMPO(タウンコンポ) |
特徴 | ・狭小住宅プランを数多く揃えている ・独自素材である「ALCコンクリート・へーベル」が建材として採用されている |
ヘーベルハウスは、旭化成ホームズが手掛ける住宅ブランドです。
「ALCコンクリート・へーベル」は、耐火や断熱、耐久や遮音などに非常に優れています!
30年以上前から3階建てを作り続けてきた経験と実績があることから「3階建てのパイオニア」と言っても過言ではありません。
5. アイダ設計
項目 | 概要 |
---|---|
名称 | アイダ設計 |
狭小住宅プラン | 特定のプラン名なし |
特徴 | ・大手よりかなり安い ・ZEH(ゼロエネルギーハウス)に対応した省エネ住宅 |
アイダ設計の狭小住宅は大手に比べてかなり価格が安いですが、建築実績は多数あります。
低コストながらも機能性とデザイン性があるのが特徴です。
標準仕様が充実しており、初期の見積もり通りに進むことが多いポイントは、安心できる要素の1つです。
狭小住宅の価格を抑えるには事前にプランを考えることが大事
狭小住宅は、土地の値段が安くなる代わりに、建物自体のコストが高くなりやすいのが特徴です。3階建てにすると資材費や工事費が増えるほか、地盤改良が必要な可能性も出てきます。
少しでも価格を抑えた家づくりをするためには、事前のシミュレーションが大切です。
家の構造や土地の形などによって価格が変わってくるため、ハウスメーカーとの入念な打ち合わせを心掛けましょう!
とはいえ、自分の理想の家がどのくらいの価格になるのかわからなければ、家づくりへの一歩は踏み出せません。その場合、プロに相談をしてアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。
すーさんの相談窓口では、大手ハウスメーカーに15年間の勤務経験のある私が、家づくりに関するお悩みを解決します!
狭小住宅ならではの土地探しや、間取りのポイントまで幅広いアドバイスが可能です。狭小住宅を建てるときの価格について相談したい方は、お気軽にご相談ください!