「スキップフロアのキッチンにするメリットが知りたい」
「やめたほうがいい?」
「スキップフロアのキッチンが適している家の特徴は?」
おしゃれなキッチンを実現しようと、スキップフロアの導入を検討している方は多いのではないでしょうか。しかし、見た目ばかりにこだわると、住んでからの後悔につながる可能性があります。
毎日使うキッチンのことなので、後悔は避けたいですよね。
この記事では、大手ハウスメーカーで15年間勤務していた筆者が、スキップフロアのキッチンについて以下の内容を解説します。
- スキップフロアのキッチンの概要
- 魅力と注意点
- 実例
- 向いている家
最後まで読むことで、スキップフロアのキッチンが自身に合っているのか判断できるようになります。これから家づくりをする方は、ぜひ参考にしてみてください。
スキップフロアとは?ダウンフロアとの違いも解説
スキップフロアとは、部屋の床に高低差を設ける構造のことです。ドアや壁などのような完全な仕切りと比べて、視覚が広がり開放的な空間の演出ができます。
一方で、ダウンフロアとは、スキップフロアのなかでも床を下げる設計方法のことを指します。キッチンをダウンフロアにすれば、リビングにいる家族と目線を合わせやすくなるなど、通常の間取りとは異なる魅力の創出が可能です。
スキップフロアのなかでも、床を下げる場合はダウンフロアと呼ぶことを覚えておきましょう!
スキップフロアのキッチンにする5つの魅力
スキップフロアのキッチンにする魅力は、以下の5つです。
- 明るく開放的な空間にできる
- 空間にメリハリを作れる
- 家族と目線を合わせやすくなる
- 手元を隠せる
- スペースを有効活用できる
順番に見ていきましょう。
1.明るく開放的な空間にできる
スキップフロアで段差を上げた間取りにすれば、窓を高い位置に付けられるため、明るさの確保が可能です。
隣の家や方角により日当たりが悪くなる家でも、窓の位置が高ければ、自然光を採り入れやすくなります!
また、スキップフロアにて異なる高さで空間を区切ることで、視線が上下や斜めに動くことから奥行きが生まれ、開放的に感じられるでしょう。
壁やドアなど視線を遮るものが少ないので、圧迫感を軽減されることから開放的に感じやすいです。
キッチンだけでなくリビングの日当たりも良くなるため、明るさを確保したい人におすすめです。加えて、限られた空間でも実際の面積より広々と感じられることが、大きなメリットと言えます。
2.空間にメリハリを作れる
スキップフロアによりキッチンに段差を付けると、同じ部屋でも別の空間のように演出できます。そのため、高さがそろっている部屋に比べて、広々としながらもメリハリのあるデザインに仕上げられるでしょう。
メリハリを付ける手段の一つとして、スキップフロアのキッチン部分だけ床の色を変える方法があります。
より別の空間であることが見た目で伝わり、デザインにもこだわれるところが魅力です!
3.家族と目線を合わせやすくなる
キッチンを床の高さを下げるダウンフロアにすると、リビングで生活している家族との目線を合わせやすくなります。
キッチンに立っていても、テーブルやソファーに座っている家族と同じ目線になれるのですね!
さらに、テーブルとの高さを合わせれば、食器の片付けがスムーズになるところもメリットといえるでしょう。
4.手元を隠せる
スキップフロアにより段差を付ければ、キッチンで作業する手元を隠せます。料理している様子を見られたくない方や、集中して作業したい方におすすめです。
急な来客の場合でも、手元を見られる心配がないので緊張することなく落ち着いて作業できるでしょう。
また、壁で仕切らずとも別部屋にいるような間取りを作れるのは、スキップフロアのキッチンにする強みです。キッチンに立っているときは手元を隠しながらプライベートを確保しつつ、料理中以外は開放的な空間を保てます。
5.スペースを有効活用できる
スキップフロアは、床に段差を付けることにより部屋自体のスペースを広く使えるのが魅力です!
マイホームを建てたあとに家族が増えた場合、キッチンの収納スペースが想定より足りなくなることが考えられます。スキップフロアにより空間に余裕をもたせておけば、ライフスタイルの変化にも対応でき、キッチンを快適に使い続けられるでしょう。
また、狭い空間や変形している場所などのデッドスペースも、段差を持たせることで有効活用できます。階段を引き出しタイプにすれば、床下収納が可能です。
家全体を可能な限り使えることは、スキップフロアにすることの大きな魅力です。
スキップフロアのキッチンにする5つの注意点
スキップフロアのキッチンにする注意点は、以下の5つです。
- 掃除の手間がかかる
- 空調効率が悪くなる
- 建築費が高くなる
- バリアフリーにできない
- 音や臭いが家の中に広がる
後悔のない家づくりをするためにも、確認しておくことをおすすめします。
1.掃除の手間がかかる
スキップフロアを採用すると、段差があるぶん掃除の手間がかかります。たとえば、掃除機を使う場合でも、段差を考慮しなければならず、スムーズに作業が進められません。
段差があると、ロボット掃除機も利用できなくなってしまいます…!
また、ほこりは低いところに溜まっていくため、キッチンをダウンフロアにする際はこまめな清掃が必要です。
コンセントに線を挿さずに使用可能なコードレス掃除機を利用するなど、少しでも清掃の手間を省けるように工夫することをおすすめします。
2.空調効率が悪くなる
スキップフロアにより部屋内に段差が生まれることが原因で、場所により温度にばらつきがでるケースがあります。そのため、エアコンを使う場面が多くなる可能性があるでしょう。
また、空調効率を安定させるためには、家自体の断熱性を高めておくことが大切です。
断熱性とは、外気が家のなかに入るのを遮断する能力のことで、性能を高めれば部屋の温度を快適に保てるようになりますよ!
窓を断熱性能の良いものにするなど、建設前から工夫をしておけば、空調効率の悪さを抑えられます。
3.建築費が高くなる
床を上下させるスキップフロアは、一般的な構造の家に比べて建築費が高くなります。使用する建材が増えるのにともなって、工事コストがアップするためです。
また、中二階のような構造を作る性質上、耐震性を高めるための工夫により費用がかさむケースもあります。
スキップフロアにしたい場合は、詳細な見積もりをもらったうえで、予算内に収まるかを確認することをおすすめします!
4.バリアフリーにできない
スキップフロアは床面に段差をつくる方法であるため、バリアフリーを実現することは困難です。
異なる高さのフロアが段差によって区切られるため、移動には上り下りが避けられません。
年齢を重ねて筋力や身体能力が衰えると、ちょっとした段差でもつまずくことや、バランスを崩して転倒しやすくなる可能性があります。
たとえば、キッチンとリビングの間に段差がある場合、車椅子で行き来することは難しいでしょう。
老後のことを考えて手すりやスロープを付けておくなど、事前に対策を行うことがおすすめです。
キッチンは頻繁に行き来する場所であるため、対策を怠るとリフォームが必要になる可能性があります。スキップフロアのキッチンはおしゃれで開放的な空間を実現しますが、バリアフリー対応には限界があることには注意が必要です。
なお、スキップフロアの注意点については、関連記事「【知らなきゃ損】スキップフロアをつくっても老後に後悔しない!4つの注意点や対策方法も紹介」でも紹介しています。老後に後悔したくない方は、ぜひ参考にしてみてください!
5.音や臭いが家の中に広がる
スキップフロアのキッチンは、音や臭いが家全体に広がりやすいデメリットがあります。
間仕切り壁を設けず区切るので、完全に仕切られていません。そのため、キッチンからでる調理音や料理の臭いなどが、家全体に伝わりやすいです。
リビングや寝室がキッチンの近くにある場合、音や臭いが気になる可能性があるでしょう。
たとえば、換気扇を回した場合に、テレビを視聴している家族は「うるさい」と感じるかもしれません。他にも、揚げ物をした際の臭いが周辺の部屋に届く可能性があります。このようなストレスを感じる可能性がある場合には、クローズドキッチンにして音や臭いを閉じ込める対策が効果的です。
デメリットをしっかりと考慮して、スキップフロアのキッチンを採用するかを検討しましょう。
なお、なかなか決心がつかず悩んでいる方は、無料の相談窓口を利用することをおすすめします。
私は、大手ハウスメーカーで15年の勤務経験がある家づくりのプロです。じっくりと話を聞いたうえで、あなただけに適切なアドバイスをしています。
「すーさんの相談窓口」では、間取りの成功・失敗事例をお伝えできるため、後悔のない家づくりのお手伝いが可能です。丁寧なヒアリングをもとにして、あなたにぴったりのハウスメーカーも紹介できますので、お気軽にご相談ください!
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スキップフロアのキッチンを採用した実例3選
ここでは、スキップフロアのキッチンを採用した実例を3つ紹介していきます。
- ダイニングとリビングとの間の段差で空間にリズムを生む
- くつろぎスペースと食事の空間を分けた間取りでメリハリ感を演出
- おもちゃがキッチンに侵入してこないように工夫された空間
ひとつずつ見ていきましょう。
1.ダイニングとリビングとの間の段差で空間にリズムを生む
引用:CLASISHOME
「シンプルだけど他にはないインパクトのある外観にしたい」という施主の希望が込められた住宅です。
リビングとキッチンの間はスキップフロアでつながっており、段差があるので空間にメリハリやリズムが生まれます。段差は高すぎないので腰掛けるのにちょうどよく、ちょっとした休息にも活用できます。
また、ダイニングの奥は黒板塗装になっているので、子どもを遊ばせながら調理が可能です。壁の仕切りはないものの手元は十分に隠せるので、プライベートを確保した状態で落ち着いて料理ができます。
2.くつろぎスペースと食事の空間を分けた間取りでメリハリ感を演出
引用:SUUMO
リビングとダイニングの間に段差が設けられていて、くつろぎの空間とメリハリがつけられるのが魅力的な住宅です。
なお、リビングから出られるウッドデッキは子どもの遊び場や、家族でBBQの場所として使われています。
家族の趣味や希望を叶えながらも、生活にメリハリを持たせている間取りが実現しています。
3.おもちゃがキッチンに侵入してこないように工夫された空間
引用:SUUMO
このスキップフロアは家主からの提案で「おもちゃをリビング内で食い止める」ための工夫の1つです。
広いLDKでも空間が混ざらないように、段差や床材の変化によって、無意識のうちに暮らしにメリハリを生み出しています。
また、ダイニングの頭上にある吹き抜けは、夏になると高窓からの風が通ることで心地よく過ごせるように配慮されているのが特徴です。
スキップフロアのキッチンが向いている家の3つのタイプ
スキップフロアのキッチンを採用するのに向いている家は、以下の3つです。
- 狭小住宅
- 平屋
- 土地に段差のある家
一つずつチェックしてみてください。
1.狭小住宅
狭小住宅とは、一般的に15~20坪(50〜66㎡)程度の土地に建てる家のことを指します!
一般的な家より小さい狭小住宅は、スキップフロアのキッチンにすれば、生活する床面積を増やせます。
たとえば、キッチンの段差を上げて空いたスペースを収納や書斎にするなどの工夫が可能です。狭小住宅で限られたスペースを有効活用したい場合は、スキップフロアを採用してみてください。
なお、狭小住宅の価格相場については、関連記事「【よくわかる】狭小住宅の価格相場を徹底解説!割高になる理由や安価にする方法も紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.平屋
平屋のキッチンにスキップフロアを導入すると、空間に段差を付けられるようになります。そのため、2階がなくてもバリエーションのある間取りの設計が可能です。
同一の空間になりがちな平屋の構造に、段差により変化をつけられるのがスキップフロアなのですね!
平屋の間取りづくりのポイントについては、関連記事「【憧れを実現】平屋の間取りをおしゃれにする7つのポイント!外観を考えるコツや注意点を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3.土地に段差のある家
敷地によっては、土地に段差が出てしまい、間取りが制限されるケースがあります。段差のある部分にスキップフロアのキッチンを導入すれば、無駄のない土地活用が可能です。
段差がある土地を平にする工事も必要なくなるため、コストダウンにもつながりますね!
購入したい土地に段差があり悩む場合は、スキップフロアをうまく活用したキッチンを作れないか検討してみてはいかがでしょうか。
スキップフロアのキッチンにしてマイホームの魅力を高めよう
スキップフロアのキッチンを導入すれば、間取りの自由性が高まり、限られたスペースの有効活用が可能です。
壁で仕切らずとも空間を区切れるため、開放的な間取りのままプライベートの確保もできます!
自由性が高い一方で、建築コストがアップする点には注意が必要です。スキップフロアのあるキッチンづくりの経験が豊富なハウスメーカーへ相談し、事前に予算をしっかり確認しておくことをおすすめします。
スキップフロアをキッチンに入れるべきか悩む方は、プロに相談してアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。
私は、住宅営業員に向けて講義をおこなっている家づくりのプロです。どのような小さな悩みでも解決いたします!
「すーさんの相談窓口」では、間取りの相談だけでなく住宅ローンのようなお金回りの心配ごとにも対応しています!スキップフロアのキッチンを採用すべきかについてもプロの目線でアドバイスしていますので、お気軽にご相談ください!