「平屋のメリットとデメリットは何?」
「二階建てと比較してどっちが住みやすい?」
「自分が平屋に向いているのか確認したい!」
平屋は二階建ての住宅と比較すると、階段の上り下りがないのが1つのメリットです。しかし、床面積を確保するためには、広い敷地が必要なため土地代がかさむことがデメリットといえます。
そのため、平屋のメリットとデメリットを把握し、ご自身に適したマイホームを実現させることが大切です。
そこでこの記事では、大手ハウスメーカーに15年間勤めた経験のある僕が以下の内容を解説します!
- 平屋のメリット・デメリット
- デメリットへの対策
- 平屋と二階建ての比較
ぜひこの記事を読んで、家づくりに役立ててみてください。
平屋を建てる7つのメリット
平屋に住むメリットは、主に以下の7つです。
- バリアフリーで住みやすい
- 生活動線がシンプルで効率的である
- 家族同士のコミュニケーションが取りやすい
- 構造的に安定しており地震や風に強い
- 修繕費用を抑えられる
- 家の中から外に出やすい
- 小屋裏を有効活用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. バリアフリーで住みやすい
平屋は階段がなくバリアフリーになっているので、小さな子どもや赤ちゃん、高齢者にとって住みやすい構造です。
二階建て以上に設置される階段から転落する事故は多く、家庭内で起きた不慮の事故による死因の3位となっています。
- 1位:溺死および溺水(40.4%)
- 2位:窒息(24.8%)
- 3位:階段からの転倒(18.6%)
小さな子どもや高齢者がいる家庭では、階段でのリスクを減らしておくと安心して過ごせます。
赤ちゃんを抱っこしながら階段を上り下りするのは大変ですよね!
平屋であれば、年を取ってからも転落や転倒のリスクを減らせますよ!
2. 生活動線がシンプルかつ効率的である
平屋は階段がなく上下移動がないため、生活動線がシンプルであり、効率的に家事ができます。
たとえば二階建ての場合、家中の掃除機をかける際は1階と2階を行き来する必要があるため負担に感じることがあります。
平屋は生活動線がシンプルなので、家事をするのが楽に感じるでしょう!
少しでも家事の負担を減らせれば、時短につながりますね!
3. 家族同士のコミュニケーションが取りやすい
平屋なら家族が全員1階にいるため、コミュニケーションが取りやすい傾向です。リビングを家の中心に配置しておけば、各部屋に行く際に顔をあわせるタイミングをつくれるので家族全員が話をする機会を持ちやすくなります。
子どもが学校から帰って来た際に、気づかないうちに自室に入っていることも少なくなるでしょう!
家族同士のコミュニケーションを円滑にしたいと思っている方におすすめです。
4. 構造的に安定しており地震や風に強い
平屋は1階部分に上からの荷重が少なく、建物の構造が安定しており、耐震性が確保されています。また、建物が低いため耐風圧性にも優れています。
地震が起きたときに、1階よりも2階や3階のほうが揺れが大きくなることをイメージするとわかりやすいですよね!
また、台風の通過数が多い沖縄県に平屋が多いことからも、平屋が風に強いこともわかります。地震や台風に強い構造の家に住みたい方に平屋はおすすめです。
平屋であれば、地震による倒壊のリスクも減らせます!
5. 修繕費用を抑えられる
平屋は2階建てに比べてメンテナンスする面積が少ないため、修繕費用を抑えられます。新築で建築しても、10年や15年も経てば外壁の補修や塗装が必要になり、雨風の影響が多い地域であれば屋根の修繕も必要です。
平屋は建物の外壁や屋根の修繕の際に、大規模な足場を組む必要がないため、2階建てよりも費用が抑えられます!
なお、新築一戸建ての修繕費の参考費用は以下のとおりです。
平均修繕費 | |
---|---|
木造 | 628.8万円 |
鉄筋・鉄骨造 | 582.4万円 |
平均総額 | 615.1万円 |
修繕費用は結構かかりますが、平屋は二階建てと比べて費用を抑えられて魅力的ですね!
6.家の中から外に出やすい
平屋は、すべての居住空間が地上階にあるため、家の中から外に出やすくなっています。玄関やテラスドアを開ければ、すぐに庭や外部空間にアクセスできるのが特徴です。
特に、小さなお子さんや高齢者の方にとって大きな利点です!
外出の際の階段の上り下りがないため、安全性が向上します。
また、屋内と屋外の境界があいまいであり、自然とのつながりを感じやすいことも特徴です。庭仕事や外での趣味活動にも気軽に取り組めるため、より豊かな生活スタイルを実現できるでしょう。
7.小屋裏を有効活用できる
平屋では、二階建て住宅にはない小屋裏スペースを有効活用できます。収納として活用できるので、大きな荷物や季節外の衣類、思い出の品などを整理して保管できます。
収納スペースを確保できるのはうれしいポイントですね!
また、天窓を設置すれば自然光を取り入れられ、書斎やアトリエとしても利用できます。さらに、断熱材を充填することで家全体の断熱性能を高められ、エネルギー効率の向上が見込めるでしょう。
小屋裏は限られた床面積でも効率的に空間を使用でき、生活の質を向上できます!
平屋はやめたほうがいいと言われる5つのデメリット
反対に、平屋に住むデメリットには、主に以下の5つが考えられます。
- 敷地面積が必要である
- 建築費用が高くなる
- 水害の被害に遭うリスクがある
- 日当たりや風通しが悪くなる可能性がある
- 防犯やプライバシーへの確保が必要である
それぞれ詳しく解説します。
なお、平屋に住むことに不安を感じている方は、関連記事「【保存版】平屋はやめたほうがいいと言われる7つの理由!評価する7つの理由も紹介」をご覧ください。
1. 敷地面積が必要である
大きな平屋を建てる場合、広い敷地が必要です。2階建てと同じ床面積の家を建てようと思ったら、2倍の広さの敷地を必要とします。
しかし、土地は地域によって建ぺい率が30〜80%と決まっているため、2倍の土地では不足する可能性があるでしょう。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建ぺい率が低い地域であれば、面積を広くできないため事前に確認しておく必要があります!
また、家族の人数によって必要な家の広さは変わります。
国土交通省の住生活基本計画を参考にすると、誘導居住面積(世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準)がわかります。
誘導居住面積の種類 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
---|---|---|---|
都市居住型(都心とその周辺) | 55㎡ | 75㎡ | 95㎡ |
一般型(郊外や都市部以外) | 75㎡ | 100㎡ | 125㎡ |
4人家族に必要な居住面積である125㎡を建てようと思うと、建ぺい率50%の土地なら250㎡(75.62坪)、60%なら208.3㎡(63.01坪)の土地が必要です。
広い面積が取れない場合や、建ぺい率が低い地域では平屋の建築は費用の面から困難になるかもしれません!
2. 建築費用が高くなる
平屋は2階建てと同じ延べ床面積を建てる場合に、2階建てよりも建築費用が高くなります。屋根と基礎は工事単価が高いため、そのぶん平屋は建築費用がかかってしまうからです。
ただし、基礎部分の面積が大きいと地震に強いメリットがあります!
建築費用は高くなりますが、耐震性に優れた家に住みたい方は平屋を検討してみてください。
地震が多い日本だと、費用がかかっても耐震性に優れている住宅を選択しておくと安心ですね!
3. 水害の被害に遭うリスクがある
平屋は、台風や豪雨による河川の氾濫などで起こる床上浸水や床下浸水のリスクは高めです。また、2階建てのように上に逃げられないため、垂直非難ができないデメリットもあります。
ハザードマップを確認し、水害が起きそうな場所を避けて高所を選んで建築しましょう。
ハザードマップで土地の高さを確認してから、建築するのがおすすめです!
4. 日当たりや風通しが悪くなる可能性がある
平屋は、周囲に高い建物があると日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。
平屋を建てる場合には、周囲にどのような住宅があって、住宅がない場合にも今後どれぐらいの住宅が建てられるか(建ぺい率)を調べておくとよいでしょう!
また、日当たりや風通しをよくするためには、「コの字型」や「L字型」の間取りにすることで解決します。
5. 防犯やプライバシーへの確保が必要である
平屋は1階部分だけであり、窓が多いので防犯面で配慮する必要があります。道路といった外部からの視線も届きやすいため、間取りの工夫が求められます。
防犯やプライバシーへの対策は、以下のとおりです。
- 防犯ガラスを使用する
- 防犯フィルムを貼る
- 面格子を設置する
- 補助錠をつける
- 防犯カメラを設置する
- 人感センサーライトを設置する
- 防犯砂利(踏むと大きな音が出る砂利)を敷く
- 防犯シャッターをつける
- 目線の高さに植木や塀を設置する
- 大きな窓や庭が道路に面しないようにする
このような対策を行えるかどうかは予算や立地によっても異なるため、建築する前にはハウスメーカーや建築士に相談する必要があります。
すーさんに相談すれば、今回ご紹介した内容以外にも平屋のメリット・デメリットを教えてもらえますよ!
営業マンとして豊富な経験を持ち数多くの家を売ってきたからこそ、家づくりの失敗談を熟知しています。これから理想のマイホームを立てたい方は、ぜひお気軽にご相談ください!
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平屋のデメリットを解消する3つの方法
平屋のデメリットを解消する方法として、以下の3つが有効です。
- 「コ」の字型にして日当たりや風通しをよくする
- 「く」の字型にしてプライバシーを確保する
- 水害が起こりにくい土地を探す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 「コ」の字型にして日当たりや風通しをよくする
中庭を囲むように「コ」の字型の間取りにすることで、日当たりや風のとおりがよくなります。
窓の位置も重要であり、1か所設置したらその反対側に窓をつくると風がとおり抜けて、効率よく空気を入れ替えられます!
また、大きな窓の開口部を中庭側に設けることで防犯面も強化可能です。
2. 「く」の字型にしてプライバシーを確保する
「く」の字型の間取りで内側に庭をつくることで、道路側からの視界を遮ってプライバシーを確保できます!
平屋によく見られる長方形ではなく、少しだけ曲げたくの字型にして、敷地の道路側に建てるようにします。長方形よりも建物が縦に長くなるため生活動線は長くなりますが、玄関を家の中心にすることで動線の調整が可能です。
外からの視線が気になる方は「く」の字型の間取りも検討してみてください。
3. 水害が起こりにくい土地を探す
平屋は、住居スペースがすべてワンフロアになっているため、水害被害に遭いやすいです。
このデメリットを解消するには、土地選びそのものから注意する必要があります!
水害が起こりにくい土地を選ぶために、主に以下の特徴を押さえておきましょう。
- 海や河川の近くではない
- 埋立地ではない
- 周辺よりも土地の高さがある
その他にも、地域の災害リスクを可視化するための地図である「ハザードマップ」を確認するのもおすすめです。
ハザードマップは、国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」から確認できます。無料で閲覧できるので、一度確認してみてください。
なお、関連記事「【対策必須】水害に強い家の特徴4選!おすすめハウスメーカーをランキング形式で解説」では、水害への対策を紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
平屋と二階建てはどっちがいい?あらゆる面を比較解説
こちらでは、平屋と二階建てで迷っている方に向けて、以下の内容を解説します。
- メリット・デメリット
- 税金の額
- 向いている人の特徴
順番に見ていきましょう。
1. メリット・デメリット
平屋と二階建てのメリットデメリットは、主に以下のとおりです。
平屋 | 二階建て | |
---|---|---|
メリット | ・赤ちゃんから高齢者まで住みやすい ・上下移動がなく家事動線が効率的 ・家族同士のコミュニケーションが取りやすい ・高さがないので耐震性に優れる ・高い足場は不要なため修繕費を抑えられる | ・二階部分は日当たりに問題なし ・敷地面積は小さくても大丈夫 ・建築費用を抑えやすい ・プライベート空間をつくりやすい ・水害時に二階へ避難できる |
デメリット | ・広い面積が必要 ・建築費用が高くなる ・水害の被害に遭うリスクがある ・日当たりや風通しが悪くなる可能性がある ・防犯やプライバシーへの確保が必要 | ・階段で転倒・転落のリスクがある ・上下移動があるため、家事動線が非効率な場合がある ・二階部分は地震の振動を受けやすい ・平屋よりもプラス20~30%修繕費用がかかる |
どちらもメリットとデメリットがありますが、何を優先したいかで選択は異なります!
なお、平屋と二階建ての比較は関連記事「【迷わない】平屋と二階建てどっちがいい?メリット・デメリットや決めるポイントを徹底解説」でより詳しく解説しています。ぜひご覧ください!
2. 税金の額
マイホームを建てる際には、固定資産税と不動産取得税の2種類の税金がかかります。
総坪数が同じならば、平屋のほうが税金が高くなりやすいです。二階建てと比べると、平屋は広い土地が必要だったり、屋根や壁の分量が多くなったりするためです。
総坪数が同じなら、平屋は不動産としての価値が高いと認識されます!
3. 向いている人の特徴
平屋と二階建ての向いている人の特徴は、主に以下のとおりです。
平屋 | 二階建て |
---|---|
・子育てや介護をしている(控えている) ・安全性を重視したい ・家族構成が2~3人 ・開放的な空間で過ごしたい | ・狭い土地を活かしたい ・二世帯住宅を考えている ・建築費用を抑えたい ・家族同士、プライベートな空間を確保したい |
それぞれ向いている人の特徴が異なるので「どのような暮らしを実現したいか」を明確にすることが大切そうですね!
なお、ここで紹介した向いている人の特徴は、あくまでも一般論です。平屋で二世帯住宅はつくれますし、安全性の高い二階建て住宅の建設も可能です。
そのため、目安程度に考えておきましょう。
平屋のメリット・デメリットを把握して後悔のない家づくりをしよう
平屋にはメリットもありますが、デメリットもあります。どちらも把握して、自分にあっているかどうかを考えましょう。
平屋と2階建てとの比較も参考にして、どのような生活をしたいかを考えてみてくださいね!
とはいえ、判断が難しい場合もあるでしょう。迷った場合には、家づくりの経験が豊富な専門家に相談してみてください。
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