「ホームインスペクションが必要ないって本当?」
「必要ないって言われる理由は?」
「申し込むとしたらどのタイミングが良い?」
ホームインスペクションは必要ないと言われることがありますが、そんなことはありません。実施すると「家を安心して購入できる」「追加で補修費用が発生するリスクを抑えられる」などのメリットがあります。
ホームインスペクションをしておかないと、住んでから補修部分が見つかって後悔するケースも…
今回はホームインスペクションについて悩んでいる方向けに、家づくりのプロである筆者が以下の情報を紹介します。
- 業者に必要がないと言われる理由
- ホームインスペクションが必要な理由
- 不具合事例
- 費用相場や注意点
- 依頼時のコツとタイミング
正しい知識を身につけて、ホームインスペクションの必要性を理解しましょう!
新築・中古ともにホームインスペクションは必要
業者に「ホームインスペクションはいらない」と言われることもありますが、大きな間違いです!
瑕疵保険や第三者機関が検査しても、見落としている部分があります。ホームインスペクションを追加で行うことで、新たな不具合を見つけられるケースがあるため、実施したほうが良いのです。
国土交通省のガイドラインによれば、ホームインスペクションでは、主に以下の点で項目で検査をしてもらえます。
- 構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの(蟻害、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損など)
- 雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの(雨漏りや漏水など)
- 設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの (給排水管の漏れや詰まりなど)
新築・中古どちらを購入する場合でも、必ず行っておきましょう!
業者にホームインスペクションは必要ないと言われる3つの理由
業者にホームインスペクションは必要ないと言われる理由として、以下の3つが挙げられます。
- 問題が見つかると購入してもらえない
- ライバルの業者に先を越される
- 手間を減らしたいと考えている
1つずつ解説するので、しっかりと知識を身につけておきましょう!
1. 問題が見つかると購入してもらえない
売上につながらなくなるため、ホームインスペクションを推奨しない業者もいるんです…
ホームインスペクションをせずに物件を購入すると、入居後に問題が見つかる場合があります。欠陥や問題を入居前に見つけるためにも、必ず実施しておきましょう。
2. ライバルの業者に先を越される
業者側は、少しでも早く物件を売りたいと考えていることがほとんどです!
ホームインスペクションのやり取りをしている間に、ライバルの業者に先を越されてしまうと不安に感じている業者もいます。
ライバルに顧客を取られないように、ホームインスペクションは必要ないと言ってくる業者もいるので注意しましょう。
3. 手間を減らしたいと考えている
ホームインスペクションには段取りが必要なので、その手間を省きたいと業者側が考えている場合があります。他にも多く仕事があるので、なるべく対応コストを減らしたいと考えているのです。
施工不良・劣化の補修を面倒に感じている不動産営業マンもいます…
ハウスメーカーに相談した際、何の理由もなしにホームインスペクションはいらないと言われた場合は、候補から外すことも検討しておきましょう。
【新築】ホームインスペクションが必要な3つの理由
真新しい新築住宅の場合、ホームインスペクションの必要性が理解できない方も多いでしょう。こちらでは、必要な3つの理由を解説します。
- 品質や仕上がりを確認できる
- 保証期間内で不備の修正を依頼できる
- 長期的に安心感を得られる
一つひとつ見ていきましょう。
1. 品質や仕上がりを確認できる
ホームインスペクションを行うことで「見た目ではわからない構造的な問題点はないか」「適切な品質で施工されているか」などを確認できます。
例えば「水回りの設備が適切に設置されているか」「施工不良による雨漏りのリスクがないか」など、専門家の目で確認して初めてわかることも少なくありません。
素人が見てもわからない点を専門家が確認してくれると安心ですね!
2. 保証期間内で不備の修正を依頼できる
ホームインスペクションで何らかの問題がわかった場合、保証期間内であるため無償での修繕をしてもらえます。
ハウスメーカーは、法律によって新築住宅に対して10年間の保証が義務付けられています。保証期間内に発見された問題は、ハウスメーカーが無償で修繕しなければなりません。
保証期間が過ぎてから初期不良が発覚すると、高額な修理費用を自身で負担することになります!
3. 長期的に安心感を得られる
家は長期間にわたって使用する財産なので、安全性や快適性を確保することは大切です。ホームインスペクションをしておけば、建物の構造的な安全性への安心感を持てます。
専門家に確認してもらっておけば安心ですよね!
なお、ホームインスペクションが必要な理由については、関連記事の「【無駄じゃない】新築でもホームインスペクションが必要な5つの理由!費用やタイミングも紹介」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
【中古】ホームインスペクションが必要な3つの理由
中古住宅の場合は、ホームインスペクションの重要度がより高まります。必要となる、3つの理由を解説します。
- 修繕が必要な個所や費用を確認できる
- 安全性を確認できる
- 価格交渉の材料を得られる
一つひとつ見ていきましょう。
1. 修繕が必要な個所や費用を確認できる
中古住宅を購入する際には「どの程度の修繕が必要か」「修繕にどれくらいの費用がかかるか」を把握しておくことが大切です。
ホームインスペクションを利用すれば、家の状態を詳細に調べられるため、修繕が必要な箇所や費用を見積もれます。
修繕の範囲がわかれば、購入後に「思ったよりも費用がかかった」と後悔しないで済みますね!
修繕が必要な箇所を事前に知ることで、その家が自分の予算や計画に合っているかどうかを判断する材料にできます。
2. 安全性を確認できる
中古住宅では、見た目では判断しにくい構造的な問題が潜んでいることがあります。ホームインスペクションでは、建物の基礎や構造に隠された問題点を明らかにできます。
例えば、地盤沈下による基礎の傾きや、耐震性に問題があることなどです。これらの問題は将来的な大規模な修繕や、安全上のリスクを引き起こす可能性があるため、事前に把握しておくことが大切です。
中古住宅におけるホームインスペクションは、安全リスクを未然に防ぐための重要なステップと言えますね!
3. 価格交渉の材料を得られる
ホームインスペクションの結果は、中古住宅購入時の価格交渉において有力な材料となります。修繕が必要な箇所や構造的な問題が明らかになれば、それらを理由に販売価格の見直しを求められます。
例えば、屋根の交換や給水管の大規模な修繕が必要であることが判明した場合、相応のコストがかかるため、販売価格から割り引いてもらう交渉が可能です。
購入者はより公平な価格で不動産を購入するチャンスを得られますね!
ホームインスペクションで見つかった不具合事例3選
具体的に、ホームインスペクションで見つかった不具合の事例を3つ紹介します。
- 床下の基礎のひび割れや水たまり
- 構造金物の取付不良
- 断熱材の施工不良
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 床下の基礎のひび割れや水たまり
床下の基礎部分のひび割れや水たまりが、見つかる場合があります。いずれの問題も、基礎工事の施工不良が原因です。
ひび割れは建物の耐久性に大きな問題を生じさせる可能性があり、安全性が懸念されます。また、基礎部分の水たまりは、湿気の影響を家の構造部に与えてしまうため、木材の腐食やカビの発生の原因になる可能性があります。
2. 構造金物の取付不良
建物の安全性を確保する上で、構造金物の正確な取り付けは重要です。構造金物が適切に取り付けられていない場合、老朽化や自然災害などで想定以上にダメージを受ける可能性が高まります。
ホームインスペクションでは金物の取り付け状態を詳細にチェックし、不備があった場合、必要な補強や再取り付けを求められます!
3. 断熱材の施工不良
断熱材の施工が不適切であると、住宅の快適性やエネルギー効率に大きく影響します。
想像よりも断熱性が低い事態に陥ってしまいます!
特に、冬の寒い時期や夏の暑い時期には室温が外気温に大きく左右され、生活の質を損なうかもしれません。
ホームインスペクションを実施せずに後悔した事例は、関連記事の「【新築も必要】ホームインスペクションを実施しなくて後悔した事例3選!3つの注意点や業者選びのポイントまで詳しく解説」で詳しく紹介しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
ホームインスペクションの費用相場
ホームインスペクションの費用相場は、5~7万円程度です!
相場はあくまでも、目視で確認できる場合です。目視で確認できない場合はさらに高くなるうえに、オプションは別途料金が発生します。
あくまで相場なので、必ず見積もりを出してもらってから実施するか判断しましょう。
ホームインスペクションの3つの注意点
ホームインスペクションを実施するデメリットとして、主に以下の3つがあります。
- すべての問題を把握できるわけではない
- オプション料金がかかる場合がある
- 時間がかかる
メリットだけではなく、デメリットも知っておきましょう!
1. すべての問題を把握できるわけではない
ホームインスペクションは、基本的には目視で調査を行います。目に見えない問題は把握できないため、すべての問題を顕在化できるわけではありません。
また、精度は依頼する業者の技量にも大きく影響されます。実績のない業者の場合、十分なインスペクションを行ってくれない可能性があるので注意が必要です。
依頼する場合は、業者の実績もしっかりと確認しておきましょう!
2. オプション料金がかかる場合がある
人の目だけではなく機械を使った検査、耐震性の審査を行う場合は追加費用がかかるので注意しましょう!
とくに建築してから時間が経っている中古物件は、じっくりとチェックする必要があります。オプション料金で10万円を超える場合もあるので、見積もりを出してもらったうえで依頼するか検討しましょう。
3. 時間がかかる
検査自体は、3~5時間程度で済むことがほとんどです。ただし、依頼~実施まで1週間、結果がわかるまでさらに1週間かかる場合があります。
人手不足や繁忙期であれば、さらに待たされる場合もあるので注意しましょう!
ホームインスペクションを依頼する際は、どのぐらいの期間がかかるのか事前に聞いておくと安心です。
後悔せずにホームインスペクションを依頼する3つのコツ
後悔せずにホームインスペクションを依頼するコツとして、以下の3つを押さえておきましょう!
- 優良な業者に依頼する
- 補助金の利用を検討する
- 事前にプロに相談する
それぞれのコツについて、詳しく解説します。
1. 優良な業者に依頼する
実績のある業者であれば、安心して依頼できます。ホームページや資料で実績を確認し、信用に足る業者かチェックしましょう。
他にも口コミサイト、Google Mapでの評判も確かめておくと安心です!
複数の評判を見比べて、一番信頼できると感じた業者に依頼しましょう。
2. 補助金の利用を検討する
日本には「長期優良住宅化リフォーム推進事業」や「住宅ストック循環支援事業」などの補助金制度があります!
これらの補助金制度を活用すると、よりお得にホームインスペクションを実施できます。補助金を活用する際は条件が設けられていることがほとんどなので、事前の確認が必須です。
また、自治体で補助金の制度が用意されていることもあるので、あわせてチェックしておきましょう。
3. 事前にプロに相談する
ホームインスペクションをすべきか、自分で判断するのが難しいと感じる方もいるでしょう。
少しでも不安に感じる部分がある場合は、事前にプロに相談しておくと安心です!
住宅に関して長い経験や知識があるプロに相談することで、迷うことなく判断できるようになります。
「すーさんの相談窓口」では、大手ハウスメーカーで15年間勤務し、営業指導を行っている僕があなたの悩みに寄り添いますよ!
ホームインスペクション以外にも、家づくりに関するさまざまな悩みにお答えしますので、ぜひお気軽にご相談ください!
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ホームインスペクションを依頼できる3つのタイミング
ホームインスペクションを依頼できるタイミングは、主に以下の3つです。
- 申し込み前
- 申し込み後
- 契約後
検討しているのであれば、必ず確認しておきましょう!
1. 申し込み前
申し込み前であれば、早い段階でリスクがないか確認できます!
ただし、インスペクションに関するやり取りは時間がかかるため、購入申し込みが多い場合、断られるケースがあります。とくに不具合が見つかった場合は、交渉が長引いてしまうので注意が必要です。
確実に物件を購入したいのであれば、申し込み後~契約前のタイミングで相談しましょう。
2. 申し込み後
契約前であれば不具合があった場合、物件の購入をキャンセルできます。
もちろん、不具合を修繕してもらったり、その分割引してもらったりすることも可能です!
柔軟な対応ができるので、インスペクションを依頼する場合は申し込み後~契約前がベストです。
3. 契約後
契約後でも、売主側で不具合が発覚すれば修繕してもらえます。ただし、事前にしっかりと建物の状態をわかっていないと、どのタイミングの不具合なのかわかりにくくなるため注意が必要です。
最悪の場合、責任があいまいになったり、補修範囲が限定されたりする可能性があります。
交渉が難航する可能性があるので、契約後はタイミングとしてあまりおすすめしません!
ホームインスペクションが必要ないは嘘!正しい知識を身につけてから依頼しよう
ホームインスペクションは必要ないと言われることがありますが、安全を確保したいのであれば実施する必要があります。購入後のトラブルを防ぐという意味でも、複数社を比較して自分に合っている業者に依頼しましょう。
業者によって技術や料金が異なるので、実績を見たうえで選ぶ必要があります!
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