「狭小住宅は恥ずかしい思いをする?」
「デメリットを知りたい!」
「間取りのポイントは?」
狭小住宅とは、間口が狭く奥に長い3階建ての家を指します。狭い土地でも建てられるため、駅近のような土地が少ない場所に多く見られます。
家を建てる立地条件から、狭小住宅の新築を検討している方も多いのではないでしょうか!
しかし、狭小住宅は窮屈そうでみじめに見られるのではないかと不安に感じている方もいるでしょう。
この記事では、家づくりのプロである筆者が、狭小住宅について以下の内容を解説します。
- 狭小住宅とは
- みじめと言われる理由
- みじめではない理由
- みじめな狭小住宅にしないための間取りのポイント
- 建てる際の注意点
狭小住宅は決してみじめな家ではありません!ただし、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です!
狭小住宅とは15~20坪の土地の家
狭小住宅に明確な定義がありませんが、主に以下の特徴を持った家を指します。
- 15~20坪(約50~66㎡)以下の土地
- 3階建て
- 間口が狭く奥行きが長い
- 土地ぎりぎりに建物が建っている(庭がない)
間取りは主に、1階に車庫と水回り、2階にLDK、3階に個室という構造が一般的です。
3フロアあわせた延べ床面積は70~100㎡程度になります!
狭小住宅がみじめと言われる5つの理由
狭小住宅がみじめと言われてしまう理由には、主に以下の5つが挙げられます!
- 間口が狭くて窮屈に見える
- 階段での移動が多い
- 駐車スペースが狭い
- 隣家との距離が狭い
- 地震の横揺れに弱い
一つひとつ見ていきましょう。
1. 間口が狭くて窮屈に見える
狭小住宅は、間口が狭く奥に長い構造から、小さく窮屈な印象があります。
家の正面から見ると、奥行きがわからないためとくに小さな家に見えてしまいますね!
また家の中は、横幅が狭いため家具・家電の配置によっては生活空間が狭くなります。間取りや家具・家電の配置には工夫が必要です。
2. 階段での移動が多い
1フロアが狭く縦に長い構造から、階段での移動が多くなります。生活するうえで頻繁に階段の上り下りが必要なため、生活動線は決して良くありません。
とくに足腰が弱くなってきた年配の方にとっては、階段の上り下りは一苦労ですよね!
3. 駐車スペースが狭い
狭小住宅は土地の境界線ぎりぎりまで使うため、駐車場は一般的に1階部分へのビルドインガレージになります。
さらに、間口が狭いため横幅に余裕のある駐車スペースを設けることが困難です!
乗り降りの際に気を使うだけでなく、サイズの大きい車は駐車できないため、車の買い替えの際にも車種が制限されます。
4. 隣家との距離が狭い
狭い土地いっぱいに家を建てるため、隣の家との距離が狭くなります。
狭小住宅を建てるエリアは、周辺の家も同様に土地ぎりぎりまで建物が建っている場合が多いためです!
窓からすぐに隣家の壁があるため、日当たりが良くありません。また隣の家の視線や生活音が気になることもあるでしょう。
新築工事やリフォーム工事の際には、足場を設置するため隣家の協力を得なければならないこともあります!
日当たりの悪い家に住んで後悔するポイントは関連記事「【脱失敗】日当たりの悪い家で後悔する5つの理由!プロが5つの改善方法を伝授」で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください!
5. 地震の横揺れに弱い
狭小住宅は幅が狭く縦に長いため、地震の横揺れには脆弱です!
新築の際には、家の耐震構造に配慮が必要でしょう。また、地震でも家具固定といった対策が必須です。
狭小住宅がみじめではないと言える3つの理由
狭小住宅はみじめと言われることもありますが、メリットも多くあります。こちらでは、狭小住宅がみじめではないと言える3つの理由を紹介します。
- 好立地に家を建てやすい
- 固定資産税・都市計画税が安くなる
- 庭や外構の手入れが必要ない
人によってはみじめどころかメリットが大きいのが狭小住宅です!
順番に解説します。
1. 好立地に家を建てやすい
狭小住宅は狭い土地を利用するため、駅近くの好立地に家を建てやすいことがメリットです。土地の面積が狭いため、坪単価の高い土地であっても土地購入費を抑えられます。
駅近へのこだわりがある方にとっては、狭小住宅は有力な選択肢になりますね!
土地探しについては、関連記事「【失敗しない】土地探しのコツ7選!基礎知識や探し方を家づくりのプロ解説」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
2. 固定資産税・都市計画税が安くなる
200㎡以下の土地の狭小住宅は小規模住宅用地にあたるため、固定資産税や都市計画税が安くなります。
固定資産税は課税標準の1/6、土地計画税は1/3に軽減されます。200㎡を超える一般的な住宅の場合の軽減率は、固定資産税が1/3、都市計画税が2/3であるため、その差は小さくありません。
狭小住宅には税金面でのメリットがあることを理解しておきましょう!
3. 庭や外構の手入れが必要ない
狭小住宅は土地のほとんどを建物が占めるため、庭や外構の手入れの手間が減ります。庭は多目的に使えて癒やしの空間にもなりますが、防草の手間がかかることも事実です。
家の外回りの手入れに手間をかけたくない方にとっては、庭や外構にスペースがないことはメリットになります!
狭小住宅を検討しようと考えているものの不安な方は、すーさんの相談窓口をご利用ください。自分にあった土地の探し方や狭小住宅の間取りなど、どんなことでも無料で相談できます。
相談に乗ってくれるすーさんは、大手ハウスメーカーで15年間営業を務めたプロです!
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みじめな狭小住宅にしないための間取りのポイント5選
狭小住宅は決してみじめな家ではありませんが、間取りを考える際には配慮しなければならないポイントがあります!
こちらでは、みじめな狭小住宅にしないための間取りのポイントを5つ紹介します。
- リビング・ダイニングは2階に配置する
- 窓を大きくする
- 部屋の仕切りを極力減らす
- バルコニーを2階と3階に配置する
- デッドスペースを減らす
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. リビング・ダイニングは2階に配置する
リビング・ダイニングは、日当たりの面や家族の集まりやすさから2階に配置することがポイントです。
狭小住宅は隣家との距離が近いため、日当たりが悪いという問題があります。家族が比較的長く利用するリビング・ダイニングは、日当たりの悪い1階は避けたほうが良いでしょう。
また3階に配置すると階段の上り下りが大変であるため、家族が集まりやすい2階が最適と考えられます!
2. 窓を大きくする
狭小住宅は、採光をどのように取り入れるかが設計のポイントになります!
天窓の設置や吹き抜けにする方法もありますが、人によって好みが分かれます。光を室内に取り入れる方法として最も良いのは、隣家に接しない面の窓を大きくすることです。
窓を大きくすることは採光面だけでなく、狭い部屋であっても開放感が出るためおすすめです!
3. 部屋の仕切りを極力減らす
狭小住宅は各フロアの床面積が狭いため、部屋を細かく仕切ると窮屈さが出てしまいます。なるべく仕切りを減らし、開放的な空間を作るのがおすすめです。
居住スペースを広くするためには、廊下を極力減らすこともポイントになります!
廊下や部屋同士の仕切りが必要な場合は壁ではなく、カーテンや背の低い棚などを利用すると良いでしょう。
4. バルコニーを2階と3階に配置する
狭小住宅は階段の上り下りの手間を減らすことが、生活の快適さにつながります。
とくに重い洗濯物を持って、階段を上り下りする手間はなるべく減らしたいですよね!
洗濯物を干すバルコニーは、最も日当たりの良い3階に設置したくなりますが、階段の上り下りを考慮すると2階が最適です。
可能であれば、2階と3階のどちらにもバルコニーを設置するのがおすすめです。2階には洗濯機で洗った洗濯物を干し、3階は個室で使った布団を干すスペースとして利用できます。
5. デッドスペースを減らす
狭小住宅はフロアの面積が狭いため、デッドスペースをいかに減らすかがポイントです。どうしても生まれてしまうデッドスペースは、収納スペースとして活用しましょう。
狭小住宅は一般的な住宅に比べて、収納スペースを作ることが困難です。
階段下のデッドスペースを収納に活用することで、狭いフロアを有効に活用できるでしょう!
間取りについては関連記事「【経験者から学ぶ】間取りで後悔しがちなポイント10選!失敗する理由や成功させるためのコツを紹介」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
狭小住宅を建てる際の4つの注意点
狭小住宅を建てる際は間取りだけでなく、法律による規制や費用についても理解しておくことが大切です。こちらでは、狭小住宅を建てる際の4つの注意点について解説します。
- 家の面積が制限される場合がある
- 家の高さが制限される場合がある
- 準防火地域では防火窓が必要になる
- 建築費が割高になる
法律による規制はあらかじめ理解しておくことが大切です!
1. 家の面積が制限される場合がある
狭小住宅は一般的に土地いっぱいに建物を建てますが、立地によっては建ぺい率と容積率によって家の面積が制限される可能性があります。
建ぺい率敷地面積に対する建築面積の割合で「(建築面積÷敷地面積)×100」、容積率敷地面積に対する延べ床面積の割合で「(延べ床面積÷敷地面積×100)」で計算されます。
たとえば、建ぺい率が60%に制限されていれば、住宅は土地の60%しか使用できません!
建ぺい率と容積率は、エリアや土地が接している道路の幅によって定められています。土地を管理・販売している不動産会社や自治体の都市計画課などで確認可能です。
2. 家の高さが制限される場合がある
家の広さだけでなく、高さにも制限があるのです!
道路斜線制限では、道路がある反対側の境界線までの距離に1.25をかけた数値までに家の高さが制限されます。また、第一種低層住宅専用地域では、建物の高さが10mまたは12mを変えてはならないと規定されています。
狭小住宅は通常3階建てであるため、高さ制限に関しても事前に調べておくことが必要になるでしょう。
3. 準防火地域では防火窓が必要になる
土地計画法上の準防火地域に定められている場所では、防火窓の設置が義務付けられています。防火窓は高い遮炎性能があり、通常のサッシに比べて割高です。
防火窓の設置が必要な場合は建築費用に大きく影響するので、準防火地域に当てはまる場所であるか不動産会社や自治体に確認しておきましょう!
4. 建築費が割高になる
3階建ての狭小住宅は、一般的な2階建ての住宅に比べて建築費が割高になります。3フロア分の建築資材が必要なうえ、狭い土地への資材搬入にコストがかかるためです。
狭小住宅を建てる場所は接する道路も狭い場合が多いので、事前にクレーン車や生コン車が入れるかの確認も必要になります!
隣地と距離が近い場合、足場を組むことも手間です。場合によっては、隣家に協力を依頼することになるでしょう。
狭い土地に家を建てることは、さまざまな面でコストがかかることを理解しておいてくださいね!
狭小住宅はみじめではなく立地重視の方にはおすすめ
狭小住宅は、窮屈そうなイメージからみじめに見える場合もあります。しかし、間取り次第で十分に快適な空間が作れるうえに、駅近といった利便性の高い場所に住める可能性がある住宅です。
とくに立地を重視する方にとってはおすすめの住宅と言えます!
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相談に乗る私は大手ハウスメーカーで15年間営業を務めた家づくりのプロなので、安心して質問できますよ!