「持ち家のローン以外にかかるお金はどのくらい?」
「ローン以外にかかるお金の内訳は?」
「負担を軽減できる?」
持ち家の購入を検討している際、住宅ローンの返済額を気にしがちです。しかし、持ち家の購入には、ローン以外に不動産取得税といった税金や維持費などがかかります。
持ち家を購入したあとに家計を圧迫しないか心配ですし、金額の目安も知りたいですよね!
この記事では、大手ハウスメーカーで15年にわたり住宅を販売してきたプロが、以下の内容を解説します。
- 持ち家のローン以外にかかるお金の内訳
- ローン以外にかかるお金の負担を減らす方法
住宅の購入を検討している際、ローン以外にかかるお金について把握しておけば、自分たちに見合った返済額が見出しやすくなります。納得のいく持ち家を購入し、理想の暮らしを実現したい方は、ぜひ最後までお読みください!
持ち家のローン返済以外にかかるお金の内訳
住宅購入時には、建物の本体価格以外に、毎月もしくは定期的にかかるものなど、さまざまな費用が発生します。
持ち家のローン返済以外にかかるお金の内訳は、主に以下の9つです。
費用 | 一戸建て(新築) | 一戸建て(中古) | マンション(新築) | マンション(中古) |
---|---|---|---|---|
不動産取得税 | ||||
固定資産税 | ||||
都市計画税 | エリアによる | エリアによる | エリアによる | エリアによる |
登録免許税 | ||||
表題登記費用 | ||||
火災保険・地震保険 | ||||
浄化槽の維持管理費 | エリアによる | エリアによる | エリアによる | エリアによる |
外構費 | ||||
メンテナンス・リフォーム費 |
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. 不動産取得税
不動産取得税とは、土地や建物などの不動産を取得したときに払う税金のことです。
納税先は都道府県で、不動産(土地・建物)を取得した際、1度だけ納税の義務がありますよ!
ただし、贈与税において特例の適用を受けた場合は、課税対象外になることもあります。
不動産取得税額は、以下の計算式で求められますが、特例により2024年(令和6年)3月31日までは土地と住宅ともに税率3%、住宅以外の家屋4%となっています。
住宅を購入し、登記や家屋調査が完了したのち、半年後までに自宅に納税書が届くのが一般的です。
不動産の評価額がわかれば、計算式で金額を出してみましょう!
2. 固定資産税
固定資産税とは、所有している土地や建物などの不動産に対し、毎年かかる税金のことです。
固定資産税は、1月1日時点での固定資産所有者に税金の支払い義務が発生し、固定資産のある市町村に納めます!
固定資産税額は、以下の計算式で求められます。
自治体によって税率が異なる場合があるため、住宅の購入を検討している市町村の税率を確認しておきましょう!
評価額は3年ごとに適正価格に見直されるため、固定資産税額は年数を経るごとに安くなっていきます。金額の目安は敷地面積によって異なりますが、10万〜20万円程度が一般的です。
3. 都市計画税
都市計画税とは、市街化区域内の土地や建物の所有者にかかる税金です。都市計画事業の費用に充てるための地方税になります。
市街化区域とは、すでに商業施設が立ち並ぶ市街地エリア、もしくは10年以内に優先的に市街地にする計画が進められているエリアのことです!
都市計画税額は、以下の計算式で求められます。
評価額は、3年ごとに適正価格に見直されます。また、自治体によって税率が異なりますが、0.3%を超えることはありません。都市計画税額の目安は、年間10万〜20万円程度です。
住宅購入を検討しているエリアが市街化区域かどうか、自治体の窓口や不動産業者に確認しましょう!
4. 登録免許税
そもそも、住宅の購入や不動産相続の際は、不動産登記の手続きが必要です。不動産登記法に基づき、以下のような情報が登記簿に記載され、法務局に保管することが義務付けられています!
- 土地・建物の助在地や構造
- 所有者(現在・過去)
- 抵当権などの権利関係
- 金融機関の借入金額 など
新築や未登記の土地・建物を取得した場合は「保存登記」、中古住宅や土地を購入した場合は「移転登記」が必要で、いずれも登記を行う際、登録免許税を納める必要があります。
登録免許税額の計算式は、以下の通りです。
軽減措置後の税率は登記の種類によって、以下のように定められています。
売買による建物の所有権保存登記 | 0.4% |
土地の所有権移転登記 | 2.0% |
建物の所有権移転登記 | 2.0% |
不動産の登記は、書面またはオンラインで法務局に申請します。個人での手続きは可能ですが、専門家の司法書士に依頼するのが一般的です!
専門家の司法書士や土地家屋調査士に依頼する場合、報酬として5万〜10万円程度かかります。
5. 表題登記費用
公的に登記されていない土地や建物は「不動産の所在や規格」を新たに登録しなければなりません。新築の注文住宅や未登記物件を購入した際、必要となるのが「表題登記」です。
表題登記の費用は、土地家屋調査士の報酬によって構成されています!
日本土地家屋調査士会連合会が公表している「令和4年度土地家屋調査士業務報酬に関する調査」によると、表題登記報酬の全国値は以下の通りです。
平均値 | 85,174円 |
最高値 | 154,700円 |
中央値 | 82,500円 |
最低値 | 9,000円 |
表題登記は、書面で法務局に申請します。個人でも手続きはできますが、専門家である土地家屋調査士に依頼するのが一般的です!
表題登記は、司法書士ではなく土地家屋調査士に依頼します。代行を依頼する場合、8万〜15万円程度の報酬が必要です。
6. 火災保険・地震保険
火災保険は家やマンションといった建物だけでなく、家財が災害によって損害を受けた場合、補償してくれる保険です。法律上、火災保険の加入は義務付けられていません。
とはいえ、新築住宅をローンで購入する際は、火災保険の加入が必須条件となっているケースが大半です!
また、地震保険は単独での契約ができず、火災保険とセットで契約しなければなりません。火災保険・地震保険の金額は、保険会社の商品や保証内容により異なりますが、目安は年間5万円からです。
地震大国である以上、被害にあわないとは言い切れないため、加入を検討するのがおすすめです!地震保険料はローンに組み込める場合がありますよ!
住宅ローンに関して詳しく知りたい方は「モゲチェック」の活用がおすすめです。自分の状況に適した住宅ローンをネット上で提案してくれ、必要に応じてアドバイスがもらえますよ!
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
7. 浄化槽の維持管理費
浄化槽エリアに持ち家のある人は、維持管理費が必要となります。浄化槽とは、前面道路に下水道の本管が通っていないエリアに設置される「汚水浄化装置」のことです。
下水道のインフラが整っていないエリアは、浄化槽と呼ばれるタンクを各家庭の敷地内に設置します!
微生物の働きを利用して生活排水をキレイにする浄化槽は、年に1回程度の清掃・点検・検査を行うことが「浄化槽法」によって義務付けられています。
また、浄化槽内の微生物に酸素を送り込むための「ブロア」と呼ばれるポンプの電気代も必要です。年間にかかる浄化槽の維持管理費の目安は、以下の通りです。
清掃費用 | 30,000円程度 |
保守点検費用 | 単独浄化槽:10,000円前後 合併浄化槽:15,000〜20,000円程度 |
法定検査費用 | 4,500〜5,500円程度 |
ブロア電気代 | 7,000円程度 |
浄化槽が故障したときは、さらに費用がかかります。地域や業者によって費用が異なるので、不動産会社に確認してみましょう!
住宅の購入を検討している方は「タウンライフ」を活用するのもひとつの方法です。土地選びのアドバイスも提案してくれるため、浄化槽エリアにあたらない土地探しにつながる可能性があるでしょう。
タウンライフの詳細は、関連記事「【希望が叶う】理想の家を実現する間取りの決め方を徹底解説!無料でプロに依頼する方法を紹介」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
8. 外構費
外構はハウスメーカーにより取り扱いが異なり、家づくりのプランニングに含まれる場合と、別業者に依頼する場合があります。
工務店やハウスメーカーに外構工事を依頼すると、外構費も住宅ローンに組み込めることがあります。ただし、審査が厳しいことは頭に入れておきましょう!
自分で外構業者を探した場合は、住宅ローンに組み込めない場合があるため、リフォームローンを活用することも可能です。ただし、住宅ローンよりも金利は高くなります。
外構設計や施工内容によっては100万円以上になるケースがあるので、建物以外の予算配分をしっかり行いましょう!
外構工事費用に関しては関連記事「【要捻出】外構工事費用の目安は建設費の10%!項目別の内訳や安く抑える方法も紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
9. メンテナンス・リフォーム費
住宅を購入したあとは、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。
メンテナンス費用は100万円以上かかる場合がほとんどなので、以下の表を参考に、事前に目安を確認しておきましょう!
メンテナンス箇所 | 耐用年数 | メンテナンス費用 |
---|---|---|
シロアリ駆除 | 5年 | 15〜20万円 |
網戸・障子張替え | 5年 | 1〜2万円 |
畳張替え | 10年 | 1〜2万円 |
壁紙張替え | 10年 | 10〜50万円 |
外壁塗り替え | 10年 | 20〜100万円 ※外壁材の種類により異なる |
水回り修繕 | 10年 | 40〜50万円 |
床張替え | 15年 | 10〜20万円 |
屋根修復 | 20年 | 25〜40万円 |
長く安心して暮らすために、メンテナンス費を毎月積み立てておくと、急な出費にも慌てずに済みますね!
初めての家づくりや、予算にあわせた住宅を購入したい方は「すーさんの相談窓口」の無料相談を活用するのがおすすめです。
大手ハウスメーカーで15年間営業を務めた経験のある私が、些細な疑問にお答えします!
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持ち家のローン以外にかかるお金の負担を減らす5つの方法
持ち家のローン以外にかかるお金の負担を減らすために、以下5つの方法があります。
- 住宅借入金等特別控除を活用する
- 税金の優遇措置を活用する
- 補助金を活用する
- 耐久性の高い建材を選ぶ
- 定期的なメンテナンスを怠らない
ひとつずつ見ていきましょう!
1. 住宅借入金等特別控除を活用する
新築の家を建てたり中古物件を購入したりした場合、住宅借入金等特別控除を活用すると、最大13年間、所得税控除を受けられます。
2022年の税制改正に伴い、2025年まで延長されました!
控除期間 | ・新築住宅、買取再販の中古住宅:13年 ・中古(既存)住宅:10年 |
控除が受けられる要件 | ・合計所得金額2,000万円以下 ・昭和57年以降に建てられ、新耐震基準に適合している ・床面積50㎡以上 ・住宅ローン借入期間が10年以上 |
控除額の計算式 | 年末時点の借入残高×0.7% |
また、新築・既存住宅、住宅性能、入居時期などによって、借入限度額と控除期間は以下の表のように細かく分けられています。
新築住宅・買取再販(控除期間13年間)
借入限度額 令和4・5年入居 | 借入限度額 令和6・7年入居 | |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
その他の住宅 | 3,000万円 | 0円 |
既存住宅(控除期間10年間)
借入限度額 令和4・5・6・7年入居 | |
長期優良住宅・低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 |
その他の住宅 | 2,000万円 |
たとえば、新築で家を建てて、年末ローン借入残高3,000万円の場合、3,000万円×0.7%=21万円の所得控除が受けられますよ!
2. 税金の優遇措置を活用する
税金の優遇措置には、固定資産税・不動産取得税・登録免許税の減税措置があります!
固定資産税の減額・特例措置
固定資産税の減額・特例措置は、令和6年3月31日までの適用期限があります。
減額措置 | 新築住宅にかかる固定資産税を2分の1に減額 ・住宅:3年間 ・マンション:5年間 |
特例措置 | 新築の認定長期優良住宅の固定資産税を2分の1に減額 ・住宅:5年間 ・マンション:7年間 |
不動産取得税の減税措置
不動産取得税の税率は4%です。しかし、軽減税率として土地と住宅については3%が適用されています。
特例措置が適用されるケースは、以下の通りです。
新築住宅を取得する場合 | 評価額から1,200万円を控除 ※住宅の床面積が50㎡(一戸建て以外の住宅で賃家の用に供する場合は40㎡)以上240㎡以下 |
住宅用地を取得する場合 | 以下いずれか高い方の額を土地の税額から軽減 ・150万円×税率 ・土地1㎡あたりの価格×住宅の床面積の2倍(1戸あたり200㎡を上限)×税率 |
登録免許税の軽減措置
令和5年度の税制改革によって、登録免許税の軽減措置は適用期限が延長されています。軽減措置による税率は、以下の通りです。
登記の種類 | 本則 | 軽減措置 |
---|---|---|
土地の売買による所有権の移転登記 | 2.0% | 1.5%(R8.3.31まで) |
土地の売買による所有権の信託の登記 | 0.4% | 0.3%(R8.3.31まで) |
住宅用家屋の所有権の保存登記 | 0.4% | 0.15%(R6.3.31まで) |
住宅用家屋の所有権の移転登記 | 2.0% | 0.3%(R6.3.31まで) |
優遇措置をうまく活用すれば、負担が減らせますね!
3. 補助金を活用する
省エネ性能が高い新築を建てる場合、国土交通省管轄の補助金を申請できます。
令和5年度の補助金をいくつかピックアップしてみました!
地域型住宅グリーン化事業
(認定長期優良住宅、ZEH・Nearly ZEH、認定低炭素住宅、ZEH Oriented)
支援対象 | 地域の中小工務店のグループの下で行われる省エネ性能に優れた木造住宅の新築 |
補助対象/補助額 | ・子育て世帯、若者夫婦世帯による住宅の新築ZEH住宅:100万円/戸 ・住宅の省エネ改修、住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修など:リフォーム工事内容に応じて定める額(上限30万円/戸) |
こどもエコすまい支援事業
支援対象 | 子育て世帯、若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する住宅の新築または住宅の省エネ改修工事等 |
補助対象/補助額 | ・新築の場合100万円/戸 ・改修工事等の場合はリフォーム工事内容に応じて定める額。上限30万円/戸 ※子育て世帯・若者夫婦世帯は、上限45万円/戸(既存住宅購入を伴う場合は60万円/戸) ※安心R住宅の購入を伴う場合は、上限45万円/戸 |
LCCM住宅整備推進事業
支援対象 | LCCM住宅(戸建てに限る)の新築 |
補助対象/補助額 | 140万円/戸 |
事業要件 | ・強化外皮基準(ZEH水準の断熱性能)を満たす ・再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が現行の省エネ基準値から25%削減されている ・ライフサイクルCO2の評価結果が0以下 |
他にどのような補助金があるか、国土交通省のHPでチェックしてみましょう!
4. 耐久性の高い建材を選ぶ
新築で家を建てる際、外壁や屋根材、床材やウッドデッキなど、耐久性の高い建材を選ぶこともローン以外のお金の負担を減らすことにつながります。
たとえば、耐震等級3の強度を持つ住宅では、地震保険料の軽減につながります!
5. 定期的なメンテナンスを怠らない
メンテナンス費は決して安くはありません。とはいえ、メンテナンスを怠ってしまうと結果的に取り替えが必要になり、費用が高くなってしまうことも考えられます。
定期的な水回りのハウスクリーニングや日常的な掃除など、メンテナンスを怠らないことが大切です!
家づくりを始めるにあたって「LIFULL HOME’S」を活用するのも有効です。家づくりに必要な知識が網羅されている「初めての家づくりノート」が無料でもらえますよ!
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
持ち家のローン以外にかかるお金を事前に把握しよう
持ち家の購入には、ローン以外に不動産取得税といった税金や維持費などがかかります。建物自体の価格だけでなく、ローン以外にかかるお金にも目を向け、予算配分しておくことが大切です。
お金の負担を減らすために、国の支援をうまく活用するのも有効でしょう。
「すーさんの相談窓口」では、大手ハウスメーカーで15年住宅販売した経験を活かし、どんな些細なことでも丁寧にアドバイスします!
相談は無料なので、持ち家のローン以外にかかるお金の負担を減らし、自分たちに見合った家づくりを成功させたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。