「ルーフバルコニーをつくって後悔する?デメリットは?」
「おしゃれなルーフバルコニーをつくりたい!」
「メンテナンス費用や手間を知りたい!」
ルーフバルコニーは、住宅に開放的な空間をつくれるため人気です。
開放的なプライベート空間でBBQをしたいと夢を持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、ルーフバルコニーをつくる際には、費用面や周辺の家への配慮などさまざまな注意点があります。後悔しないためにも、注意点の理解が大切です。
この記事では、大手ハウスメーカーに15年以上勤めた経験のある筆者が、ルーフバルコニーについて以下の内容を解説します。
- 後悔する理由と魅力
- 設計のポイント
- 事例
後悔したくない方は、ぜひ参考にしてみてください!
ルーフバルコニーとは屋根部分を利用した空間のこと
ルーフバルコニーとは、階下の屋根部分を利用した屋外スペースです。屋根がなく開放的な空間であることが大きな特徴です。
一般的なバルコニーとは建物から張り出していない点で、インナーバルコニーとは屋根がない点で異なります。なお、ベランダとの違いは、建物から張り出していないことです。
建物から張り出していないため、室内のスペースとのバランスによっては大きな空間をつくれますよ!
ルーフバルコニーをつくって後悔する7つの理由
ルーフバルコニーは開放的で魅力的な空間ですが、つくって後悔したという声もあります。こちらでは、ルーフバルコニーで後悔する理由を7つ紹介します。
- 初期費用が高い
- メンテナンスに費用と手間がかかる
- 天気や気候によっては使用できない
- 周囲の視線や騒音などへの配慮が必要になる
- 子どもの安全性に懸念がある
- 雨漏りの可能性がある
- 掃除に手間がかかる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 初期費用が高い
ルーフバルコニーの導入費用は高額です。構造や大きさによって設置費用は異なりますが、150〜200万円以上ほどかかります。
防水工事や床の補強、手すりの取り付けなどが必要な場合には、さらに費用が増加しますよ!
2. メンテナンスに費用がかかる
ルーフバルコニーでは、以下のような場合にメンテナンスが必要です。
- 防水層の劣化
- 天端の笠木の劣化
- シロアリの発生
とくにルーフバルコニーは、屋根がないため床の防水施工の劣化が早くなります。定期的なメンテナンスは避けられないでしょう。
早いと5年弱、長くても10〜15年ぐらいに1度のスパンで再塗装が必要になることもあります。
また、外周の壁の天端にある笠木は劣化して雨漏りしやすい傾向があり、損傷箇所の修理または交換が必要です。木製ウッドデッキもシロアリの温床になりやすいため、素材は「樹脂製」を選びましょう。
メンテナンスにかかる費用は、ある程度予測がつけられることから、設計の段階から見積もっておくことをおすすめします。
3. 天気や気候によっては使用できない
ルーフバルコニーは屋根がないため、天候の影響を大きく受けます。
夏場は太陽が直接当たって暑くなり、冬は寒すぎてじっとしていられません。また、強風の日は物が飛んでいくので、屋根がないルーフバルコニーの利用は困難です。
そのため、年間を通して利用できる日は多くなく、洗濯物を干すだけになりがちです。
利用方法によっては、雨よけの設置を検討する必要があるでしょう!
4. 周囲の視線や騒音などへの配慮が必要になる
ルーフバルコニーは、遮るものがないため隣家への配慮が求められます。
子どもの遊び場として活用したり、BBQで家族の時間を取りたい場合には、周囲への影響を考えておくことが必要です。たとえば、子どもの騒ぎ声やBBQの煙などが、近隣住民の方に迷惑をかける可能性があります。
隣家に配慮して、結局ルーフバルコニーを使わなくなったということにもなりかねません。
5. 子どもの転落や物の落下への懸念がある
ルーフバルコニーのフェンスの高さは、一般的に1.1~1.5m程度です。
1.1~1.5mのフェンスは、小学生でも手が届き、踏み台があれば超えられる高さです!
転落や物を落下させる危険性から子どもだけで遊ばせることが難しく、使わなくなったという声もあります。子どもがいる場合には、とくに落下のリスクを対策しておく必要があります。
6. 雨漏りの可能性がある
ルーフバルコニーは雨ざらしになるため、建材の劣化やメンテナンス不足により雨漏りが起こる可能性があります。たとえば、以下のような例です。
- 防水層の劣化で雨水が浸透する
- 排水不良で排水しきれずに浸透する
- バルコニーと屋根のつなぎ目から雨漏りする
ルーフバルコニーから雨漏りすると、天井・床・鉄骨・木材などの家全体の劣化につながります。
定期的なメンテナンスや掃除は欠かさず、雨漏りが起こる原因を作らないようにしましょう。
7. 掃除に手間がかかる
ルーフバルコニーは屋外にあるので埃やチリ、ゴミなどが溜まりやすく掃除が大変です。
また、鳥に糞を落とされることもあるでしょう。ほかにも、洗濯物を干していれば、髪の毛と埃が絡まった汚れがこびりつくこともあります。
こまめに掃除しなくてはなりませんね…!
掃除の負担を減らすためにも、汚れが落ちやすい床材を選定したり、ルーフバルコニーに水道を設置したりするなどの工夫が求められます。
ここまで、ルーフバルコニーの設置で後悔する理由を紹介してきました。「あまり魅力的なポイントはないのかも…」と採用すべきか悩む方もいるかもしれません。そのような方は、住宅の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
「すーさんの相談窓口」では、設計のアドバイスや施工実績が豊富なハウスメーカーの紹介などができます。ルーフバルコニーの設置を検討されている方はお気軽にご連絡ください!
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ルーフバルコニーをつくる魅力3選
ルーフバルコニーには注意点がある一方で、多くのメリットもあります。主に以下の3つです。
- 日当たりがよく開放感がある
- 屋外活動スペースとして多目的に利用できる
- 土地の有効活用ができる
一つひとつ見ていきましょう。
1. 日当たりがよく開放感がある
ルーフバルコニーの最大の魅力は、開放的な空間であることです。屋根がなく開けた構造は、空が広がっていて広々とした視界が開放感を与えます。
また、日当たりの良い場所を確保できるところも魅力です。
とくに都市部の狭い居住環境においては、開放感は大きな価値がありますよね!
なお、ルーフバルコニー側に大きな窓を設置すれば、部屋の延長のように見えるため一体化してより広く見えます。
日当たりが良い家のメリットについては、関連記事「【抜群に気持ちいい】日当たりのいい家の7つの魅力!方角ごとの特徴や悪い際の対策法も紹介」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 屋外活動スペースとして多目的に利用できる
ルーフバルコニーの広いスペースは、以下のようなさまざまな活動に利用できます。
- 景色や眺めを楽しんだりリラックスしたりする
- アウトドアリビングのスペースとして利用する
- 花火鑑賞を楽しむ
- 洗濯物を干す
- ガーデニング、家庭菜園をする
- 子どもやペットの遊び場として活用する
アウトドア用の家具を設置すれば、家族や友人と食事やカフェの時間を楽しめます。ドッグランを作れば、ペットの運動不足を解消できるでしょう。
さらにガーデニングやヨガなど、自然を感じながら楽しむ活動にも最適ですね!
3. 土地の有効活用ができる
ルーフバルコニーは本来使用できない屋根になる部分を活用するため、土地の有効活用になります。庭が欲しいけれど、土地が足りないという方におすすめです。
狭い土地であっても屋外スペースが取れることは、大きなメリットですね!
また、ルーフバルコニーは条件にもよりますが「床面積」には含まれないのが一般的です。その場合、固定資産税の対象にはなりません。
なお、狭小住宅については、関連記事「【恥じる必要なし】狭小住宅がみじめと言われる5つの理由!メリットや間取りのポイントも解説」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
ルーフバルコニーをつくって後悔しないための設計のポイント4選
ルーフバルコニーで後悔しないためには、慎重な設計計画が必要です。こちらでは、ルーフバルコニーを設計する際に考慮すべきポイントを5つ解説します。
- 使用目的を明確にする
- 目隠しを付ける
- 適切な高さの柵・手すりを設置する
- メンテナンスしやすい床材を選ぶ
- 洗濯動線を考えて設置する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 使用目的を明確にする
ルーフバルコニーを設計する際には、使用目的の明確化が重要です。
使用目的が明確であれば、最適な広さや設備の設計が可能になります。たとえば、利用方法によって、目隠しの有無や柵・手すりの設置の仕方などが変わります。
利用方法にあわせて設計すれば、使えなかったという後悔は少なくなるでしょう!
2. 目隠しを付ける
ルーフバルコニーを設置する際には、隣接する建物からの視線やプライバシーへの配慮も重要なポイントです。
具体的には、目隠しの設置や周囲にある家の窓の位置に応じて向きを変える対策が求められます!
目隠しには、シェードやすだれの利用がおすすめです。ポリエチレン製のシェードであれば、雨を弾き劣化を防げます。
また格子の細かいフェンスは、目隠しとしての活用も可能です。
3. 適切な高さの柵・手すりを設置する
人や物の落下を防ぐために、適切な高さの柵や手すりの設置が重要です。とくに子どもの遊び場を想定する場合は、柵の間隔を狭くするか、壁を立てるなどの対策が必要です。
ただし、高い柵を設置すると、光が入りにくくなる、風通しが悪くなるなどのデメリットがあります。
洗濯物干場として活用する場合には、自然光の入り方や風通しを考慮した設計にしましょう!
4. メンテナンスしやすい床材を選ぶ
管理の手間を減らすために、メンテナンスが楽な耐候性のある床材を選びましょう。
- タイル
- 防水性の高い樹脂製の床材
- 耐久性の高い人工木材 など
水洗いで汚れが落ちて掃除がしやすいこと、水はけがよく劣化が少ないことを意識して選ぶといいでしょう。
耐候性のある床材ならば、長期間にわたって美しい状態を保てます。
天然木の床材は温かみのある風合いがありますが、湿度の影響を受けやすく丁寧な手入れが必要です。
5. 洗濯動線を考えて設置する
ルーフバルコニーに洗濯物を干したい方は、動線を考えて設置しましょう。
たとえば、洗濯機とバルコニーは同じ階にするべきです。フロアが違うと、洗濯物を持って階段を昇降しなければなりません。毎日洗濯する家庭では、利便性を重視するためにも洗濯機は近い場所に設置しておきましょう。
ルーフバルコニーの真横に洗濯機置き場を設けておけば、洗濯物を最短距離で干せてとても楽ですね!
なお、私のInstagramの投稿では、我が家の洗濯動線について紹介しています!洗濯機からルーフバルコニーへの動線と家事のしやすさについて知りたい方は、ぜひチェックしてみてください!
後悔しないルーフバルコニーの事例3選
ルーフバルコニーの魅力的な配置事例をタイプごとに3つ紹介します。
- 3階建ての広々としたルーフバルコニー
- 狭小地の屋上ルーフバルコニー
- 室内空間とのつながりを意識したルーフバルコニー
一つひとつ見ていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 3階建ての広々としたルーフバルコニー
引用:約24帖のルーフバルコニーのある3階建ての家|株式会社創建
こちらは、3階のフロアを使って広いルーフバルコニーをつくった事例です。3階部分を活用すると、周辺の2階建ての家からの視線を気にせずに使えます。
3階に設置したルーフバルコニーは屋上のような感覚で利用できますね!
2. 狭小地の屋上ルーフバルコニー
引用:約15坪 3LDK 狭小3階建て+ルーフバルコニー間取り | シオリホーム
狭小地ではルーフバルコニーの設置によって、屋外空間をつくれます。こちらの事例は、15坪の狭小地ですが、3階部分をルーフバルコニーにすることで、ゆとりの空間を生み出しています。
狭小地では隣の家との距離が近いので、ルーフバルコニーがあると開放感が生まれますね!
3. 室内空間とのつながりを意識したルーフバルコニー
引用:33坪/2階リビング/ルーフバルコニー/ロフト|SUUMO
こちらの事例は、2階のリビングと一体的に活用できるルーフバルコニーです。
リビングとルーフバルコニーの間が大開口の窓になっています。
屋内と屋外の空間が一体化して、開放的な空間になっている事例です。
ルーフバルコニーで後悔しないためには実績のあるハウスメーカーを選ぼう
ルーフバルコニーを設置する際には、使用目的を明確にしたり目隠しをつけたりなど、設計ポイントが数多くあります。
適切な設計をしないと「使い勝手が悪い」「メンテナンスの手間が増える」などの理由から後悔することになります。
後悔しないルーフバルコニーづくりのためには、施工実績が豊富な専門性の高いハウスメーカーへの依頼がおすすめです。ハウスメーカー選びや設計面の相談は「すーさんの相談窓口」をご利用ください。
私はハウスメーカーの営業として15年の経験がある家づくりのプロです。設計のアドバイスやハウスメーカーの紹介など、さまざまな相談に対応できます!
後悔しないルーフバルコニーづくりをしたい方は、お気軽にお問い合わせください!