「北向きの家を買うと後悔するって本当?」
「どのような後悔があるのか知りたい」
「いい土地を見つけたが北向きのため迷っている」
北向きの家だと後悔すると聞いて、候補から外すべきか悩んでいる方は多いでしょう。
失敗したと思いながら、住み続けたくはないですよね…。
この記事では、大手ハウスメーカーで15年間勤務し、現在は家づくりをサポートしている筆者が、北向きの家について以下の内容を解説します。
- 後悔する理由
- 後悔しないための対策
- 北向きの家に住むメリット
北向きの家で後悔する理由がわかり、自身が住むのに適しているか判断できるようになります。ぜひ最後までお読みください!
北向きの家で後悔する4つの理由
北向きの家で後悔する理由は以下の4つです。
- 日当たりが悪い
- 湿気がこもりやすい
- 冬に寒さを感じやすい
- 防犯性が低い
順番に見ていきましょう。
1. 日当たりが悪い
北の方角は、どの時間帯でも直射日光が当たらず、日当たりの悪さが目立ちます。
東から昇る太陽は、南側に軌道を描きながら西へ沈むので、北側に日光が当たるタイミングがありません…。
日当たりが悪いと、室内が暗くなったり洗濯物の乾きが遅くなったりなど、生活が不便に感じるときがあるでしょう。
ほか、日当たりの悪い家に住むと、セロトニンが低下して生活リズムが崩れます。セロトニンとは、太陽の光を浴びると活性化する神経伝達物質で、主に睡眠の質を向上させる効果があります。
セロトニンには精神を安定させる働きもあるので、健康的な生活を送りたい場合は、日当たりにも気を遣ったほうがいいですね!
日当たりが悪い家で後悔する理由は関連記事「【脱失敗】日当たりの悪い家で後悔する5つの理由!プロが5つの改善方法を伝授」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 湿気がこもりやすい
太陽の光が当たらない北向きの家は、部屋の湿度が上昇し、湿気がこもります。
湿気のある家は、カビやダニが発生しやすくなります。湿度を下げるためにも、こまめな換気をし、家に空気を送り込む必要があるでしょう。
新しく家を建てるときは、新鮮な空気を外から取り入れる「24時間換気システム」の設置が原則的に義務づけられています。
北向きの家だからといって、湿気がすぐにこもってしまうわけではない点は覚えておくといいでしょう。
3. 冬に寒さを感じやすい
1日をとおして日光が直接当たらない北向きの家は、冬になると寒さを感じやすくなります。昼間でも室内温度が上がらないため、体調に不安を抱えてしまうかもしれません。
さらに、暖房をつける時間が増えて、光熱費が上がる可能性もあります。一方で、直射日光が当たらない夏場は、比較的過ごしやすいといえるでしょう。
日当たりがよすぎても、まぶしくて生活がしにくくなるときがあります!
4. 防犯性が低い
空き巣といった侵入窃盗犯は、周りから目立たずに犯行ができる家を好みます。日当たりをよくするために裏側の土地を広くしていると、周囲の目線がないと判断され、ターゲットになる可能性があがるでしょう。
とくに、高めのフェンスで土地を囲っている場合は、侵入されても周りが気づけないかもしれません…。
侵入窃盗犯が家のなかに入ってくる経路で多いのは、鍵の閉まっていない窓です。北向きの家に住むのであれば、普段から施錠確認に気を配りつつ、外出時にはシャッターを閉めるといった対策をおすすめします。
「不動産売買の歩き方」の記事「北向きマンションはやめとけ?後悔しない住まいの選び方とは」では、北向きマンションのメリット・デメリットや、北向きマンションがおすすめな人について詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
北向きの家でも後悔しない4つの対策
北向きの家でも後悔しないためには、以下4つの対策が有効です。
- 窓の大きさや位置を工夫する
- 暖かい家を建てられるハウスメーカーを選択する
- 南側の境界と家の距離を広くする
- 南側がひらけている土地を選択する
家を建てる前の段階でできる対策ばかりのため、早めの確認をおすすめします。
1. 窓の大きさや位置を工夫する
北向きの家は、日当たりの悪さから室内が寒くなりがちです。対策として、大きな窓を設置し、光をできるだけ多く取り込む方法が有効です。
とくに、直射日光の入る南側の窓のサイズを大きくするといいでしょう!
さらに、より多くの光を取り込むため、できるだけ高い位置に窓をつけることが大切です。たとえば、吹き抜けにしたり、2階をリビングにしたりすると、窓を高めに設置できます。
また、断熱性能の高い窓を選んでつければ、北向きの家でも暖かい家づくりが可能です。
2. 暖かい家を建てられるハウスメーカーを選択する
暖かい家を建てられるハウスメーカーを選べば、北向きの家の室温が低くなるデメリットを解消できます。
たとえば、以下のような家の暖かさをあらわす数値に、こだわりをもっている会社を選ぶといいでしょう。
家の暖かさをあらわす数値 | 内容 |
---|---|
UA値 | 室内からの熱の逃げやすさ (窓や天井などの外周部分) |
Q値 | 室内からの熱の逃げやすさ (住宅全体の面積) |
C値 | 住宅の隙間の総面積 |
ハウスメーカーによっては、暖かい家を実現する目的で、建設途中にC値を測る「気密測定」をおこなうところもあります。
暖かい家なのかを数値で確認できる気密測定は、北向きの家の場合はぜひ実施してもらいたいですね!
暖かい家を建てられるおすすめのハウスメーカーは関連記事「【快適な暮らし】暖かい家を建てられるおすすめハウスメーカー10選!選ぶポイントや注意点も解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. 南側の境界と家の距離を広くする
北向きの住宅を選ぶ場合、家の裏に当たる南側へ日光が当たります。できるだけ南側から光を取り込むためには、境界と家の距離の広さが大切です。
境界から離れたところに家を配置すれば、周りの住宅の影響で日陰になる部分を減らせます。
空いた土地は、庭やデッキスペースとして活用できるので、無駄になりません!
北向きの家を選ぶときは、少しでも暖かい家をつくれるよう、土地の配置から考えることをおすすめします。
4. 南側がひらけている土地を選択する
南側がひらけている土地を選択すれば、北向きの家でも明るさを確保できます!
日光を取り込みやすい南側に住宅が建っていると、室内が暖かくなりません。川や公園など、高い建物ができる可能性の低い土地が南側にあれば、日光が当たりやすい家をつくれます。
ただし、南側が空き地になっている場合は、将来的に家が建つ可能性があるため注意が必要です。北向きの家を住みやすくするためにも、日当たりのよさを確保できる土地探しから始めましょう。
自身の状況の場合、北向きの家を選んでも後悔しないか悩む方は、プロに相談してアドバイスをもらうことをおすすめします。
私は、住宅営業員への講師をしている家づくりのプロです!どのような小さな悩みでも、親身になってお答えします。
「すーさんの相談窓口」では、丁寧なヒアリングをしたうえで、知識や経験をもとにしたアドバイスを実施しています。ストップしていた家づくりを再スタートする支援もできますので、ぜひ一度ご相談ください!
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後悔しない?北向きの家に住む5つのメリット
北向きの家に住むメリットは以下の5つです。
- 土地の値段を抑えられる
- 家具の劣化を防げる
- 日中の外出が多い家に適している
- スタイリッシュな外観の家をつくれる
- プライベートな空間をつくれる
北向きの家が自身にあっているかを知るためにも、ひとつずつ確認してみてください。
1. 土地の値段を抑えられる
北向きの家は、ほかの方角と比べて、土地を相場よりも安く手に入れられます。相場だとあきらめざるを得なかった土地でも、北向きであれば選択肢に入るかもしれません。
また、家の性能にこだわりたいのであれば、北向きを選ぶのも有効な手段です。土地の値段を抑えたぶんを、外観の素材や設備のグレードアップなどに使うことが可能です。
予算の範囲内でできる理想の家づくりをするためには、土地の値段から考慮する必要がありますね!
土地購入でよくある後悔については関連記事「【これだけは見て】土地購入でよくある10個の後悔!対策方法や探し方を紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 家具の劣化を防げる
家具に直射日光が当たると、日焼けして劣化の原因をつくります。日差しの弱い北向きの家であれば、家具の色あせを防ぎ、長期間にわたり使い続けられるでしょう。
家具だけでなく、カーテンや壁紙の劣化も防げます!
ほか、日光の当たらない北側を駐車スペースにしやすいため、車を長持ちさせられます。日差しによる劣化を気にしない自由な家づくりをしたいのであれば、北向きの家を選択肢に入れてみてください。
3. 日中の外出が多い家に適している
共働きで日中の外出が多い場合、北向きの家の日当たりの悪さがデメリットにならないケースがあります。
休日も出かけていることがほとんどであれば、より北向きの家でも問題ないといえますね!
とはいえ、これから長く生活をしていくうえでは、ライフスタイルの変化まで考慮をしなければなりません。たとえば、将来的に在宅ワークが中心になった場合、日当たりの悪さを不便に感じる可能性があるでしょう。
老後のことまで考え出すと、家にいることが多くなるかもしれませんよね…。
生活の仕方が変わることを見越し、暖かい家をつくるといった対策をしておけば、後悔する可能性を減らせます。
4. スタイリッシュな外観の家をつくれる
北向きの家は、玄関側の窓から光を取り込む必要性が低いため、窓の少ないシンプルな外観がつくれます。代わりに、目立たない南側に窓をつければ、明るさの確保も可能です。
一方で、南向きの家の場合、人の目に触れやすい玄関側に窓を設置するケースが多くなるでしょう。
デザインの好みは人それぞれですが、北向きの家であればスタイリッシュな住宅をつくりやすいことは覚えておいてください!
新築なのに外観がダサい原因については関連記事「【自慢の家に】新築なのに外観がダサい6つの原因!おしゃれに見せるポイントや注意点も解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
5. プライベートな空間をつくれる
北向きの住宅は、日光が入る家の裏側にリビングを設置するケースがほとんどです。そのため、周囲からの目線が気にならない家づくりが可能です。
たとえば、リビングから庭につながるデッキスペースを用意すれば、よりプライベートな空間がつくれます。
また、広い庭にして子どもの遊び場をつくれば、周りを気にしない自由な家づくりができるでしょう。
家の裏側に自由なスペースをつくれば、子どもが道路に飛びだすこともないので安心ですね!
北向きの家ならではの対策をして後悔しないマイホームを建てよう
北向きの家を選んで後悔する理由は、主に日当たりの悪さです。しかし、北向きの家ならではの対策をすれば、暖かくて明るい家づくりが可能です。
日光の入る南側に大きな窓を設置するといった、間取りの工夫だけでも十分な対策ができますよ!
自身が建てたい家が北向きでも問題ないことがわかれば、土地を相場より安く手に入れられるかもしれません。理想のマイホームを建てるためにも、北向きの家だからとすぐに選択肢から外さないことが大切です。
土地探しの段階から、すでに家づくりへの苦労が絶えない方は、プロに相談してアドバイスをもらうことをおすすめします。
私は、大手ハウスメーカーに15年勤務をした経験のある家づくりのプロです。土地探しについて、ポイントを押さえたアドバイスをしています!
マイホームに関する成功例だけでなく、たくさんの失敗例もお伝えしており、後悔しない家づくりに貢献します。北向きの家でも問題ないかどうかの相談も受けつけていますので、ぜひ一度ご相談ください!