「注文住宅を建てるときによくあるトラブルを知りたい!」
「トラブルで悩んだらどこに相談すべきなんだろう…」
「未然に防ぐにはどうすれば良い?」
一生のなかでも大きな買い物のひとつである注文住宅。建設時には、まとまったお金やハウスメーカーとの入念な打ち合わせが不可欠です。
だからこそ、何かトラブルが起きないか不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
満足して暮らせる家を建てたいのに、トラブルが起きてしまうとショックですよね…
この記事では、大手ハウスメーカーで15年間営業を勤めていた筆者が、注文住宅を建てる際に起こり得るトラブルについて以下の内容を解説します。
- 注文住宅でよくあるトラブルの事例
- 防ぐ方法
- トラブルが起きたときの相談先
- 万が一の時の対処手順
事前に知っておくのとそうでないのとでは差がつくことばかり。ぜひ参考にしてみてください!
注文住宅でよくある9つのトラブル
注文住宅でよくあるトラブルの事例は以下のとおりです。
- 施工ミスによる不具合の発覚
- ハウスメーカーの営業担当者との連携ミス
- 工期の遅れによる追加費用の発生
- 地盤調査をしていないことによる追加費用の発生
- 近隣住民からのクレーム
- 住宅性能表示制度を利用するための検査の受け忘れ
- 仕上がりとイメージのギャップ
- 十分なアフターサービスが受けられない
- 過度な値引きによって要望が反映されない
順に解説します。
1. 施工ミスによる不具合の発覚
施工時にミスや手抜き作業があった場合、完成後に補修のトラブルに発展するケースは珍しくありません。
引き渡し後に不具合を発見した場合、新たに作業する必要があるので、業者側が面倒に感じてしまうのです!
引き渡し後に対応してもらうとなると、手続きが複雑になります。そのため、施工ミスや不具合については、引き渡し前の段階に発見できるのが理想的です。
とくに、水回りやドアの取り付けの不具合は、トラブルに発展しやすいので入念に確認しておきましょう!
2. ハウスメーカーの営業担当者との連携ミス
家を建てるうえで、ハウスメーカーの営業担当者と施工する業者との連携は欠かせません。両者の連携が上手くいかないと、ひとつの事項に関して「言った」「聞いてない」のトラブルに発展しやすいです。
営業担当者が「できる」と言っていたことが現場でできていなかったり、サービスしてもらう予定だった内容の請求書が後日届いたりなどはよくあることのようです…
住宅の建設に関わる人数が増えるほど、このようなトラブルの発生率はアップします。不安な場合は、営業担当者が一貫して施工に携わることを強みにしている工務店やハウスメーカーを選んだほうが安心です。
優秀な営業担当者の見極め方については、関連記事「【完全マスター】優良なハウスメーカー営業マンの9つの特徴!仕事内容や選び方も紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. 工期の遅れによる追加費用の発生
着工前に交わす契約書には、着工日と引き渡し予定日が記載されています。しかし、引き渡し予定日はあくまでも予定であるため、自然災害や資材の発注遅れなどによって、工期が延びるケースは珍しくありません。
工期が延びると、仮住まいの家賃負担が増えてしまい、その費用を誰が持つかでトラブルに発展しやすいです!
つなぎ融資を受けていると、工期が遅れた分だけ利息が膨らんでしまいます。そのため、工期が遅れた場合の対応について、あらかじめハウスメーカーや工務店に相談しておくと安心です。
4. 地盤調査をしていないことによる追加費用の発生
地盤調査をせずに設計し、設計後に地盤の問題が発生すると、地盤改良・補強などで50万〜100万円ほどかかります。
地盤改良が必要だとわかるのは見積もりが終わった段階であるケースがほとんどなので、トラブルに発展しやすいみたいです…
敷地に建物があるといった理由で地盤調査ができない場合は、工事費が変わる可能性があることを理解したうえで、目安の金額を聞いておきましょう。
5. 近隣住民からのクレーム
住宅の建築時に、ゴミの片付け方・作業車の駐車場所・騒音などが原因で、近隣住民からクレームを受けることがあります。
建設時のクレームについては、一概にハウスメーカーの原因であるとは言えませんが、対処法を間違えると深刻なトラブルに発展しやすいです。
完成した住宅で暮らすうえでも、近隣住民からの好感度は非常に重要です。
可能なら、着工前の段階で挨拶回りをしておくと心象が良いでしょう!
6. 住宅性能表示制度を利用するための検査の受け忘れ
評価住宅・長期優良住宅の家を建てたり補助金制度を利用したりする場合は、適切なタイミングで検査を受け、期日までに申告をする必要があります。
期限を守らないと制度が利用できず、ハウスメーカーや工務店などとのトラブルに発展しやすいです!
制度を利用する際は、連携ミスがないよう入念に確認しておきましょう。
7. 仕上がりとイメージのギャップ
担当者のミスや施主の勘違いにより、設計時に決めたデザインとは違う仕上がりになってしまい、トラブルに発展することがあります。
やり直しできないことなので、イメージについては十分に話し合っておきましょう!
仕上がりに違和感がある際は、打ち合わせの資料と照らし合わせて確認すると安心です。
なお、工務店で起こりがちなトラブルについては関連記事「【教科書】工務店との間で起こりがちな5つのトラブル!避けるためのポイントや業者の選び方を解説」で詳しく解説しています。
後悔のない家づくりを行うためにも、あわせて確認してみてください!
8. 十分なアフターサービスが受けられない
注文住宅の建設後のアフターサービスは、ハウスメーカーによって異なるので、不十分だと感じることがあります。
例えば、施工ミスがあっても迅速に修繕してもらえなかったり、定期点検をしてもらえなかったりするケースです。
十分なアフターサービスが受けられないと、トラブルが起きたら自分たちだけで解決しなければならない状況になります。
契約前にどのようなアフターサービスを受けられるのかの確認が必要です。
9. 過度な値引きによって要望が反映されない
注文住宅を建てる際には、建設費用を少しでも安くしようと値引き交渉する方もいるでしょう。
しかし、過度な値引き交渉をすると、質の悪い家になるケースがあります。
例えば、以下のようなことが考えられます。
- 当初行うはずだった作業が行われない
- 使う材料の質が低下する
- 人手不足によって工期が遅れる
過度な値引き交渉をした結果、当初の要望を満たしていない不完全な家が完成してしまう可能性があるので注意しなければなりません。
注文住宅でトラブルを未然に防ぐ8つの方法
注文住宅でトラブルを防ぐ方法は主に以下の8つです。
- 最低限の知識を身につける
- 信頼できる業者に依頼する
- 内覧でしっかり確認する
- 担当者と緻密なコミュニケーションを取る
- 着工前に近隣住民に挨拶する
- 建築現場に行って確認する
- 先に一括支払いをしない
- 家のイメージを画像で伝える
順に解説します。
1. 最低限の知識を身につける
住宅に関する最低限の知識を身につけておくことで、自分の身を守れます!
家づくりを行う際は、ハウスメーカーや不動産会社に任せきりにするのではなく、自ら学ぶスタンスが欠かせません。
今の時代、YouTubeやインターネットなどを活用すれば、情報が簡単に手に入りますよ!
なお、家づくりの疑問を確実に解決したい方は、LIFULL HOME’Sの「初めての家づくりノート」をゲットしてみてください。家を建てる際に必要な知識を網羅的に習得できます。
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
2. 信頼できる業者に依頼する
家づくりを行ううえで、業者選びは非常に重要です。
資金計画や土地探しのサポートが期待できるような業者がベスト。迷うなら実績や相見積もりの結果を踏まえて検討しましょう!
口コミサイトをチェックする際は、短期間でたくさんの良い評価を得ている業者より、長期に渡って一定数の良い評価がされている業者を選ぶのがおすすめです。
とはいえ、さまざまな理由から家づくりにはミスが起こりがちです。後悔のない家づくりがしたい方は、ホームインスペクションを検討してみてください。
Instagramの投稿では、私がホームインスペクションを依頼した理由を明かしています!重要性がきっとわかるので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
3. 内覧でしっかり確認する
内覧でのチェックを入念にしておくことで、引き渡し後のトラブルを避けられます。引き渡し前なら、こちらから補修を頼みやすく、建築会社側も対応しやすいからです。
補修を依頼するまでもないと感じる部分も、写真に残しておくと安心です。
また、ハウスメーカーや工務店との打ち合わせの段階で、内覧時のトラブル対応を確認しておきましょう!
4. 担当者と緻密なコミュニケーションを取る
担当者は職人との橋渡し的な存在なので、緻密なコミュニケーションを取って損することはありません。
とくに、仕上がりのイメージ・図面・見積もりの確認は念入りに行いましょう!
実際の工事がスタートしてからも、途中経過を確認しておくと安心です。進み具合を把握しつつ、仕上がりがイメージしやすくなります。
なお、注文住宅の打ち合わせをトラブルなく進めたいなら関連記事「【失敗知らず】注文住宅の打ち合わせのコツ12選!かかる期間や理解すべき基本情報を解説」を確認してみてください!打ち合わせを上手く進めるコツについて、事前準備・実践の2つに分けて解説しています。
5. 着工前に近隣住民に挨拶する
着工前のタイミングで、施主と現場監督がそろって近隣住民に挨拶することで、トラブルを未然に防げます。
新しい土地に引っ越す場合は、自己紹介もできるので一石二鳥ですね!
住宅地の場合は、両隣・向かい・真裏の4軒には挨拶しましょう。
6. 建築現場に行って確認する
注文住宅を建てる際は、定期的に建設現場に足を運んで、状況を確認することが大切です!
進捗具合や要望が反映されているかなどを自分の目で確認することで、トラブルになりそうなミスや不具合を見つけやすくなります。
完成前にミスや不具合がわかれば、その場で伝えて対処してもらえるのでトラブルの発生を減らせます。
7. 先に一括支払いをしない
注文住宅が未完成のうちに一括で支払いをしないようにしましょう。
完成する前に一括支払いをしたあとに、万が一ハウスメーカーや施工会社が倒産した場合、返金してもらえない可能性があります。
住宅が完成するまでに支払う主な費用は以下のとおりです。
- 手数料
- 手付金
- 着手金
注文住宅が完成したら、残りのお金を支払うことをおすすめします。
8. 家のイメージを画像で伝える
注文住宅のデザインや設計を伝える際は、画像を使いましょう。
言葉だけでは家のイメージを完璧に伝えることは難しいからです。イメージしづらい要望を話す際は、参考画像と一緒に伝えることで、ハウスメーカーに正確に伝わりやすくなります。
要望通りの家を建てられる可能性が高まりますよ!
注文住宅でトラブルはどこに相談する?発覚した際に利用できる4つの相談先
注文住宅を建てる際にトラブルが発生した場合の相談先は、以下のとおりです。
- 国民生活センター
- 法テラスや弁護士
- 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
- 首都圏不動産公正取引協議会
ぜひ参考にしてみてください!
1. 国民生活センター
幅広い分野で消費者トラブルを解決するための組織である国民生活センター。消費者ホットラインの「188」から電話すれば相談できるので、カテゴリー問わず、何かトラブルがあった際には利用したい問い合わせ先です。
土日祝日の10~16時の間は、国民生活センターの休日相談窓口にて対応してもらえます!
電話に限らず、公式ホームページには、多くのトラブル事例が掲載されています。
電話に抵抗感がある場合は、事例を参照してから対処法を検討するのもひとつの手です!
2. 法テラスや弁護士
当事者同士でトラブルの解決が難しい場合は、弁護士を挟むのも効果的な方法です。
弁護士への相談費用は高額なイメージがありますが、なかには「最初の30分は無料」といったところも!
また、日本司法相談センター・法テラスに電話すれば、有効な法制度や頼りになる機関・団体などを教えてもらえます。
3. 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、不動産関係のトラブル対応を専門とする機関です。
リフォーム・マンションの売却・建て替えなどでの紛争なら任せられるでしょう!
相談に限らず、住宅紛争審査会を利用すれば、第三者の力を借りたうえで紛争処理が可能です。
4. 首都圏不動産公正取引協議会
不当景品類や不当表示防止法に基づいて不動産広告を監視する首都圏不動産公正取引協議会。
不動産広告に対する苦情対応がメインなので、不動産会社に直接改善やトラブル解決が可能な行政機関を紹介します!
なお、注文住宅を建てる際にトラブルが心配な方は、ぜひすーさん窓口をご利用ください。大手ハウスメーカーで15年間に渡り営業を勤めていたすーさんが、家づくりのあらゆるお悩みに回答します。
これまで5,000名のサポートをしてきたので、多くのトラブル事例を共有可能です!
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注文住宅でのトラブル解決には制度も活用可能
注文住宅の建設時のトラブル解決に役立つ制度として、住宅瑕疵担保責任保険が挙げられます。
住宅瑕疵担保責任保険は、新築住宅に瑕疵(造成不良や設備の故障などの欠陥があること)があった際、補修を行う業者に支払われる保険です!
保険に入っていれば、工務店やハウスメーカーが費用負担をする必要がないので、迅速なトラブルの収束が期待できます。
住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書は、住宅の引き渡し時に受け取れます。必要に応じて利用すると安心でしょう。
注文住宅でトラブルが起きた場合の対処手順3ステップ
万が一、注文住宅でトラブルが起きた場合の対処手順は、以下の3ステップです。
- 施工会社・ハウスメーカーへ連絡する
- 具体的な状況を説明する
- 対処してもらう
順番に見ていきましょう。
1. 施工会社・ハウスメーカーへ連絡する
トラブルが起きたら真っ先に施工会社やハウスメーカーに連絡しましょう。
基本的には、トラブル対応や相談などを受付けてもらえます!
迅速に対応してもらえるように、トラブルが発生しているとわかったらすぐに連絡してください。
2. 具体的な状況を説明する
施工会社とハウスメーカーに連絡したら、できる限り具体的にトラブルの状況を伝える必要があります。
詳しい情報を施工会社とハウスメーカーに伝えることで、どのような対処が正しいのか判断してもらいやすくなるからです。
いつ、どこで、どんなトラブルが発生したのか、原因やおこなった対処などを説明してみてください!
3. 対処してもらう
施工会社とハウスメーカーに状況を伝えた後は、注文住宅の補修や交換など、トラブルの対処をしてもらいましょう。
この際に再びトラブルが起きないように、しっかり話し合うことが大切です!
トラブルが減るので、理想の住宅を実現できて快適に生活ができるでしょう。
注文住宅でトラブルが発生しても冷静に対処しよう
注文住宅の建設は、引き渡しまでに膨大なやり取りが必要です。トラブルを未然に防げるのが1番ですが、ハウスメーカーとの相性や土地の状態などによっては、どうしようもないこともあるでしょう。
よくある事例を知っておいて、対策を考えておくのがベストです!
利用できる機関や制度を知っておくことで、いざというときも迅速に対応できます。ぜひこの記事を参考に、トラブル時の対策を考えてみてください。
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