「ZEH住宅に興味があるけど後悔するって本当?」
「ZEH住宅のデメリットを知って家づくりに役立てたい」
「お得に家を建てる方法を知りたい!」
ZEH住宅とは、最新設備や発電機能を使ってエネルギー収支を0にする家のことです。
環境に配慮した家なんですね!
ZEH住宅は補助金の申請や光熱費の削減ができることがメリットですが、デメリットもチェックしておかないと後悔するかもしれません。家づくりをする前に失敗しないための対策を考えておきましょう。
この記事では、15年以上の住宅販売の経験がある筆者が、ZEH住宅について以下の内容を解説します。
- ZEH住宅の概要
- メリット・デメリット
- デメリットを感じないための対策
ZEH住宅に興味がある方は、最後までご覧ください!
知っておくべき!ZEH住宅の概要を解説
デメリットを解説するまえに、ZEH住宅の概要を以下の3つのポイントから押さえておきましょう。
- 必要な3つの要素
- ZEH住宅の種類
- 2030年以降はZEH水準が標準仕様となる
それぞれ詳しく解説していきます。
1. ZEH住宅とは?必要な3つの要素
まずZEH住宅とは、以下の3つの要素を満たす家を指します。
- 断熱性能がある
- 省エネ設備を導入している
- エネルギーを創り出せる
ZEH住宅を建てる際には補助金を活用できますが、3つの要素は必須条件となります。それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。
1-1. 断熱性能がある
ZEH住宅の特徴といえば断熱性能ですね!
ZEH住宅として認定されるためには、断熱性能(UA値)が0.4〜0.6[W/㎡K]以下である必要があります。なお、UA値が低いほど断熱性能が高いです。
断熱性能が高いと、外気をシャットアウトできるため夏は涼しく冬は暖かく過ごせますよ!
1-2. 省エネ設備を導入している
ZEH住宅には、以下のような省エネ設備を導入して、一次エネルギーの消費量を従来よりも20%以上削減することが求められます。
- 空調
- 照明
- 給湯
- 換気
この4項目においては、ZEH基準を満たした機器を使用する必要があります。HEMS(ヘムス)を導入すると電力の節約になり、エネルギーを管理できるため効率的な省エネを実現可能です。
ZEH住宅は創エネだけではなく、省エネも条件です!
1-3. エネルギーを創り出せる
ZEH住宅は、太陽光発電や蓄電池などでエネルギーを創り出すことが条件としてあげられます。ZEH住宅の定義として、エネルギー収支が0以下と決められているため、支出を抑えるだけではなく創り出すことも必要です。
通常時は電力を貯めておけば災害時に利用できますね!
売電価格は安いものの、電力会社に売ることが可能なので収入になります。ZEH住宅として認められるためには、エネルギーを創り出す機器が必要です。
2. ZEH住宅の種類
ZEH住宅には、5つの種類があります。補助金を受け取る際には、種類によって補助金額や条件が異なるため、以下の表をよく確認しておいてください。
種類 | 基準 | 条件 |
---|---|---|
ZEH | エネルギー消費量削減率20%以上 創エネを含む省エネ率100%以上 | 再生可能エネルギー導入 |
ZEH+ | エネルギー消費量削減率25%以上 創エネを含む省エネ率100%以上 | 再生可能エネルギーの促進にかかる以下のいずれかの措置を行う ①外皮性能のさらなる強化 ②高度エネルギーマネジメント(HEMSなど) ③電気自動車への充電 |
次世代ZEH+ | エネルギー消費量削減率25%以上 創エネを含む省エネ率100%以上 | ZEH+に加え以下1つ以上導入 ①外皮性能のさらなる強化 ②高度エネルギーマネジメント(HEMSなど) ③電気自動車への充電 |
Nearly ZEH | エネルギー消費量削減率20%以上 創エネを含む省エネ率75%以上 | 再生可能エネルギー導入 寒冷地、多雪地域、低日射地域 |
ZEH Oriented | エネルギー消費量削減率20%以上 | 都市部の狭小住宅や多雪地域に適用 再生可能エネルギー未導入も可 |
それぞれの主な違いは「エネルギー消費量削減率」と「再生可能エネルギーなどの設備」の2つです!
「エネルギー消費量削減率」とは、断熱性能の向上や給湯設備などのエネルギー効率を良くすることで、一般的な住宅と比べてどれだけ消費量を削減できているのかという数値です。「エネルギー消費量削減率」は、太陽光発電などの創エネを含む数値と含まない数値のそれぞれで基準が設けられています。
例えば「ZEH」では「エネルギー消費量削減率」は20%以上の基準が設けられていますが、創エネの場合には100%以上が求められます。
再生可能エネルギーなどの設備は、5つの種類それぞれで要件が異なります。特に注意が必要な点は「Nearly ZEH」と「ZEH Oriented」では、創エネ設備の基準が緩和されていることです。
「Nearly ZEH」は寒冷地など十分な日照が確保できずに太陽光発電の設置が困難な地域向けの制度で、創エネを含む省エネ率は75%以上と低く設定されています。また「ZEH Oriented」は日照条件が良くない都市部の狭小住宅向けであるため、太陽光発電などの再生可能エネルギーの設備が未導入でも認定されます。
日照条件が悪い地域など、その地域事情に合わせた条件が設定されているのですね!
3. 2030年以降はZEH水準が標準仕様となる
ZEHは一部の高性能住宅にのみ当てはまる制度であると考えられていますが、2030年以降に家を建てる際には標準で求められる仕様となります。
日本政府が2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、住宅の省エネ化を強力に推し進めているためです!
ZEH普及率は2022年時点では、注文住宅で33.5%、建売住宅は4.6%でしかありません。そこで、政府は建築物省エネ法を改正し、2025年4月以降すべての新築住宅で省エネ基準適合を義務付けることとしました。
さらに法改正の施行に先がけて、2024年1月以降に建築確認を受ける住宅で住宅ローン減税を受ける場合には、省エネ基準適合が必須要件となっています。
ZEH住宅を建てる5つのデメリット
ZEH住宅を建てるデメリットは以下の5つです。
- 間取りの自由度が少ない
- 建築費用が高い
- メンテナンス費用がかかる
- 発電量が安定しない
- 固定資産税が高い
住み始めてからの後悔を防ぐために、ひとつずつチェックしておきましょう。
1. 間取りの自由度が少ない
ZEH住宅は太陽光パネルや発電のための設備が必要です。そのため、一般的な家に比べて間取りの自由度が低いことがデメリットとしてあげられます。
間取りの自由度が低いので、デザインによっては実現できないことがあるでしょう。
実際の建築事例をチェックして、好みのものを探しておくのがおすすめです!
ZEH住宅の実際の間取りを確認するには、タウンライフのシミュレーションを活用してみてください。間取りについて事前にチェックしておけば、どのような家が建てられるのかわかるので後悔を減らせます。
タウンライフの詳細は、関連記事「【希望が叶う】理想の家を実現する間取りの決め方を徹底解説!無料でプロに依頼する方法を紹介」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
2. 建築費用が高い
ZEH住宅には発電設備や省エネの機械が必要なため、一般の住宅より建築費用が高くなります。
初期費用が高くなるので、補助金の利用や安い土地の選択などの対策が必要です!
とはいえ、ZEH住宅は創エネにより発電できるため、光熱費が安くなることから長期的に見れば高額とは言い切れません。将来的な負担を軽減したい方にとっては、おすすめの住宅です。
ZEH住宅の初期費用をチェックするには、一般的な住宅にかかるお金を確認しておきましょう。
家を建てるのにかかる平均費用については、関連記事「【要チェック】家を建てる費用は3,500~4,500万円!価格別のマイホームのイメージや注意点を解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. メンテナンス費用がかかる
ZEH住宅では「太陽光発電システム」や「蓄電池」などの創エネ機器のメンテナンス費用がかかります。太陽光発電システムは4年に1度の定期点検が推奨されていて、10kW未満であれば1回あたり約2万円の費用負担が必要です。
また、各機器が寿命を迎えた場合には入れ替えが必須です!
寿命は太陽光発電システムが約20年、発電したエネルギーを家庭用に変換するためのパワコンが10~15年です。機器の入れ替えには、規模にもよりますが数十万~数百万円の費用がかかります。
メンテナンス費用や将来の機器入れ替え費用などを計算しておく必要がありますね!
4. 発電量が安定しない
ZEH住宅の条件に創エネがあるので、太陽光パネルや蓄電池を活用するパターンがほとんどです。しかし、太陽光パネルの発電量は地域によって異なるため、思った通りの電力が見込めず後悔することもあるでしょう。
とくに、日陰が多い土地や一定の気温以下の日が多い地域では発電量が低下するため、事前の日当たりチェックが欠かせません。住み始めてから発電量の不安定さに後悔することを防ぎましょう。
また、売電価格は減少傾向にあるため、多くの収益は期待できません!
5. 固定資産税が高い
ZEH住宅のような高性能住宅は、固定資産税が高くなる点に注意が必要です。
固定資産税は「固定資産税評価額×税率」で計算されます。「再建築価格(=同じ建物を新築する場合に必要とされる建築費)」が基準となるため、高性能の家は自ずと高額に評価されてしまいます。
家の建築費用が高くなれば、その分固定資産税も高額になるのですね!
ただし、固定資産税は新築住宅の場合3年間は1/2、長期優良住宅では5年間1/2に減額されます。ZEH住宅は一般的には長期優良住宅と評価されるため、5年間は固定資産税を安く抑えられるでしょう。
なお、ZEH住宅の費用面や設備について不安があるという方は、すーさんの相談窓口をご利用ください。
ハウスメーカーの営業マンとして15年の経歴のある私がZEH住宅の疑問や不安に無料でお答えいたします!
\ ノープランでOK /
デメリットだけじゃない!ZEH住宅を建てるメリット5選
ZEH住宅を建てるメリットは以下の5つです。
- 快適な温度を保てる
- 光熱費が安い
- 高く売却しやすい
- 災害時でも電力を確保できる
- 補助金を申請できる
ZEH住宅は、間取りの自由度が低いことや建築費用が高額といったデメリットもありますが、それ以上にメリットが多いのが特徴です!
ひとつずつ解説します。
1. 快適な温度を保てる
ZEH住宅は断熱性能が高いため、室内を一定の気温に保てて快適に生活できます。夏は涼しく冬は暖かいので、ヒートショックや結露などを防げるのがメリットです。
一般的な住宅で断熱性能を上げることも可能ですが、値段が高くなるだけで快適な温度を保てること以外メリットはあまりありません。断熱性能の高い家を建てるなら、ZEH住宅にして補助金を申請するほうがお得です。
暖かい家に住みたいなら、ZEH住宅がおすすめですね!
2. 光熱費が安い
ZEH住宅は断熱性能に優れているため、効率よく冷暖房を使えて光熱費を削減できます!
外気の影響を受けにくいので、冷暖房を使う頻度を減らせるのが魅力です。
初期費用はかかりますが、総合的に見ると安く生活できるのがメリットです。
住み始めてからの光熱費を抑えたい方や、快適に生活したい方はZEH住宅にすることをおすすめします。
3. 高く売却しやすい
住宅の省エネルギー性能を評価するBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に認証されると、家の価値が高くなります。そのため、売却した際に高値がつきやすいのが特徴です。
ZEH住宅は創エネ・省エネの設備が充実しているため、高額での売却がしやすいといえます。何らかの事情で売却を検討する可能性がある方は、把握しておくといいでしょう。
家の価値が高ければ、引っ越し費用に充てられますね!
4. 災害時でも電力を確保できる
ZEH住宅は創エネの設備がそろっているため、災害時でも電力を確保できます。蓄電池があれば電力の備蓄が可能なので、災害時に発電できなくても心配はいりません。
災害時への備えとしてZEH住宅を選ぶのもおすすめです!
地震や落雷などによる停電が起こっても、蓄電池があれば非常事態を回避できるでしょう。
5. 補助金を申請できる
基準を満たせば補助金を使えるため、お得な家づくりができます。ZEH住宅を建てると利用できる補助金制度一覧は以下のとおりです。
種類 | 補助金額 | 条件 |
---|---|---|
ZEH | 最大140万円 | ・年間に消費する住宅のエネルギー量がおおむね0以下 ・20%以上の一次エネルギー消費量を削減 |
ZEH+ | 100万円+α | ・省エネ基準比25%以上の一次エネルギー削減 ・電気自動車の充電設備設置が必要 |
次世代ZEH+ | 100万円+α | ・蓄電システム ・V2H充電設備 ・燃料電池 ・太陽光温水システム ・太陽光発電システム 以上のひとつ以上を満たす |
次世代HEMS | 112万円+α | ・ZEH+に関わる要件を満たす ・蓄電システムや充放電設備、太陽光発電システムによるエネルギーの創出 |
※αは蓄電池やヒートポンプシステムなどを設置すると上乗せされる補助金
蓄電池やヒートポンプシステムを導入すれば、補助金額が上乗せされるので、よりお得に家づくりができます。ZEH住宅の補助金を申し込むときは、以下の3点に注意しましょう。
- ZEH住宅に対応したハウスメーカーを選ぶ
- 早めに応募する
- 申請したとおりに設計しなければならない
建築の時点からZEHに適した設備が必要なため、対応したハウスメーカーに依頼が必須です。
ZEHビルダーまたはZEHプランナーとして登録しているかどうかチェックしておきましょう!
また、ZEH住宅補助金額の申請は先着順のため、スケジュールに余裕を持って応募してください。家づくりの時点でハウスメーカーに相談しておくと安心です。
なお補助金については、関連記事「【2023年最新】新築住宅の補助金一覧!減税制度や利用する際の注意点を解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
ZEH住宅を建ててデメリットを感じないための3つの対策
ZEH住宅を建ててデメリットを感じないためには、以下3つの対策をチェックしておきましょう。
- デザイン力のあるハウスメーカーを探す
- 必要な生活費を想定しておく
- 地域ごとの日照時間を調べておく
ZEH住宅を建てようと考えている方はチェックしてみてください。
1. デザイン力のあるハウスメーカーを探す
ZEH住宅でも希望通りの家を建てられるように、デザイン力のあるハウスメーカーに依頼するのがおすすめです!
ZEH住宅は発電機器を設置しなければならないため、間取りのパターンが少なくなりがちです。そのため、ZEH住宅に対応しているハウスメーカーでどのような建築事例があるのか調べておくと後悔を減らせます。
筆者がおすすめするハウスメーカーは、関連記事「【間違いない】プロが選ぶおすすめのハウスメーカー12選!比較時のポイントや失敗しないためのコツを解説」で紹介しています。ぜひチェックしてみてください!
2. 必要な生活費を想定しておく
ZEH住宅は創エネ・省エネのための機器が必要なため、一般住宅よりメンテナンス費用がかかりやすいのが特徴です。後悔を減らすために、引き渡し後にかかる生活費をしっかり想定しておきましょう。
創エネ・省エネのための機器は定期的なメンテナンスのほかにも、故障の際には入れ替えが必要です!
できるだけメンテナンスの少ない機器を選んでおくと、出費を抑えられます。
3. 地域ごとの日照時間を調べておく
日照時間が少ない地域などでは思った通りの発電量は得られない可能性があるため、ZEH住宅に適している場所なのかあらかじめ調べておきましょう。
住み始めてから発電量の少なさに気付くと、ZEH住宅を建てたのにメリットを感じられないと後悔することがあります。
事前に家を建てたい場所に足を運んで、日照時間や日陰になりにくいかをチェックしておいてください。
ZEH住宅はデメリットだけじゃない!お得に家づくりしたい方におすすめ
ZEH住宅は建築費用が高いことや間取りの自由度が低いなどのデメリットがあります。しかし、長期的に見ると光熱費を抑えられて快適に生活できるので、お得な面も多いのが特徴です。
売るときも価値が高くなりやすいので、さらにお得に感じられますね!
ZEH住宅のデメリットを対策するためには、家づくりの段階から工夫する必要があります。ZEH住宅づくりが得意なハウスメーカーを比較して、理想のマイホームを目指しましょう。
ZEH住宅を建てたいけれど、わからないことが多くて不安な方は「すーさんの相談窓口」をご活用ください!
これまで5,000名以上のお悩みを解決に導いてきました。相談は無料なので、理想の家を建てたい方はお気軽にご連絡ください!