「トイレを折れ戸にするデメリットを知りたい」
「注意点を教えてほしい」
「折れ戸のおすすめのメーカーはある?」
スペースに余裕がない場所にトイレの設置を検討しているなら、ドアを折れ戸にするのがおすすめです。一般的な開き戸とは異なり、確保すべき空間が最小限で済みます。
しかし、折れ戸を採用しているトイレを一般家庭で見かけることは少ないですよね。
そのため、採用して後悔しないか不安に思っている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、大手ハウスメーカーに15年勤務した経験のある筆者が、以下の内容を解説します。
- トイレを折れ戸にするデメリット
- 折れ戸を採用する際のポイント
- おすすめのメーカー
ぜひ本記事を最後まで読んで、後悔のない家づくりに役立ててください。
トイレを折れ戸にする5つのデメリット
トイレを折れ戸にすると、以下の5つのデメリットに悩むかもしれません。
- 音や臭いが漏れやすい
- 指を挟む危険がある
- 本体価格やリフォーム費用が高い
- 壊れやすい
- DIYでの取り付けは難しい
それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。
1. 音や臭いが漏れやすい
一般的な片開き戸に比べて、トイレに折れ戸を取り付けると音や臭いが漏れやすくなります。片開き戸は4辺の隙間に対して、折れ戸は周囲の4辺に加えて中央の稼働部に隙間が生じるからです。
小さな隙間から音や臭いが漏れてしまいます…
また、トイレの配置場所には注意が必要です。家族の集まるリビングやダイニングの近くだと、会話が途切れたりテレビの音が小さくなったりした時に、音や臭いが気になるかもしれません。
2. 指を挟む危険がある
どのような形状の扉でも、指を挟む可能性はあります。しかし、折れ戸は片開き戸よりも隙間が多く、中央には稼働部もあるため、指を挟みやすい点に注意が必要です。
いろんなことに興味を持つ小さな子どもや、力の弱いお年寄りがいる家庭は特に注意してください!
扉の開閉用にドアノブがありますが、稼働のしやすさや興味本意から稼働部を手で押してしまうこともあるでしょう。誤って指を挟めば、骨折やうっ血する可能性があることを忘れてはいけません。
3. 本体価格やリフォーム費用が高い
折れ戸の本体価格は、一般的な片開き戸に比べて数十%以上も高いのがデメリットです。
仕組みの複雑さと、使用する部品点数の多さが価格に影響しているのでしょう。
また、本体価格に加えて、取り付け作業費が必要です。
リフォーム時には既存の扉の開口寸法では足りず、開口作業が必要になる場合もあります。
開口作業が必要になれば、取り付け作業費が跳ね上がります!
作業費は既存の扉の種類に依存するので、業者などに事前調査を依頼しつつ相談するのが良いでしょう。
4. 壊れやすい
片開き戸において経年劣化で壊れやすい箇所は、ドアノブや鍵、蝶番の3箇所です。一方で、折れ戸の場合は3箇所に加えて、吊り箇所が増えて合計4箇所が故障しやすいポイントです。
構造が複雑になると使用する部品の数が多くなることから、比例して壊れる箇所が増えますね。
また、片開き戸に比べてきちんと閉まったかがわかりにくいことが故障の原因のひとつでしょう。
引き戸を閉める際には、閉め切った後にも少し力を加えてしまうことがありますよね!
5. DIYでの取り付けは難しい
破損したり介護が必要になったりして、今のドアから折れ戸に交換が必要になっても、DIYで交換するのは難易度が高いです。
まずはメーカーの仕様書から取り付け寸法と、既存の開口サイズが合っているかを確認しなければいけません。
レールを取り付ける必要がある場合には、加工作業が必要になりますね…
また、蝶番が壊れた際の修理についても、片開き戸に比べて難しいのがデメリットです。折れ戸は扉を固定しにくいことから、蝶番の交換が難しくなります。
デメリットを攻略!トイレを折れ戸にする際のポイント5選
トイレを折れ戸にした際のデメリットに対して、後悔しないようにするポイントは以下の5つです。
- 換気扇の能力を上げる
- 密閉度と防音性を重視する
- 間取りに注意する
- レールの有無を確認する
- 違うタイプへの変更は難しいことを理解しておく
それぞれのポイントを理解して、参考にしてください。
1. 換気扇の能力を上げる
トイレから臭気が漏れないようにするには、換気扇で周囲の廊下よりもトイレ内を陰圧にする必要があります。
ボールが坂道を転がり落ちるように、空気は気圧の高い方から低い方に流れます!
換気扇の選定については、ハウスメーカーに任せるのが良いでしょう。臭いに敏感な方は、ワンランク上の能力の換気扇を取り付けられないか相談してみてください。
換気扇の能力が下がらないようにするには、ダクトの距離を短くして曲げ回数を減らすなど、トイレの配置が重要になります!
また、換気扇の性能を維持するには、定期的な清掃とメンテナンスが必要不可欠です。吸い込み口のホコリや、フィルターを定期的に清掃しましょう。
モーターの経年劣化などで換気能力が下がると、トイレから臭気が外に漏れる原因となります。ハウスメーカーに、定期的なメンテナンスを依頼するのがおすすめです。
2. 密閉度と防音性を重視する
折れ戸のデメリットを克服するためには、密閉度と防音性の優れた製品を選ぶのがおすすめです。
密閉度が高ければ、トイレから臭気が漏れるのを防げます。モデルルームやモデルハウスで確認する際には、廊下を暗くしてからトイレ内を点灯させて、光の漏れ具合を見るのがおすすめです。
防音性が高い扉であれば、トイレ内から聞こえる音を小さくできます。確認する際のポイントは、扉の厚みや材質、スリットの有無です。
扉をノックしてみたり、トイレ内で手を叩いてみたりして、中から音が聞こえるかを試してみましょう!
密閉度や防音性については、メーカーの仕様書から理解するのは困難です。できる限りモデルルームやモデルハウスで、実物を見て触れて確認しましょう。
トイレの臭いや音の対策については、関連記事「【知っておいて】リビングトイレは最悪じゃない!後悔する理由や7つの対処法を解説」で解説しています。不安が残る方は、ぜひチェックしてみてください。
3. 間取りに注意する
トイレ内から漏れる臭いや音の対策を扉に期待しても、種類や製品に関係なく隙間が生じることは避けられません。したがって、トイレの間取りを工夫して、さらなる対策を行いましょう。
人が集まるリビングやキッチン、来客の訪れる玄関にトイレをなるべく近づけないのがポイントです。
また、設置の際に面する廊下スペースも忘れずに確認しましょう。
開閉に必要なスペースが片開き戸の1/3になるからと、開閉確認を怠ってはいけません!
扉の前を歩いている人に気づかずドアを開けると、ぶつかる可能性があります。トイレ付近に階段や吹き抜けは設置しないなど、安全性の確保が必要です。
トイレの間取りについては、関連記事「【実はおすすめ】玄関付近のトイレで後悔する5つの理由!魅力や注意点を家づくりのプロが解説」で解説しています。トイレの配置で迷っていたり、心配なことがあったりする方は、ぜひチェックしてみてください。
4. レールの有無を確認する
折れ戸を選ぶ際は、レールの有無を確認しましょう。床にレールがあると、つまずいたり清掃が手間になったりするからです。
わずか数cm幅のレールに入り込んだホコリを、定期的に清掃するのは大変ですね……
掃除を放置すると、扉の開閉時にホコリが奥の方へ移動して、力を加えることでかたまりになることもあります。汚れは扉の稼働範囲を狭くしたり、動きにくくなったりさせるなど、使い勝手に悪影響を及ぼしかねません。
必要以上の力を加えて開閉すれば、扉が壊れやすくなるので注意しましょう!
5. 違うタイプの扉への変更は難しいことを理解しておく
簡単そうに見える扉の交換ですが、違うタイプの扉へ変更する場合は作業難易度や交換作業費が高くなります。したがって、後から違うタイプに変更しなくて済むように、家づくりを始める時点で十分に検討しておくのがおすすめです。
モデルハウスやハウスメーカーで扉を開け閉めして、使い勝手を確認しましょう!
しかし、どうしても使いにくいと感じたり、介護が必要になったりして、後から交換しなければいけない場合もあるかもしれません。
折り戸から片開き戸へ変更する場合には、廊下の広さや幅の確保が必要です。折り戸のメリットであった開閉時の省スペースが、片開き戸に交換すると約3倍に広がります。
少なくとも90°扉が開けられるようにスペースを確保しておきましょう。
スペースが足りないと介護時に付き添いにくい、トイレで倒れた際に救助隊員が入れないなどの問題が生じます。
家を設計する段階では、細かい箇所まで注意が向かないかもしれません。気になったとしても、誰にどのような内容を相談すれば良いのか、不安になる方もいるでしょう。
そんな時は、家づくりのプロであるすーさんにLINEで相談してみてください。
ちょっとした家づくりの不安や疑問でも、プロである私が解決します!お気軽にご相談ください!
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トイレの折れ戸をメーカー3社で比較
トイレの折れ戸を取り扱うメーカー3社の製品について比較します。
- ダイケン
- パナソニック
- リクシル
それぞれメーカーごとに製品の特徴があるので、家の雰囲気に合った製品を選んでください。
1. ダイケン
項目 | 概要 |
---|---|
色 | 9色 |
デザイン | 8種類 |
方式 | 上吊式 |
特徴 | ・約10°で開閉できるハンドル ・折れ部に隙間なし ・オプションでハンドルを変更可 |
建設資材の総合企業 大建工業株式会社(ダイケン)で取り扱う折れ戸の特徴は、ハンドルを約10°下げるだけで扉を開閉できる点です。
一般的なハンドルが約30°なので、わずかな動作で開閉できますね!
開閉時の指詰め防止にも配慮されており、折れ部に隙間が生じないのもポイントです。また、最大750mmの開口幅で、車イスでも入退室できます。
選べるデザインが8種類と多いので、見た目にこだわった家づくりをしたい方におすすめです。
2. パナソニック
項目 | 概要 |
---|---|
色 | 9色 |
デザイン | 2種類 |
方式 | 上吊りランナー方式 |
特徴 | ・プッシュプルハンドルでワンタッチ開閉 ・表示錠で使用状況の判別が容易 ・有効開口幅850mmに対応可 |
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社が取り扱う折れ戸の特徴は、ワンタッチで楽らく扉を開閉できるプッシュプルハンドルです。
サムターン式の表示錠が標準で搭載されているため、外から使用中かを判別しやすいのも助かります!
オーダーメイドにより有効開口幅850mmの大きな折れ戸にも対応できるため、介護などで車イスの使用を想定している方にもおすすめです。
トイレの選び方については、私のInstagramの投稿を確認してください。メーカーごとの特徴も紹介していますよ!
3. リクシル
項目 | 概要 |
---|---|
色 | 6色 |
デザイン | 2種類 |
方式 | 上吊方式 |
特徴 | ・指を挟みにくい大きめのR形状 ・ジョイントレールで脱着容易 ・目的に合わせた2種類の製品あり |
ハウスメーカーとして有名な株式会社LIXIL(リクシル)の折れ戸は、隙間に指を挟みにくい木口形状(大きなR形状)が特徴です。
使用中かの判別や、電気の消し忘れにも気づきやすい大きめの彩光窓を搭載したデザインもあります!
通常の折り戸以外にも、車イスに対応した広い開口のラシッサUD 両側折れドアがあります。廊下側からもトイレ側からも開けやすいプッシュプルハンドルが特徴です。
既存のドア枠を利用して取り付けられるラシッサUD アウトセット方式 連動折れドアもあります。片開き戸など違うタイプのドアから取り替えたいなど、リフォームを検討している方におすすめです。
トイレの折れ戸はデメリットばかりではない!十分に考えて理想の家づくりをしよう
トイレは音や臭いが発生する場所なので、隙間が生じやすい折れ戸を採用するのはデメリットに感じるかもしれません。しかし、十分な対策や工夫をすれば、片開き戸よりも省スペースかつ、車イスでも開けやすいのがメリットです。
育児や介護だけでなく、怪我や病気をしていても扉を開閉しやすいのは便利ですね!
後から扉のタイプを変更することは難しいので、新築時にじっくり検討すること、リフォーム時には専門業者に依頼するのがおすすめです。
とはいえ、どうすれば後悔のない家づくりができるか不安に思う方もいるかもしれません。そのような方は、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
「すーさんの相談窓口」では、家づくりのプロが家づくりに関するあらゆる相談に対応できます。トイレに折れ戸を採用したい時の注意点なども、詳しく丁寧にアドバイスします。
相談は無料なのでお気軽にご連絡ください!