「地震に強いハウスメーカーはどうやって選べば良いのかな?」
「家族が安心して暮らせる家に住みたい!」
「壊れない家の特徴ってなんだろう…」
ライフスタイルが変化しても、長く暮らし続けるマイホーム。地震に強い構造なら、いざというときも安心です。
この記事では、地震に強いハウスメーカーについて、以下の内容を解説します。
- ハウスメーカーの選び方
- おすすめのハウスメーカー
- 地震に強い家を建てるポイントと注意点
ハウスメーカーごとの違いや特徴をしっかり押さえておけば、地震で家が壊れるリスクを低減できます!
日本に住んでいる限り、巨大地震に見舞われることは珍しくありません。しっかりと対策をして、安心して暮らせる家を手に入れましょう。
地震に強いハウスメーカーの選び方4選
地震に強いハウスメーカーを探すうえで、見ておきたいポイントは以下の4つです。
- 耐震等級
- 構造・工法
- 耐震実験
- 保証期間・メンテナンス
順に解説します。
1. 耐震等級
耐震等級は、住宅の性能表示制度を定める「住宅と品質確保の促進等に関する法律」で定められた、地震に対する建物の強度を示す指標の1つです。
等級は、以下の表のとおり3つの区分で示されています。
等級 | 内容 |
---|---|
耐震等級1 | 建築基準法の耐震基準と同じ強度を持つ建物 |
耐震等級2 | 地震に対する耐久力が耐震等級1の1.25倍 |
耐震等級3 | 地震に対する耐久力が耐震等級1の1.5倍 |
1〜3の3段階で表されており、数字が大きくなるほど強い家が建てられます!
耐震等級3は、建築基準法の1.5倍の耐震性とされます。震度6〜7の1.5倍の地震でも倒壊しないのが特徴で、強度のある家を建てたい方はチェック必須です。
2. 構造・工法
住宅会社によって採用している構造・工法は異なります。また、一括りに木造といっても「木造軸組工法」「木造枠組壁工法」などがあるので、耐震性以外のメリット・デメリットにも注目しましょう。
主な工法の特徴は、以下の表を確認してみてください。
構造 | 工法 | 内容 |
---|---|---|
木造 | 木造軸組工法 | 柱と筋交いで家を支える工法 |
木造枠組壁工法(2×4工法) | ・壁で家を支える工法 ・圧力壁を増やすことで強度が上がる | |
木質パネル工法 | ・工場生産した構造体を現場で組み立てる工法 ・外力が面全体に分散するため強度が高い | |
鉄骨造 | 軽量鉄骨軸組工法 | 軽量鉄骨の柱と筋交いで家を支える工法 |
重量鉄骨ラーメン工法 | 強度の高い重量鉄骨の枠で構造を作る工法 | |
鉄筋コンクリート造(RC造) | ラーメン工法、壁式工法 | ・鉄筋で補強されたコンクリートの枠組みで家を支える工法 ・最も強度が高い |
構造や工法はハウスメーカーがこだわっているポイントなので、見逃せません!
また、工法に加えて各ハウスメーカーでは耐震性を上げるために、以下のような構造を取り入れています。
構造 | 内容 |
---|---|
耐震構造 | ・地震の揺れに対して十分に耐えられるように設計された構造 ・柱・梁・床・壁等を有効に配置して建物の構造体で支える仕組み ・多くの戸建住宅で耐震対策に用いられている |
制振構造 | ・建物と土地の間に免震装置を設置して、建物に揺れを伝えにくくした構造 ・振動を和らげる効果があるとされ家具の転倒防止も期待できる ・導入コストが高い |
免震構造 | ・建物内部にダンパー等を組み込み、地震による振動を吸収する仕組み ・振動を吸収することで、柱・梁・壁の損傷を抑えられる |
構造・工法が間取りに影響することもあるので、耐震性と住みやすさのバランスを取る必要があります。
3. 耐震実験
耐震実験を行うことで、地震の強さを数値で明確化できます。
そのため、多くのハウスメーカーが耐震実験を実施しているのです!
例としては、実物の建物を実験施設の台に載せることで、地震と同じような揺れを作り出す「実大振動実験」が挙げられます。
実際に起こった地震をリアルに再現するために、揺れの周期や周波数もあわせてテストしているので、信頼度の高い結果を確認できます。
4. 保証期間・メンテナンス
耐震性は経年劣化によって性能が落ちる可能性があるため、ハウスメーカーを選ぶ際には保証期間が長く手厚いメンテナンスを用意している会社を選びましょう。
耐震性に影響与える劣化は、床下の結露です。結露によって湿気が溜まると、カビやシロアリの発生原因となります。ハウスメーカーの定期点検を利用すれば、劣化による性能の低下を早期に発見可能です。
また、新築時の初期不良であった場合には、法律で義務付けられた10年間の「庇護担保責任」によって無償で修繕を依頼できます。
独自の長期保証サービスを設けているため、ハウスメーカー選びの際には確認しておきましょう!
地震に強いおすすめのハウスメーカー10選
地震に強いハウスメーカーは以下の通りです。
- 住友不動産
- 一条工務店
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- アキュラホーム
- ヘーベルハウス
- パナソニックホームズ
- セキスイハイム
- ダイワハウス
- 積水ハウス
順番に見ていきましょう。
1. 住友不動産
住宅のタイプ | 木造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | 独自の超耐震構法「ニューパワーコラム」 |
耐震実験 | 新制震システム「ニューパワーキューブ」で建物の変形を最大約55%低減できることを実証 |
保証期間・メンテナンス | 60年保証(20年以降有料メンテナンス工事をした場合10年毎延長) |
住友不動産は、耐震・制震機能が優れているのはもちろん、壁や手すりに抗菌・抗ウイルス加工を施した部材を揃えています!
独自のウッドパネル工法・2×4工法・2×6工法などを組み合わせることで、地震だけでなく、火事にも強い家を建設しています。
2. 一条工務店
住宅のタイプ | 木造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | ツインモノコック構造 |
耐震実験 | ・建物を倒壊する揺れ方などを中心に、さまざまな地震の揺れを実験 ・東日本大震災後、2年間で253回もの加震を行う |
保証期間・メンテナンス | 30年保証(20年目に有料メンテナンス工事を行った場合10年延長) |
一条工務店は、高い性能でありながら納得の価格で実現できる住まいを提供しているハウスメーカーです!
独自の取り組みとして、断熱材や窓などを自社グループで開発・生産し、通常は現場で施工する工程を工場で行っていることが挙げられます。
これにより、現場でのクオリティのばらつきを防ぐと同時に、かかるコストを大幅に削減しているのです。
3. ミサワホーム
住宅のタイプ | 木造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | モノコック構造 |
耐震実験 | 阪神・淡路大震災以上の揺れに対して損傷なし |
保証期間・メンテナンス | 35年保証 |
ミサワホームは、耐震木造住宅「MJ Wood」と制震装置「MGEO」を導入しており、地震発生時の安全対策がバッチリです。
「MJ Wood」や「MGEO」によるダブルの地震対策だけでなく、省エネやスマート化に力を入れています。
エネルギーの無駄遣いを防いだ、先進的な住まいを提供しているハウスメーカーですね!
4. 三井ホーム
住宅のタイプ | 木造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | プレミアムモノコック構法 |
耐震実験 | 連続60回の震度7の耐震実験を耐えた地震に強い家 |
保証期間・メンテナンス | 10年保証(有料メンテナンス工事で10年延長) |
三井ホームは、耐震・断熱・耐久の3つのポイントにこだわることで、地震に強い家を実現しています。
耐震実験では、震度7の地震を想定した連続60回のテストに耐えた実績を誇ります!
また、プレミアムモノコック構法により、6面体で構造を形成された盤石な造りで、暮らしを支えてくれるのが魅力です。
5. アキュラホーム
住宅のタイプ | 木造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | 木造軸組工法の結合部を金物で強固にしたメタルウッド工法 |
耐震実験 | 国内で起こった震度7レベルの地震の揺れを実験し損傷なし |
保証期間・メンテナンス | 10年保証(有料メンテナンス工事で35年まで延長) |
アキュラホームは、倒壊や耐風の実験を何回も繰り返すことで、強固な構造を造り上げています!
国内で起こった震度7レベルの地震の揺れに耐えられるほどの、強固な構造を強みとしています。
太陽光発電や省エネ性能にこだわったうえで、全館空調システムを導入しているのが特徴です。そのため、季節を問わず、快適に過ごせるでしょう。
6. ヘーベルハウス
住宅のタイプ | 鉄骨造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | 2階建て:ハイパワード制震ALC構造 3・4階建て:重鉄・システムラーメン構造 |
耐震実験 | 阪神・淡路大震災の1.5倍の地震波などで繰り返し加振して損傷なし |
保証期間・メンテナンス | 30年保証(有料メンテナンス工事で60年まで延長) |
ヘーベルハウスは、ALCコンクリート・ヘーベルや鉄骨射体を組み込むことで、災害で壊れない家を実現しています!
強固なフレームで構造を作りながらも、強さとしなやかさが融合した構造躯体が独自の魅力として知られています。
阪神・淡路大震災の1.5倍の地震波を耐え抜いた実績があるので、地震への強さはお墨付きです。
7. パナソニックホームズ
住宅のタイプ | 鉄骨造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | HS構法「制震鉄骨軸組構造(軽量鉄骨)」 重量鉄骨ラーメン構造(NS構法) 大型パネル構造(F構法) |
耐震実験 | 東日本大震災などの大地震57回・中地震83回の過酷な振動実験を実施し大きな損傷なし |
保証期間・メンテナンス | 35年保証(有料メンテナンス工事で60年まで延長) |
パナソニックホームズは、建て替えや補修を最長35年保証しているので、いざというときに安心です。
東日本大震災といった大地震・中地震を想定した振動実験をトータル100回以上実践し、耐え抜いてきた実績があります。
強靱な鉄骨と独自の構造技術により、倒壊だけでなく家の揺らぎを防ぎ、暮らしの安全を確保しているのです!
8. セキスイハイム
住宅のタイプ | 木造・鉄骨造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | ボックスラーメン構造 |
耐震実験 | ・2階建ては100回以上の実証実験を実施 ・3階建ては東海地震の予測波レベルでの実験をして大きな損傷や倒壊なし |
保証期間・メンテナンス | 60年保証 |
セキスイハイムは、独自技術によるボックスラーメン構造体や強度と耐久性に優れたベタ基礎により、巨大地震にも耐えうる強靭な構造体を持つハウスメーカーです。
建設時に「デイジーリベットプラス」と呼ばれる特殊金具を使うことで、外壁と構造体をしっかりと固定。さらに、外壁に付帯する「スプリングジョイント」はばねのような効果で揺れを吸収するので、びくともしない丈夫な家を建築可能です。
9. ダイワハウス
住宅のタイプ | 木造・鉄骨造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | 鉄骨軸組構造 |
耐震実験 | 「xevoΣ」は震度7レベルの実験を繰り返すも大きな損傷なし |
保証期間・メンテナンス | 30年保証(有料メンテナンス工事で60年まで延長) |
ダイワハウスは、独自のエネルギー吸収型耐力壁「KyureK」を導入することで、地震の揺れや内外装の損傷の抑制を実現しています!
地震で飛来物が当たってガラスが割れることを想定し、高耐久軽量屋根材の「ROOGA」や防災防犯グラスを導入しています。
また、注文住宅の「xevoΣ」に関しては、震度7レベルの実験を繰り返しても大きな損傷がないという結果が報告されているので、安心して暮らせるでしょう。
10. 積水ハウス
住宅のタイプ | 木造・鉄骨造 |
耐震等級 | 3 |
構造・工法 | 二階建て:外壁パネルロッキング工法 三階建て:フレキシブルβシステム |
耐震実験 | ・制震構造「シーカス」は245回の耐震実験を実施 ・未だ経験したことのない揺れでの実験もクリア |
保証期間・メンテナンス | 30年保証(有料点検で永年保証) |
積水ハウスは、設計の自由度と耐久性・耐震性を兼ね備えたオリジナル構法を導入しており、木造・鉄骨造のどちらにも対応しているハウスメーカーです。
阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震において全壊・半壊ゼロという実績から、年月を経ても丈夫な家を提供し続けていることが伺えるでしょう。
ここまで地震に強いハウスメーカーを紹介してきましたが、どこを選べば良いかわからない方もいるのではないでしょうか。迷った場合は、ぜひすーさんの相談窓口にご相談ください。
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地震に強い家を建てる際の5つのポイント
ここでは、地震に強い家を建てる際のポイントを紹介します。
- シンプルな形状にする
- 軽量な屋根材を使う
- バランス良く耐力壁を配置する
- ベタ基礎にする
- 強い地盤の土地を選ぶ
順番に見ていきましょう。
1. シンプルな形状にする
上空から見たときに正方形または長方形になっているような、シンプルな形状の家は地震に強いです。
正方形・長方形の家は、構成している6つの面が地揺れに耐えようとするので、地震のときでも崩れにくいです!
一方、L字型や2階の一部分が1階よりも飛び出している特徴的な構造の家は要注意です。揺れが一点に集中するのでゆがみが発生しやすく、倒壊につながる可能性があります。
揺れを分散させるためにも、シンプルな形の建物を選ぶと安心です。
ただし、シンプルな形状には、水はけが悪くなるなどのデメリットもあります。詳しくは「【要検討】キューブ型の家で後悔する5つの理由を解説!対策方法やおしゃれな外観にするポイントも紹介」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
2. 軽量な屋根材を使う
地震に強い家は「屋根材が軽い」という特徴があります。瓦屋根などは重さにより建物の重心が高くなるため、地震の揺れが大きくなる傾向にあるからです。
軽量な屋根材としては、セメントを主成分とする薄板状のスレート屋根がおすすめです。
スレート屋根の重量は、瓦屋根に比べると約半分です!
また、トタンやガリバリウム鋼板の屋根も、軽い屋根材として知られています。
3. バランス良く耐力壁を配置する
枠組壁工法の家では「耐力壁」をバランス良く配置するのが効果的です。壁で家を支える枠組壁工法の家では、壁の強度が地震への強さに大きく影響します。
ただし「耐力壁」は単純に増やせば良いというものではなく、バランスが大切です。
一部だけに「耐力壁」が集中すると、かえって家のバランスが崩れるため、地震の揺れに弱くなります!
4. ベタ基礎にする
家の基礎は大きく分けて「ベタ基礎」と「布基礎」に分類できます。「ベタ基礎」の家は、底面全体を鉄筋を入れた床下で支える構造です。一方「布基礎」は、面ではなく基礎の柱で家を支える構造です。
地震に対する強度は、面全体で家を支える「ベタ基礎」が優れています!
「ベタ基礎」は「布基礎」に比べてコストは高くなりますが、地震に対する強度は大きく上回ります。
5. 強い地盤の土地を選ぶ
平成12年の法改正により、家を建築する際の地盤調査が義務化されました。そのため、家の間取りや建てる位置が決まったら、地盤調査が実施されます。
調査の結果、地盤が弱いことがわかった場合には「地盤改良工事」が必要です。
工事の例としては、2mほどの土を掘って固化剤と土をかき混ぜる表層改良工法や、コンクリートの柱を注入して地盤を強くする柱状改良工法があります!
盤石な家を建てるためにも、地盤を安定させる対策を行いましょう。
土地の探し方については、関連記事の「【まるわかり】土地探しのコツ7選!家づくりのプロが失敗例や基礎知識もあわせて紹介」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
地震に強い家を建てる場合の3つの注意点
地震に強い家は、工法や構造によって実現可能です。ただし、以下の3つの注意点についてあらかじめ理解しておくことが大切です。
- 建築や地盤改良工事の費用が高くなる
- 希望する間取りを実現できない場合がある
- 劣化により耐震性が低くなる可能性がある
一つひとつ見ていきましょう。
1. 建築や地盤改良工事の費用が高くなる
鉄骨やベタ基礎を用いた家は地震への強度は高くなりますが、その分コストが上がることを理解しておきましょう。
また、鉄骨や鉄筋コンクリート造の家は重量が重いため、地盤が弱い場合には地盤改良工事が必要です。地盤改良工事は、100万円近い工事費用がかかることがあります。
あらかじめ予算との兼ね合いをしっかり考えておく必要がありますね!
2. 希望する間取りを実現できない場合がある
耐震性を上げると、大開口のリビングや大きな窓が設置できなくなる可能性があります。
耐震性を上げるには、必要な柱や壁を取り除くことが難しいためです!
ただし、鉄骨や鉄筋コンクリート造の場合には、比較的広い間口を作ることが可能です。耐震性と間取りの兼ね合いをハウスメーカーとしっかり相談しておきましょう。
3. 劣化により耐震性が低くなる可能性がある
地震に強い家であったとしても、経年劣化により耐震性が下がる可能性があります。主な理由は、床下の湿気による木材の劣化が挙げられます。
耐震性が高いからと言って安心せずに、ハウスメーカーの定期点検をしっかり活用しましょう!
地震に強いハウスメーカーを利用して暮らしを守ろう
地震に強いハウスメーカーを見極めるには、耐震等級や構造・工法、耐震実験の結果に注目すると安心です。信頼できるハウスメーカーにお願いすることで、地震に強い家が建てられるでしょう。
長く住み続けるからこそ、災害に強い家だと心強いですよね!
また、地震に強い家の共通点には、シンプルな形状や強い地盤であること、耐震・制振・免震構造が確保されていることが挙げられます。これらもあわせて確認しておくと安心です。
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