「新築の家を片流れ屋根にしたいけど失敗しないか心配」
「片流れ屋根の良い所を具体的に教えて」
「雨漏りするって聞いたけど対策方法はあるの?」
片流れ屋根はシンプルな形状のため、コスト削減が可能です。また、太陽光パネルが設置しやすく発電効果が高いことから、多くの新築住宅で採用されています。
太陽光発電の普及が進み、現在では3割以上の人が片流れ屋根を導入していますよ!
しかし、片流れ屋根は雨漏りしやすいなどのデメリットがあるのも事実です。新築住宅を建てる前に、失敗する理由や対策を知っておく必要があるでしょう。
この記事では、新築住宅を片流れ屋根にしようか悩んでいる人に、以下の情報を解説します。
- 片流れ屋根にして失敗する理由
- おすすめの理由
- 雨漏り対策
片流れ屋根にして失敗したくない人は、ぜひ最後までお読みください!
片流れ屋根とは?概要をサクッと解説
片流れ屋根は一つの方向に傾いた形状の屋根です。近年はコンパクトな住宅が増えているため、シンプルな形状の片流れ屋根にする人が増えています。
屋根の種類と特徴は、以下の通りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
片流れ屋根 | 一方向に傾斜した屋根で太陽光パネルを設置しやすい |
切妻屋根 | 二方向に流れる屋根で雨漏りしづらい |
寄棟屋根 | 四方向に広がった屋根で耐久性が高い |
陸屋根 | 平らな屋根で屋上が使える |
差しかけ屋根 | 段違いの屋根でコストが安い |
片流れ屋根はシンプルなデザインで施工しやすく、コストを抑えられますよ!
片流れ屋根は一方向に傾いているので、全面に太陽光パネルが設置できます。また、屋根裏スペースが広いため、寝室や書斎などに活用できるのも魅力です。
しかし、耐久性が低く雨漏りのリスクがあるので注意しましょう。
新築で片流れ屋根にして失敗する5つの理由
新築の住宅を、片流れ屋根して失敗する理由は以下の5つです。
- 雨漏りのリスクがある
- 外壁が汚れやすい
- 緩勾配の屋根は雨漏りしやすい
- 急勾配の屋根は費用がかかる
- 雨や日差しを遮れない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.雨漏りのリスクがある
片流れ屋根は、雨漏りのリスクが高い屋根です。屋根の頂点となる方面の軒の裏側に雨水が流れやすく、外壁との境目に侵入して内部の木材を劣化させます。
デザインを重視した軒がない住宅は、さらに雨漏りのリスクが高くなりますよ!
また、片流れ屋根は一方向にしか雨水が流れないため、雨どいに負担がかかりやすいです。そのため、雨どいの劣化や破損が原因で雨漏りする可能性があるでしょう。
2.外壁が汚れやすい
片流れ屋根の外壁は、風や雨・直射日光の影響を受けやすく汚れやすいです。軒下がないスタイリッシュなデザインの家は、さらに汚れてしまいます。
新築の外壁が汚れるのは嫌ですよね!
また、外壁が濡れてカビや藻が生えやすいことも特徴です。直射日光による紫外線の影響で、屋根や雨どいの劣化も早めてしまうこともあります。そのため、高圧洗浄機で汚れを落としたり定期的なメンテナンスを行ったりしてキレイな外観を長持ちさせましょう。
3.緩勾配の屋根は雨漏りしやすい
片流れ屋根の勾配によって、得られる効果や注意点が違います。緩勾配にすると屋根が小さくなりコストダウンに効果的ですが、雨水が溜まりやすくなり雨漏りのリスクが高くなるでしょう。
また、以下の点にも注意が必要です。
- 積雪に弱い
- 落ち葉やホコリが付着しやすく劣化を早める
- 屋根に使える素材が金属製に限られる
勾配天井を考えている人は注意しましょう!
勾配天井については、関連記事「【改善策あり】勾配天井で後悔する理由7選!失敗しないための7つの対策を住宅のプロが解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
4.急勾配の屋根は費用がかかる
片流れ屋根の傾斜を急勾配にすると雨漏りしにくくなります。しかし、修繕やメンテナンス時に屋根足場の設置が必要です。
屋根足場は、工事業者の安全確保や安定した仕事ができるように設置する足場ですよ!
屋根足場は1㎡あたり約1,000円が相場です。40坪の住宅は屋根面積が約200㎡あるため、屋根足場だけで20万円もかかってしまいます。
また、屋根を急勾配にすると、外壁の面積が大きくなりコストの上昇に繋がってしまうでしょう。
5.日差しや雨を遮れない
片流れ屋根は軒が短いことで、窓に当たる日差しや雨が遮れません。真夏の日差しが強い時は、室温が高くなりやすく暑さ対策が必要です。
また、雨が直接に窓にぶつかるので雨音が室内に響き渡ります。勉強中や寝ている時などは気になるため、断熱や遮音効果のある窓やカーテンを設置して対策しましょう。
家づくりで失敗しないためには「LIFULL HOME`S」を活用するのがおすすめです!
ハウスメーカーのカタログを一括請求できるので、屋根や窓の種類を見ながら比較検討できます。どんな家を建てるかイメージしやすくなりますよ。
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
片流れ屋根は失敗するは嘘!3つの魅力
片流れ屋根を設置するメリットは、以下の3つが挙げられます。
- コストを削減できる
- 屋根裏が利用しやすい
- 太陽光パネルを設置しやすい
一つひとつ見ていきましょう。
1.コストを削減できる
傾斜面が2つや4つある屋根は多くの材料と工数が必要で、工期が長く人件費も高くなりがちです。しかし、片流れ屋根は構造がシンプルなため、材料費や施工でコストを抑えられます。
片流れ屋根は雨どいが一方向の設置で良いことや、勾配を緩やかにすると外壁の面積が減るため、さらにコスト削減に繋がるでしょう。
メンテナンスなどのランニングコストも安くなりますよ!
片流れ屋根の魅力については、関連記事「【おしゃれな外観】片流れ屋根で後悔する7つの理由を住宅のプロが解説!魅力や対策方法も」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
2.屋根裏が利用しやすい
片流れ屋根は高くなっている側に空間が生まれるため、屋根裏の空きスペースを有効活用できます。屋根裏の天井高を1.4m以下にすれば床面積に含まれないため、固定資産税を抑える効果があるのが嬉しいポイントです。
高さが1.4mの空間は、以下のような使い方ができます。
- 収納スペース
- 寝室
- 子供部屋
- 書斎
- 洗濯物干し
- 趣味部屋
来客者の宿泊スペースとしても利用できますね!
3.太陽光パネルを設置しやすい
片流れ屋根は一方向に面積が広いため、太陽光パネルを設置しやすいです。傾斜面が多い屋根は、パネルを設置する方角が分散してしまい発電効率が最大化しません。
片流れ屋根であれば全面にパネルを搭載でき、勾配が南側にあれば大きな電力が期待できます。しかし、傾斜を北向きにせざるを得ない場合は発電できる時間が失われるため、プロに相談してから設置を検討しましょう。
片流れ屋根の家について紹介しましたが、どんな家にしたらいいのかわからない方もいるでしょう。家づくりで迷っている人は「すーさんの相談窓口」を活用するのがおすすめです。
大手ハウスメーカーで多くの経験をしてきた私が、着実に理想の家に近づけていきます!
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片流れ屋根で失敗しないポイント3選
屋根選びで重要なポイントは、特徴や価格帯・耐用年数を理解した比較検討です!
片流れ屋根で失敗しないポイントは、以下の3つです。
- 最適な勾配を見つける
- 耐久性のある屋根材を選ぶ
- 屋根断熱を提案する
3つのポイントを比較して自分に合った屋根を選びましょう。
1.最適な勾配を見つける
屋根の角度の表し方は尺貫法勾配が使われていますよ!
尺貫法勾配は、今でも建築業界で使われています。10寸(303mm)の水平距離に対して、何寸の高さがあるか示すものです。
屋根の勾配によって、以下のメリットとデメリットがあります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
緩勾配(3寸以下) | ・施工しやすい ・コストを抑えられる ・風の抵抗を受けにくい | ・雨水が溜まりやすい ・金属製の屋根材に限られる |
並勾配(3~5寸) | ・屋根足場が不要 ・ほとんどの屋根材が使える ・デザインが豊富 | ・デザインに独自性がない |
急勾配(6寸以上) | ・屋根裏空間が広い ・雨漏りのリスクが低くなる ・断熱効果が高くなる | ・施工のコストが上がる ・屋根足場が必要 |
屋根の勾配によって使える屋根材やデザインが限られてしまうため、注意が必要です。また、勾配でリフォームやメンテナンス費用が違うので、将来を見据えた設計にしましょう。
勾配のない家については、関連記事「【要検討】キューブ型の家で後悔する5つの理由を解説!対策方法やおしゃれな外観にするポイントも紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
2.耐久性のある屋根材を選ぶ
屋根の勾配によって、使用できる素材が限定されます。以下の表にまとめた屋根材の特徴や耐用年数を考慮して、比較検討しましょう。
種類(最低勾配) | 特徴・費用相場 | 耐用年数 |
---|---|---|
スレート(3寸以上) | ・セメントに繊維素材を混ぜた薄い板状の屋根材 ・1㎡あたり約6,000円 | 15~20年 |
瓦(4寸以上) | ・粘土瓦とセメント瓦がある ・耐久性が高く塗替え不要 ・1枚300~1000円 | 50年以上 |
ステンレス(0.3寸以上) | ・錆びにくく耐久性が高い ・メンテナンス費用が安い ・1㎡あたり約13,000円 | 50年 |
ガルバリウム(0.3寸以上) | ・アルミニウム・亜鉛・シリコンの合板 ・1㎡あたり約5,000~10,000円 | 30年 |
銅板(0.3寸以上) | ・耐久性が高く塗り替え不要 ・軽量で耐久性が高い ・1㎡あたり約18,000~20,000円 | 60年以上 |
屋根材の特徴や耐用年数を比較して、理想の家に近づけましょう!
3.屋根断熱を提案する
屋根断熱にすると、屋根裏の空間をリビングや寝室のように使えます。一方、天井断熱は、空間を小さくして施工コストの縮小や冷暖房費を抑える効果があります。
屋根断熱と天井断熱のメリット・デメリットは、以下の通りです。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
屋根断熱 | ・屋根裏の空間が活用できる ・天井を吹き抜けにできる | ・施工コストが上がる ・冷暖房費が高くなる |
天井断熱 | ・施工のコストが下がる ・冷暖房費が安くなる | ・屋根裏が外と同じ気温になる ・屋根裏の使い方が限定される |
また、断熱材を施工するには、充填断熱と外張り断熱の2つの工法があります。充填断熱は断熱材を構造部分に埋め込み、外張り断熱は建物の外側から断熱材を覆う工法です。
充填断熱は新築時に施工すれば低コストで壁を薄くできるため、部屋が広くなり使用できる断熱材も増えます。外張り断熱は断熱性能が高くリフォームの際のコストが下げられるでしょう。
使用する断熱材の種類と特徴は、以下の通りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
繊維系 | 絡み合った繊維の中に空気の層を作って断熱する |
発泡プラスチック系 | プラスチックを発泡させた気泡で断熱する |
天然素材系 | 天然由来の素材で断熱する |
屋根断熱を実施する時は、工法や断熱素材の特徴・コストをプロに相談しましょう!
片流れ屋根の雨漏り対策2選
片流れ屋根の雨漏り対策は、以下の2つです。
- 勾配をつける
- 透湿ルーフィングをつける
順番に見ていきましょう。
1.勾配をつける
片流れ屋根は、適度な勾配をつけて雨水が溜まらない工夫が必要です!
雨水が溜まってしまうと、屋根材の下に敷いてある野地板が劣化して大きな補修工事に発展します。また、屋根材によって最低勾配が異なるので注意が必要です。
瓦やスレートを使用するなら、4寸以上の勾配が安心でしょう。
2.透湿ルーフィングをつける
透湿ルーフィングをつけると、雨漏りを防げます。透湿ルーフィングとは、防水性が高く、湿気を含んだ空気を外に排出してくれるシートのことです。
屋根材と野地板の間には、雨水の侵入を防ぐ防水シートが敷いてあります。しかし、屋根裏は湿気が溜まりやすいため、防水性が高いだけのシートでは結露が原因で屋根を劣化させてしまうでしょう。
そこで、透湿ルーフィングを使用することで湿気を逃し屋根の耐用年数を延ばします。とはいえ、透湿ルーフィングは屋根にはあまり使われません。主に外壁などに使用されます。
使われない理由は、コストにあるようです!
種類 | 相場 | 耐用年数 |
---|---|---|
透湿ルーフィング | 1㎡あたり約500〜700円 | 50年 |
アスファルトルーフィング | 1㎡あたり約200円 | 10年 |
透湿ルーフィングを使用すると、耐用年数が大幅に長くなり修繕コストが下がりますが、湿気を逃すための施工が不可欠です。そのため、施工に時間がかかり人件費などのコストが上がってしまいます。
まずは、担当者に施工費と修繕コストの比較を確認してみましょう。
新築の片流れ屋根で失敗しないためには雨漏り対策が重要
片流れ屋根で失敗する理由には、雨漏りするリスクや外壁が汚れやすいことが挙げられます。しかし、軒の設置やコストに合った勾配にすれば、これらのデメリットを乗り越えられます。
マイホームで失敗したくないですよね!
片流れ屋根は屋根裏の利用や太陽光発電の最大化などがあり、コストを抑えられるメリットもあります。ご自身の要望をまとめたうえで、どのような家を建てるかを検討しましょう。
迷った時は、すーさんの相談窓口をご活用ください!
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