「おしゃれな家にしたい」
「片流れ屋根で後悔することはある?」
「後悔しないための対策を教えて!」
片流れ屋根は屋根裏のスペースを活用できるため、狭小地でも人気のあるデザインです。片流れ屋根を取り入れて後悔しないためには、対策方法をチェックしておきましょう。
この記事では、住宅販売のプロであるすーさんが片流れ屋根について以下のポイントを解説します。
- 特徴
- 後悔する理由
- 魅力
- 後悔しないための対策
片流れ屋根を取り入れたい方は、最後までご覧ください!
片流れ屋根の家の特徴をサクッと解説
片流れ屋根の特徴は以下の3つです。
- 狭小地でもスペースを確保しやすい
- 平屋でも高い位置に窓を取り付けられる
- 勾配によって使用できる資材が異なる
屋根裏のスペースを有効活用できるため、狭小地で人気のある屋根の形です!
そのため、土地代が高い都心部でよく採用されています。また、勾配を急にすれば高い位置からの採光が可能です。平屋では高い位置からの採光は困難ですが、片流れ屋根を採用すれば、明るい空間づくりができるでしょう。
ただし、片流れ屋根は勾配によって使用できる資材が異なります。こだわりのある方は、ハウスメーカーや建築会社にしっかり相談しておくのが大切です。
片流れ屋根で後悔する7つの理由
片流れ屋根で後悔する理由は以下の7つです。
- 雨漏りのリスクが高い
- 外壁が劣化しやすい
- 日差しを遮れない
- 風の影響を受けやすい
- 勾配をつけると費用が高くなる
- 換気の効率が悪い
- 地域によっては屋根の向きに制限がある
片流れ屋根を採用しようと考えている方は、後悔する理由をチェックしておきましょう。
1. 雨漏りのリスクが高い
屋根の裏側をつたって雨水が軒天から浸入しやすいため、雨漏りのリスクが高くなります。そのため、雨漏りの被害やメンテナンス費用で後悔することがあるかもしれません。
一般的な2方向にわかれている屋根であれば、軒天部分が下向きなため外壁との接合部分から雨の侵入を心配する必要がありません。
しかし、片流れ屋根は屋根材や外壁のすき間から水分が建物内に侵入してしまうことがあるため、雨漏りのリスクが高くなります。また、雨樋が一方向にしかないため、雨水が集中して漏れの原因になることがあります。
片流れ屋根を採用するときは、雨漏り対策が必須ですね!
2. 外壁が劣化しやすい
片面にしか屋根がないため、雨水が直接外壁にあたり劣化しやすくなります。2方向の屋根があれば雨風を遮れますが、外壁が直接影響を受けるため劣化する原因となります。
外壁が劣化すると、そのぶんメンテナンス費用が必要です!
頻繁にメンテナンスしなければならないと、維持費がかさむため劣化しにくい資材を取り入れましょう。
3. 日差しを遮れない
暑い日差しがそのまま屋内に降り注ぐので、2方向の屋根に比べて室温が上がりやすくなります。日差しを遮れないため、空調の効率が下がり光熱費が高くなるという面もあります。
夏は暑くて過ごしにくいかもしれません!
片流れ屋根を取り入れるときは、全館空調を導入したりひさしをつけたりするのがおすすめです。全館空調はすべての部屋の温度を一定にするため、居室ごとに設置したエアコンをそれぞれ稼働させるより光熱費を抑えられます。
4. 風の影響を受けやすい
屋根は傾斜のある面積が増えるほど風の影響を受けにくいです。そのため、2方向の屋根は雨や風のダメージが分散されられます。一方、片流れ屋根は分散できないぶん影響が大きくなる特徴があります。
風の影響を受けて外壁や屋根材が劣化しやすくなるため、メンテナンス費用が高くなるケースがあります。
維持費を抑えるためには、耐久性のある外壁や屋根材を取り入れましょう!
5. 勾配をつけると費用が高くなる
日差しを遮ったり雨漏りのリスクを減らしたりするには勾配をつけるのがおすすめです。しかし、勾配の角度をつけすぎると費用が高くなります。外壁材がより多く必要になるため費用がかかり、経済的に負担を感じるかもしれません。
ハウスメーカーや建築会社に相談するのがおすすめですね!
勾配をつけると2方向の屋根の物件より高くなるため、予算とのバランスを考えるのが重要です。
6. 換気の効率が悪い
片流れ屋根は通風口を1方向にしか設置できないため、十分な換気が難しく、カビや湿気の原因になります。
カビが生えると手入れが大変です…
湿気が溜まると資材の腐食やカビの原因になるため、通気性のよい資材を取り入れることが大切です。
セルロースファイバーやウッドファイバーは調湿に優れているので、片流れ屋根を取り入れるなら検討してみましょう。調湿できる資材なら、夏も冬も快適な湿度を保てる家を実現できます。
7. 地域によっては屋根の向きに制限がある
地域によっては、北側斜線制限がかけられる場合があります。北側斜線制限とは、近隣住宅の日照を確保するために物件の高さを制限する決まりのことです。
北側斜線制限がある地域は以下のとおりです。
- 第一種・第二種低層住居専用地域
- 第一種・第二種中高層住居専用地域
- 田園住居地域
北側斜線制限があるかどうかはハウスメーカーや建築会社に確認してみてください!
片流れ屋根を取り入れたいけど不安な方は「すーさんの相談窓口」にご相談ください。住宅販売士のプロが注意点や魅力などを紹介して、家づくりをサポートします。
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片流れ屋根にして後悔しない!魅力5選
片流れ屋根の魅力は以下の5つです。
- おしゃれでスタイリッシュになる
- 屋根の建築費用を抑えられる
- 屋根裏の空間が広い
- 太陽光パネルを搭載しやすい
- メンテナンスしやすい
片流れ屋根にするかどうか迷っている方は、魅力をチェックしてみましょう。
1. おしゃれでスタイリッシュになる
片流れ屋根は見た目がシンプルでスタイリッシュになるため、特に若い世代に人気があります。めずらしい形なので、外観にこだわりたい方におすすめです。
屋根が片方しかないので引き締まって見えますね!
和風や洋風の住宅にも合いやすく、平屋で導入する人が多い傾向にあります。屋根をアクセントにしたい方は、片流れ屋根を取り入れてみましょう。
2. 屋根の建築費用を抑えられる
勾配の角度を急にしなければ、建築費用を抑えられるのが魅力です。2方向の屋根より雨樋が少なく済み、資材も約半分のためコストがあまりかかりません。
ただし、屋根の勾配を急にするとそのぶん外壁材が必要になり、費用が高くなるので注意してください!
片流れ屋根にして費用を抑えたい場合は、シンプルな形状にするのがおすすめです。
3. 屋根裏の空間が広い
片流れ屋根にするとデッドスペースになりがちな屋根裏スペースを活用できるため、狭小住宅にもおすすめです。狭小住宅は部屋数は増やせませんが、片流れ屋根の採用で屋根裏スペースを確保できるため、収納にあてられます。
ほかにも、屋根裏部屋として活用するのもおすすめですね!
スペースを増やしたいときは、片流れ屋根の一番高い部分を利用すれば快適な場所を作れます。
狭小住宅を建てる際に注意したいポイントについては、関連記事「【設計次第】狭小住宅で後悔する7つの理由!間取り実例や注意点を解説」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
4. 太陽光パネルを搭載しやすい
片流れ屋根は面積が広いため、太陽光パネルを搭載しやすいのがポイントです。全面に太陽光パネルを搭載することで、発電量も期待できるでしょう。電気は自宅で使うだけではなく、売電も可能なので取り付けると生活費のプラスワンになります。
片流れ屋根は光熱費を抑えたい方にもおすすめです!
太陽光発電の売電価格は低下しているものの需要はあります。また、停電時でも安心して電気が使えるので、災害時などに役立ちます。
5. メンテナンスしやすい
片流れ屋根はメンテナンスにかかる時間や費用を抑えられます。屋根が1方向のため、一般的な住宅の半分の工程で済むからです。
ただし、どのような資材でも約10年に1回はメンテナンスが必要です。怠ると高額な費用がかかることがあるので注意してください。
維持費を抑えたいなら、片流れ屋根がおすすめですね!
片流れ屋根で後悔しないための対策5選
片流れ屋根で後悔しないためには、以下の5つの対策をチェックしておきましょう。
- 日照時間や太陽の向きをチェックしておく
- 通気性のよい間取りにする
- 勾配をつけて水が溜まらないようにする
- 雨漏り対策ができる資材を選ぶ
- 汚れにくく劣化しづらい外壁素材を選ぶ
5つの対策をチェックしておけば後悔を減らせます。
1. 日照時間や太陽の向きをチェックしておく
日照時間や太陽の向きによっては日差しが入らないことがあるため、あらかじめチェックして後悔のない間取りにしましょう。採光が悪いと日常的に電気をつけなければならず、光熱費が高くなることがあります。
片流れ屋根は1方向にしか光が入らないため、屋根の向きはしっかり検討しておくことが大切です。
屋根側は光が入りにくいので、収納スペースやトイレを配置しましょう!
屋根がない方向にリビングを設置すると、明るく開放感のある家になります。
2. 通気性のよい間取りにする
片流れ屋根の物件は通風口を1か所にしか設置できません。通気性が悪いと換気できず光熱費が高くなり、カビや腐食の原因にもなります。そのため、仕切りの撤去や全館空調の設置がおすすめです。
仕切りをなくすと家の中の通気性がよくなるため、換気効率を上げられます。仕切りは後付け可能です。必要になった際に設置することを検討してみてください。また、全館空調は家中を一定の温度に保ちながら換気してくれます。窓を開けることなく換気できるのが魅力です。
通気性のよい間取りにすれば、光熱費を削減できますね!
全館空調のおすすめのハウスメーカーについては、関連記事「【超快適】全館空調のおすすめハウスメーカー10選!比較ポイントやメリット・デメリットも解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. 勾配をつけて水が溜まらないようにする
屋根材に合わせて3〜4寸(9〜12cm)の勾配を確保すると、水が溜まらないのでおすすめです。片流れ屋根は雨樋が一つしかなく片方にしか傾いていないので、勾配が少ないと雨が溜まってしまいます。
雨が多い地域は勾配をつけておくと雨漏りのリスクを防げるでしょう。
ただし、勾配をつけすぎると建築費用が高くなってしまうので注意してください!
4. 雨漏り対策ができる資材を選ぶ
雨漏り対策ができる資材を新築時に導入しておきましょう。雨漏りしにくい屋根材とともに防水シートを取り入れるとリスクを防げます。防水シートは以下のようなものがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
アスファルトルーフィング | ・耐久性が低く塗装やコーディングが必要 ・10~30年もつが費用が高い ・結露しやすい |
ゴムシート防水 | ・安価でよく伸びる ・紫外線に弱い ・シートが薄いため、飛来物によって穴が開くリスクがある |
塩ビシート | ・耐久性に優れ伸縮性に強い ・年数が経つと破れやすい ・平面にしか施工できない |
リフォームだと新築より費用がかかるため、先に取り入れておくのがおすすめです。
それぞれの魅力をチェックして選ぶのが大切ですね!
5. 汚れにくく劣化しづらい外壁素材を選ぶ
片流れ屋根で後悔しないためには、汚れにくく劣化しづらい外壁素材を選ぶのが重要です。よく使われる屋根材の耐用年数は以下のとおりです。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
トタン | 10年 |
ガルバリウム鋼板 | 15年 |
化粧スレート | 20~30年 |
アスファルトシングル | 25~30年 |
セメント瓦 | 30~40年 |
天然スレート | 50年 |
日本瓦 | 50年 |
ステンレス | 50年 |
銅板 | 60年 |
スレート屋根やセメント瓦は価格が安いので、お手軽に取り入れられます。
日本瓦やステンレスは耐久年数が長いのですが、費用が高いのがネックです!
瓦屋根は火や水に強く、調湿性にも優れているので片流れ屋根に適しています。スレートはカラーバリエーションが豊富ですが、軽量のため風に弱いのがデメリットです。ガルバリウム鋼板は風に強いものの断熱性が低いため、冬は寒く感じるかもしれません。
汚れにくく劣化しにくい素材を選ぶことで、片流れ屋根でも後悔せず快適な家づくりができます。
片流れ屋根を採用するなら後悔しないために対策が必要
片流れ屋根は雨漏りのリスクや外壁や劣化しやすいという注意点がありますが、スペースを有効活用できるため狭小住宅におすすめです。勾配を急にしなければ建築費用を抑えられるので、家づくりにかかるコストを減らしたい方は、片流れ屋根を取り入れてみましょう。
片流れ屋根にすれば、敷地が狭くても部屋数を増やせますね!
片流れ屋根を取り入れるときは、日照時間や太陽の向きに注意してください。採光を確保するためには、実際の太陽の位置や光の当たり方を確認しておくのが大切です。
片流れ屋根で不安なことがあれば、すーさんの相談窓口にご相談ください!
住宅販売のプロが片流れ屋根の魅力や注意点を紹介して、後悔のない家づくりができるようにサポートします。