「漆喰外壁は後悔するって本当?」
「後悔する理由が知りたい」
「後悔しない方法はあるのかな」
漆喰外壁は、お城にも使われるほど耐久性のある外壁塗装剤です。メンテナンスをしっかりすれば、100年もつと言われています。
キレイに塗られた壁は素敵ですよね!
しかし、左官職人の技術や経験によって施工にかかる時間や仕上がりに違いが出てしまい後悔することがあります。また、時間と手間をかけるので費用が高めです。
この記事では、大手ハウスメーカーで15年間にわたり住宅を販売してきた筆者が、以下の内容を解説します。
- 漆喰外壁にして後悔する理由
- 漆喰外壁がおすすめな理由
- 自分でメンテナンスする方法
漆喰外壁にして後悔したくない方は、ぜひ最後までお読みください!
漆喰外壁とは?概要をサクッと解説
漆喰の主な原材料は石灰石です!
漆喰は、石灰石に食物繊維や海藻などを混ぜ合わせて使用します。非常に燃えにくいため、古くから城造りなどに利用されてきました。
フランスやスペインなど、ヨーロッパでも使われています!
歴史ある漆喰外壁の概要を、以下3つの項目に沿って解説します。
- 種類
- 和漆喰と西洋漆喰の違い
- 価格相場
順番に見ていきましょう。
1.漆喰の種類
日本ではお城や神社などに漆喰が使われていたので、左官職人が技術を競っていました。世界でもヨーロッパを中心に漆喰が広がり、繊細で美しい建築物や住人が塗った粗い仕上がりの家などがあります。
フランスなどの素敵な風景は、漆喰の家々です!
現在、漆喰は大きく分けて以下の3種類あります。
種類 | 特徴 |
---|---|
和漆喰 | ・石灰石に食物繊維と炊いた海藻を混ぜたもの ・本漆喰、土佐漆喰、琉球漆喰などがある |
西洋漆喰 | ・スイス漆喰は石灰石を原料に糊や接着剤を入れない ・スペイン漆喰は石灰石に大理石や色粉を混ぜる |
漆喰風・漆喰調 | ・合成樹脂と接着剤を使用している |
お城などに使われていた本漆喰はひび割れしやすく塗りにくいですが、耐久性が高く耐火性に優れた建物になります。
白い壁が特徴的ですね!
一方、ヨーロッパの大地では漆喰に使う石灰石が豊富に手に入るため、お城や寺院はもちろん一般家庭まで広く普及しています。
今でも、西洋漆喰を使っている家がたくさんあります!
日本では、合成樹脂やセメントを混ぜて塗りやすい漆喰風の外壁も使われています。
外壁の種類や選び方については関連記事「【一覧表】新築外壁の種類・色の選び方!素材別の特徴や費用の目安を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
2.和漆喰と西洋漆喰との違い
和漆喰と西洋漆喰に違いはあるの?
日本の家屋は梁と柱で強度があるため、漆喰を紙のように薄く平らに仕上げられます。ただし、和漆喰は塗りにくくひび割れするので左官職人の技術に仕上がりや工期が左右されます。
西洋漆喰はレンガ造りの家に対応しています!
一方、西洋の家屋はレンガを積み上げているので崩れやすいです。そこで、家の強度を上げるために西洋漆喰を厚く塗る必要があり、保湿剤や防水材などを混ぜ合わせてます。
3.漆喰の価格相場
漆喰外壁すると、費用はどの位かかるのかな?
漆喰の価格相場は、1㎡当たり4,000~8,000円です。左官職人の人件費や諸費用によって値段が決まるので、施工会社とよく相談してみてください。
リフォームの場合は、さらに足場や下地処理・撤去作業費などが入ります。
リフォームの場合、壁が新しいか古いのかで下地処理の費用が変わり、そのまま塗れない壁は施工費が高くなります。
漆喰外壁にして後悔する理由5選
漆喰外壁にして後悔する理由には、主に以下の5つがあります。
- 費用が高い
- 施工期間が長い
- ヒビが入る
- こまめなメンテナンスが必要になる
- 技術のある左官職人が少ない
ひとつずつ見ていきましょう。
1.費用が高い
漆喰外壁で後悔する理由に、費用の高さがあります!
漆喰外壁を施工するには、多くの手間と時間が必要です。ベテランの左官職人による手作業で複数の工程を塗るため、材料費や人件費が高くなります。
合成樹脂を使った漆喰調も高いのかな!
漆喰調の外壁は、1㎡あたり約3,000円~5,000円が相場です。
漆喰調は、合成樹脂や添加剤の種類・量によって値段が異なります!
漆喰外壁とその他の外壁との比較は、以下の通りです。
種類 | 1㎡当たり | 耐用年数 |
---|---|---|
漆喰外壁 | 4,000~8,000円 | 100年(10年に1度メンテナンスが必要) |
漆喰調外壁 | 3,000~5,000円 | 10~20年 |
シリコン塗料 | 1,800~3,500円 | 7~15年 |
コストと耐用年数を見比べ、費用対効果を考えて選ぶ必要があるでしょう。
2.施工期間が長い
新築住宅の場合、工期が長くなり資金計画で後悔することがあります!
漆喰の耐久性は、二酸化炭素を吸って上昇するため、下塗り・中塗り・上塗りと工程が多く、全て職人の手作業で行います。また、天気次第では塗れない日もあるでしょう。
乾くまでに時間がかかるので、施工期間が長くなってしまいます!
住宅ローンで、つなぎ融資を利用している場合は注意が必要です。土地の購入から最終金までつなぎ融資を受けていると、工期が長くなるにつれて利息が発生します。
資金計画を多めに設定しましょう!
3.ヒビが入る
漆喰は弾力性がないため、時間の経過で硬くなりヒビ割れします。周辺の環境や急激な温度変化にも影響するので注意深く見ていく必要があります。
工事する時期も重要です!
真夏や気温5℃以下の冬に工事をすると、漆喰の硬化機能が発揮されずヒビ割れの可能性が高くなります。時期については、施工会社と話し合いましょう。
4.こまめなメンテナンスが必要になる
メンテナンスは必要なのかな!
施工の環境や地震などでもヒビが入るので、こまめなメンテナンスが必要です。また、ヒビ割れを放置していると、家の強度が落ちる心配があります。
自分で、こまめにメンテナンスしましょう!
小さな汚れのうちに拭き掃除などをすれば、簡単にキレイになります。少しくらいのヒビは、自分で漆喰を上塗りすれば大きな補修工事は必要ありません。
また、広い範囲で汚れがこびり付いて落ちなくなった時は、無理せずにプロにお願いしましょう!
5.技術のある左官職人が少ない
左官職人の人手が不足しています!
左官職人の人手不足による施工の遅延や品質の低下が深刻化しています。経験と技術のある左官職人でなければ、イメージ通りの外壁にならないことも考えられます。
なんで、左官職人がいないのかな!
長い時間をかけて習得する伝統技術や、職業に対するイメージの低さから志願する若者が少ないです。理想の施工業者を見つけるのに、時間がかかるかもしれません。
漆喰外壁がおすすめな理由5選
漆喰外壁がおすすめな理由は、以下の5つです。
- 湿気を吸収する
- 臭いを吸着する
- 断熱効果が高い
- デザイン性が高い
- 有害物質を吸収する
詳しく見ていきましょう。
1.湿気を吸収する
漆喰は、空間の湿度を調節します!
漆喰外壁には調湿効果があり、湿度を吸収してくれます。水分量を吸着や放出することで、湿度を一定に保ち快適に生活できます。
ダニの発生を抑えてくれます!
ダニによるアレルギー性鼻炎などでお困りの方は、症状が和らぐかもしれません。
2.臭いを吸着する
漆喰は、空気を取り込む穴が臭いを吸着します!
漆喰の表面は、スポンジのように小さな穴が開いていて空気を取り込んでいます。また、漆喰の原材料の石灰石は非常に強いアルカリ性で、酸性臭の排水溝やトイレを消臭します。
殺菌効果が高いので、臭いのもとである細菌やカビを分解してくれます!
3.断熱効果が高い
漆喰外壁は、温度変化を少なくします!
漆喰の主成分であるカルシウムは、熱伝導率を低くします。そのため、家の温度変化を少なくし冷暖房費を抑えられるでしょう。
冷暖房費が抑えられるのは、うれしいですよね!
また、漆喰は発火しづらいため火事にも強い素材といえます。
4.デザイン性が高い
漆喰外壁は、デザイン性が豊富です!
左官職人による高い技術でデザイン性に富んだ外壁が可能になります。代表的な模様は、以下の通りです。
- コテ波仕上げ
- 扇仕上げ
- 引きずり仕上げ
- スパニッシュ仕上げ
時間が経過しても風合いに愛着が持てるので、美しい外観を長い期間楽しめます。
外観の色については関連記事「【一長一短】白い外壁で後悔する4つの理由!メリットや対策・相性のよい配色事例も紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
5.有害物質を吸収する
自然素材の漆喰は、有害物質を排出しません!
漆喰は、自然素材なので、化学物質を含みません。また、シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドを吸収・分解し、室内の空気を浄化させます。
カビやダニの発生を抑えるので、アトピー性皮膚炎の症状を抑える効果が期待できます!
漆喰外壁で後悔しないための3つの方法
漆喰外壁で後悔しないための方法は、以下の3つです。
- 漆喰に対する知識を持つ
- 信頼できる施工会社を選ぶ
- 予算を多めに取っておく
順番に見ていきましょう。
1.漆喰に対する知識を持つ
漆喰に対する知識を持てば、施工会社を選ぶ際に役立ちます!
漆喰外壁は、左官職人が全ての工程を手作業で行うため、工期は長くなります。また、湿度によってヒビ割れが生じる場合もあります。
漆喰に対して知識があれば不満は少なくなります!
軽いヒビ割れや汚れなら、自身で塗ることも可能です。費用が抑えられ思い出の詰まった外壁になるでしょう。
2.信頼できる施工会社を選ぶ
漆喰を塗るには、高い左官技術が必要です!
施工する会社によって左官職人の経験が違うため、仕上がり方が違います。施工実績などを比較して、経験豊富な職人がいる会社を選びましょう。
漆喰外壁の相場を知っておく必要があります!
漆喰外壁は手作業で何度も塗り重ねるので、費用は安くありません。コストを下げるために、安い施工会社を選ぶのはやめましょう。後悔する仕上がりになるかもしれません。
複数の業者から相見積もりを取り、比較して適切な施工会社を選ぶことをおすすめします。
工務店の選び方については関連記事「【教科書】工務店との間で起こりがちな5つのトラブル!避けるためのポイントや業者の選び方を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
3.予算を多めに取っておく
本物の漆喰は自然素材でできているため、コストは高くなります。また、漆喰をキレイに塗るには、職人が何度も塗り重ねなければなりません。
漆喰外壁は、費用がかかるので最初から予算を多く取りましょう!
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漆喰外壁にしても後悔しない!自分でメンテナンスする4つの方法
漆喰外壁は汚れ具合によって落とし方を変える必要があります。汚れ具合別の落とし方は、以下の4つです。
- 軽い汚れならこする
- 染み込んだ汚れなら削る
- 頑固な汚れなら漂白剤を使う
- 漆喰のヒビ割れ・欠損ならDIYしてみる
確認しましょう。
1.軽い汚れならこする
雑巾や消しゴムで擦ってみましょう!
ほこりや黒ずみは、メラミンスポンジや柔らかいブラシでこすれば落ちます。まずは、目立たない場所で試すことをおすすめします。
2.染み込んだ汚れなら削る
こすっても落ちない染みは、サンドペーパーで削りましょう!
最初は、目の細かい300番以下のサンドペーパーで削ります。それでも落ちない染みは、粗いサンドペーパーで擦った後に目の細かいもので表面を滑らかに仕上げてください。
表面をツルツルにすると、汚れが付きにくくなりますよ。
3.頑固な汚れなら漂白剤を使う
カビやこびり付いた汚れには、塩素系漂白剤を使います。スプレータイプなら外壁に吹きかけられるので便利です。
少し時間を置いてから、水で流しましょう!
4.漆喰のヒビ割れ・欠損ならDIYしてみる
漆喰にヒビが入ったり欠けたりした時は、塗り直しが必要です!
少しくらいのヒビであれば、DIY(自分で塗る)に挑戦してみましょう。費用も抑えられます。しかし、大規模な補修が必要な時は、塗り直した色が浮かないように業者に依頼しましょう。
漆喰外壁で後悔しないためには信頼できる施工会社を選ぼう
漆喰外壁にして後悔する理由には、費用が高いことや施工に時間がかかることが挙げられます。しかし、経験豊富な左官職人が全て手作業で行うので、これらのデメリットは必要不可欠です。
漆喰外壁で後悔しないために、作業内容や相場を知りましょう!
漆喰外壁は耐久性があり長期的なコストを抑えられるメリットもあるので、ご自身の要望をまとめたうえで、必要かどうか検討しましょう。
もし、施工会社が決められない場合は、すーさんの相談窓口をご活用ください!
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