「冬はあたたかく、夏はすずしい家に住みたい」
そんな願いを叶えてくれるのが、「高気密・高断熱住宅」です。最近では、省エネや快適さを重視する家づくりで「高気密・高断熱」が当たり前になりつつあります。
その一方で「本当に光熱費が安くなるの?」「空気がこもるって聞いたけど…」など、不安に感じる方もいるでしょう。この記事では、高気密・高断熱住宅の仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説します。後悔しないための家づくりのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高気密・高断熱とは?
「冬はあたたかく、夏はすずしい家にしたい!」そんな願いを叶えるのが「高気密・高断熱住宅」です。ただ、その名前は広く知られていても「仕組みがよく分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。そこで、高気密・高断熱住宅の基本的な考え方や、重要性について分かりやすく解説します。
気密性と断熱性、それぞれの役割とは?
「高気密・高断熱住宅」とは、その名の通り「気密性」と「断熱性」の両方に優れた住宅を指します。気密性とは、建物のすき間をできるだけ少なくし、外気の侵入を防ぐ性能のことです。断熱性とは、家の中と外の熱の出入りを防ぎ、冷暖房の効率を高めてくれる性能を指します。
「気密性」と「断熱性」に優れた家は、外気の影響を受けにくく、冷暖房効率が向上するため、夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を保つことができます。
光熱費の節約につながるのはもちろん、室温の変化が減ることで体への負担も少なくなります。特にヒートショックの予防にも効果的です。

「高気密・高断熱」というと難しく聞こえますが、要するに「すき間が少なくて、魔法瓶みたいに快適な家」ということ。住んでみると、「エアコンの効きが全然違う!」と感じる方も多いですよ。
気密性と断熱性はどうして注目されているの?
ここ数年、高気密・高断熱住宅が注目されている背景には、国の施策や社会全体の価値観の変化があります。たとえば、国が推奨する「ZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の基準にも組み込まれるなど、高気密・高断熱は省エネ住宅において欠かせない要素となっています。



今は住まいの快適さだけじゃなく、エネルギーをなるべく使わない家が求められる時代。高気密・高断熱は、その両方を叶える鍵なんです!
また、電気料金の高騰や地球温暖化、脱炭素化の動きなどを背景に、住宅の性能に対する関心はますます高まっています。



私のInstagramの投稿では、気密性ついて紹介しています!私の実体験をもとにした、快適に過ごすための気密性をぜひチェックしてみてください!
どうしたら高気密・高断熱の家になるの?
快適で省エネな家を実現するには、材料選びから施工精度、設計の工夫まで、性能を最大限に引き出すためのポイントを押さえることが大切です。高気密・高断熱住宅は省エネ性が高いため、太陽光発電との相性も優れています。
創エネと組み合わせることで、光熱費を抑えながら、ZEH(ゼロエネルギー住宅)を目指すこともできます。ここでは、理想の住まいを実現するために知っておきたい基本的なポイントを紹介します。
- 断熱材の種類と厚みを比較する
- 高性能な窓・サッシを選ぶ
- 気密性は「すき間」をなくす施工がカギ
- 設計段階で「温熱環境」を考えることが大切
1.断熱材の種類と厚みを比較する
家全体の断熱性能は、壁・天井・床に使われる断熱材の性能と厚みによって大きく左右されます。特に寒冷地や厳しい暑さが続く地域では、断熱材の「厚み」をしっかり確保することが、快適な住まいづくりのポイントです。
断熱材には、発泡ウレタン、グラスウール、セルロースファイバーなどの種類があり、それぞれ断熱性やコスト、施工方法に特徴があります。
最近では、隙間なく充填できて気密性との相性もよいことから、発泡ウレタンや吹付け断熱(現場発泡タイプ)が人気です。ただし、コストが高く、吹付けは職人によって出来栄えに差が生じるなど留意しておきたいポイントもあります。
どの素材が自分たちの地域や暮らしに合うか、施工会社に相談しながら進めましょう。



断熱材って聞くと難しく感じますが、実は“家のあたたかさの土台”になる大事な部分。施工のやり方によって性能が変わることもあるので、気になることは遠慮せず聞いてみてくださいね!
2.高性能な窓・サッシを選ぶ
家の中で熱が最も出入りしやすいのが、実は「窓まわり」です。断熱性を高めるには、トリプルガラスやLow-Eガラス、樹脂サッシといった高性能な窓を選ぶことが効果的です。
特に寒冷地では「樹脂サッシ+トリプルガラス」の組み合わせが一般的です。結露を防いだり、窓際の寒さや暑さを和らげたりと、快適な室内環境づくりに大きく貢献します。
初期コストはやや高めですが、冷暖房費の節約や結露対策の手間軽減など、長い目で見ればコストパフォーマンスのよい選択肢といえるでしょう。地域の気候やデザインの好みなども含めて、施工会社に相談しながら、じっくり選んでいくことをおすすめします。



「窓でこんなに違うの?」って驚かれる方、実は多いんです。断熱性だけじゃなく、結露しにくさや防音性も変わってくるので、納得できる窓選びをしていきましょうね!
3.気密性は「すき間」をなくす施工がカギ
高気密住宅のカギとなるのが、施工現場でどれだけ「すき間」をなくせるかという点です。どんなによい断熱材や窓を使っても、施工が不十分だとすき間から空気が漏れてしまい、本来の性能を発揮できません。
すき間ができるのは下地材同士の合わせ目、コンセントや換気ダクトまわりなどが多いため、施工会社の技術力にも差があるため、事前に確認しておくと安心です。
住宅の気密性は、気密測定(C値測定)の実施によって数値で確認できます。ただし、住宅建築において気密測定を行う義務はないので、対応していない施工会社もあるため注意が必要です。
施工会社を選ぶ際は「気密測定を実施しているか」「施工途中の状態を見せてもらえるか」なども、しっかりとチェックしたいポイントです。



すき間って目に見えないけど、家の性能に大きく影響するんですよ。気密測定をちゃんとやってくれる会社かどうか、チェックしておくと安心です!
4.設計段階で「温熱環境」を考えることが大切
高気密・高断熱の家を建てるとき、つい素材や設備だけに目がいきがちですが、設計の段階で「温熱環境」をどうデザインするかも重要なポイントです。
日常生活において、快適な室温を維持するにはエアコンが欠かせません。しかし、自然の力を活かす「パッシブデザイン」という考え方を取り入れると、冷暖房に頼りすぎず、心地よい室内環境をつくり出すことが可能です。
たとえば、南向きの窓を大きくとって冬の日射熱を取り入れる、夏は庇(ひさし)を設けて直射日光を遮る、通風を意識した窓の配置で風の通り道をつくるなど、取り入れやすい工夫は多くあります。
こうした工夫によって、快適性が増すだけでなく、光熱費の抑制にもつながります。設計士さんに相談するときは、温熱環境の考え方についてもぜひ話題にしてみてください。



エアコンだけに頼らず、太陽の光や風をうまく使うと、ずっと心地いい家になりますよ。“設計で変わる快適さ”、ぜひ大切にしてみてくださいね!
【極寒を凌ぐ】高気密高断熱住宅が得意なハウスメーカー5選!選び方や工夫したい設備も解説
高気密・高断熱の家のメリット


高気密・高断熱住宅は、住まいの性能を高めることで、暮らしにさまざまなメリットをもたらしてくれます。ここでは、代表的な3つのメリットを分かりやすく紹介します。
- 冬暖かく、夏涼しい家になる
- 光熱費の節約にもつながる
- 静かな室内環境になる
1.冬暖かく、夏涼しい家になる
高気密・高断熱住宅の大きな魅力は、外気の影響を受けにくく、冷暖房の効きがとてもよいことです。冬の寒い朝でも室温が安定しているため、急激な温度差によるヒートショックのリスクも軽減できます。夏は日射を適切にコントロールすれば、冷房をあまり使わなくても快適です。
1年を通して快適な室内環境を保てることは、高齢の方や小さなお子さまがいる家庭にとって安心できる材料になります。気密性と断熱性に優れた住宅は、暮らしの質を高めるのはもちろん、健康寿命をのばすという観点からも注目されています。



「冬の朝でも寒くない!」って感動される方、多いですよ。家全体がやさしく包まれるようなあたたかさで、毎日の暮らしがぐっとラクになります。
2.光熱費の節約にもつながる
高気密・高断熱の住宅は冷暖房の効率がよいため、光熱費の削減にもつながります。地域や暮らし方によって差はあるものの、冷暖房にかかるコストを最小限に抑えた暮らしが可能になります。



「エアコンつけっぱなしでも電気代が前より安い!」なんて声もよく聞きます。最初はちょっと高く感じても、月々の出費でしっかり差が出てきますよ。
たとえば、従来の住宅と比べてエアコンの使用時間を短縮できるため、月々の電気代が1万円以上安くなったというケースも少なくありません。初期費用はやや高くなるとはいえ、長期的な視点で見れば、快適さと経済性を両立できる住まいとして大きなコストカットが期待できます。



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3.静かな室内環境になる
高気密な住宅は、すき間が少ないため、外からの音が室内に伝わりにくくなります。たとえば、交通量の多い道路沿いや、人通りの多いエリアに家を建てる場合でも、静かな環境を保ちやすいのが高気密住宅の大きなメリットです。外の騒がしさをしっかりシャットアウトできるため、夜間の安眠や日中のリラックスタイムも守られます。
また、在宅ワークをする方にとっては、静かで集中しやすい環境が整うことによって、仕事が捗りやすいでしょう。さらに、子育て中のご家庭では、赤ちゃんのお昼寝や子どもの勉強時間など、落ち着いた時間を確保できるのも嬉しいポイントです。



「音が気にならなくなった!」って、住み始めてから実感される方が多いです。静かな空間って、想像以上に暮らしやすさにつながるんですよ。
高気密・高断熱のデメリット・注意点
高気密・高断熱住宅には多くのメリットがありますが、だからこそ注意しておきたいポイントもあります。良いことばかりに見える住宅性能でも、実際に住んでみて「思っていたのと違った」と感じる方がいるのも事実です。後悔のない家づくりを進めるためにも、事前に知っておきたいデメリットや注意点を見ていきましょう。
- 換気計画が不十分だと、空気がこもりやすくなる
- 建築会社によって住宅性能に差が出る
- 初期費用が一般的な住宅に比べて高くなりやすい
1.換気計画が不十分だと、空気がこもりやすくなる
高気密な住宅は、外気が入りにくい分、室内の空気をきちんと入れ替えることが重要です。換気計画が不十分だと、湿気やニオイ、二酸化炭素がこもりやすくなり、健康や快適性に悪影響を及ぼす恐れがあります。
換気の方法はいくつか種類がありますが、高気密住宅では「第1種換気」と呼ばれる給排気を機械で制御するシステムが一般的です。この方式なら、温度や湿度を適切に保ちながら換気できるため、快適性を左右する大切なポイントになります。
住まいの快適性を決める重要な部分となるので、住宅会社にしっかり確認しましょう。



高気密住宅ほど、空気の入れ替えが命。第1種換気は家まるごと呼吸させるイメージです。どんなシステムを採用しているか、ぜひ設計段階で確認してくださいね。
2.建築会社によって住宅性能に差が出る
同じ「高気密・高断熱住宅」といっても、その中身は施工会社によって大きく異なります。たとえば、断熱性能を表す「Ua値」や、気密性能を示す「C値」といった数値が提示されているかどうかは、信頼できる会社かどうかを判断できる手がかりになります。



「高断熱って書いてあるけど、実際どうなの?」と思ったら、Ua値やC値をチェックしてみて。現場の施工精度まで見せてくれる会社は信頼感ありますよ!
さらに、実際の施工精度(すき間の有無)によって、住み心地は大きく変わってきます。施工会社を選ぶ際は、カタログの数字や仕様だけでなく「施工中に気密測定を行っているか」「断熱材の施工写真を見せてもらえるか」といった現場レベルの対応にも注目してみると安心です。
3.初期費用が一般的な住宅に比べて高くなりやすい
高気密・高断熱住宅を実現するには、通常よりも断熱材の厚みを増したり、トリプルガラスの窓を採用したりする必要があります。その分、従来の住宅よりも建築費が高くなることが多いため、「いいのは分かるけど、コストが心配…」と迷ってしまう方も少なくありません。
とはいえ、光熱費の削減効果や、長期的な快適性・健康面でのメリットを考えると「将来の暮らしを支える投資」として価値のある選択です。



「ちょっと高いかも…」って最初は誰でも悩みます。でも10年、20年先まで快適さが続くと考えると、決して高くないって感じる方も多いですよ。
国の補助金制度を活用すれば、コストを抑えつつ高気密・高断熱住宅を実現できます。目先の費用だけで判断せず、総合的なバランスを見ながら検討することが大切です。
後悔しないために!高気密・高断熱の家づくりで意識したいポイント3選


高気密・高断熱住宅で「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためには、事前の情報収集と見極めが大切です。ここでは、家づくりの段階で意識しておきたいポイントを分かりやすく整理していきましょう。
- Ua値・C値は地域によって基準が異なる
- 試住体験や完成見学会で実際の快適さを体感する
- 信頼できるパートナーを選ぶ
1.Ua値・C値は地域によって基準が異なる
高気密・高断熱の家を選ぶときに注目したいのが、Ua値(断熱性能)とC値(気密性能)です。
- Ua値(外皮平均熱貫流率):家全体の熱の逃げやすさを示す数値で、小さいほど断熱性が高いことを示します
- C値(相当隙間面積):家にどれだけすき間があるかを示す数値で、小さいほど気密性が高いことを示します
たとえば、ZEHの基準はUA値0.6以下ですが、北海道など寒冷地ではUa値0.46以下と、より厳しい基準が設定されているケースもあります。
このように、地域によって必要とされる断熱・気密性能の基準は異なるため、自分たちの住む地域ではどれくらいの性能が適しているのか、信頼できる設計士や工務店に相談してみるのがおすすめです。



Ua値やC値って難しそうですが、性能をしっかり見極めるための「ものさし」なんです。分からないときは、遠慮せず専門家に相談してみてくださいね。
※参考:令和7年度以降におけるZEH+ (『ZEH+』及び Nearly ZEH+)の定義変更について①|資源エネルギー庁
2.試住体験や完成見学会で実際の快適さを体感する
図面や数値だけでは、住まいの本当の快適さはなかなかイメージしにくいものです。だからこそ、実際に高気密・高断熱の家で過ごしてみる「体験」がとても大切になります。
たとえば、冬の寒い時期に宿泊体験ができる「試住」や、完成したばかりの見学会など、住み心地を体験できるイベントは複数あります。



図面だけじゃ分からない「気持ちよさ」って、実際に体験してみるとすぐ分かります。特に冬の試住はおすすめです!
朝晩の室温の変化、エアコンの効き具合、室内の静けさなどを実際に肌で感じてみると、高気密・高断熱の性能や快適さがより具体的に分かるでしょう。
モデルハウスも参考になりますが、実際に建てた家で体感したほうがリアルな判断材料になります。
3.信頼できるパートナーを選ぶ
どんなに住宅の仕様がよくても、最終的に家づくりのカギを握るのは「誰と一緒に建てるか」です。
性能の高さや数値をきちんと説明し、メリットだけでなくデメリットや注意点も丁寧に伝えてくれる会社や、こちらの不安や疑問に対しても、しっかり耳を傾け、親身になって対応してくれるかどうかを見極めましょう。
住宅会社によっては、施工後に「気密保証」や「断熱性能保証」などを用意しているケースもあります。こうした保証や、引き渡し後のアフターサポート内容まで確認しておくと、将来的にも安心です。
話を聞き比べながら、じっくり検討し、「この人たちなら安心して任せられる」と思えるパートナーかどうかを見極めていきましょう。



「この人たちなら大丈夫」って思えるかどうか、本当に大事。安心して話せる相手と家づくりできると、迷ったときもちゃんと相談できますよ。
高気密・高断熱の家で、快適に暮らすために
高気密・高断熱住宅は「光熱費が下がった」「冬でもあたたかくて快適に過ごせる」といった声が多く、暮らしの質を高める住まいとして注目されています。
一方で、「設計や施工が不十分だったために後悔した…」というケースも少なくありません。後悔しない家づくりのためには、性能の数字(Ua値・C値)や、施工会社の実績を確認することが大切です。
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