「賃貸に住み続けるか持ち家を購入するか悩んでいる」
「賃貸と持ち家では1,300万円も差があるらしいけど本当?」
「それぞれどのくらいのコストがかかるのかな?」
住まいに関してよく言われるのが「賃貸よりも持ち家のほうが長い目で見ると安い」という意見です。ずっと住み続けると、1,300万円の差が出るという情報を目にした方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、賃貸と持ち家で1,300万円の差は出ます!
地域や条件によっては、それ以上の差額になることも珍しくありません。そのため、生涯コストだけを見るなら持ち家にメリットがあります。
この記事では、賃貸と持ち家で悩んでいる方に向けて以下の内容を解説します。
- 生涯コストの比較
- 両者の魅力
- 向いている人の特徴
- 比較ポイント
最後まで読むことで、賃貸と持ち家にかかるコストや利点がわかり、どちらに住めばよいのか判断できるようになるでしょう。ぜひご一読ください。
賃貸と持ち家で1,300万円の差はある!生涯コストを比較
こちらでは、以下3つの内容を解説します。
- 賃貸の生涯コスト
- 持ち家の生涯コスト
- 賃貸と持ち家の生涯コストの差額
なお、賃貸と持ち家の生涯コストは、東京都八王子市で50年暮らした場合を想定しています。
八王子市は、ファミリー層・単身ともに人気のエリアです!
地域や建築費など条件によってコストが異なる可能性があるので、あくまでも参考程度にしてみてくださいね!
※各データは2023年4月時点のものです。
1. 賃貸の生涯コスト
八王子市の家賃は、SUUMO調べによると1LDKで10.2万円、3LDKで18.7万円です。今回はこのデータを基に、賃貸の生涯コストを算出しています。
1LDK(40㎡) | 3LDK(70㎡) | |
---|---|---|
敷金・礼金※1 | 20.4万円 | 37.4万円 |
仲介手数料※2 | 10.2万円 | 18.7万円 |
家賃 | 6,120万円(月10.2万円) | 11,220万円(月18.7万円) |
管理費※3 | 612万円 | 1,122万円 |
更新料※4 | 255万円 | 467.5万円 |
火災保険・地震保険料※5 | 100万円(年2万円) | 100万円(年2万円) |
合計 | 約7,117万円 | 約1億3,000万円 |
「賃貸は安い」と思いがちですが、50年間住み続けるとかなりのコストがかかることがわかりますね!
※1:家賃2ヶ月分で試算
※2:家賃と同額と想定
※3:家賃の10%と想定
※4:家賃1ヶ月分が2年に1度発生すると想定
※5:損保ジャパン「簡単1分で!保険料クイック試算」にて試算
2. 持ち家の生涯コスト
SUUMOによるデータでは、八王子市の坪単価は43.5万円です。
物件価格は1LDK(40㎡)で1,740万円、3LDK(70㎡)で3,045万円で試算しています!
持ち家の生涯コストは、以下のとおりです。
1LDK(40㎡) | 3LDK(70㎡) | |
---|---|---|
初期費用※1 | 87万円 | 152万円 |
頭金 | 300万円 | 300万円 |
住宅ローン総返済額※2 | 2,062万9,250円 (月4万9,117円) | 3,610万1,351円 (月8万5,955円) |
土地代 | 1,740万円 | 3,045万円 |
管理費・修繕積立金 | 150万円(月3万円) | 150万円(月3万円) |
固定資産税※3 | 415万円(年8.3万円) | 415万円(年8.3万円) |
火災保険・地震保険料※4 | 50万円(年1万円) | 75万円(年1.5万円) |
大規模修繕(100万円×2回) | 200万円 | 200万円 |
合計 | 約5,005万円 | 約7,947万円 |
持ち家は賃貸と比較すると、初期費用が高めです。しかし、住宅ローンを完済すると、毎月の支出を抑えられるのがメリットといえるでしょう。
※1:初期費用は、物件価格の5%を想定
※2:住宅保証機構株式会社による住宅ローンシミュレーションにて試算
※2:ローンの金利は、フラット35を利用し金利1%(固定)を想定
※3:固定資産税の年額は八王子市の相場
※4:損保ジャパン「簡単1分で!保険料クイック試算」にて試算
3. 賃貸と持ち家の生涯コストの差額
八王子市の賃貸と持ち家の生涯コストが算出できたので、以下の表にて差額を比較してみましょう。
1LDK (40㎡) | 3LDK(70㎡) | |
---|---|---|
賃貸 | 約7,117万円 | 約1億3,000万円 |
持ち家 | 約5,005万円 | 約7,947万円 |
差額 | 約2,112万円 | 約5,053万円 |
1LDK・3LDKどちらも持ち家のほうが生涯コストが低くなることがわかりますね!
また、このデータからエリアや条件によっては差額が1,300万円よりも大きくなるケースがあることが判明しました。
一生賃貸に住み続ける3つの魅力
持ち家と比較すると、賃貸は生涯コストが高くなりがちです。しかし、一生賃貸に住み続けることには、主に以下3つのメリットがあります。
- 固定資産税の支払いが不要である
- 気軽に住み替えができる
- メンテナンス費用がかからない
ぜひメリットを確認して、持ち家を購入するか判断してみてください!
1. 固定資産税の支払いが不要である
持ち家の場合は、固定資産税を毎年支払う必要があります。地域や家の条件にもよりますが、相場で10~15万円の支払いが求められます。
固定資産税は、住宅ローンを完済し終わっても納めなければなりません!
一方、賃貸は固定資産税が発生しません。そのため、毎年支払う金額を抑えられるのがメリットです。
2. 気軽に住み替えができる
賃貸なら簡単に入退去がおこなえます。たとえば、隣人とトラブルになったり、パートナーが転勤したりしても臨機応変に対応可能です。
持ち家だと簡単に引っ越しはできないですもんね。
さらに、収入が下がった場合には、家賃が安価な賃貸に住むという選択が可能です。
一方、持ち家は収入の変動があった際にも、住宅ローンや固定資産税などの固定費用が発生します。そのため、場合によっては家計を大きく圧迫してしまう可能性があるのです。
3. メンテナンス費用がかからない
賃貸の場合、物件の維持や修繕費用はオーナーが支払います!
つまり、賃貸に住んでいる際にはメンテナンス費用が発生しないということです。たとえば、台風で家の柵が壊れても、賃借人は修繕費を負担する必要はありません。
反対に、持ち家の場合は、壁や柵などが壊れた際には自分で修理しなければなりません。もちろん、修繕費は自身で負担します。
なお、一生賃貸に住み続けるのか悩んでいる人は、関連記事「【悲報】一生賃貸は賢い選択とはいえない3つの理由!老後のリスクや取るべき行動を解説」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
持ち家を購入する3つの魅力
持ち家を購入することには、生涯コストを抑える以外にもメリットがあります。主に、以下の3点です。
- 自分好みの家に住める
- 老後に支払う費用が少ない
- 万が一の場合の費用負担を軽くできる
持ち家の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
1. 自分好みの家に住める
注文住宅の場合、間取りや外装を自由に選択できます。たとえば、賃貸ではなかなか見られない吹き抜けやペット用ドアの設置など、希望を叶えやすいです。
さらに購入後は、ライフスタイルの変化にあわせてリフォームすることが可能です。
老後に備えてエレベーターを設置したり、バリアフリーにしたりできますよ!
家の自由度が高いのは、持ち家ならではのメリットです。
2. 老後に支払う費用が少ない
持ち家の場合、住宅ローンを完済し終えれば費用負担が軽くなります。支払うのは、主に固定資産税や修繕費、火災・地震保険料です。
とくに、老後に費用負担が軽くなるのはうれしいですね!
ただし、リフォームをおこなったり、大規模なメンテナンスをしたりする際には、出費は大きくなります。あくまでも、住宅ローンの負担がなくなるということを覚えておきましょう。
3. 万が一の場合の費用負担を軽くできる
持ち家を購入する際には、住宅ローンを利用し、団体信用生命保険に加入することがほとんどです。
団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合に、住宅ローン残高を保険金で完済できる保険です。
万が一とは、死亡や障害を負うなどで返済能力がなくなった場合を指します!
つまり、持ち家で住宅ローンを利用していた場合は、ローンを返済しなくてもよいということです。家族への負担が軽くなるのは、団体信用生命保険に加入するメリットといえるでしょう。
一方、賃貸の場合は、契約者に万が一のことがあっても賃料は支払い続ける必要があります。
なお、賃貸か持ち家で悩んだら、ぜひ「すーさんの相談窓口」へご相談ください。住まいのプロが無料でアドバイスをおこない、あなたの悩みを解決します!
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1,300万円の差がついても賃貸が向いている人の特徴3選
賃貸住宅が向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 十分な貯蓄がある
- 健康状態に不安がある
- 住宅ローンのプレッシャーを背負いたくない
ひとつずつ解説します。
1. 十分な貯蓄がある
賃貸住宅の初期費用は、持ち家と比べると少額でメンテナンス費用や税金の支払いもありません。しかし、家賃は一生支払いが続くため、貯蓄がない場合は注意が必要です。
厚生労働省が令和4年度に行った家計調査年報によると、働いていない65歳以上の高齢者夫婦の場合、一か月の平均収支は-22,270円と試算されています。
年金のほとんどが家賃支払いとして消えてしまうでしょう。また、高齢になるにつれて、新たな賃貸契約を結びにくくなります。滞りなく家賃支払いができるか不安視されることが原因です。
そのため、十分な貯蓄がある人は住宅費や生活費に困る心配がないため賃貸住宅がおすすめです。賃貸住宅は退去が簡単で、老後に子どもとの同居や介護施設への入居が気軽にできます。
「さまざまな地域に住みたい」という方にもおすすめですよ!
2. 健康状態に不安がある
住宅ローンの融資を受けるには、団体信用生命保険の加入が必要です。そのため、健康に不安がある場合は保険に加入できないので融資が受けられません。
マイホームを一括で購入できない場合は、賃貸住宅を選ぶしかなくなります。高齢者になって賃貸住宅を探すのであれば、都市再生機構が管理するUR賃貸住宅がおすすめです。
UR賃貸住宅は、高齢者向けに設備やシステムを改良した物件を多数供給しています。
高齢者向けのUR賃貸住宅がおすすめな理由は、以下のとおりです。
- 礼金なし
- 仲介手数料なし
- 更新料なし
- 保証人なし
契約時に必要なお金は、家賃2か月分の敷金と入居月の家賃・共益費の日割り分のみです。ただし、抽選ではなく先着順で決まるので、興味がある人は早めの申し込みが必要です。
参照:UR賃貸住宅
3. 住宅ローンのプレッシャーを背負いたくない
返済を続けていくことにプレッシャーを強く感じる人は賃貸住宅がおすすめですよ!
住宅ローンは借りる金額が大きく返済期間が長期になるため、払い続けられるかプレッシャーを感じるでしょう。返済へのプレッシャーが強いと、気分の落ち込みやイライラが募る「マイホームブルー」になってしまいます。
支払いにプレッシャーを感じる人は、収入に応じて家賃が変えられる賃貸住宅が向いているでしょう。
生涯コストを見直して持ち家の購入が向いている人の特徴3選
持ち家が向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 退職までに住宅ローンを完済したい
- 資産を残したい
- 理想の家を実現したい
ぜひ参考にしてみてください。
1. 退職までに住宅費を払い終えたい
退職までに住宅費の支払いを済ませたい人は、持ち家が向いています。老後に家賃を気にする必要がないのが魅力です。
金融機関にもよりますが、住宅ローンの借入期間は最長で80歳に設定されていますよ!
厚生労働省は、70歳までの就業機会確保を目指しています。35年で住宅ローンを組んだとしても、30代であれば定年までに完済できるでしょう。
2. 資産を残したい
賃貸住宅で家賃を払い続けるのがもったいないと考えている人は、持ち家が向いています。マイホームを購入すれば、資産として子どもや孫に家を残せるからです。
また、ローン返済中に万が一の事があっても、団体信用生命保険がその後の支払いをカバーしてくれます。住宅ローンを支払うことなく家に住み続けられるのが嬉しいポイントです。
ほかにも、マイホームを担保にした融資が可能になりますよ!
3. 理想の家を実現したい
賃貸住宅は多くの人に好まれる間取りになっているため、家族構成や生活スタイルがあわなくてストレスを感じる場面があります。一方、持ち家であれば、間取りやデザインを好きに選べます。
以下のような、理想を実現できるでしょう。
- 庭で子どもとバーベキューやプール遊びができる
- 自作による棚やウッドデッキを設置できる
- 自宅をバリアフリーにして老後に備えられる
庭でのバーベキューやプール遊びは思い出になりますよね!
理想を叶える家で暮らしたいと考えている人は、マイホームを購入したほうがストレスの少ない生活ができるでしょう。
マイホーム購入での後悔や対処法については、関連記事「【見当違い】家なんて買うんじゃなかったは嘘!後悔の理由12選や購入時のポイントも解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
賃貸か持ち家はどっちがよい?3つの比較ポイント
賃貸か持ち家の選択は、とても難しい問題です。そこで、どちらが自分にあっているのか比較するポイントを3つ紹介します。
- 生涯コストを計算する
- ライフプランを立てる
- 家に対するこだわりを確認する
順番に見ていきましょう。
1. 生涯コストを計算する
賃貸と持ち家では1,300万円の差が出るとされていますが、どちらにもメリットとデメリットがあります。そこで、生涯コストの項目を比較してみます。
種類 | 費用項目 |
---|---|
持ち家 | ・住宅費 ・固定資産税などの税金 ・メンテナンス費用や修繕費 ・保険料 |
賃貸 | ・家賃 ・更新料 ・保険料 |
持ち家は、住宅費のほかにも固定資産税や修繕費・火災保険料などを支払います。また、初期費用に大きな金額が必要です。
一方、賃貸は家賃や更新料支払えば税金や修繕費はかかりません。しかし、家賃の支払いは一生続くので定年退職して収入が減っても払い続ける必要があります。
持ち家の資産性や老後に支払う家賃を考慮しておきましょう。
持ち家のローン以外にかかる費用については、関連記事「【内訳を知ろう】持ち家のローン以外にかかるお金の目安とは!負担を軽減する方法も解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. ライフプランを立てる
今後の家族構成や会社までの通勤時間、子どもの進学先など、具体的なライフプランを考える必要があります。
はっきりと定まっていなければ賃貸が向いていますよ!
一方、すでに明確なライフプランが決まっているなら、持ち家がおすすめです。家族構成にあわせた間取りを実現したり、通勤・通学の利便性が高い場所に家を建てられたりします。
納得した答えをだすためにも、親の介護や同居など将来考えられるイベントを全部書き出してみてください。
3. 家に対するこだわりを確認する
賃貸住宅では、部屋数や間取りなど家に対するこだわりが強いと借りられる物件が少なくなります。そのため、絶対に譲れないこだわりがある場合は、持ち家を購入しましょう。
こだわりが強く出やすい間取りは、以下のとおりです!
間取り | こだわり |
---|---|
リビング | ・吹き抜け ・リビング階段 ・大空間リビング ・和室の隣接 |
収納 | ・大容量のパントリー ・ウォークインクローゼット ・小屋裏収納 |
水回り | ・対面キッチン ・アイランドキッチン ・お風呂とトイレが別 |
一方、多少の不便さを感じつつも、問題なく住めるのであれば賃貸住宅でもいいでしょう。ただし、賃貸物件でこだわりたいなら、予算と時間に余裕を持つ必要があります。
余裕を持てない場合には、理想を叶えられる持ち家の購入を検討してみてください。
賃貸と持ち家で1,300万円の差が気になったら専門家に相談しよう
賃貸と持ち家では、1,300万円の差は出ます。エリアや条件によっては、差額がさらに大きくなる可能性があるでしょう。
とはいえ、賃貸には固定資産税を負担しなくてよかったり、気軽に住み替えができたりするメリットがあります。
そのため、賃貸と持ち家の選択肢で悩んでしまいますよね。
「賃貸に住み続けるか」「持ち家を購入するか」で悩んだ際には、第三者に相談してみましょう。収入やライフスタイルに応じて、ぴったりの提案をしてくれる可能性が高いです。
なお、相談するなら、住まいに関する専門家がおすすめです。「すーさんの相談窓口」は、賃貸と持ち家に精通したプロが無料でアドバイスをおこないます。
住まいに関する悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
今まで5,000人以上の方が相談済です!