「2階リビングの間取りは年齢を重ねると後悔する?」
「2階をリビングの具体的な魅力が知りたい」
「間取りはどのようにすべき?」
2階リビングは、日当たりが良く、周りの視線を気にしなくてもよいなどのメリットがあります。
ただし、階段の上り下りが欠かせなくなるため、年齢を重ねた際に負担に感じるかもしれません。
階段を滑りにくい素材にしたり、1階だけでも生活できる間取りにしたりなどの対策が必要です。
この記事では、リビングを2階にしようか迷っている方に向けて、以下の内容を解説します。
- 老後の生活のイメージ
- 2階リビングの魅力
- 2階リビングで後悔する理由
- 後悔しないための対策
- 家づくりのポイント
大手ハウスメーカーに15年勤めた私が解説しているので、家づくりにお役立てください。
老後の生活をイメージ!変化をサクッと解説
老後は、気をつけていても身体の筋力が落ちてしまいます。20歳頃の筋肉量を基準に考えると、70歳程度では男女ともに筋肉量は30%低下すると言われています。
そのため、若いころは転ばなかった場面で転倒してしまったり、階段や段差を超えるのを負担に感じたりすることもあるでしょう。
令和3年人口動態調査(厚生労働省)によると、65歳以上の不慮の事故による死因のうち「転倒・転落・墜落」は「交通事故」の約4倍とも言われています!
また、子育て中に家を建てる際には、子どもたちの人数に合わせて部屋をつくることがほとんどです。そのため、子どもが独立した後の使い道を考えておかないと空き部屋になってしまいます。
老後は、身体や家族構成の変化によって生活が変わることを把握しておく必要があります。
参考:運動機能の老化|健康長寿ネット、高齢者の不慮の事故|消費者庁
2階リビングは老後にも最適!魅力ポイント3選
リビングは主に家族がくつろぐためのスペースです。ここでは、2階リビングの間取りを採用する魅力的なポイントを3つ紹介します。
- 日当たりが良い
- プライバシーを確保しやすい
- 耐震性が高くなる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.日当たりが良い
2階リビングは、1階よりも日当たりや眺望がいいですね!
2階をリビングにする最大の魅力は、「日当たりの良さ」です。南側に窓がある場合には、日中は照明をつけなくても過ごせるでしょう。
雨の日でもある程度の明るさを確保できるため、光熱費の節約にもなります。明るさや眺望の良さを重視したい方は、リビングを2階するのがおすすめです。
2.プライバシーを確保しやすい
2階リビングは高さがあるため、外から部屋の中が見えにくく、隣近所の視線を気にせず過ごせます。
1階のリビングでは、道路を通行する人の目線が気になりますよね!
カーテンなしでも過ごせるため、解放感のある雰囲気でゆっくりと過ごせます。視線を気にすることなく、ゆっくり過ごしたいと思っている方におすすめです。
3.耐震性が高くなる
2階をリビングにすると、耐震性が高くなると言われています。1階に寝室や子ども部屋などを配置することにより、柱や壁が多くなるため構造が安定しやすいためです。
1階にリビングがある間取りの場合には、広さを確保するために柱や壁の数が少なくなることが多いです。そのため、耐震性が低下すると言われています。
耐震性が高くて、広いリビングをつくりたい場合は、2階に設置するのがおすすめです!
2階リビングで老後に後悔する3つの理由
2階リビングを採用することで、老後に後悔する点を3つ紹介します。
- 階段の上り下りが負担を感じるから
- 購入品を運ぶのが大変だから
- 1階の自室が寒く感じやすくなるから
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.階段の上り下りが負担を感じるから
年を取ると足腰の筋力が弱くなり、階段の上り下りが負担に感じる可能性があります。
1階に自室がある場合、リビングへ行くためには階段を使う必要があります。
足腰の痛みがある場合にも階段の上り下りは大変ですよね!
階段で滑って転倒し、ケガをするケースは少なくありません。間取りを考える際には、階段の上り下りが負担に感じる可能性を考慮しておきましょう。
2.購入品を運ぶのが大変だから
2階にリビングがあると、買ってきた食料品や日用品を運ぶ手間を大変に感じる場合もあります。
キッチンやダイニングも2階につくるなら、食料品を運ぶ必要がありますね!
例えば、お米やペットボトルの重たい荷物などです。階段を上るのが重労働に感じる可能性があるでしょう。
家族が多い場合には、食料品の量や買い物の頻度も増えます。運搬が大変になることをイメージしておきましょう。
3.1階の自室が寒く感じやすくなるから
1階に自室をつくった場合には、寒く感じやすいことに注意が必要です。冷たい空気は下に溜まるため、吹き抜けやリビング階段をつくっている場合は、より部屋の寒さを実感することになるでしょう。
高齢になると基礎代謝が低下して熱の生産量が減り、若いころよりも寒さを感じやすくなります。
寒いと寝付くのに時間がかかることがありますよね。
1階に寝室をつくる間取りについては、関連記事「【対策すればOK】寝室を1階にして後悔する理由8選!5つの魅力や注意ポイントを解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
2階リビングを快適に!老後の後悔をなくすためにできる対策5選
老後の後悔をなくすために、対策方法を5つ紹介します。
- 1階で生活できる間取りにしておく
- 階段を工夫する
- ホームエレベーターを設置する
- 全館空調を取り入れる
- 将来リフォームできるようにしておく
2階リビングを採用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.1階で生活できる間取りにしておく
生活に欠かせない、以下の水回りは1階に配置しておくのがおすすめです。
- お風呂
- 洗面脱衣室
- トイレ
- キッチン
階段の上り下りが負担になった場合、2階にいかなくても1階だけで生活できます。
新築時にキッチンを2階に設置した場合には、リフォームでミニキッチンをつくることで1階だけで快適に過ごせますよ!
2階リビングを採用して老後に後悔しないようにするには、対策を立てることが重要です。
長年ハウスメーカーに勤務した家づくりのプロ「すーさん」なら、些細なことでもアドバイスしてくれます。5,000人以上のお悩みを解決してきた実績があるので、安心して相談できます。
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2.階段を工夫する
階段の上り下りの負担を少しでも減らしたいと考えている方におすすめな対策方法は、以下のとおりです。
- 使う人に合った階段の手すりを設置する
- 踏面は滑りにくい素材を採用する
- 幅を広くする
- 段の高さを低くする
- 踊り場を設ける
- 三角形の踏板は使用しない
- 上り口を玄関付近に設置する
- 下り口をキッチン付近に設置する
階段での転落事故を防止するためには、傾斜を緩くして、幅を広くするのが効果的です。
また、階段の上り口が玄関付近にあれば、2階へ購入品を運ぶ際にアクセスしやすくなります。
階段の設置場所で利便性が変わります。
老後の生活をイメージした階段をつくっておくと安心です。
3.ホームエレベーターを設置する
老後の階段の負担を考慮して、ホームエレベーターを設置しておくのもおすすめです。畳1枚分の省スペースで、定員2名のホームエレベーターが設置できます。
ただし、設置費用として200〜400万円程度かかる点には注意が必要です。
スペースと予算があるならホームエレベーターの設置がおすすめです!
4.全館空調を取り入れる
1階の自室が寒くて快適に過ごせないことが心配な方は、全館空調の導入を検討しましょう。
全館空調のある家は、すべての部屋の温度が均一なため快適に生活できます。
ほかにも、高気密×高断熱を採用することで、部屋の快適さを保てますよ!
全館空調について知りたい方は、関連記事「【超快適】全館空調のおすすめハウスメーカー10選!比較ポイントやメリット・デメリットも解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
5.将来リフォームできるようにしておく
老後にリフォームすることを想定しておくのも良いでしょう。
老後のことばかり考えて、生活に支障をきたさないように注意が必要です。間取りを考える際には、現在の快適さを優先させるようにしましょう。
将来的にリフォームできるようにするには、以下の対策をとっておくのがおすすめです。
- 手すりがつけられるように壁面補強しておく
- エレベーターが設置できるスペースを確保しておく
- リフォームしやすい住宅構造を選ぶ
手すりは階段だけでなく、トイレにつながる廊下や玄関の段差付近などにも設置を検討しておいてください。
また、エレベーターを設置するスペースはホールやマルチスペースとして確保しておきましょう。デッドスペースにならないためおすすめです。
さらに、木造ではなく鉄骨ラーメンユニット構造(柱と梁でできている構造)を選択することで、間取りの変更がしやすくなります。
将来のリフォームを想定しておけば、現在の生活も快適ですよ!
【注意】老後の生活に気を取られないで!家づくりのポイント3選
老後の生活を考えて家づくりをする際には注意点もあります。
- 建築費を把握しておく
- 介護状態になった場合を考えておく
- 家族にとっての家づくりで大切な点を考える
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.建築費を把握しておく
老後の生活を考慮した家づくりは、建築費用が高額になることが多いです。
老後の生活を想定した、バリアフリー対策にかかる費用は以下の通りです。
- エレベーターの設置:200~400万円
- 手すりの設置:2万円~
- 階段のかけ替え:130~200万円
また、バリアフリーの注文住宅の費用相場は、広さや土地にもよりますがローコストであれば1,000万円前後、ハイコストであれば3,500万円前後かかります。
予算オーバーにならないようにしっかりと検討しましょう。
2.介護状態になった場合を考えておく
介護状態になった場合に、家で生活を継続するのか、施設に入るのかを考えておきましょう。
施設に入るなら、バリアフリーへの対策は必要ないですね!
どのように過ごしたいのかを明確にして、家づくりを検討するようにしましょう。
3.家族にとっての家づくりで大切な点を考える
家族みんなが納得できる家が建てられるように、話し合うことが大切です。老後のことを考えるあまり、今の暮らしに影響を与えてしまう家をつくるのはおすすめできません。
家を建築してから高齢になるまでの期間のほうが長いため、今の生活を優先させる考え方もあるでしょう。
また、老後は家を売却して施設やマンションで暮らせばよいという考え方もあります。
家づくりは家族の意見を踏まえることが重要ですね!
なお、家の売却については、株式会社了が運営するメディア「不動産WEB相談室」を確認するといいでしょう。不動産の売却に関する注意点や相談先などが詳しく解説されているので、役立つこと間違いありません。
2階リビングで老後に後悔しないためには生活をイメージしよう
2階リビングを採用して後悔しないように、老後の生活をイメージするのが重要です。とくに、介護状態になった場合に、自宅で過ごすか施設に入居することを希望するのかを検討しておく必要があります。
自宅を希望する場合には、間取りを工夫したり、全館空調を取り入れたりして対策しましょう。
とはいえ、生活に合った間取りを設計するのは難しいですよね…
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2階リビングで後悔しないための対策、おすすめの間取りまで丁寧にアドバイスするので、ぜひご活用ください。
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