「玄関を吹き抜けにすると後悔する?」
「吹き抜けの玄関を選ぶ際の注意点を知りたい」
「玄関を吹き抜にする際のポイントを教えてほしい」
家づくりを始めるにあたって、吹き抜けの玄関を採用したいと考えていませんか?吹き抜けの玄関には開放感があり、見た目もおしゃれで憧れますよね。
メリットもデメリットもあるので、対策や成功例から後悔しない吹き抜けの玄関をつくりましょう!
家に住み始めてから後悔しないためにも、自分の理想とする暮らしに適しているか、あらかじめ理解しておくことが大切です!
この記事では、玄関に吹き抜けを採用しようか悩んでいるあなたに向けて、以下の内容を解説します。
- 後悔する理由と対策
- おすすめな理由と成功例
大手ハウスメーカーで15年以上務めた私が、プロの目線から解説します!
吹き抜けの玄関が適しているのか知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
玄関を吹き抜けにして後悔する5つの理由
玄関を吹き抜けにして後悔する理由は、以下の5つです。
- 夏は暑くて冬は寒い
- 物の落下や子どもの転落が怖い
- 2階に音や匂いが広がる
- 掃除や照明の交換が大変になる
- 居住スペースが狭くなる
SNS上での意見も紹介しつつ、それぞれ解説します。
1. 夏は暑くて冬は寒い
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降します。吹き抜けの玄関のように天井が高い場所では、温度差が生じやすくなるのが特徴です。
SNS上では、以下のような意見があがっていました。
寒い冬には、暖かい空気は天井にまで上がり、冷たい空気が床に降りてきます。暖房効率が低下しやすく、暖房機器の種類や設置場所によっては、温度差を強く感じることもあるでしょう。
寒さ対策が必要ですね……
吹き抜けの家で後悔する理由については、関連記事「【原因究明】吹き抜けの家で後悔する理由10選!住宅のプロが魅力や対策方法も解説」で解説しています。ぜひチェックしてみてください!
2. 物の落下や子どもの転落が怖い
吹き抜けは、おしゃれさや開放感を演出してくれます。しかし、おしゃれさや開放感を強調しようと、手すりや階段のスリットを必要以上に大きくしたり多くしたりしてはいけません。
例えば、手に持っていたスマホを誤って落とした場合、スリットから1階まで落下する危険があります。また、小さな子どもが下の様子を見ようとして、スリットの間から頭を出せば転落する恐れもあります。
吹き抜けには落下や転落のリスクがあることを忘れてはいけません!
3. 2階に音や匂いが広がる
玄関に吹き抜けがあると音が広がりやすく、小さな音も反響で大きく聞こえる場合があります。SNS上では、以下のような意見も見つかりました。
静かな環境を好む方にとっては、ストレスの原因になりそうですね…
また、壁や間仕切りがない吹き抜けでは音だけではなく、匂いも広がることに注意が必要です。キッチンやダイニングと玄関に間仕切りがなければ、料理や食べ物の匂いが2階へと広がります。
特に冬は暖かい空気が2階へと流れやすく、季節の鍋料理を楽しんだ後に2階へ上がれば、鍋の匂いが充満していることに気づくでしょう。
夜中に1階のリビングで、こっそり映画を見ながらポップコーンを食べると、2階で寝ている子どもに見つかるかもしれませんよ!
4. 掃除や照明の交換が大変になる
外からホコリが入ってきやすい玄関は、定期的な清掃が必要不可欠です。しかし、玄関を吹き抜けにすると、高い位置の掃除が大変になります。
SNS上でも、以下のような意見がありました。
明るく開放的な玄関にしようと高い位置に窓を取り付ければ、窓の拭き掃除が大変になります。他にも、ホコリやクモの巣が壁に付着しても掃除が難しく、何年も放置することになるかもしれません。
吹き抜けの玄関は掃除だけではなく、照明の交換も困難です。交換作業時にはハシゴが必要になり、照明の落下や転落によるケガのリスクも高まります。
プロに依頼すると、高所作業費や足場設置作業費などが必要になります!
5. 居住スペースが狭くなる
玄関を吹き抜けにすると2階以上の居住スペースが減り、予想していたよりも狭くて後悔することがあります。実際、SNSでは以下のような意見がありました。
私の家、吹き抜けでオープンすぎて、ドアが少なくて😱隔離する部屋が寝室と四畳半しかないんですよ-寝室はちゃおだし、四畳半はユキのご飯食べる場所で…結果玄関しかないっていう…😅
— かおりん♥️ (@ka5o6ri8n3y) February 5, 2024
明るさや開放感というメリットを得られる反面、2階以上の部屋数や収納スペースなどが減ります。
吹き抜けのある玄関を設けても、居住スペースを十分に確保できるか考えましょう!
家を設計する段階では、自分達がどのような暮らしをしたいのか、ハウスメーカーとじっくり相談することが重要です。しかし、どのような内容を相談すれば良いのか、些細なことを質問しても良いのか不安になるかもしれません。
玄関の吹き抜けについて気になることがある方は、家づくりのプロである私に相談してみるのも有効な手段です。
ちょっとした不安はもちろん、どのようなお悩みに対しても無料で相談にのります!
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玄関を吹き抜けにして後悔しない9つの対策
玄関を吹き抜けにして後悔しない対策は、以下の9つです。
- 断熱性の高い家を建てる
- シーリングファンを設置する
- 全館空調や床暖房を取り入れる
- 窓の大きさと位置にこだわる
- 扉の位置と材質を工夫する
- 居住スペースとの間取りを考える
- 照明はメンテナンス性で選ぶ
- スキップフロアで広くする
- 将来的に増床できる構造にする
プロの視点で、対策のポイントも解説します。
1. 断熱性の高い家を建てる
玄関に吹き抜けを設ける場合、断熱性の高い家を建てることで暑さや寒さを感じにくくなります。
断熱性能が高い家は、外からの温度変化を受けにくいのが特徴です。
そのため、エアコンの冷暖房効率が上がり、省エネによる電気代の削減効果にも期待できます。
断熱材には音の広がりを抑制する効果にも期待できるため、音の反響対策としても断熱性の高い家はおすすめです!
2. シーリングファンを設置する
夏にはシーリングファンが上に溜まった暖かい空気を動かすため、エアコンの冷房効率を高めます。
吹き抜けの玄関にシーリングファンを設置すると、空気を効率的に循環させてくれます。また、シーリングファンはデザインが豊富な製品も多く、見た目もおしゃれです。
玄関の雰囲気と機能性の両方をアップしてくれますよ!
3. 全館空調や床暖房を取り入れる
全館空調を取り入れると、家全体の室温を効率的に調整できるようになるのがメリットです。
上下の温度差がつきやすい吹き抜けの玄関に対しても、全館空調であれば快適な環境を実現できます!
また、全館空調は空気の循環を生み出すため、空気の流れが悪い場所を効果的に解消します。しかし、ルームエアコンだけを設置するよりも、割高な初期費用がかかることがデメリットです。
間取りや設置場所によっては、ルームエアコンのみのランニングコストよりも、電気代やメンテナンス費用が高額になります。
エアコンによる温度調整が苦手な人には、床暖房を検討するのがおすすめです。冬の玄関は足元から寒さを感じるため、床暖房が効果的に活躍します。
ただし、全館空調のように空間全体を温めることには向いていません。空間全体を温めるには床暖房の設定温度を上げる必要があり、消費電力が増えて電気代も上がるからです。
全館空調のおすすめハウスメーカーについては、関連記事「【超快適】全館空調のおすすめハウスメーカー15選!住宅のプロが比較ポイントや導入方法も解説」で解説しています。全館空調を取り入れて後悔しないためにも、ぜひチェックしてください!
4. 窓の大きさと位置にこだわる
吹き抜けに窓を設置するとデザイン性だけではなく、玄関の明るさや室温調整にも効果を期待できます。
大きな窓を設置すれば開放感を得られると同時に、多くの太陽光を取り入れられます。室内の広範囲が明るくなり、寒い時期には温かさも感じられるでしょう。
暖房費の節約にも期待できますね!
また、高い位置に窓を設置すれば、太陽光をさらに取り入れやすくなります。高い位置の窓を開閉することで、室内の換気を効率的に行えるのもポイントです。
しかし、窓の大きさと位置には十分に注意が必要です。夏には大きな窓から、家の中に熱気が伝わります。また、設置場所の対面が道路や隣家であれば、家の中が丸見えになります。
強い日差しやプライバシーの対策としては、カーテンやブラインド、ロールスクリーンの設置を検討すると良いでしょう。
電動式を採用すればスムーズに開閉できます!
5. 扉の位置と材質を工夫する
吹き抜けの玄関がある方向を意識しつつ、部屋の扉は位置と材質を工夫しましょう。扉から出てまっすぐ歩いた先が吹き抜けだと、寝ぼけていたり体調が悪くてフラフラしていたりすると、誤って転落する恐れがあります。
特に寝室と子ども部屋の扉は、位置と向きを十分に注意してください!
吹き抜けのデメリットである音の広がりについては、防音性能の高い壁を選ぶことで対策ができます。しかし、壁の防音性能を高くするだけでは不十分です。
なぜなら、音は扉からも室内に伝わるからです。一般的な扉を選ぶと、音が筒抜けになる場合があります。
音に敏感な方の部屋や、音が気になりやすい寝室に設置する扉は、防音性の高い製品を選びましょう!
6. 居住スペースとの間取りを考える
吹き抜けの玄関を採用する際には、居住スペースとの間取りを考えることが重要です。
家全体の間取りに対して、異常に広い吹き抜けの玄関を採用すればアンバランスな印象を与えます。開放感のある玄関でおしゃれさや豪華さを演出しても、リビングなどの各部屋が狭ければ、来客は違和感を覚えるでしょう。
対策として間仕切りを少なくすれば、玄関から全ての部屋を見渡せるようになり、開放感が低下しにくくなります。しかし、間仕切りが少なくなることでプライバシー保護の機能は低下して、プライベートな居住スペースは消失するでしょう。
間取りのバランスを考えないと、収納スペースだけではなく、プライベートな居住スペースもなくなります。
7. 照明はメンテナンス性で選ぶ
吹き抜けのある玄関は天井が高く、シーリングライトのような天井に設置する照明を選ぶとメンテナンスが難しくなります。照明を選ぶ際はおしゃれさよりも、メンテナンス性から選びましょう。
吊り下げタイプや昇降式の照明であれば、交換作業が楽になります。また、LEDを搭載した製品を選べば交換頻度も少なくなり、メンテナンスの負担も軽減できます。
照明はシンプルなデザインの製品を選べばホコリが積もりにくく、掃除も簡単です!
照明を選ぶ際は、交換と掃除のしやすい製品を優先しましょう。
照明の種類や特徴については、私のInstagramの投稿を確認してください。照明は電球や蛍光灯だけではありませんよ!
8. スキップフロアで広くする
2階以上の居住スペースが狭くなるのが、吹き抜けを採用するデメリットです。しかし、家族構成の都合などで部屋の数や広さを削れない場合は、収納スペースを減らさなくてはいけません。
収納を減らすと部屋に物が溢れてしまい、開放感やおしゃれさが損なわれます…
収納スペースの確保におすすめなのが、スキップフロア(中二階)の採用です。スキップフロアを収納スペースとして活用すれば、十分な量の物を片付けられて、日用品のストックや災害用の備蓄品も保管できます。
隠し部屋のような雰囲気が子ども心をくすぐり、遊び部屋としても活躍するでしょう!
9. 将来的に増床できる構造にする
将来的に家族が増えたり、部屋の用途が変わったりして部屋数が足りなくなる場合を見据えるならば、吹き抜けに増床対策を施すのがおすすめです。後から変更しやすい柔軟な設計を採用することで、いざ変更が必要になっても慌てずに済みます。
増床対策を検討する際には、設計時にハウスメーカーと念入りな打ち合わせが必要です。増床する可能性があることを伝えて、水道や電気などを拡張しやすいように依頼しておきましょう。
また、どのような使用目的の部屋を増床するかも打ち合わせておくと、床を張る際に必要な構造(梁など)を施せるため、増床時にはスムーズな工事を行えます。
追加工事の日数や費用の削減を期待できます!
吹き抜けの玄関がおすすめな理由と成功例7選
吹き抜けの玄関がおすすめな理由と成功例は、以下の7つです。
- 高級感がある
- おしゃれに見える
- 明るくなる
- 開放感がある
- 風通しがよくなる
- コミュニケーションが活発になる
- 固定資産税の節約になる
それぞれの内容について、順番に詳しく解説します。
1. 高級感がある
映画やドラマで見かける多くの豪邸には、広くて高い吹き抜けのある玄関が採用されています。なぜなら、高級感を演出する役割があるからです。
高級木材の壁や天然石の床、デザイナー照明などを取り入れると高級感がさらにアップします!
洗練されたデザインや細部へのこだわり、太陽光と照明器具による光と影のコントラストが、来客に「特別な家だ!」と高級感を与えるでしょう。
2. おしゃれに見える
吹き抜けの玄関は、おしゃれな雰囲気を作り出してくれます。
空間を最大限に活かしたデザインがおすすめです!
他にも、有名デザイナーが手がけた絵画や彫刻などを飾れば、おしゃれさがワンランクアップするでしょう。
3. 明るくなる
玄関に吹き抜けがあると、明るく開放的な空間になります。
吹き抜けは天井が高く、一般的な玄関よりも大きい窓や天窓も設置できるのが特徴です。
太陽光の差し込む量が増えることで、照明だけの玄関よりも明るく温かい空間を演出できます。光を反射する色の壁や床を採用すれば、太陽光がさらに室内を明るくしてくれます。
4. 開放感がある
吹き抜けの玄関をおすすめする理由のひとつが、広々とした空間が来客に開放感のある家だと思ってもらえるためです。
吹き抜けは空間をより広く見せ、家全体の雰囲気を明るくする効果にも期待できます。
また、大きな窓や天窓から太陽光が差し込むことで、開放感と自然な温かさを演出できるのも、吹き抜けの玄関ならではの特徴です。
5. 風通しがよくなる
吹き抜けの玄関では空気が上下に流れやすく、風通しがよいとされています。
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降するため空気が自然に循環します。
窓や開口部が適切に配置されていれば、家全体で風の循環が良くなり、効率的な換気にも効果を期待できるでしょう。
6. コミュニケーションが活発になる
吹き抜けの玄関は音が響きやすく、デメリットとして後悔されがちです。しかし、家族の誰かが帰ってきた時に、扉を開ける音や足音が聞こえやすいというメリットがあります。
「ただいま」の声が聞こえやすく「おかえり」の声も伝えやすいですよ!
「ただいま」の声をきっかけに、家族のコミュニケーションが始まります。二世帯住宅であれば家族間の交流が増えるきっかけにもなるので、吹き抜けならではの音の伝わりやすさを有効活用しましょう。
7. 固定資産税の節約になる
玄関を吹き抜けにすると、2階以上の床面積が減ります。床面積が減ることにはメリットがあり、固定資産税の支払額を減らせるのがポイントです。
固定資産税を算出する式は、少し難しくなりますが下記のとおりとなります。
家屋の評価額(価格)= 単位当たり再建築費評点×経年減点補正率×床面積 ×評点一点当たりの価額
参照:東京都主税局|固定資産税・都市計画税(土地・家屋)(2)土地・家屋の評価等について
簡単に説明するために、2階建ての家で床面積を100㎡としましょう。20㎡の吹き抜けを設けると、この家の床面積は80㎡に減り、固定資産税の支払い額を20%削減できます。
具体的な支払額については、ハウスメーカーに試算してもらうのがおすすめです!
吹き抜けの玄関がある家づくりを始めるにあたり、不安なことがある方は「LIFULL HOME’S」を活用するのも1つの方法です。
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LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
吹き抜けがある玄関でおしゃれな家づくりをしよう
吹き抜けの玄関は高級感や開放感など、さまざまなメリットがあります。一方で、メンテナンスの大変さや、寒暖差を感じやすいなどのデメリットもあります。
本記事でメリットとデメリットの両方を知っておくことで、吹き抜けがある玄関を採用しても後悔することはなくなるでしょう。
吹き抜けの玄関があるおしゃれな家づくりに挑戦してみてくださいね!
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