「ピアノを置いた間取りにはどのようなものがある?」
「そもそもどこに配置すべき?」
「気をつけるべきポイントを知りたい」
注文住宅を建てる際にピアノを置きたいと考えている方は、間取りに迷うことが多いでしょう。存在感があるので、事前に置き場所を検討しておかないと生活のしにくさや音漏れで後悔することがあるからです。
家を建ててから置き場所を変えるのは難しいので、しっかり検討したいですね!
そこで、この記事では大手ハウスメーカーに15年間勤務した元営業マンである筆者が、以下の内容について解説します。
- ピアノ種類別のサイズ感
- おすすめの間取り実例
- ピアノのある間取りにする際の注意点
- レイアウト方法
注意点やレイアウト方法まで紹介するので、最後まで読んで参考にしてください。
間取りにピアノを配置する前に知っておきたい種類別のサイズ感
間取りにピアノを配置する前に種類別のサイズ感を知っておく必要があります。ここでは、以下のピアノについてサイズ感を紹介します。
- グランドピアノ
- アップライトピアノ
- 電子ピアノ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.グランドピアノ
項目 | 詳細 |
---|---|
重量 | 250~500kg |
奥行き | 150~275cm |
横幅 | 145~155cm |
高さ | 約100cm |
グランドピアノのサイズは、奥行きによってサイズ感が大きく変わり、重量も大きな幅が出てきます。サイズが大きいほど音も大きくなるため、部屋の広さや周辺環境によって選ぶ必要があります。
グランドピアノを置く場合には、部屋の大きさや防音設備についてしっかりと検討が必要ですね!
2.アップライトピアノ
項目 | 詳細 |
---|---|
重量 | 200~250kg |
奥行き | 70cm |
横幅 | 150cm |
高さ | 120cm |
アップライトピアノは一般的な住宅に置くことが多いです。
グランドピアノと比較して奥行きがないので、演奏時以外は場所を取らず、リビングや子ども部屋に置きやすいでしょう。
ただし、グランドピアノと比較して高さがあるので、置き場所を検討しないと部屋全体に圧迫感を与える可能性があります。
3.電子ピアノ
項目 | 詳細 |
---|---|
重量 | 40~80kg |
奥行き | 30~40cm |
横幅 | 140~150cm |
高さ | 100cm |
電子ピアノはアップライトピアノよりもかなり小さく、音量の調整が可能なので利便性が高いことが特徴です。また、搬入や移動は大人2人で可能なので、将来的に設置場所を変更できます。
ただし、無理のない姿勢で椅子に座り、演奏ができることを考えると1.5m四方にスペースを取るのがおすすめです。
ほかのピアノと比較すると軽いので、お子さんが小さいときはリビングに、大きくなったら子ども部屋に移動することができますね!
ピアノを配置するのにおすすめの間取り実例4選
ピアノを配置するのにおすすめの間取りを知りたい方が多いでしょう。ここでは、ピアノを配置した間取り実例を4選紹介します。
- リビング|グランドピアノ
- リビング|アップライトピアノ
- 防音室|グランドピアノ
- 子ども部屋|アップライトピアノ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.リビング|グランドピアノ
リビングの一角にピアノ室をつくってグランドピアノを設置した間取りです。
リビングにピアノを置くのが夢だった方の間取りです。キッチンとの距離感や日当たり、グランドピアノの屋根を開けたときの音の響き方にこだわって設置されています。
仕事や趣味でピアノを弾く方など、身近に感じたい方におすすめの間取りです。
2.リビング|アップライトピアノ
キッチンのすぐ横のリビングにアップライトピアノを置いた間取りです。住宅の気密性が高いので、外に音漏れする心配がなく、いつでも演奏を楽しめます。
ピアノを置く住宅の気密性が高いと音漏れが気になりませんね!
隣家が近い方や密集した住宅街に家を建てる方の参考になる事例です。
3.防音室|グランドピアノ
グランドピアノをゆったりと配置できるように、防音室をつくった間取りです。新築を検討した際から計画的に設計したそうで、音漏れを気にせずに演奏を楽しめるのがポイントです。
自宅でピアノ教室を開きたい方や、ピアニストの方などは防音室を検討するといいでしょう。
設計段階で防音室を計画しておけば、安心して配置できますね!
4.子ども部屋|電子ピアノ
子ども部屋に電子ピアノを置いた間取りです。奥の勾配天井のスペースを増築しており、天井に段差があるので音響がよくなっているのがポイントです。
電子ピアノは小型なので、子ども部屋においても部屋が狭く感じにくいですね!
ここまで、ピアノのサイズ感や間取り実例を紹介してきましたが、実際に自分の住宅に設置したい場合にはどのようにすればよいか迷う方が多いでしょう。
「すーさんの相談窓口」では、家づくりのプロがどんな些細な悩みにでも答えてくれます。ピアノのある間取りで悩んでいる方は、お気軽に相談してみてください。
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ピアノのある間取りにする際の5つの注意点
ピアノのある間取りにする際には注意すべき点があります。具体的には以下の5つです。
- 重量に耐えられる床にする
- 防音対策をしておく
- 照明とコンセントの位置を検討する
- 搬入経路を確保する
- 温度や湿度の変化が大きい場所は避ける
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.重量に耐えられる床にする
ピアノの重量は重い物だと500㎏ありますよ。
設置するピアノの重量に耐えられる床にする必要があります。どのようなタイプを置くかにもよりますが、とくに重たいグランドピアノを置きたい方は、床が抜けないように事前に対策が必要です。
住宅を新築する際には、床の耐久性について設計者に相談するようにしましょう。
2.防音対策をしておく
ご近所を気にしないでピアノを弾きたい方は、防音対策が必須ですね!
防音対策の一番の理想は防音室をつくることですが、導入するには200万円程度の費用がかかります。
防音室をつくれない場合には、ピアノの音=空気音(いわゆる音)と固体音(打鍵音などの振動)の2つに対して対策をしておきましょう。
それぞれの音への対策は以下の通りです。
空気音
- 壁:吸音材、遮音材を利用する
- 窓:二重窓にする、厚手のカーテン、防音カーテンで空気層をつくる
- ドア:防音ドアにする
固体音
- 床:クッション性がある防音マットやカーペット、ゴム製遮音材(P防振マット)、足音マットを設置する
なお、吸音材にはロックウールやグラスウールなど、遮音材には遮音シートや石膏ボード、複合板などがあげられます。
このように、防音対策を万全にして、集中して演奏できるように配慮しましょう。
防音室については、関連記事「【大音量OK】新築に防音室を設置する費用相場を目的別に解説!5つの失敗を防ぐコツも紹介」で紹介しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
3.照明とコンセントの位置を検討する
ピアノを設置する際には、照明とコンセントの位置をしっかり検討しておきましょう。照明の場所によっては、楽譜や手元が見えにくく演奏しにくいと感じることがあるからです。
また、電子ピアノを置く場合にはコンセントの位置も考えておいてください。コンセントが遠いと延長コードが必要になります。演奏の邪魔になる可能性があるので、設置場所のすぐ近くにコンセントをつくっておきましょう。
演奏することをシミュレーションして照明やコンセントの位置を決めましょう!
4.搬入経路を確保する
ピアノは組み立て式ではないため、完成した状態で室内へ搬入する必要があります。配置場所に到達するまでに、通らない場所がないかを確認しておきましょう。
設置するサイズにもよりますが、ドアを通せるかの確認が必要ですね!
居室のドアを通せない場合には窓からの搬入も可能ですが、大型機械を使用することになるので別途費用がかかる点に注意が必要です。
5.温度や湿度の変化が大きい場所は避ける
ピアノは金属や木材が多く使用されているので、温度や湿度の変化が大きい場所を避けて設置する必要があります。
エアコンの冷気や暖気が当たらないような場所に設置しましょう。また、湿気には特に弱いので、結露する窓の近くを避けて設置するのがおすすめです。
1年や1日を通して、気温変化の少ない場所に設置するのがポイントですよ!
間取りの狭さを感じさせない!ピアノのレイアウト方法3選
最後に間取りの狭さを感じさせないピアノのレイアウト方法3選を紹介します。
- 人の往来が少ない隅に寄せる
- 壁は広くする
- コンパクトな家具を設置する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.人の往来が少ない隅に寄せる
ピアノを設置する場合には、人の往来が少ない隅に寄せるのがおすすめです。行き来が多い場所では、圧迫感を覚える可能性があるからです。
また、リビングの中心に置くと通行する際に避ける必要があるため、動線が悪いと感じるかもしれませんね!
防音室などで「専用部屋」にする場合を除いて、人の行き来が少ない場所に設置することを検討してみてください。
2.壁は広くする
ピアノを設置する場所は、壁を広く取るのがおすすめです。ピアノは黒色であることがほとんどなため、置くことで大きな存在感を与えます。
圧迫感を減らすためには、白い壁をいかに多く見せるかがポイントです!
水平方向の壁を広くするには近くに家具を連続して並ばせないようにすることで、圧迫感が減ります。テレビや収納棚、食器棚などの大きな家具のそばに置くと、白壁が隠れて部屋全体が暗い印象になります。
そのため、水平方向の壁を広くするのが難しければ、垂直方向に余白をつくりましょう。天井を高くしたり、吹き抜けにしたりすると、うまく白い壁を見せられます。
3.コンパクトな家具を設置する
ピアノはサイズが大きいので、他の家具をコンパクトにすることで部屋を広く使えます!
リビングに置く場合には、ダイニングテーブルやソファを小さめにすることで部屋全体が広く感じられるでしょう。
また、子ども部屋に配置する場合には、目線よりも低めのベッドを配置して圧迫感を与えないように配慮してみてください。狭さを感じることがないように、他の家具とのバランスを取るのがおすすめです。
ピアノを思う存分弾けるように間取りにこだわろう
ピアノを間取りに配置するなら、サイズをしっかりと把握したうえで設計する必要があります。床の耐久性や防音対策などを万全にしておくことで、後悔のない家づくりができるでしょう。
ほかにも部屋が狭く感じないよう、家具を小型にするなどの配慮も大切です!
仕事や趣味で使用するピアノをマイホームに置くことで後悔しないように、事前に対策しておいてください。
とはいえ、間取りにこだわる必要があることがわかっても、自分が建てる住宅ではどこに置いたらよいか迷う方も多いでしょう。失敗したくない方は、住宅づくりのプロ「すーさん」に相談するのがおすすめです。
成功例も失敗例も知っているので、さまざまな実例をもとにアドバイスできます!
ピアノのある間取りでマイホームを実現したい方は、お気軽にご連絡ください。