「注文住宅の収納はどのように考えてつくればよい?」
「使いやすくするためのポイントが知りたい」
「どのような収納が失敗だと感じる?」
注文住宅の収納は、家を建てる前に十分に検討していても、多くの人が後悔することがあるポイントです。とくに、ライフスタイルに合った適切な収納量がないと、失敗したと感じてしまうでしょう。
とはいえ、注文住宅の収納に関して何から考えたらよいかわからないですよね!
そこで、この記事では大手ハウスメーカーに勤務した家づくりのプロが、注文住宅の収納について以下の内容を解説します。
- 収納づくりを成功させるポイント
- 収納を設置するコツ
- 間取り実例
実例も紹介するので、最後まで読んで参考にしてください!
注文住宅の収納を成功させるポイント4選
注文住宅の収納を成功させるポイントは、以下の4つがあります。
- 片付けたい物を決めておく
- スペースを確保しておく
- アイテムに合わせて設計する
- 利用する場所の近くに設ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.片付けたい物を決めておく
まずは、収納スペースに片付けたい物を決めておきましょう。家族の持っている物の量、趣味の道具など、必要な収納量を把握する必要があります。
戸建て住宅の収納量は、延床面積の10~15%が目安と言われています!
ただし、収納量はあくまで目安なので、人によっては目安よりも収納が必要なケースがあります。現在の住まいの収納量から、過不足をチェックしましょう。
2.スペースを確保しておく
収納したい物が入るだけの収納のスペースを確保しましょう。例えば、ファミリークローゼットに必要な広さは2~4帖前後と言われています。
収納する物が決まったら、収納に必要なスペースも決まりますね!
リビングや居室などの間取りを先に決めてしまったことで、十分な収納スペースが確保できないといった事態にならないよう注意が必要です。
なお、ファミリークローゼットについては、関連記事「【家族構成別】ファミリークローゼットの広さの目安とは?おすすめの間取りを紹介」にて詳しく紹介しています。あわせてチェックしてみてください。
3.アイテムに合わせて設計する
収納スペースは、収納するアイテムに合わせて設計しましょう。アイテムごとにおすすめの設計方法は、以下の通りです。
- 衣料品の収納:ハンガータイプ
- 小物の収納:引き出し
- タオルの収納:棚板
- 季節家電:広めのスペース
収納する物が決まっていれば、設計しやすくなります!
4.利用する場所の近くに設ける
利用する場所の近くに収納できるようにスペースを設けましょう。例えば、リビングで使う物は、リビング付近に収納をつくることで生活の中で不便を感じることがありません。
動線を考えて、どこから取って、どこで使うかを考えるのが重要ですね!
たくさんの収納をつくっても、使う場所から遠いところにあれば不便さを感じます。利用する場所のなるべく近くに設置できるようにしましょう。
【5つの収納別】注文住宅に設置するコツ
収納は設置する場所によって、呼び方が変わります。ここでは、注文住宅でよく設置される5つの収納について紹介します。
- シューズクローク
- 小屋裏収納・ロフト
- ファミリークローゼット
- パントリー
- 階段下収納
設置場所に応じてコツが異なるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.シューズクローク
シューズクロークとは、玄関と土間が続いた場所で、靴を履いたまま出入りできる収納です。
シューズインクローゼットと呼ばれたり、間取り図では「SC」と表記されたりします。玄関に下駄箱を設置する注文住宅がほとんどでしたが、近年は収納力があるシューズクロークを採用することが多くなっています。
シューズクロークは大きく分けて以下の2種類です。
- ウォークインタイプ:出入り口が1か所、少ないスペースで玄関の収納力を確保できる
- ウォークスルータイプ:2か所に出入り口があり、土間からシューズクロークを通って室内に入れる
シューズクロークを設置する際のコツについて、詳しく解説します。
1-1.動線を考える
実際にどのような動線で使うかを考えましょう。動線効率が配慮されていないと、収納力があっても使い勝手が悪く感じてしまいます。
出かける際にどのような順番で移動するかを考えると良いですね!
1-2.換気扇や窓を設置して臭い対策をする
湿気の多い時期や地域によっては、シューズクロークの靴の臭いが気になるケースがあるため、換気扇や窓を設置して対策しましょう。
外観デザインが気になる方は、珪藻土やエコカラットなど消臭作用のある建材をシューズクロークに利用するのもおすすめです。
1-3.扉をつける
ウォークインタイプのシューズクロークの場合には、扉をつけましょう。扉をつけることで、来客時にシューズクロークの中を隠せたり、臭いが広がるのを防げたりします。
扉のタイプは以下の中から選べます。
- 引き戸
- 折れ戸
- ロールスクリーン
ただし、引き戸には「戸袋」が必要になるのでレイアウトが限られる、折れ戸の場合には開口幅が狭くなるので荷物を出しにくく感じるデメリットがあります。
収納する物を考慮して、扉を選ぶようにしましょう。
1-4.コンセントをつける
玄関周りで電源が必要なアイテムがあるので、コンセントをつけておくと便利です。例えば、DIYの工具や電動自転車のバッテリーなどの充電や、コンセントを使った芳香剤などを使用したいときに重宝します。
コンセントが必要な物があるかを確認して、必要であれば設置を検討しましょう。
2.小屋裏収納・ロフト
小屋裏収納とは、天井と屋根の間にあるデッドスペースを利用した収納のことです。対して、ロフトは部屋の一部分を2階建てのように区切ったスペースを指しています。
小屋根収納には「固定式ではない」はしごがついており、ロフトには「固定式」のはしごがついている点が異なります!
設置する際のコツを詳しく解説します。
2-1.断熱性能と換気にこだわる
小屋裏収納やロフトは屋根に近いので、太陽光の影響を受けやすく夏場は暑くなってしまうため、断熱性能や換気にこだわりましょう。
断熱性能が高い資材を利用することで屋根からの暑さを軽減でき、換気口をつけることで空気循環を図れます。
ただし、居室内よりは気温が高くなるため、暑さに弱い電気機器やスポーツ用品などは置かないほうがよいでしょう。
2-2.設置費用を確認しておく
小屋裏収納やロフトは天井でふさがれる部分につくるので、設置費用がかかります!
フローリングなどの資材、はしごなどを設置する際に費用が追加でかかるため、事前に見積もりを確認しておくようにしましょう。
3.ファミリークローゼット
ファミリークローゼットとは、家族全員の衣類を1つの場所でまとめて管理する収納のことです。
個室にクローゼットを設けるのではなく、ファミリークローゼットは玄関・廊下・2階ホールなどの共有スペースにつくることが多いです!
洗濯動線の近くに配置することで家事動産が良い間取りになるため、共働きの世帯が採用することが増えています。ファミリークローゼットを設置する際のコツを詳しく解説します。
3-1.使い方を考える
まずは、ファミリークローゼットの使い方を考えましょう。衣類を収納するだけなのか、着替えもするのかで、必要なサイズが異なるからです。
使い方に合わせたファミリークローゼットをつくることで、効率的な動線になりますね!
3-2.収納する物の種類と量をシミュレーションする
ファミリークローゼットに収納する物の種類と量をリストアップして、シミュレーションしましょう。収納する種類によって、クローゼットのつくり方が変わるからです。
例えば、衣類だけを収納するケースと家電やスポーツ用品などの大型の物を収納するケースでは、必要なスペースや棚の配置方法などが異なります。
収納量が十分にないと、ファミリークローゼットでも使い勝手を悪く感じてしまうので収納する量をしっかりと把握しましょう。
とはいえ、イメージするだけではどのような収納が適しているか迷ってしまう方は多いでしょう。
大手ハウスメーカーに長年勤務したすーさんに相談すれば、注文住宅の収納についてどんな疑問や悩みにも答えてくれます。
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4.パントリー
パントリーとは、食料を貯蔵する小部屋のことです。
キッチン横やキッチンの中につくることが多く、食料品や根菜類の保存、季節の食器、調理器具を収納します。パントリーにまとめ買いした食品を収納することで、調理するキッチンがすっきりし「料理をスムーズにできる」と人気の間取りです。
パントリーを設置する際のコツを解説します。
4-1.光や空気の出入りが少ない小部屋にする
パントリーをつくる際には光や空気の出入りが少ない小部屋にすることで、紫外線や温度変化による食品の劣化を抑えられます。
光が差しにくく居室としては使いにくい北向き、東向き部分を有効活用できます!
味噌や梅干しなどの保存食や簡易ワインセラーなどの設置がおすすめです。
4-2.コンパクトにしたいなら壁面収納にする
キッチンまわりに小部屋ほどの広さが確保できない場合には、壁面収納をパントリーとして利用するとよいでしょう。
壁面収納にする際の設置ポイントは以下の通りです。
- 収納する物に合わせて棚板を細かく仕切れるように設計する
- 奥行きは30~45cmと浅めにして取り出しやすくする
- 扉は折れ戸を採用すると省スペースでつくれる
よく使う物は、胸から腰の高さに収納することで、出し入れしやすくなります。
5.階段下収納
階段の下はどうしてもデッドスペースになりがちなので、有効活用したいですよね!
階段下収納は、多くの方がつくっても結局使いにくかったと後悔することが多い間取りです。ここでは、階段下収納を設置する際のコツを紹介します。
5-1.大人が立てる高さにする
大人が立てる高さにすることで出入りや収納をしやすくなります。低い位置の階段収納にすると、使い勝手が悪く、収納する物が限られてしまうことがあるからです。
作業しやすい高さにすることで、スポーツ用品など高さがある物の出し入れも楽ですね!
5-2.造作棚をつくる
階段下には、あらかじめ造作棚をつくっておき、棚板の高さを変えられるタイプにしておくのがおすすめです。
天井が斜めでも、奥行きが限られていても、棚の高さが変えられるので収納できる物の種類は増えるでしょう。
なお、造作棚については、関連記事「【おしゃれで機能的】造作棚にかかる費用は5~20万円!注意点や設置事例を紹介」にて詳しく紹介しています。あわせてチェックしてみてください。
5-3.扉のない収納にする
おしゃれな空間を実現させたい方はあえて扉のない収納にして、オープン収納にするのがおすすめです。物が取り出しやすくしまいやすい収納になるため、物をどこに収納したか忘れがちな人にもぴったりです。
一目で何が収納してあるかわかると、迷うことがないですね!
ただし、玄関先から階段下収納が見える場合には、常に片付いた状態をキープする必要があります。乱れている様子が来客者から見えてしまうと、恥ずかしい思いをしてしまう可能性があります。
注文住宅の収納の間取り実例3選
注文住宅の収納の間取り実例を3つ紹介します。
- コートも収納できるシューズクロークを取り入れた間取り
- 大容量のパントリーとクローゼットを取り入れた間取り
- 階段下の収納をキッチン収納として活用した間取り
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.コートも収納できるシューズクロークを取り入れた間取り
花粉の時期や感染症が流行する時期に、コートは部屋の中に持ち込みたくないですよね!
こちらの間取りは、コートもかけられるように設計されているため、雨の日に使用した雨合羽などもかけられます。
玄関側には扉があるので、来客から中が見えないようになっているのがうれしいポイントです!
2.大容量のパントリーとクローゼットを取り入れた間取り
大容量のパントリーとクローゼットを取り入れた間取りです。
パントリーの可動式の棚は使い勝手がいいのでおすすめです!
クローゼットは、ウォークインクローゼットを採用しており、収納量を確保できています。
3.階段下の収納をキッチン収納として活用した間取り
階段の下のデッドスペースをキッチン収納として上手く活用できていますね!
階段の横にキッチンがある場合には、階段下を収納にすると食材や調理器具の保管に役立ちます。
どの間取りも収納を効果的に利用できているので、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅の収納で失敗しないためには専門家に相談しよう
注文住宅の収納は、片付けたい物を決めて、スペースを確保することが重要です。また、アイテムに合わせて設計し、動線を考えた場所に設置することで有効利用できます。
設置する場所に適したコツを押さえておくと、後悔を防げますよ!
とはいえ、注文住宅の収納について考えるのは大変だと感じる方は多いでしょう。注文住宅の収納を自分で決められない方は、すーさんの相談窓口がおすすめです。
15年間大手ハウスメーカーに勤務した私がどのような悩みも解決します!
相談は無料なので、気軽に相談してみてください。