「マイホームの維持費で後悔するって本当?」
「維持費の目安が知りたい」
「維持費を抑える方法はあるのかな」
マイホームを購入すると住宅ローン以外に、税金やメンテナンス費用などの維持費が必要です。維持費に必要な金額を知らずに、マイホームを購入して後悔する人は少なくありません。
維持費は賃貸住宅では必要ないから、知らない人も多いです!
マイホームの維持費で後悔しないためにも、事前に購入後に必要な金額を知っておきましょう。
この記事では、大手ハウスメーカーで住宅を販売してきたプロの筆者が、以下の内容を解説します。
- マイホームにかかる維持費の金額
- マイホームの維持費で後悔する理由
- 維持費で後悔しないための対策
マイホームの維持費で後悔したくない方は、ぜひ最後までお読みください!
マイホームにかかる維持費で後悔!30年間で最大1,180万円かかる
マイホームの維持費は、年間で約40万円かかります!
マイホームに支払うお金は、住宅ローンだけではありません。家や土地にかかる固定資産税やメンテナンス費用などがあります。
賃貸住宅は、家賃を支払えば契約の更新まで費用は発生しません。水回りなどに不具合が発生しても賃貸側が修理してくれます。しかし、マイホームは全ての費用を支払う必要があります。
実際に、費用がいくらかかるか知りたいですよね!
一戸建ての30年間でかかる維持費の内訳は、以下の通りです。
維持費 | 一戸建て |
---|---|
税金 | 300万円 |
修繕費 | 800万円 |
保険 | 80万円 |
合計 | 1,180万円 |
マイホームの維持費である、以下3つの項目を解説します。
- 税金
- 修繕費
- 保険
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.【税金】300万円
所有した土地や建物には、固定資産税が課せられます。固定資産税は住宅の種類や築年数、地価などによって決まり、建物と土地のそれぞれで税金を払わなくてはなりません。割合は建物が6割、土地が4割が目安です。
建物の評価額は、マイホームの課税証明書から求められます!
一戸建てであれば、建築費の60%が固定資産の評価額となります。評価額に1.4%の税率がかかり、建物の固定資産税が決まります。
土地の評価額の目安は、国が公表している地価公示価格の70%です!
評価額に1.4%の税率がかかり、年間の固定資産税が決まります。
土地の評価額は、わかりにくいですよね!
土地の公示価格は地方と都心では大きく違い評価額が異なるため、マイホームを購入する際は標準地・基準地検索システムで確認しましょう。
地域によっては、都市計画税が発生します!
道路や水道・公園などの公共施設を整備するため、市街化区域内に土地や建物を所有すると都市計画税を支払わなければなりません。
都市計画税は、固定資産税評価額の0.3%が目安です。市街化区域でなければ都市計画税は発生しませんので、各自治体に問い合わせましょう。
なお、固定資産税のシミュレーションについては関連記事「【相場を紹介】持ち家の固定資産税はいくら?シミュレーションを使った計算方法や節税のコツを解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.【修繕費】800万円
マイホームであれば、屋根や壁の修繕は自身で行います。築年数が浅いうちは比較的安く済みますが、30年も経つと修繕費が大きく膨らむでしょう。
修繕の目安を表にまとめました!
修繕部位 | 修繕時期 | 修繕費の目安 |
---|---|---|
外壁 | 10~15年 | 100~200万円 |
屋根 | 10~15年 | 50~150万円 |
バルコニー・ベランダ | 15~20年 | 30~70万円 |
基礎・構造体 | 20~30年 | 20~300万円 |
一戸建ての場合、築10年を過ぎてから修繕費が大きくかかる傾向にあります。30年で600~800万円の費用かかるといわれますが、修繕しなければ雨漏りなどで柱が腐敗し倒壊する恐れも。
水回りも修繕が必要です!
また、風呂やキッチン・トイレなどの水回りも大きな出費になる可能性が高く、早い段階から修繕費を積み立てておく必要があるでしょう。
3.【修繕積立金】13万円(マンション)
マンションの修繕には大きな費用が必要になるため、修繕積立金として毎月お金が徴収されます。修繕積立金の平均は月々1.1万円で、年間約13万円の費用が発生します。
修繕積立金は、築年数が増えるほど高くなります!
新築や築浅の物件は積立額が少なく、築年数が増えるほど高くなる傾向にあります。これは、段階増額積立方式を採用している販売業者が多いからです。
修繕積立金には、段階増額積立方式と均等積立方式があります!
段階増額積立方式は築年数が経つと積立金が増えて行く方式です。一方、均等積立方式は長期修繕計画で累計した修繕費を均等に積み立てます。
どちらの方式でも、修繕費が無事に積み立てられたら安心ですね!
販売業者は月々の負担を低く見せるために段階増額積立方式を採用しますが、所有者間の合意形成ができず積み立て不足になるケースもあります。マンションを購入する際は、販売業者から積み立て方式に対する説明をしっかり受けましょう。
4.【保険】80万円
住宅ローンの融資条件に、保険の加入が多いです!
マイホームを購入する際は、多くの人が住宅ローンの融資を受けるでしょう。住宅ローンの融資は、団体信用生命保険や火災保険の加入が条件になるケースがあります。
団体信用生命保険は、もしもの時に役立ちます!
団体信用生命保険は、契約者が死亡したときなどに住宅ローンの返済を免除する保険です。住宅ローンの利息に上乗せするケースが多く、費用は発生しません。
火災保険はマイホームの火災や隣家へ延焼した際にも支払われるため、保険は加入したほうがいいでしょう。
一戸建ての保険料の目安は以下の通りです!
保険の種類(1年) | 費用の目安 |
---|---|
火災保険のみ | 3,600円 |
火災保険+水災保障 | 9,050円 |
火災保険+水災保障+地震保険 | 33,850円 |
一戸建ての火災原因は自身での失火だけでなく、隣家からもらう可能性もあるため保険の加入は必要経費と認識しましょう。また、保障を厚くするほど保険料が高くなるので、支払いとのバランスを考慮して加入する必要があります。
「株式会社建房」の記事「家にかかる維持費とは?将来のコストも考えて家づくりを」では、建築後にかかる家の維持費や、将来のコストも考慮した家づくりの重要性を詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
マイホームの維持費で後悔する5つの理由
マイホームの維持費で後悔する理由は、主に以下の5つです。
- 住宅ローン
- 税金
- 保険
- 修繕費
- 駐車場・駐輪場(マンション)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.住宅ローン
住宅ローンは長い期間支払うので環境が変化します!
住宅ローンの融資を受けてマイホームを購入すると、長い期間の返済が必要になります。期間が長ければ、結婚や出産、子どもの学費などの思わぬ出費があるでしょう。それだけでなく、子育て中は時短勤務で収入が少なくなることも考えられます。
共働きの収入にあわせて住宅ローンを組むと、支払いで後悔します!
また、住宅ローンを早く返済しようと借り入れ期間を短くすると、金利の上昇や収入が変化したときに大変な思いをすることが考えられます。住宅ローンの返済率は、収入の25%を超えると生活が苦しくなるといわれているからです。
返済期間は長く設定して、お金に余裕が出たら繰り上げ返済しましょう!
2.税金
マイホームの購入は、税金を考慮していないと支払いが苦しくなります!
固定資産税や都市計画税は、マイホームを所有する限り支払い続けなければなりません。仮に3,500万円の住宅ローン組んで、2,500万円の建物と1,000万円の土地を購入した時の税金を計算します。
2,500万円の場合、60%に当たる1,500万円が建物の固定資産評価額です。1.4%の税率をかけると建物の固定資産税は21万円になります。
土地の評価額を700万円にした場合、固定資産税は9.8万円です。
都市計画税は抜きにして、年間30万円を1回または4回に分けて支払う必要があります。新築住宅であれば固定資産税の軽減措置が適用され3年間は半額に免除されますが、4年目からは全額支払わなくてはなりません。負担が増えて後悔する可能性があります。
マイホームの住宅ローン以外に必要なお金については関連記事「【内訳を知ろう】持ち家のローン以外にかかるお金の目安とは!負担を軽減する方法も解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3.保険
団体信用保険は契約者が死亡したとき、住宅ローン残高が0になります!
民間の住宅ローン会社から融資を受けるときは、団体信用保険への加入が条件です。一般的には、保険料の相当額は住宅ローンの金利に含まれるので、別途支払うことはありません。
支払いはなくても保障が受けられるのはお得ですよね!
金利を上乗せすれば、ガンや3大疾病に対応した特約の契約が可能です。特約には心筋梗塞や脳卒中の保証やガンと診断されると10万円の給付が受けられる保険があります。
団体信用保険の加入は、契約または借り換えのときだけですよ!
支払いが増えるのを避けようと特約なしで契約してしまい後悔している人は多いです。もし借り換えのときに付けようとしても、健康状態が悪ければ審査で落ちてしまいます。
事前に契約内容を確認し、家計とのバランスを考えましょう!
4.修繕費
一戸建ての住宅を購入すると、修繕費は全て実費です。10年・20年住んでいると大きな修繕が必要になり、予想外の出費に後悔するでしょう。
真冬に給湯器が壊れた人もいます!
屋根や外壁の劣化を放置しておくと柱や土台まで腐ってしまい、修繕に100万円以上の費用が必要になるケースもあります。また、テレビや洗濯機などの生活家電は寿命が7~8年といわれ、定期的に買い替えなくてはなりません。
出費が重なると大変です!
こまめにメンテナンスを行い、早い時期から修繕費を積み立てることをおすすめします。
5.駐車場・駐輪場(マンション)
マンションでは、駐車場や駐輪場を利用する場合は別途費用が発生します。特に都心部での駐車場代は、月極めで3~5万円が相場なので年間36~60万円の維持費が必要です。
駐車場の種類に注意しましょう!
マンションの駐車場には自走式と機械式の2種類があり、中でも機械式の駐車場はメンテナンスと取り換え費用が高いです。取り換え時期は15~20年で、1台の費用が数百万円かかります。
修繕積立金で足りるのかな?
本来、駐車場料金に維持費を設定しておく必要があります。しかし、周りの駐車場料金に合わせていることが多く、修繕積立金が足りないマンションは少なくありません。
車に乗らない人も注意が必要です!
修繕積立金が足りないと、交換時期に必ず追加費用が必要になるでしょう。追加費用を払わない人や払えない人が出ることで車に乗らない住民にも徴収されるケースもあります。
マンションを購入してから後悔しないように、駐車場のタイプや修繕積立金の契約内容を確認しましょう!
維持費を抑える6つの方法
マイホームの維持費を抑えるには、購入前から準備する必要があります。
ここでは、マイホームの維持費を抑えられる6つの方法を紹介します!
- 固定資産税の軽減措置を利用する
- 耐久性の高い素材を選ぶ
- 断熱性能の高い家にする
- 利率の低い住宅ローンを選ぶ
- 点検とメンテナンスをこまめに行う
- 省エネ性能が高い家電を選ぶ
順番に見ていきましょう。
1.固定資産税の軽減措置を利用する
新築物件を購入すると、固定資産税の軽減措置が受けられます!
マイホームを新築で購入すると、固定資産税が1/2になります。一戸建てなら3年、マンションですと5年軽減措置です。また、軽減措置を受けるには、固定資産税の住宅用地等申告書を提出しなければなりません。
自分で申請する必要があるので、早めに行いましょう!
所管の行政庁に認定された、長期優良住宅であれば軽減措置が延長されます。長期優良住宅は、国が定めた耐震性や省エネルギー性の基準などをクリアした住宅です。軽減措置の期間は、以下の通りです。
種類 | 一戸建て | マンション |
---|---|---|
一般住宅 | 3年 | 5年 |
長期優良住宅 | 5年 | 7年 |
軽減措置を活用して維持費を抑えましょう!
参照:減額措置|国土交通省
新築住宅の補助金については関連記事「【2023年最新】新築住宅の補助金一覧!減税制度や利用する際の注意点を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.耐久性の高い素材を選ぶ
マイホームの素材は、耐久性で選べば維持費が抑えられます!
マイホームの費用を抑えるために、安価な素材を選ぶと維持費で後悔します。耐久性の高い素材を選べば建築費用は上がりますが、良い状態を維持しやすくランニングコストを抑えられます。
耐久性の高い素材を表にまとめました!
部位 | 素材 | 特徴 |
---|---|---|
構造 | 軽量鉄骨 | 法定耐用年数が木造より長い |
屋根 | 銅板 | 耐用年数が長く塗装が要らない |
外壁 | ガルバリウム鋼板 | 錆びにくく30年以上もつ |
コストはかかりますが、維持費は抑えられます。また、軽量で耐震性も高いので災害に強いマイホームになるでしょう。
3.断熱性能の高い家にする
断熱性の高い家は、光熱費を抑えられますよ!
断熱性の高い家にすることで夏涼しく冬暖かい生活ができるため、光熱費が抑えられます。断熱性を高めるためには、工法と断熱材を比較する必要があります。
工法には外断熱と内断熱があります!
断熱材で建物を包み込む外断熱は、気密性が高く結露しにくいですが施工費が高いです。一方、柱の間に断熱材を入れる内断熱は、施工費が安く早く仕上がりますが断熱性能は落ちます。
断熱材には、繊維系と発泡プラスチック系があります!
昔から使われているグラスウールなどの繊維系は、安価で施工しやすいですが湿気を吸って重くなり断熱材の隙間ができてしまいます。一方、発泡プラスチック系は湿気を吸っても形が変わらないため、断熱効果を維持しやすいのが特徴です。
リフォームしても断熱剤と工法は変えられないので、プロに相談しましょう!
4.利率の低い住宅ローンを選ぶ
少しでも利率の低い住宅ローンを選びたいですよね!
住宅ローンは長い期間の借り入れのため、金利が0.1%高いだけで何百万円も多い返済になってしまいます。
モゲチェックはランキング形式で一番低い金利のローンを探せます!
少しでも金利の低い住宅ローンを選ぶには、プロに相談するか一括で検索できるサイトの利用がおすすめです。
モゲチェックの詳細は、関連記事「【金利0.1%の差が命取り】住宅ローンの負担を下げるにはモゲチェックがおすすめ!使い方をわかりやすく解説」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
5.点検とメンテナンスをこまめに行う
新築物件でも直射日光や雨・風などの影響で、劣化している箇所があります。放置しておくと大きな修繕が必要になり、メンテナンス費用で苦労するでしょう。
点検は5年ごとにプロにお願いしましょう!
新築物件は10年の保証期間があります。10年以内であれば売主は無償で修理する義務があるため、5年ごとにプロに点検を依頼しましょう。
屋根や柱・シロアリなどは、素人にはわかりません!
不具合を早期に発見して、大きな出費を回避しましょう。
6.省エネ性能が高い家電を選ぶ
マイホームを購入したら、省エネルギー家電に買い替えましょう!
近年の家電は省エネ性能が高まり、10年前のものと比べると大幅に電気代が減ります。冷蔵庫や照明などは、年間で数万円の節約ができて環境にも優しいです。
省エネ家電を選ぶコツは緑のマークと星の数です!
省エネ家電には、省エネラベルが付いています。省エネ性能を表す星の数や目標達成率などが記してあるので、参考にして選びましょう。
マイホームの維持費は後悔しない対策が必要!
マイホームの維持費で後悔する理由には、固定資産税や修繕費・保険の加入などが挙げられます。しかし、税金の軽減措置やこまめなメンテナンスを行うことで、これらのデメリットを払拭可能です。
金利の低い住宅ローンや省エネ家電の活用で対策しましょう!
固定資産税は毎年必要ですし、将来的に修繕費はかかります。維持費を抑えて後悔しないための対策をしていきましょう。
もし、マイホームの維持費が分からない時は、すーさんの相談窓口をご活用ください!
固定資産税や修繕費について丁寧にヒアリングをしたうえで家づくりに関する総合的なアドバイスをしています。相談は無料なので、以下からお気軽にご連絡ください!