「暖炉のある家に憧れている」
「お手入れが大変だって聞いたけど本当?」
「設置にかかる費用や注意点を教えて」
暖炉があると家を暖めるだけでなく、インテリアとしても活躍します。揺らいでいる炎が居心地の良い雰囲気を演出してくれるでしょう。
しかし、燃料である薪の保管や移動が大変です。また、火災のリスクがあったり、暖炉の清掃やメンテナンスに手間がかかったりします。
そのため、導入する際の注意点やコストについて知っておきたいですよね!
そこでこの記事では、暖炉のある家について以下の内容を解説します。
- 暖炉のある家に憧れる理由
- 導入をあきらめてしまう理由
- 暖炉を検討する時の注意点
暖炉のある生活がしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
暖炉とは?特徴をサクッと解説
暖炉のある生活に、憧れますよね!
暖炉は、壁と一体化した煙突や炉がついた暖房器具です。炉にはレンガや石材が多く使われているため、蓄熱効果が高く消火してもしばらく暖かさが続きます。
一般的に暖炉には扉がついておらず、薪が燃えている炎の揺らぎや音が感じられるので焚火気分が味わえるでしょう。また、暖炉と混同しやすい薪ストーブとの違いは、以下の通りです。
種類 | 違い |
---|---|
暖炉 | ・壁と一体化している ・扉がない ・炎が見える ・設置後は移動できない |
薪ストーブ | ・壁から独立している ・扉がある ・設置後も移動できる ・炎が見えない |
暖炉と薪ストーブはどちらも遠赤外線の効果があり、室内全体を優しく包み込んでくれます。
暖炉のある家に憧れる3つの理由
暖炉のある生活は室内を優しく暖めるだけでなく、インテリアとしても魅力的でしょう。暖炉のある家の魅力を3つ紹介します。
- リビングが癒しの空間になる
- 豪快な料理が楽しめる
- 災害時でも使える
生活をイメージしてみてください。
1.リビングが癒しの空間になる
暖炉を囲んで食事するシーンを、アメリカやヨーロッパの映画で思い浮かべると思います。暖炉をリビングやダイニングに設置すれば、家族との活発なコミュニケーションが可能です。
人は炎の光や揺らぎを見ると癒されるので、自然とリビングが家族の集まる場所になるでしょう。現在では消防法や近所の苦情などがあり、庭や公園では焚火ができません。
暖炉で火の起こし方を子どもに教えれば、自信に繋がり自立心の育みに役立ちます。暖炉での火の起こし方は、以下の通りです。
- 煙突の扉を開ける(閉まっていると煙が家の中に入ってくるため)
- 暖炉の奥に薪を一本置く
- 薪の手前に着火用の枯葉や小枝を置く
- 枯れ葉を挟むように薪をもう一本置く
- 枯れ葉に着火する
火がついたら薪を追加してください!
また、インテリアとしても存在感があります。暖炉を囲む壁面に季節ごとに飾り付けをすれば、真似のできない空間になるでしょう。
参照:消防法|火災の予防
なお、暖炉と相性の良い土間リビングについては、関連記事「【要確認】土間リビングで失敗しがちな4つの理由!後悔しないためのポイントやメリットも解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.豪快な料理が楽しめる
暖炉の熱を利用した、豪快な料理も魅力の一つです。暖炉に直接入れられるダッチオーブンが食卓やパーティーで大活躍します。ダッチオーブンを利用した料理は、以下の通りです。
素材 | 料理名 | おすすめなポイント |
---|---|---|
肉料理 | ・ローストチキン ・ビーフシチュー ・チャーシューなど | ・塊肉を豪快に料理できる ・長時間の煮込みも光熱費を意識せず作れる |
魚料理 | ・アクアパッツァ ・クラムチャウダー ・スモークサーモン | ・保温性が高く温かい状態が維持できる ・燻製に挑戦できる |
野菜料理 | ・炊き込みご飯 ・丸ごと野菜のロースト ・チーズフォンデュ | ・手軽に季節の野菜が食べられる ・丸ごと食べられるので栄養価が高い |
ローストチキンやアクアパッツァなどが楽しめるのは最高ですよね!
また、直火で焼いたパンは友人に自慢できる味に仕上がります。食事の時間が待ち遠しくなるでしょう。
3.災害時でも使える
近年、大きな地震や台風が頻繁に起きています。もし真冬に災害が起きて停電になると、電気やガスを使用する暖房器具は動きません。一方、暖炉は電気を使用しないので、寒さを凌げます。
また、炎の光は照明としても活躍します。災害による大規模停電が起こると、外灯などの明かりもなく真っ暗な状況で過ごすので大変なストレスです。
暗闇での生活は、極度の緊張状態が続きますよ!
内閣府の調査では、令和元年9月に起きた房総半島台風で被害件数が約934,000戸と大規模な停電になり、復旧に最大20日かかる地域もありました。このような災害時に暖炉があると、以下のような場面で役立ちます。
- お湯を沸かして身体を拭く
- 簡単な料理を作る
- 炎の光で防犯対策する など
暖炉は暖房器具だけでなく、様々な用途で活用できるでしょう。
暖炉のある家をあきらめる理由3選
料理や災害時など様々な活用方法がある暖炉ですが、設置をあきらめる人の3つの理由を解説します。
- 費用がかかる
- すぐに暖かくならない
- 薪を運ぶ必要がある
順番に見ていきましょう
1.費用がかかる
出来る事なら薪ストーブとか暖炉が良かったですがランニングコスト考えて断念…
— kame🐢@RSI (@mr_fxfx) December 27, 2019
火を見ると落ち着きますよねー!
焚き火も苦情きますからね…だんだん生きづらくなったもんです😅
暖炉の設置をあきらめる最大の理由は費用です。設置費用だけでなく、薪の燃料費や煙突掃除のメンテナンス費用など、ランニングコストがかかります。
また、暖炉は壁と一体化するため、初期費用が高くなりがちです。暖炉周辺のデザインや素材にこだわってしまうとさらに費用がかかるでしょう。
さらに、燃料となる薪選びには注意が必要です。ランニングコストを抑えようと、安価な薪を使うとススが溜まりやすくなり、メンテナンスの回数が増えてしまいます。よく乾燥した広葉樹を使用しましょう。
湿った薪を使うと火災の原因になるので、注意してください!
一方、薪ストーブであれば種類が豊富で予算に合わせやすいです。扉が付いているため、燃焼効率が良くニオイや音が感じにくくなることも利点です。ただし、炎の揺らぎが見られないことには、物足りなさを感じるかもしれません。
なお、住宅費の目安については、関連記事「【借り過ぎない】手取りの25%の住宅ローンは負担が大きい!無理のない返済比率や計算方法を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.すぐに暖かくならない
いつもと違う時間に帰パレしたら暖炉がついてないから部屋が思いのほか寒くて🗝くんが慌てて火をおこしてくれたんだけど温まるまで時間かかるからって自分のマントかけてくれた
— 倉庫 (@2jrkgkokb) February 19, 2024
すぐ側にブランケットもあることはお互いに気付いてるんだけど
薪を点火してもすぐには室内が暖まりません。また、煙突から熱気が逃げるので、隅々まで暖かくなるにはかなりの時間が必要です。
薪が燃えて家が暖まるまでには、だいたい2〜3時間かかるでしょう。朝の忙しい出社時や帰宅の際は、エアコンの併用がおすすめです。
とはいえ、暖炉は薪が燃焼する赤外線の放射熱によって暖かさを体感できます。人だけでなく壁や床などにも熱が蓄積するため、火を消してもしばらく暖かさが続くでしょう。
暖炉は太陽のような自然な暖かさが自宅で体感できますよ!
3.薪を運ぶ必要がある
暖炉って暖かくていいんだけど、ホントに手がかかってしょうがない!!毎冬、薪を準備するのも面倒だし何より掃除?これがまた大変!!よかったウチに暖炉がなくて
— 正宗 (@mata_masamune) December 20, 2023
暖炉で薪を燃やすために、保管場所から運んでくる必要があります。高齢になるほど、運搬が困難になるでしょう。
薪に最適な広葉樹は1立米(りゅうべい)約550kgで売られていますが、湿度の高い場所や保存方法を誤るとシロアリやゴキブリ、カビが発生してしまいます。
また、薪の水分量は20%前後が燃えやすいため、保存方法に注意が必要です。以下のような対策をとっておくことをおすすめします。
- 日当たりと風通しが良い場所で保管する
- 底上げして地面に直接置かない
- 薪の風通しを考えて積む
薪に湿気がたまらないように工夫が必要です。
なお、薪の管理がしやすい間取りに悩んでいる方は「すーさんの相談窓口」までご相談ください。
どんな相談にも、丁寧にアドバイスいたします!
すーさんは、大手ハウスメーカーに15年勤務した経験のある住宅のプロです。5,000人以上の家づくりのお悩みを解決してきたので、あなたにぴったりのアドバイスをしてくれます。
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3種類の暖炉別に特徴と注意点を紹介
暖炉には、薪以外の燃料を使ったタイプがたくさんあります。ここでは、3種類の暖炉の特徴と注意点について解説します。
- ガス暖炉
- 電気暖炉
- バイオエタノール暖炉
特徴と注意点を知って、利用するかどうかを考えましょう。
1.ガス暖炉
ガス暖炉は、ガスを使ったファンヒーターです。室内の空気を吸気して温風を吹き出すタイプ(ファンヒーター方式)と、吸気と排気を屋外で行うタイプ(FF方式)の2種類があります。
本物そっくりの擬木から実際の炎がでて、揺らぎも体験できますよ!
ガス暖炉の特徴は、以下の通りです。
- 壁に埋め込むため置き場所に困らない
- 都市ガス、プロパンの両方に対応できる
- 燃料の運搬がない
- ススが出ないので煙突掃除が要らない
- 点火と消火がリモコン操作できる
- FF方式は高気密住宅に対応できる
ただし、ガス暖炉を使用するとヒーターの風で室内の空気が乾燥してしまいます。十分な換気を行いながら使用しましょう。
また、設置には大がかりな工事が必要なため、新築またはリフォーム時の取り付けがおすすめです。
2.電気暖炉
電気暖炉はLEDライトで照らした光が、まるで本物のような炎を再現します。置き型であれば設置が簡単で、火を使わないため好きな場所で使用可能です。
灯油やガスを使わないので、子どもやペットのいる家庭で支持されています。ハロゲンランプを使ったタイプはより本物の炎が演出できますが、電気代が高くなるので注意してください。
世界中のレストランやホテルで使用されているので、演出効果は抜群ですよ!
ただし、電気暖炉は家全体を暖める暖房器具ではありません。使用できる部屋の広さが明記されていますが、エアコンなど他の暖房との併用がおすすめです。
3.バイオエタノール暖炉
バイオエタノール暖炉は、バイオエタノール(アルコール)を燃やす暖房器具です。一酸化炭素が発生しないので、室内で安心して使えます。
二酸化炭素が発生するので換気は必要ですが、植物に吸収されるとてもエコな暖房器具です。バイオエタノール暖炉の特徴は、以下の通りです。
- 煙突が必要ない
- メンテナンスが簡単にできる
- 賃貸でも設置できる
- 薪と比べると燃費が良い
- オリジナルデザインの造作ができる
- 炎の揺らぎが見られる
バイオエタノールの原料は、トウモロコシやサトウキビなどの植物をもとに作った液体燃料です。バイオエタノールを燃料タンクに入れるだけで補充が完了し、ススが出ないので特別なお手入れがいりません。
電気やガスに比べるとランニングコストが高いので、来客時に使う人が多いですよ!
なお、これから家づくりや資金調達についての勉強をされる方は、LIFULL HOME’Sの「はじめての家づくりノート」を入手してみてください。
家づくりのお金や建築可能なメーカーなど、マイホームの購入にあたっての基本的な知識が身につくのでおすすめです。
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
暖炉のある家で負担に感じやすいコスト3選
暖炉設置のハードルとなっているコストについて、以下の3つを解説します。
- 暖炉本体と設置費用
- 薪代
- メンテナンス代
具体的にいくらかかるかを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
1.暖炉本体と設置費用
暖炉を設置するには、本体価格と設置工事費用が必要です。本体価格の目安は、以下の通りです。
種類 | 価格相場 |
---|---|
薪を使った暖炉 | 60~200万円 |
ガス暖炉 | 15~80万円 |
電気暖炉 | 3~30万円 |
バイオエタノール暖炉 | 5~40万円 |
一般的な暖炉は壁に一体化した煙突の工事があるため、設置工事費用に100万円以上必要になるでしょう。
ガス暖炉も吸排気が必要になので、別途設置費用がかかります。
家づくりの設備は費用が高額になりやすく、金銭感覚に狂いが生じやすいです。大幅な予算オーバーは、今後の生活に影響を与えるので注意してください。
なお、注文住宅の費用については、関連記事「【必見】注文住宅の費用はどうシミュレーションする?事前準備やおすすめのサービスを解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.薪代
暖炉に使われる薪の種類は、針葉樹と広葉樹の2種類です。針葉樹は油分を多く含み燃えやすいですが長持ちしません。一方、広葉樹は堅く着火しにくいですが、火持ちが良い特徴があります。
30坪の新築住宅の場合、朝晩4時間ずつ薪を使用するとおよそ16㎏必要です。時期的にもよりますが、広葉樹500㎏で2~4万円になるでしょう。
自分で薪割りしたり地元の森林組合に相談したりすると費用が下がりますよ!
気密性能が低い住宅は、さらに薪が必要になります。そのため、ファンヒーターやエアコンの併用を検討してみてください。
3.メンテナンス代
暖炉を使いつづけるには、煙突などのメンテナンスが必要です。メンテナンスを実施すると、効率よく安定して燃焼させられます。
業者に依頼する場合には、煙突の汚れ状況や交通費、消耗品の交換費用なども含まれるため、メンテナンスの費用相場は一概には言えません。とはいえ、1回のメンテナンスは2~4万円で収まるケースが多いです。
メンテナンスは最低でも年に1回ほど必要ですが、水分量の多い薪を使うと頻度が上がってしまいますよ!
また、登りやすい屋根であれば自分で煙突掃除が可能です。その場合は、専門の業者にメンテナンス方法やおすすめの道具などを相談してみましょう。
暖炉のある家は経験豊富な業者に設置を依頼しよう
暖炉のある生活は、室内で焚火気分が味わえます。家族との団らんや、安らぎの時間を過ごせるでしょう。しかし、本体価格や設置にかかる初期費用や薪代などのランニングコストについてよく検討する必要があります。
予算オーバーに気をつけましょう!
ただし、費用が安いからと経験の少ない業者に頼むのは危険です。煙突の設置部分に不具合があると、雨漏りの原因になります。
暖炉のある家を実現させたい方は、予算オーバーに気をつけながら、実績豊富な業者に設置を依頼しましょう。
なお「すーさんの相談窓口」では、暖炉が本当に必要なのかについて一緒に考えます。暖炉を利用した使いやすい間取りや、住宅ローンについてもアドバイスが可能です。
暖炉のある家に住みたい人は、ぜひお気軽にご連絡ください!