「35坪ではどの程度の広さの間取りが実現できるかな?」
「建築費用の目安は?」
「35坪の間取りの具体例を知りたい」
延床面積35坪は、平均的な広さの家です。自身の建てる予定の家が35坪程度の方は、どの程度の数の部屋を用意できるのかなど知りたい方も多いでしょう。
可能な部屋数などのイメージがあると、間取りを考えやすいですよね!
そこでこの記事では、35坪の家の間取りについて以下の内容を解説します。
- 35坪の間取りの目安と土地の広さ
- 間取り実例
- 建築費用の目安
- 家を建てる際のポイント
間取りの実例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
35坪の間取りの目安と土地の広さ
はじめに35坪の家の広さのイメージについて、以下の3つの点から説明していきます!
- 広さの目安
- 実現可能な間取り種類
- 必要な土地の広さ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 広さの目安
35坪は、約116㎡で70畳に相当します。「2023年フラット35利用者調査(P17)」によると注文住宅の平均は119.5㎡であるため、35坪はおおよそ平均程度の広さと言えます。
以下の表は、住宅の種類別の住宅面積の平均です。
住宅の種類 | 住宅面積の平均 |
---|---|
注文住宅 | 119.5㎡(約35坪) |
土地付き注文住宅 | 111.2㎡(約34坪) |
建売住宅 | 101.6㎡(約31坪) |
注文住宅の場合には、ちょうど35坪が平均であることがわかります。
2. 実現可能な間取り種類
35坪はある程度ゆとりのある広さと言えます!
例えば2階建ての住宅では、各フロアが18坪・35畳前後になるイメージです。1階に15~20畳程度のLDKと水回り、2階には6~8畳程度の個室を3~4つ程度設けることが可能です。
LDKで20畳程度の広さを確保できれば「アイランドキッチン」など、自身の希望に応じたスペースを十分確保できます。また収納面では「パントリー(1~2畳)」や「ウォークインクローゼット(2~4畳)」を用意することも可能です。
ただし「ランドリールーム」や「複数のウォークインクローゼット」を追加するには、他の部分でスペースを調整する必要があるでしょう。
余裕のある間取りが可能と言っても、優先順位を決めて考えることが大切ですね!
3. 必要な土地の広さ
必要な土地の面積を計算する際には、建ぺい率を考慮しなければなりません。建ぺい率とは、建物同士が近接しすぎないことを目的に、敷地面積に対して建築面積を制限する制度です。
土地の広さに対してぎりぎりまで家を建てられるわけではない点を理解しておきましょう!
例えば、1階部分18坪とした場合、建ぺい率40%の土地では約45坪(148㎡)の土地が必要となります。建ぺい率に応じた必要な土地の面積は以下の表で確認してみてください。
建ぺい率 | 必要な土地の面積 |
---|---|
30% | 約60坪 |
40% | 約45坪 |
50% | 約36坪 |
60% | 約30坪 |
建ぺい率は、土地計画区域であるかなど立地によって異なります。不動産会社で調べてもらえますが、自分で確認したい場合には市区町村役場に問い合わせてみてください。
35坪の間取り実例5選
こちらでは具体的に、35坪の家の間取りを以下の5つの条件別に紹介します。
- 平屋・3LDK
- 2階建て・3LDK
- 2階建て・4LDK
- 2階建て・5LDK
- 3階建て・4LDK
一つひとつ見ていきましょう。
1. 平屋・3LDK
以下の間取りは、平屋・3LDKの事例です。
26畳の広々としたLDKに、5.4~8畳の個室を3つ設けています。LDKと接して個室が用意されているため、家族同士のコミュニケーションが取りやすい間取りと言えます。
平屋では階段や廊下のスペースを省けるため、余裕のある間取りが実現できますね!
また「ランドリースペース」や「パントリー」など、収納や家事の面で便利な空間が設けられている点も特徴です。家事効率を考えて、勝手口からランドリースペース・洗面室・浴室が横並びに設計されています。
平屋は動線も簡潔で、家事効率が高いことが特徴です。特に高齢者がいる家庭や将来的なバリアフリー化を考える場合にも向いています。
一方で平屋は広い土地が必要になるため、予算や立地条件を確認することが大切です!
間取りの考え方については、関連記事の「【事例あり】間取り決めはゾーニングから始めると理想を形にできる!考え方と作成手順を解説」で詳しく紹介しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
2. 2階建て・3LDK
ここでは、2階建て・3LDKの間取り事例を紹介します。こちらの家は、1階と2階が同じ形状の総二階で、構造が単純化されることから費用の圧縮や工期の短縮が期待できます。
1階は広々とした18.25畳のLDKに、ウォークインクローゼット、パントリーという大容量の収納スペースが設けられた間取りです。
2階は洋室3部屋に加え、ウォークインクローゼットやバルコニーも用意されています。また、トイレは上下階にそれぞれ設置されているのがポイントです。
個室を3部屋に抑えれば、かなり多くの収納スペースを設けられることがわかりますね!
3. 2階建て・4LDK
以下の間取りは、個室を4つ設けた事例です。
引用:アイラックホーム株式会社
1階には大規模な収納はありませんがLDKと和室が1部屋、2階には洋室3部屋とウォークインクローゼットが配置されています。
1階は大容量の収納の代わりに、4.5畳の和室を設けたとも言えますね!
和室は、客間やLDKの延長の空間として利用できます。人が集まる機会が多い家庭や子どもがいる場合などは、LDKに隣接した部屋があると便利です。
トイレが2階にも配置されているので、人数が多い家族でも朝の混雑緩和に役立ちますね!
4. 2階建て・5LDK
こちらは、個室を1階に1部屋、2階に4部屋設けた間取りです。
4人家族で1人1部屋個室を設けたい場合などには、個室が5部屋あると便利です。
5LDKの間取りは、部屋数を重視する家庭に向いていますね!
ただし、部屋数が増えた分「収納スペースが減る」「個室が狭くなる」といったデメリットはあります。ウォークインクローゼットなどの大規模収納はなく、2階の個室は「5畳・5畳・6畳・7畳」とややコンパクトです。
5LDKからは「プライベート空間」か「共用スペース」かどちらを優先すべきか判断が求められますね!
5. 3階建て・4LDK
こちらは3階建て・4LDKの間取り事例です。3階建ては、土地が狭い場合に延べ床面積を確保する方法として有効です。
LDKや水回りといった共用スペースを2階にまとめ、1階と3階に個室を配置していますね!
3階建ては生活の中で階段の昇り降りが多く発生することがデメリットです。こちらの事例では共用スペースを2階にまとめることで、1階と3階のどちらからでも行きやすい工夫がされています。
トイレを各階に設けている点も、生活動線を良くするための工夫ですね!
階段スペースやトイレが増える分、部屋として活用できる面積は減りますが、3階建ては限られた土地を最大限に活用する有効な方法です。
なお、間取りに悩んでいる方は、無料で活用できる「すーさんの相談窓口」を頼ることをおすすめします。ハウスメーカーの営業マンとして15年の経験のある私が、無料で間取り相談に対応しています。お気軽にお問合せください。
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35坪の間取りの家を建てる際の費用目安
間取りと合わせて気になるのは、建築費用ですよね。
「2023年フラット35利用者調査」の平均坪数と建築費用を確認すると、35坪の家を建てるのにどの程度のお金が必要かわかります。以下は、地域別の住宅面積と建築費用を示した表です。かっこ内は、土地を所有していない方の平均値です。
地域 | 住宅面積 | 建築費用 |
---|---|---|
全国 | 37.1坪(33.7坪) | 3,715万円(4,694万円) |
首都圏 | 37.3坪(32.6坪) | 4,016万円(5,406万円) |
東海圏 | 37.9坪(35.1坪) | 3,788万円(4,694万円) |
近畿圏 | 38.2坪(34.0坪) | 3,991万円(4,894万円) |
その他地域 | 36.7坪(34.0坪) | 3,502万円(4,151万円) |
全国平均では、35坪よりやや少ない33.7坪で3,715万円です。首都圏では、32.6坪で4千万円を超える建築費用となっています。
35坪の家を建てるには、3,700~4,000万円程度の建築費用がかかると理解しておけば良いでしょう。
注文住宅の建築費用の相場は、関連記事「【これでカンペキ】注文住宅の相場は3,000〜4,000万円!費用を抑えるコツや予算別の特徴を解説」で詳しく紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
35坪の間取りを考える際の5つのポイント
35坪でどのような間取りにすべきか悩んだら、以下の5つのポイントを参考にしてみてください!
- 吹き抜けで延べ床面積を調整する
- 総二階にする
- 天井を高くする
- 収納を十分確保する
- LDK・水回りを広くする
一つひとつ見ていきましょう。
1. 吹き抜けで延べ床面積を調整する
吹き抜けは、延べ床面積に換算されません。一般的に床面積に応じて建築費用が高くなるため、吹き抜けを作ることでコストを調整できます。
建築コストを抑えながら、広い空間を作れるのですね!
吹き抜けは冷暖房効率が下がる点に注意は必要ですが、開放感が増して家全体が明るくなるというメリットがあります。吹き抜けを設ける際には、天井ファンを設置するなどして空気循環の工夫をすると良いでしょう。
2. 総二階にする
総二階とは、上下階が同じ形状の家のことです。構造がシンプルになるため、設計や施工が効率化されて、材料費を抑えられます。
また、地震に対する耐久性も向上する利点があります!
さらに外観がすっきりと整うため、モダンなデザインを好む方にもおすすめです。シンプルで美しい家を目指す場合にも、総二階は理想的な選択肢です。
3. 天井を高くする
天井を高くすると、延べ床面積以上の広さを感じさせる効果があります。また「スキップフロア」や「勾配天井」といった縦空間を活用した工夫を取り入れると、空間のアクセントになります。
天井が高いと、大きな窓との組み合わせで明るい空間を作れますね!
高天井のメリットを活かすために、間接照明や梁のデザインを取り入れることもおすすめです。
4. 収納を十分確保する
収納スペースは、家の使いやすさを大きく左右する要素です。一般的に収納スペースは、延べ床面積の10~15%程度が目安と言われます。35坪の家の10~15%は、約3.5~4坪(6.5~7畳程度)程度です。
4人程度の家族の場合「ウォークインクローゼット」や「パントリー」と言った大容量の収納スペースを設けることがおすすめです。1か所に衣服や荷物をまとめられるため、家事の効率が良くなります。
スペースが足りない場合には、階段下や廊下などのデッドスペースの活用を検討しましょう!
限られた空間でも、工夫次第で満足度を高められます。
5. LDK・水回りを広くする
LDKや水回りを広めに設計すると、動線がコンパクトになり効率的な家事ができるようになります。例えば、洗面所は「ランドリールーム」や「ユーティリティルーム」を隣接させると、洗濯・乾燥・収納までを1か所で完結させられます。
またLDKでは「アイランドキッチン」を採用することで、リビングとの一体感が生まれ、開放的な雰囲気になるでしょう。
家の中心であるLDKが開放的だと、家全体が広く感じられますよね!
35坪の間取りはライフスタイルや将来設計を考慮して検討しよう
家づくりで重要な点は、自身や家族のライフスタイルに合った間取りを計画することです。例えば、子どもの成長や将来的な家族構成を考慮して、部屋数や広さを調整する必要があります。共働き家庭では、家事動線を意識した間取りにすることで、日々の生活で時短を叶えられるでしょう。
ライフスタイルに適した間取りを作ることで、効率的に空間を活用できますね!
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