「家の購入を検討している」
「戸建てとマンションどっちがいい?」
「費用や住みやすさなど比較して選びたい」
家を購入したいと考えたとき、まず一戸建てにするかマンションにするかが大きな選択肢ではないでしょうか。どちらにもよいところがあり、迷ってしまう方も多いはず。
家を購入してから後悔しないように、それぞれの特徴をしっかり比較してご家庭に合う形態を選ぶことが大切です。
この記事では、大手ハウスメーカーに15年間勤務した筆者が、以下の内容を解説します!
- 持ち家を買うならマンションと一戸建てどっち?
- 迷ったときの選び方
- 持ち家と賃貸はどっちがいい?それぞれのメリット・デメリット
持ち家をマンションか一戸建てで迷っている方は、最高の家を建てるヒントを得られるのでぜひ最後までご覧ください。
持ち家を買うならマンションと一戸建てどっちが多い?
家を購入する際に、マンションか一戸建てか迷ってしまう方は多いはず。どっちを選ぶ方が多いのか、令和3年度の「土地問題に関する国民の意識調査(国土交通省)」の結果を見てみましょう。
今後望ましい住宅形態 | 割合 |
---|---|
一戸建て | 54.4% |
戸建て・マンションどちらでもよい | 20.5% |
マンション | 16.4% |
その他 | 8.7% |
意識調査の結果では、一戸建てを希望する方が多いことがわかります。
「一戸建て」と答える方の割合が最も多いのは、他の年度も同様です!
人口規模別に見ると「一戸建て」と答えた方が多いのは10万人未満の市です。「マンション」と答えた方の割合は、政令指定都市で高い傾向です。
あくまでも意識調査の結果ですが、迷っている方は参考にしてみてください!
【購入価格】持ち家を買うならマンションと一戸建てどっち?
購入価格で、一戸建てとマンションを比較してみましょう。
- 物件価格
- 諸費用
2つの項目に分けて解説します。
1. 物件価格|一戸建て
物件価格は、エリアにより価格に差があります。結論からいうと、新築の場合はどのエリアでもマンションのほうが物件価格は高めです。
株式会社カンテイの「都道府県・主要都市のマンションストック戸数&マンション化率 2022」のデータを元に、一戸建てとマンションの平均価格を見てみましょう。
【一戸建て】
圏域 | 新築 | 中古 |
---|---|---|
首都圏 | 一戸平均価格:4,523万円 平均土地面積:116.4㎡ | 一戸平均価格:3,919万円 平均土地面積:125.6㎡ |
近畿圏 | 一戸平均価格:3,544万円 平均土地面積:116.9㎡ | 一戸平均価格:2,518万円 平均土地面積:121.2㎡ |
中部圏 | 一戸平均価格:3,396万円 平均土地面積:148.5㎡ | 一戸平均価格:2,391万円 平均土地面積:165.3㎡ |
【マンション】
圏域 | 新築 | 中古 |
---|---|---|
首都圏 | 一戸平均価格:6,341万円 平均土地面積:63.33㎡ | 一戸平均価格:4,087万円 平均土地面積:58.03㎡ |
近畿圏 | 一戸平均価格:5,104万円 平均土地面積:63.71㎡ | 一戸平均価格:2,620万円 平均土地面積:63.62㎡ |
中部圏 | 一戸平均価格:3,509万円 平均土地面積:51.45㎡ | 一戸平均価格:2,194万円 平均土地面積:70.87㎡ |
首都圏・近畿圏では、新築マンションと新築一戸建てで大きな差があることがわかります。
家を建てる地域によっても価格に差が出ますね!
2. 諸費用|マンション
家の購入には、税金や手数料などさまざまな費用がかかります。諸費用で比べると、マンションのほうがやや低い傾向です。
購入する物件によりかかる手数料は異なりますが、以下のような費用が発生します。
- 収入印紙代
- ローンの保証料、事務手数料など
- 火災保険料、地震保険料など
- 登記費用
- 固定資産税
建物の種類別にかかる費用も見てみましょう。
建物の種類 | かかる費用の詳細 | 物件価格に対する諸費用の目安 |
---|---|---|
新築マンション | 修繕積立金として数十万円が必要 | 3~5% |
新築一戸建て | 水道への新規加入や水道口径の拡大に必要な 「水道負担金」といった支払いが求められる | 6~10% |
中古マンション | 一般に仲介手数料がかかるため新築より高くなる傾向 | 5~8% |
中古一戸建て | 一般に仲介手数料がかかるため新築より高くなる傾向 | 6~13% |
家を建てる費用についてより詳しい内容を知りたい方は、関連記事「【要チェック】家を建てる費用は3,500~4,500万円!価格別のマイホームのイメージや注意点を解説」をご覧ください!
【資産価値】持ち家を買うならマンションと一戸建てどっち?
資産価値は立地にもよりますが、マンションのほうが高い傾向です。
資産価値の考え方はそれぞれですが、耐用年数や売りやすさがひとつの目安です!
耐用年数は、木造住宅が22年、鉄筋コンクリートマンションが47年です。ただし、最近は木造一戸建てでも長期優良住宅が増えているので、寿命はもっと長くなる可能性があります。
また、資産価値を見るには売りやすさも考慮する必要があります!
人気の立地であれば、購入時よりも値上がりする可能性があります。資産価値の高い家を購入したいなら、都心にアクセスしやすく駅から近い場所を選ぶのがおすすめです。
【ランニングコスト】持ち家を買うなら一戸建てとマンションどっち?
一戸建てとマンションでは、住んでから必要なランニングコストにも違いがあります。ここでは、4つの項目別に、かかる費用を見てみましょう。
- メンテナンス費|一戸建てもマンションもほぼ同等
- 光熱費|マンション
- 駐車場代|一戸建て
- 固定資産税|マンション
詳しく解説します。
1. メンテナンス費|一戸建てもマンションもほぼ同等
家を購入したら、定期的なメンテナンスが必要です。一戸建てとマンションに必要なメンテナンス費は、以下のとおりです。
種類 | 費用 |
---|---|
マンション | 毎月数万円程度の「管理費・修繕積立金」を支払い、修繕が必要なときは積立金でまかなう |
一戸建て | 定期的な修繕が必要で、屋根や壁の修繕費となるとその都度数十万~数百万円がかかる |
マンションは毎月の積立金で修繕費をまかなうため、一度に大きな支払いが発生することはありません。一戸建ての場合は毎月の支払いがない代わりに、定期的に大きな修繕費用が必要です。
トータルの費用で考えると、マンションも一戸建てもあまり差はないということですね!
2. 光熱費|マンション
気密性や断熱性に優れているマンションのほうが、光熱費を抑えられる傾向です。
光熱費については、日当たりも大きく関わってきます。日当たりのいい家なら、日中暖かいので光熱費も抑えられますよね!
ただし、一戸建てでも「高気密・高断熱」の家も増えており、光熱費を大幅に抑えることも可能です。太陽光発電の家であれば、マンションよりも光熱費が安くなることもあります。
3. 駐車場代|一戸建て
一戸建ては駐車スペースが付いている物件がほとんどです。一方、マンションは毎月駐車場代を支払うケースが多いでしょう。とくに都心部は駐車場代が高い傾向です。
駐車場代が月2万円だとしたら、1年で24万円の負担が必要。マンションに10年住むとしたら、一戸建てと240万円の差が出るということですね!
4. 固定資産税|マンション
一戸建てでもマンションでも、固定資産税の支払いが必要です。
マンションの場合、敷地面積を戸数で割ったものが所有区分となるため、専有面積の多い一戸建てのほうが土地に対する税額が高くなる傾向です。
ただし「減価償却期間」も考えなければなりません!
家の耐用年数は、一戸建てが22年、マンションが47年です。マンションのほうが減価償却期間は長く、固定資産税が高い状態が続きます。
固定資産税には軽減措置があり、2分の1に軽減されます!
2024年3月31日までに所有した新築住宅の場合、一戸建ては最長5年、マンションは最長7年です。軽減措置は、マンションのほうが有利といえます。
【住みやすさ】持ち家を買うならマンションと一戸建てどっち?
一戸建てとマンションを、住みやすさで比較してみましょう。
- セキュリティ|マンション
- 立地|マンション
- 耐震性・耐火性|一戸建てもマンションもほぼ同等
- 設備の充実度|一戸建てもマンションもほぼ同等
- 日当たりや風通し|一戸建て
マンションと一戸建てで迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. セキュリティ|マンション
セキュリティ面で見ると、オートロックや管理人の常駐などからマンションのほうが安全性は高いといえます。
エレベーターや駐車場にも防犯カメラを設置しており、不審者がいればすぐに対応してもらえます。防犯設備は管理費でまかなわれているため、コスト面でも負担は少ないでしょう。
一戸建ての場合は防犯設備を自分で整える必要がありますが、マンションと同程度に強固にすることは可能です!
2. 立地|マンション
駅周辺にはマンションが多く、少し離れると一戸建てが増える傾向です。アクセスのよさを重視するなら、マンションのほうが選択肢は豊富といえます。
ただし、普段電車を利用する機会が少ないのであれば、駅から遠くても商業施設や病院などが近いほうが利便性は高いと考える方が多いでしょう。
立地のよさは、何を重視するかによって変わってきますね!
3. 耐震性・耐火性|一戸建てもマンションもほぼ同等
マンションも一戸建ても、新築なら「耐震等級1(震度6強から7程度でも倒壊や崩壊しない)」以上を採用している建物がほとんどです。
マンションでは免震構造や制震構造を導入したり、一戸建てでは「耐震等級3(耐震等級1の1.5倍の地震力に耐えられる)」を採用したりすることも増えてきました。
耐震性・耐火性は、マンションか一戸建てかというよりも選ぶ家によって異なるということです!
4. 設備の充実度|一戸建てもマンションもほぼ同等
設備に関しては、一戸建てもマンションも有料オプションで充実させられます。
マンションは導入可能なオプションが限られているケースがありますが、一戸建てなら自由に取り付けられます!
マンションの場合はスケールメリットが働くため、安価に設備を取り付けやすいのがメリットです。一戸建ては自分の好きな設備を自由に取り付けられるので、どちらもそれぞれ利点があるといえます。
5. 日当たりや風通し|一戸建て
一戸建ては全方向に窓を取り付けられるため、日当たりや風通しは抜群です!
マンションは窓の向きが決められていますが、高層階であれば採光を取り入れやすいでしょう。マンションは窓の向きや立地によりますが、一戸建ては自由に取り付けできる点で、日当たりや風通しに優れているといえます。
マンションと一戸建てで決められない方向け!迷ったときの選び方
マンションと一戸建てで迷ってしまう方に、それぞれ向いている人の特徴を紹介します。
マンションが向いている人 | ・利便性、安全性を重視する人 ・メンテナンスの手間をかけたくない人 ・将来的に住み替えを考えている人 |
一戸建てが向いている人 | ・家づくりにこだわりたい人 ・プライバシーを重視する人 ・庭が欲しい人 |
どちらにもそれぞれよさがあります。後悔しないように、それぞれの特徴をしっかり比較してどちらの形態が最適なのか見極めることが大切です。
それでも決めかねる人や、具体的なアドバイスが欲しい人は、大手ハウスメーカーで15年以上住宅販売を経験している「すーさん」にご相談ください!
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持ち家と賃貸はどっちがいい?それぞれのメリット・デメリット
家の購入に迷っている人に多いのが、持ち家にするか、賃貸のままでもいいのかというところではないでしょうか?
ここでは、持ち家と賃貸のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
持ち家 | ・家が資産になるため将来的に子どもに残したり売却したりできる ・ライフスタイルに合わせて自由にリフォームできる ・住宅ローンを完済すれば支出に余裕ができる ・住宅ローンの団信(団体信用生命保険)に加入できる | ・住宅を購入する費用が高い傾向にある ・固定資産税や火災保険料の支払い義務が生じる ・屋根や壁など大掛かりな修繕には高い費用が必要になる ・引っ越ししたくても気軽にできない |
賃貸 | ・引っ越ししたいタイミングでできる ・自分で修繕をする必要がない ・不動産取得にかかる各種税金がかからない | ・間取りや内装を自由に変更できない ・家賃の支払いが毎月発生する ・老後新たに借りるのが難しい可能性がある |
それぞれのメリット・デメリットを比較して、家の購入を検討してみてください。
なお、家を購入する場合にどのタイミングで建てたらいいのか迷う方は、関連記事「【2023年最新】家を建てるタイミング7選!社会情勢の変化や補助制度を解説」にて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
持ち家を検討するならマンションと一戸建てを徹底的に比較しよう
持ち家を購入するなら、マンションと一戸建ての特徴をしっかり比較することが大切です。家は高い買い物になるため、後悔しないようにどの形態がご自身の家族にとって最適なのか、しっかり見極めましょう。
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