「4人家族が快適に過ごすためには、どんな間取りがいいの?」
「どんな事を意識して間取りを考えたらいいか知りたい」
「実例を参考にしたい」
4人家族が快適に過ごすために、どのような間取りにするべきなのか悩んでいる方も多いでしょう。
特に自由度の高い注文住宅は、間取りをすぐに決められず考え込んでしまうことは少なくありません。
さらに、子どもが居る場合、成長とともに必要なスペースや部屋は変わってくるので、間取りを考える事は難しくなるでしょう。
部屋の広さや間取りは、住み心地にとても大きな影響を与えるポイントです。
そこでこの記事では、大手ハウスメーカーに15年勤務した住宅のプロである私が以下の内容について解説します。
- 4人家族の間取りの実例
- 間取りづくりで検討が必要なポイント
- 理想を叶えられる間取りにするためのポイント
4人家族に焦点を当て、注意するポイントや実例を紹介しているので、間取りを考える方はぜひ最後までお読みください!
4人家族に理想的な一軒家の広さを3つの観点から解説
ここでは、4人家族に理想的な一軒家の広さを、以下の3つの観点から解説します
- 最低居住面積
- 誘導居住面積
- 部屋数
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.最低居住面積は31畳
4人家族が快適に暮らせる間取りの広さは、31畳が1つの目安です。
世帯の人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準を、最低居住面積水準と呼びます。最低居住面積水準の算出方法は、2人以上の世帯では、10㎡×世帯人数+10㎡です。
以下の表は、世帯人数別の住戸専用面積例です。※( )内は3~5歳児が1名いる場合
2人 | 3人 | 4人 | |
---|---|---|---|
最低居住面積水準 | 30㎡(30㎡) | 40㎡(35㎡) | 50㎡(45㎡) |
一般的には「1㎡=0.62畳」で計算されることから、4人家族に最低限必要な面積は31畳であることがわかります。
参考:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準」
2.誘導居住面積は125㎡
豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準を、誘導居住面積水準と呼びます。
一般型と都市型に分けられており、算出方法はそれぞれ異なっています。
一般型の場合、2人以上の世帯だと25㎡×世帯人数+25㎡です。都市居住型の場合、2人以上の世帯だと20㎡×世帯人数+15㎡で計算できます。
以下の表は、世帯人数別の住戸専用面積例です。※( )内は3~5歳児が1名いる場合
2人 | 3人 | 4人 | |
---|---|---|---|
一般形 | 75㎡(75㎡) | 100㎡(87.5㎡) | 125㎡(112.5㎡) |
都市居住型 | 55㎡(55㎡) | 75㎡(65㎡) | 95㎡(85㎡) |
国交省は、4人家族が住宅内において、快適に生活するために必要な広さを125㎡と提示しています。
1坪3.31㎡で換算すると、国が提唱する4人家族の理想的な一軒家の広さは約38坪になり、畳に換算すると約69畳の広さです。
参考:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準」
3.部屋数は4つが最多
アットホーム株式会社の30~50代の既婚男女420名を対象に行った調査によると、4人家族で最も多い間取りは4LDKで34.5%です。
4人家族だと、全員に個室を用意することが可能で、使い勝手には豊富なバリエーションがあります。
また、夫婦で1つの部屋を共有する代わりに、趣味専用の部屋や書斎を設けることも1つの選択肢と言えるでしょう。しかし、広さがある分、住居コストがかかるのは注意が必要です。
なお、4人家族が幸せに生活するために最低限必要な間取りを聞いたところ、3LDKが最多の回答でした。
4LDKより、もう少しコンパクトな間取りの方が幸せに暮らせると感じる人が多いようです。
4人家族におすすめの間取り実例5選
4人家族の間取りのイメージが掴めるように、おすすめの実例5選を紹介します。
- リビングでサッカーの練習ができるほどの広さを確保した間取り
- 回遊性のある間取りでスムーズな移動を叶えた間取り
- 家族の時間を充実させる中庭のある間取り
- 水回りを一直線にして家事動線がいい間取り
- 子どもと一緒に料理ができる壁付けのL型キッチンがある間取り
順番に紹介するので、参考にしてみてください。
1.リビングでサッカーの練習ができるほどの広さを確保した間取り
引用:SUUMO
2人の子どもが熱中しているサッカーが室内で練習できるほど、広い空間を設けている間取りです。
家事がスムーズできるようリビングを広くし、親子共に使いやすい動線を実現したところ、家族が集まる快適な空間になっています。
また、外遊びで泥だらけになってもすぐ着替えられるように、玄関から脱衣所まで直行できるのがポイントです。
2.回遊性のある間取りでスムーズな移動を叶えた間取り
引用:SUUMO
家のど真ん中にある階段を中心に回遊できる間取りのため、リビングから子ども達の様子が確認できます。また、室内のベンチと、庭のウッドデッキの高さがフラットなので、家族全員が安全に室内外を行き来できます。
間取りや家具に既製品がなく、全て工務店が自作した物です。
愛着が持てると同時に機能性を考慮されたものが多く、住みやすさを実現した事例です。
3.家族の時間を充実させる中庭のある間取り
引用:SUUMO
家族全員でプライベート空間を充実できるよう、窓の配置を細かく考え、自宅時間をより快適に過ごせるように設計された間取りです。
リビングとダイニングから出られるテラスでは、ハンモックを置いて昼寝ごはんなど、家族のくつろぎの時間が過ごせます。
モダンな雰囲気の和室に加え、キッチンの横には収納スペースがあるため、機能性と室内のおしゃれ両方のバランスが取れています。
4.水回りを一直線にして家事動線がいい間取り
引用:SUUMO
キッチンや洗面など、水回りが一直線上に設けられていて、家事動線がスムーズになっています。リビングにある吹き抜けや、独特なデザインの階段があり、実際の面積よりも開放感が感じられる空間になっています。
室内のあらゆる所に収納スペースが設けられているので、無駄を省き機能性が充実している間取りです。
5.子どもと一緒に料理ができる壁付けのL型キッチンがある間取り
引用:SUUMO
壁付けのL型キッチンや冷蔵庫の配置など、生活動線にこだわりを持った間取りです。リビングは南側に配置されているので、日中は明るい自然光が入りやすく心地よい空間が実現します。
こだわりを持って選定したL型キッチンは、3人が並んでも快適に作業できるのが魅力です。
ここまで4人家族の間取りの実例を紹介しましたが、考える際は悩みがつきものです。間取りを悩んでいる方は、住宅のプロであるすーさんにご相談ください。
大手ハウスメーカーに15年勤務した経験から、予算に応じた家づくりのアドバイスをいたします。
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4人家族の間取りづくりで検討が必要な4つのポイント
4人家族の間取りづくりの際に、検討が必要なポイント4つを解説します。
- 子ども部屋はいくつ必要か
- 夫婦の寝室は個別に分けるか
- 家族のライフスタイルに適しているか
- 来客用の部屋は設けるか
ここで紹介するポイントに注意して、間取りづくりを行ってください。
1.子ども部屋はいくつ必要か
子どもがいる家庭では、人数に応じて部屋をいくつ作るのか考える必要があります。特に、以下3つの点を考慮して検討してみましょう。
- 必要な期間を考える
- 部屋の数を考える
- 年齢差を考える
例えば、年の近い同性同士であれば、広めの部屋が1つあれば良いかもしれません。しかし、性別が異なる場合や、年齢が離れていると1部屋を共同で使うのは難しい可能性があるでしょう。
他にも、子どもの受験が控える年齢になると、勉強に集中できる環境を整えることが必要です。
同じ部屋の場合、宿題や勉強を妨げてしまう可能性があるので、プライベートスペースを確保してあげたほうが良いでしょう。
2.夫婦の寝室は個別に分けるか
夫婦の寝室を分けるかは、間取りを決める際に重要なポイントです。
4人家族の場合、夫婦は同じ寝室を使うケースが多いです。しかし、子どもが小さいうちはまだ我慢できても、落ち着いてから「自分だけの空間が欲しい」と後悔するケースがあります。
1人の時間が欲しい場合や、生活パターンが異なっている時は、寝室は分けたほうがお互いに気を遣わずに済みます。
例えば、夫が夜遅くまで仕事でパソコンを使う一方で妻は早く寝たい場合、別々の寝室があればお互いに気兼ねなく過ごせるでしょう。さらに、仕事や生活の関係で起床や就寝時間が異なる場合は、相手の睡眠を妨げることがあります。
家族全員が快適に過ごせる空間であることが大切です。健康でいるためにも睡眠は大切なので、お互いのライフスタイルに合わせて夫婦の寝室を個別にするかを決めましょう。
3.家族のライフスタイルに適しているか
間取りを考える際には、家族一人ひとりのライフスタイルに合っていることが重要です。
間取りが家族のライフスタイルに合っていないと、日々の生活に不便やストレスを感じやすいです。希望の生活になるような、満足度の高い間取りを検討しましょう。
在宅ワークをしている場合には、ワークスペース用の個室があると、仕事に集中しやすく生産性向上につながります。他には、コレクションや映画鑑賞など趣味を楽しみたい家庭では、多目的に使える部屋を作ることで、生活の満足度が上がるでしょう。
家族のライフスタイルに適した間取りにすることは、ストレスの少ない生活を送るための鍵です。
具体的な生活シーンをイメージして、間取りを考えましょう。
4.来客用の部屋は設けるか
人を家に招く機会が多い方は、来客用の部屋が必要になる可能性があります。親戚や友人などが頻繁に来る場合には、専用の部屋を設けることで快適に過ごせる環境を提供できます。
一方で、来客が少ない家庭では、リビングを広くすることや収納を充実させる方が、生活満足度が高くなるでしょう。
来客用の部屋を設けるかは、家族の生活スタイルや来客の頻度に合わせて判断することが大切です。
3LDKの間取りの場合、両親が遊びに来た時や来客があった時などに対応しにくいことがあります。
余裕が欲しいと考えている場合には、4LDK以上の間取りを検討しましょう。なお、来客用の部屋は日常的には使用しないため、多用途に使えるようにして、生活空間を犠牲にせずに済むようにしておくのがおすすめです。
4人家族が住む間取りで理想を叶えるためのポイント4選
4人家族の間取りづくりの際、理想の住まいに少しでも近づけるためのポイントを4つ紹介します。
- 家族のコミュニケーションが取りやすい空間をつくる
- 日当たりの良い部屋をどこにするか決めておく
- 収納スペースを確保する
- 子どもが独立した後の部屋の使い道を決めておく
間取りづくりの際に、ぜひ参考にしてください。
1.家族のコミュニケーションが取りやすい空間をつくる
家族とのコミュニケーションを重視したい方は、自然に会話が生まれる間取りにしましょう。みんなが自然に集まり、会話やふれあいが生まれる空間を意識することで、家族の絆が深まります。
仕事や学校で忙しくても、家の中に自然と集まれる場所があれば、日々のコミュニケーションが取りやすいです。
リビングを家の中心に配置し、広めのソファやダイニングテーブルを置けば、自然に家族が集まりやすいでしょう。他には、2階につながる階段をリビングに設置することで、家族で顔を合わせる機会が増えます。
家族でコミュニケーションがとれる間取りを意識することで、自然と交流できる住まいが実現でき絆が深まります。
2.日当たりの良い部屋をどこにするか決めておく
日当たりは部屋の居住性に影響を与えやすいため、間取りを決める際にしっかり考慮しましょう。
リビングやダイニングなど家族が集まる場所は、明るく温かい空間であることが望ましく、自然光が入ることで心地よさや開放感が得られます。
しかし、寝室に強い日差しが入ると、睡眠の妨げになる可能性があるので注意が必要です。
一方、リビングを南向きに配置すれば、日中自然光が入りやすく、気持ちも明るくなるでしょう。在宅時間が長い空間は、南側に配置することがおすすめです。また、東側に寝室を設ければ、朝日が入るので気持ちよく目覚められるでしょう。
しかし、東側は午後に日が当たりにくく、室内の気温が上がりづらいので、洗濯物やふとんを干す際には注意が必要です。
間取りを考える際は、日当たりの良い部屋の優先順位を意識して検討しましょう。
なお、方角ごとの日当たりについては、関連記事「【抜群に気持ちいい】日当たりのいい家の7つの魅力!方角ごとの特徴や悪い際の対策法も紹介」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
3.収納スペースを確保する
収納スペースが不足していると、物が散乱するだけでなく、探し物に時間を取られるためストレスを感じる原因になるでしょう。
家族が4人いると、衣類や日用品など多くの持ち物が必要です。また、子どもが小さいうちは荷物が少ないですが、年齢を重ねると必要な物は増えていくでしょう。
十分な収納スペースの確保は快適な暮らしに必要不可欠です。
適切な収納スペースを確保することで、空間をすっきり見せられるので、家族全員が快適に過ごせる環境を作れます。収納を考える際には、住宅の総床面積に対して、どれくらいの収納面積があるかを考えることがポイントです。
一般的に収納率はマンションでは8%~10%、一戸建て住宅では13%程度が標準と言われています。
夫婦の持ち物の量や、子どもがいつまで同じ家で生活するかを考えたうえで、必要な収納スペースの計算しましょう。不足した場合には、収納家具を購入や、トランクルームを借りるなどの対応が必要です。
4.子どもが独立した後の部屋の使い道を決めておく
子どもが独立した後の部屋の使い道を事前に検討しておきましょう。大学進学や就職を機に実家を巣立った場合、子どもが使っていた部屋は空きスペースになります。
事前に有効活用できるように考えておくことで、引っ越しや大規模なリフォームの手間が抑えられます。
例えば、独立後の子ども部屋を、夫婦それぞれの趣味部屋として活用することで、プライベートの時間がさらに充実するでしょう。他には、ゲストルームやリラックスできる小さなシアタールームなどに、リフォームすることも1つの手段です。
独立後の使い方を想定している場合は、必要な設備やコンセントの位置などを事前に決めておくと、将来の生活に柔軟に対応できるでしょう。
マイホームは子どもが巣立った後も暮らし続ける場所です。事前に考えておくことで、変化するライフステージにも柔軟に対応できるため、将来的に部屋をどのように活用するか決めておきましょう。
4人家族で暮らす間取りづくりで迷ったら専門家へ相談しよう
家族のあり方は人それぞれ違うので、理想の間取りや広さは人によって異なります。自分たちにどのような間取りが適切か見極めるのは難しいでしょう。
また、夫婦2人と子ども2人の4人家族の場合、子どもの年齢によって必要な設備が変わります。
引っ越しやリフォームを前提としない場合には、現在だけでなく将来の部屋割をイメージして間取りを慎重に検討する必要があります。
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これまで8,000件以上の家づくりの相談に乗ってきた実績があり、多くの方の悩みを解決してきました。
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