「水害に強い家の特徴はどんなものがある?」
「どう対策すればいいの?」
「おすすめのハウスメーカーや商品はある?」
日本は台風や豪雨による水害が多いといわれています。そのため、住宅を建てる際には、水害に強い家を建てる必要があります。
水害に強い家とは、水害の被害を受けにくい土地に建てられた、浸水対策をしている強度が強い家のことです。
しかし、水害に強い家を建てるには具体的にはどうすればいいかわからないですよね。
この記事では、大手ハウスメーカーで15年間住宅販売をしてきた住宅のプロが、以下の内容について解説します。
- 水害に強い家の特徴
- エリア選びのコツ
- 水害に強い家にする工夫
- おすすめのハウスメーカー
水害に強い家を建てるには、ハザードマップを確認して水害が起きにくい土地を選ぶのも重要です!
水害に強い家を建てて安心して暮らしたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
水害が起こったら家はどうなる?対策の必要性について解説
水害とは、大雨や台風などの大量の降雨によって引き起こされる災害の総称です。主に、以下のような災害が発生します。
- 土砂災害
- 洪水
- 浸水
どれも怖い災害ですね…!
水害が起こると、家のなかが水浸しになったり、家自体が崩れたりする恐れがあります。最悪の場合、命を脅かす危険もあるほどです。
家族の安全を守るためには、水害対策が必須です!
水害に強い家の4つの特徴
水害から家を守るためには、床上浸水を防止することが重要です。国土交通省が推奨している床上浸水を防ぐ水害に強い家の特徴は以下の4つです。
- 盛土にしている
- 家の基礎が高い
- 家が高壁で囲まれている
- 建物自体が防水になっている
それぞれ詳しく解説します。
参照:4-1-3 浸水の予防・人命を守る家づくり、国土交通省
1. 盛土にしている
盛土(かさ上げ)とは、住宅を建てる前に土で敷地を高くすることです。敷地が周囲よりも高くなることで、水が氾濫した際の床上浸水を防げます。
水は高いところから低いところに流れるので、敷地が高ければ水が流れ込むことはありません!
ただし、盛土をする工事費が追加でかかり、土砂くずれが起こる可能性があります。また、建物の高さ制限にひっかかる場合や自治体への申請が必要です。
盛土をする際には、事前に盛土が可能かを調べたり、費用や条件をしっかりと確認したりするようにしましょう。
2. 家の基礎が高い
家の基礎が高いことも水害に強い家の特徴のひとつです。敷地全体は高くなくても、家全体が高いので床上浸水を防ぎやすくなるでしょう。
ただし、基礎部分が高くなると、建物の高さ制限(絶対高さ制限、斜線制限)の規制にひっかかるため注意が必要です。
また、規制内であっても、基礎部分を高くすることで隣家への日当たりに影響を及ぼすこともあります。基礎部分を高くする際には、ハウスメーカーや設計者としっかり相談するのがおすすめです。
建物の高さ制限については素人にはわからないので、ハウスメーカーの担当者に聞くと安心ですね!
3. 家が高壁で囲まれている
防水性のある塀を使って家全体を囲むことで水害に強い家になります。塀をつくることで、敷地内への水の侵入を防げます。
一般の家屋で見かけることは現状では少ないですが、今後広まっていく可能性がありますよ。
たとえば、車庫や玄関の入り口が道路よりも低い位置に設計されている場合に有効です。家の高さは変わらないので、高さ制限にひっかかることも、隣家と日当たりトラブルになることも少ないでしょう。
ただ、塀をつくることによって家の日当たりが悪くなる可能性があります。
4. 建物自体が防水になっている
外壁に耐水性の高い外壁を設けることで、建物が水に浸かっても内部に被害が及びにくくなります。玄関や窓も防水性が高く、密閉できる仕様にすることで浸水を防げるでしょう。
家の中に水が入ると家具や家電にも影響が出てしまうので、内部への浸水は防ぎたいですね!
ただし、水位が上昇することで建物が浮き上がる可能性があります。浮き上がりを防ぐためには、基礎部分の接合をしっかりと行い、水害に強い家に仕上げましょう。
水害に強い家のエリア選びのコツ4選
水害に強い家を建てるためには、土地選びが重要です。水害が起きやすい土地にマイホームを建てた場合、いくら対策しても家族を守り切れない可能性があります。
こちらでは、エリア選びのコツを解説します。
- 海や河川の近くではない
- 埋立地に該当しない
- 周辺よりも高い土地である
- ハザードマップで土地の特徴を確認する
これから土地を購入する方は、ぜひポイントを押さえておきましょう!
1. 海や河川の近くではない
水害は、海や河川の近くで起きやすいです。なかでも、高潮や氾濫が発生する可能性が高くなります。
特に、海の近くだと津波被害も気になりますよね!
さらに、海や河川の付近の土地は長い間水に接しています。地盤自体が弱くなっており、災害に巻き込まれやすいといえます。
水害への対策を考えるのなら、できるだけ海や河川から離れた場所を選びましょう。
ただし、高い堤防がつくられている場合は、水害対策が十分にされており、安全に家を建てられる可能性があります!
2. 埋立地に該当しない
埋め立て地は、海や川であった土地を埋め立ててつくられています。そのため、地盤が緩く水害が起こりやすいといわれています。
なかでも、地盤沈下や液状化現象が起こりやすく、最悪の場合には家が傾いてしまいます。
地盤沈下や液状化現象による家の傾きを直す場合は、200~1,000万円程度の修繕費が必要です!
候補の土地が埋め立て地かどうか調べるためには、古地図を使用して以前の状況を調べるのがおすすめです。国土交通省が「古地図コレクション」というサイトを公開しているので、参考にしてみてください。
3. 周辺よりも高い土地である
土地を選ぶ際には、周辺住宅や環境より高いかをチェックする必要があります!
水は、高い場所から低い場所に向かって流れるため、高さのある土地では水害に遭う可能性が低いです。
土地の高さを調べる際には、不動産屋に聞いてみたり、実際に足を運んだりして確認しましょう。
4. ハザードマップで土地の特徴を確認する
ハザードマップとは、地域の災害リスクを可視化するための地図です。水害だけでなく、地震や火山噴火などの災害の起こりやすさを確認できます。
ハザードマップがあれば、発生するであろう災害を予測できるということですね!
ハザードマップは、国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」から確認できます。無料で閲覧できるので、一度確認してみてください。
水害に強い家にするための7つの工夫
水害に強い家にするための工夫は、主に以下の7つです。
- 周辺よりも高い位置に建築する
- リビングやキッチンなどの設備を2階や3階にする
- 避難用に屋上スペースをつくる
- 電気設備を高い位置に設置する
- 浸水口に土のうを敷く
- 外壁や屋根のメンテナンスを定期的に行う
- 側溝や雨どいを定期的に掃除する
それぞれ詳しく解説します。
1. 周辺よりも高い位置に建築する
水は高い場所から低い場所へ流れるので、低い土地は水害の被害に遭いやすいです。
家を建てる土地が周囲よりも高いか低いかどうかは、地図情報や海抜、標高などで確認するようにしましょう。また、ハザードマップで土地の安全性を確認しておくと安心です。
関連記事「【保存版】買わない方がいい土地の10の特徴!いい土地を選ぶコツやチェックリストも紹介」では、避けるべき土地の特徴を徹底解説しています。ぜひチェックしてみてください!
2. リビングやキッチンなどの設備を2階や3階にする
水害に強い家にするためには、リビングやキッチンなどの設備を1階ではなく、2階や3階に設置するのがおすすめです。自宅が浸水して1階部分が使用できなくなっても、生活の基盤が2階にあれば被害を抑えられます。
1階を駐車場や寝室などにしておけば、自宅内の家具や家電などへの影響を最小限にできますね!
一般的に地面から1階の天井までは高低差が3mあるので、浸水深が3mのエリア内であれば、2階までの浸水は防げます。
3. 避難用に屋上スペースをつくる
浸水予想が3mを超えて、2階以上まで浸水する可能性がある際には、避難用に屋上スペースをつくりましょう。水害の際には、垂直避難が重要です。
垂直避難とは、水害時に身の安全を確保するために自宅や居住建物の上階へ上がることです。
屋上があれば短時間で高い場所に避難でき、命を守る行動ができます!
4. 電気設備を高い位置に設置する
エアコンの室外機や分電盤、温水ヒーターなどの電気設備を高い位置に設置しておけば、浸水しても故障を防げます。
分電盤は、電力会社から送られてくる電気を変換して各部屋や階に分配する装置であり、浸水すると電気が一切利用できません。
インフラにかかわるものを高い位置に設置しておくことで、災害時の生活が救われることがあるでしょう。
5. 浸水口に土のうを敷く
玄関といった水の侵入口を土のうで塞ぐことで、自宅への浸水を防げます。土のうを隙間なく敷き詰めて、互い違いになるようにずらして積み重ねると効果的です。
また、ブルーシートも一緒に利用するとより浸水を防げます。
土のうはホームセンターにも売っているので、すぐに対策できますね!
土のうがない場合には、ポリタンクやプランターをレジャーシートに巻いて利用できます。土のうを保管しておく場所がない場合や土がない場合には、水で膨らむ土のう袋の利用もおすすめです。
6. 外壁や屋根のメンテナンスを定期的に行う
外壁や屋根が劣化すると雨水が家の中に染み込んだり、雨漏りが発生したりする可能性があるため、メンテナンスを定期的に行いましょう。外壁のひび割れがないか、屋根に破損がないかを確認しておくのがおすすめです。
メンテナンスを定期的に行っておくと、台風や豪雨のときにも安心ですね!
費用はかかりますが、万が一の際に安心して過ごすためには定期的なメンテナンスが必要です。
外壁については、関連記事「【一覧表】新築外壁の種類・色の選び方!素材別の特徴や費用の目安を解説」で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください!
7. 側溝や雨どいを定期的に掃除する
側溝や雨どいに落ち葉やゴミなどがあると、排水がうまくいかない場合があるので、定期的に掃除をしましょう。掃除するタイミングを1ヶ月に1回や、2ヶ月に1回と決めておいて、ゴミで側溝などが詰まらないようにするのがおすすめです。
側溝の掃除は大変ですが、定期的に行っておくと災害時にも安心して過ごせますね!
ここまで、水害に強い家の特徴と対策を紹介しましたが、本当に大丈夫なのか不安に感じる方もいるかもしれません。
水害に強い家を建てたいけれど、どうすればよいか迷っている方は「すーさんの相談窓口」を活用してみてください。ハウスメーカーで15年にわたり数々の相談に乗ってきた家づくりのプロが、水害に強い家にするための秘訣をお伝えします。
ポイントだけでなくおすすめのハウスメーカーも紹介できます。相談は無料なので、お気軽にご連絡ください!
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水害に強い家をつくれるおすすめのハウスメーカーランキングTOP5
水害に強い家を建てられるおすすめのハウスメーカーと商品を5つ紹介します。
- 一条工務店|耐水害住宅
- ユニバーサルホーム|床下浸水がありえない家
- ヤマダホームズ|水害対策仕様の家
- サンヨーホームズ|水害に負けない安心の暮らし
- へーベルハウス|ロングライフZEH
順番に見ていきましょう。
なお、おすすめのハウスメーカーについては、関連記事「【2023年最新】ハウスメーカーのおすすめ20選!失敗しない選び方やよくある質問も解説」で解説しています。ぜひチェックしてみてください!
1位. 一条工務店|耐水害住宅(水に浮く家)
一条工務店の「耐水害住宅」は、水害による浸水・逆流・水没・浮力にそれぞれ対応した世界初(※)の住宅です(※2020年8月一条工務店調べ)。
2020年から販売を開始しており、水の浸入を防いで災害後すぐに生活復旧可能であると評価されています。
水害時の4つのリスクに対応しているので、水害にあっても被害を最小にできるでしょう。
一条工務店は、標準仕様をモデルハウスで確認できるので、気になる方は展示場に足を運んでみるのもおすすめです!
2位. ユニバーサルホーム|床下浸水がありえない家
ユニバーサルホームの「床下浸水がありえない家」は、床下空間が全くない独自構造をしており、水害や地震に備えられます。
床下を土、砂利、コンクリートで密閉しています。
床下が密閉されていることで、床下浸水だけではなく、振動やシロアリに対しても強い家を建てられるでしょう。
3位. ヤマダホームズ|水害対策仕様の家
ヤマダホームズの「水害対策仕様の家」は、1階床下浸水レベル(地盤より1m浸水)未満を想定し、浸水ハザードマップで確認した浸水水位以上の高さの塀を設置しています。
また、浸水した場合には排水しやすい工夫を施し、被害を最小限にするような設計を実現。浸水した場合にも生活が維持できるような間取り(2階にキッチンや浴室)や、1階と2階の分電盤を分割させるなどの対応も可能です。
避難用のバルコニーの設置についても相談できます!
4位. サンヨーホームズ|水害に負けない安心の暮らし
サンヨーホームズの「水害に負けない安心の暮らし」では、1階をRC(鉄筋コンクリート)造でガレージやフリースペースにし、2~3階をリビングやダイニングなどの居住空間にすることで、万が一浸水しても早期回復が可能です。
また、2~3階を軽量鉄骨造にすることで地震や台風の衝撃に耐えられ、外壁は火災の延焼も防げます。
RC造は浸水しても躯体の強度は落ちないため、安心して住み続けられますよ!
5位. へーベルハウス|ロングライフZEH
へーベルハウスの「ロングライフZEH」は、旭化成独自の素材である「ネオマファーム」とALCコンクリート「へーベル」を使用し、災害に強いとされています。
また、太陽光発電と蓄電池によりエネルギーを生み出せるため、災害時も日常生活を維持しやすいでしょう。
へーベルハウスの住宅は、2015年9月の「平成27年9月関東・東北豪雨」の際、決壊した堤防からわずか100メートルほどの場所に建てられていたにもかかわらず、洪水に耐えたことで話題になりました。
災害に遭った場合にも、太陽光発電があることで電気を利用できますね!
水害にあった際に利用できる2つの保証制度
水害への対策をしていても、災害に巻きこまれる可能性はゼロにはなりません。こちらでは万が一のことが遭った際に利用できる保証制度を2つ紹介します。
- 公的支援制度
- 民間の保険
順番に見ていきましょう。
1.公的支援制度
水害にあった場合、国から支援金を受け取れる場合があります!
住宅の被害程度に応じて支給される支援金は、以下のとおりです。
被害程度 | 支援額 |
---|---|
全壊等 | 100万円 |
大規模半壊 | 50万円 |
また、家を再建する場合は、以下のように条件付きで支援金を受け取れます。
被害程度 | 支援額 |
---|---|
建築・購入 | 200万円 |
補修 | 100万円 |
賃借(公営住宅除く) | 50万円 |
国から支援金が出るのはありがたいですね!
2. 民間の保険
民間の火災保険には、水災の付帯が可能です。加入していた場合、契約に応じて保険金を受け取れます。
なお、水災では、主に以下の種類が補償範囲とされています。
- 洪水
- 高潮
- 土砂崩れ
ただし、保険金額や補償内容は保険会社によって異なるため、水害に遭ったからといって必ず受け取れるわけではありません!
また、水災を付帯する場合は、火災保険にプラスで料金がかかります。
水害に強い家をつくり家族の安心安全な生活を確保しよう
水害に強い家を建てる前には、水害に強い家の特徴、対策を把握しておくことが重要です。まずは、ハザードマップを確認し、建築する土地が災害に強い場所かどうかを確認するのがおすすめです。
とはいえ、初めて家を建てる方にとっては、土地選びや水害に強い家を建てられるかどうかの判断は難しいでしょう。
住んでいる地域にあった対策や土地選びについてわからない方は、専門家に相談するのがおすすめです。土地にあった対策や、土地選びについてもアドバイスをしてくれます。
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