「つなぎ融資は金利が高くてもったいない気がする」
「家を建てる前にお金が必要なことを知らなかった」
「つなぎ融資はどんなときに使うのがおすすめ?」
つなぎ融資は、家を建てる前の土地購入費や中間金など、まとまったお金が必要な際に利用できるものです。住宅ローンを受けるまでのつなぎとして利用できますが、金利が高く手数料がかかるなどのデメリットもあります。
つなぎ融資を利用する際は、本当に必要なのかを見極めて使うことが大切です。
この記事では、15年以上の住宅販売の経験がある筆者が、以下の内容を解説します。
- つなぎ融資と住宅ローンの違い
- つなぎ融資のメリット
- おすすめな人
つなぎ融資を使おうか迷っている方は、最後までご覧ください!
つなぎ融資とは?住宅ローンや分割融資との違いを解説
つなぎ融資とは、注文住宅を建てる際、土地購入費や中間金など事前に用意しなければならないお金を融資するものです。手元に資金がなかったり、経済的な余裕がなかったりする場合におすすめです。
つなぎ融資は以下の2つと混同されることがあります。
- 住宅ローン
- 分割融資
ここからは、つなぎ融資とこれらの違いを解説します。順番に確認しましょう。
住宅ローンとの違い
つなぎ融資 | 住宅ローン | |
---|---|---|
条件 | 住宅ローンの審査が完了している | 金融機関の定める条件を満たす |
金利 | 2~4% | 0.5~1% |
融資が実行されるタイミング | 融資が必要なタイミング | 住宅の引き渡し後 |
融資実行後の支払い | ・利息は毎月、元金は住宅ローン実行時に返済 ・利息と元金を住宅ローン実行時に一括で返済 | 住宅の引き渡し日から開始 |
住宅ローン控除 | 対象外 | 対象 |
住宅ローンは建物が完成してから融資が実行されますが、つなぎ融資は物件が完成する前に受け取れます。工事するための着手金や中間金がなくても、つなぎ融資を利用すれば家づくりが可能です。
つなぎ融資は住宅が完成するまでの短期間で借りるのが一般的ですが、住宅ローンは何十年も返済期間があります。つなぎ融資は住宅ローン控除が利用できず、金利や手数料が高いのも特徴です。
家の引き渡しまでに手元に資金がなければ、つなぎ融資を利用するんですね!
家を買う際の注意点については関連記事「【失敗しない】家を買う前に絶対に知っておきたい3つの注意点!物件の種類や住宅ローンなど4つのシーン別に紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
分割融資との違い
つなぎ融資 | 分割融資 | |
---|---|---|
条件 | 住宅ローンの審査が完了している | 特になし ※金融機関によっては取り扱いがない |
金利 | 2~4% | 0.5~1% |
融資が実行されるタイミング | 融資が必要なタイミング | 融資が必要なタイミング |
月々の支払い | ・利息は毎月、元金は住宅ローン実行時に返済 ・利息と元金を住宅ローン実行時に一括で返済 | 融資実行の翌月以降 |
住宅ローン控除 | 対象外 | 条件を満たせば対象 |
諸費用 | あり | あり ※登記を2回行うため費用が高くなりやすい |
分割融資は、住宅の引き渡し前の資金も融資してくれる住宅ローンのひとつです。つなぎ融資よりも金利が安く、住宅ローン控除も使えるためお得に感じる方もいるでしょう。
しかし、取り扱っている金融機関が少なかったり、諸費用が高くなりやすかったりするデメリットもあります。
つなぎ融資と分割融資とどちらがいいか迷ったときは、2つの違いを比較してみてください。
つなぎ融資がもったいないと言われる5つの理由
つなぎ融資がもったいないと言われる理由は以下の5つです。
- 住宅ローンよりも金利が高い
- 住宅ローン控除が使えない
- 手数料がかかる
- 銀行によっては対応していないことがある
- 借り入れ期間が設定されている
理由をチェックして利用するかどうかを考えましょう。
1. 住宅ローンよりも金利が高い
つなぎ融資のほとんどは無担保で、借り入れ期間が短いため金利が高くなりやすいのが特徴です。住宅ローンの金利は0.5〜1%ですが、つなぎ融資の金利は2〜4%と4倍近くも高くなってしまいます。
金利が高いと返済の負担が重くなりますね!
借り入れ額が増えるとその分金利も上がるため、つなぎ融資を利用する際は返済の目途を立てておかなければなりません。
金利のことを考えずに借りてしまうと、マイホームの引き渡しまでの負担が重くなるため注意しましょう。
2. 住宅ローン控除が使えない
つなぎ融資は、住宅ローン控除の条件を満たしていないため使えません。
住宅ローン控除を受けるための条件のひとつに「返済期間が10年間あること」があります。つなぎ融資の契約期間は最長でも1年ほどなので、条件を満たせず使えないのです。
住宅ローン控除は、年末の時点で住宅ローン残高のうち0.7%が最長13年間控除されるため、ほとんどの人が利用しています。
つなぎ融資に続いて住宅ローンを利用する場合は、条件を満たしていれば控除の対象になります!
3. 手数料がかかる
つなぎ融資の手数料が約10万円かかる場合があるため、負担が重くなりがちです。住宅ローンと同様の手続きが必要な場合が多く、保証料もあわせると約20万円になることも。
つなぎ融資を利用する際は、手数料が必要なため余分な負担が増えるのがデメリットです。
利用に手数料がかかるのは大変ですね!
つなぎ融資を利用する際は、手数料をチェックして本当に必要なのか考えてみましょう。マイホームの引き渡しまでにお金がかかりすぎてしまうと、住宅ローンの負担も重くなってしまいます。
4. 銀行によっては対応していないことがある
つなぎ融資は借りられる銀行が限られます。以下の銀行はつなぎ融資を行っているので、チェックしておきましょう。
- イオン銀行
- 楽天銀行
- ソニー銀行
- 新生銀行
つなぎ融資を住宅ローンと別の銀行にすると、手続きが複雑になることもあるため、できれば同じ金融機関で借りるのがおすすめです。家を建てる前につなぎ融資を利用することが決まっている場合は、事前に対応しているか金融機関に問い合わせてみてください。
家を建てる前に、必要な費用についておおまかな目安を立てておくと安心です!
5. 借り入れ期間が設定されている
つなぎ融資には、あらかじめ借り入れ期間が設定されています。
工事のスケジュールが遅れると利息が追加されたり、手数料が必要だったりする場合もあるので注意しましょう。大幅な遅れがあると負担が大きくなるため、ハウスメーカーと相談しながら工期には余裕を持っておくと安心です。
つなぎ融資を借りようか迷っている方は「すーさんの相談窓口」までご相談ください!
「すーさんの相談窓口」では、あなたの状況にあわせてつなぎ融資が本当に必要なのかアドバイスできます。家づくりに不安がある方からの相談もお待ちしております!
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もったいないと言われるつなぎ融資の3つのメリット
もったいないと言われるつなぎ融資のメリットは以下の3つです。
- 手元に資金がなくても家づくりができる
- 今の住居を売らなくても新居を買える
- 担保が不要な場合もある
つなぎ融資を借りれば、手元に資金がなくても家づくりができるため、経済的な不安がある方におすすめです!
メリットをチェックして利用するかどうかを考えましょう。
1. 手元に資金がなくても家づくりができる
つなぎ融資は、マイホームが完成する前に必要な資金を借りられるものです。
たとえば、注文住宅は物件が完成する前に数回資金を支払う必要があるため、手元にお金がなければ支払えないこともあるでしょう。
手持ちの資金をすべて使ってしまうと、その後の生活を切り詰めなければならなかったり、不安を抱えながら暮らしたりしなければならないことも。そのようなときに、つなぎ融資を使えば、生活を切り詰めずにマイホームを購入できます。
つなぎ融資を借りれば、無理しなくてもマイホームが購入できるんですね!
なお、マイホームを建てる際にかかる初期費用に関しては関連記事「【メモ必須】マイホーム購入時にかかる初期費用の目安と内訳を解説!予算を抑える4つの方法も紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 今の住居を売らなくても新居を買える
つなぎ融資を使えば、今の住居を売らなくても新居を買えるため、余裕を持って家づくりができます。
住宅を買う際は以下の方法があります。
- 売り先行型:住んでいる住宅を先に売却する
- 買い先行型:新しい住宅を購入後に現在の住まいを売却する
売り先行型の場合、現在住んでいる住居を先に売却しなければならないので、新居を購入するまでの仮住まいが必要です。家づくりが長引いてしまうと、仮住まいの家賃が増えて負担が重くなることも。
買い切り型のつなぎ融資を利用すれば、現在の住居に住みながら新しい物件を購入できます!
余裕を持って家づくりするためにも、つなぎ融資は重要な役割を果たしているのです。
3. 担保が不要な場合もある
住宅ローンは担保が必要ですが、つなぎ融資は不要な場合がほとんどです。担保を用意する必要がないので、余計な手続きが不要なこともメリットのひとつ。
家づくりをする際は、手続きが多くて大変という方もいるのではないでしょうか。
つなぎ融資は、担保が不要な場合が多いので、新しく手続きを増やさなくても借り入れが可能です。
ただし、金融機関によって異なるため、事前にチェックしておきましょう。
もったいないと言われるつなぎ融資の利用がおすすめな人
もったいないと言われるつなぎ融資の利用がおすすめなのは、以下2つの条件に当てはまる人です。
- 親からの援助がない
- 住宅ローンが分割融資に対応していない
当てはまっているかどうかチェックしてみましょう。
1. 親からの援助がない
土地の購入費や着手金などを自己資金で補えない場合、つなぎ融資を使うのがおすすめです。親からの援助がなく、自己資金も少ない場合はつなぎ融資を使えばマイホームを建てられます。
自己資金をすべて事前費用に使ってしまうと、その後の生活を切り詰めなければなりません。イレギュラーな事態が起こる可能性もあるので、できるだけ必要な分は手元に残しておくと安心です。
親からの援助の有無を確認してから、つなぎ融資を利用するか考えるとよいですね!
つなぎ融資は自己資金がなくてもマイホームを建てられますが、その分金利が高かったり手数料が必要だったりと負担が重くなることも覚えておかなければなりません。
本当に必要か考えてから、つなぎ融資を利用しましょう。
なお、住宅ローン以外にかかるお金については関連記事「【内訳を知ろう】持ち家のローン以外にかかるお金の目安とは!負担を軽減する方法も解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 住宅ローンが分割融資に対応していない
住宅ローンが分割融資に対応していない場合は、つなぎ融資を使うのが有効です。住宅ローンは引き渡しの際に一括で実行されるのが一般的のため、手元に資金がないと注文住宅を建てられません。
しかし、分割融資に対応している住宅ローンなら、必要なときに融資を受けられるので、つなぎ融資を利用しなくても事前にお金を支払えます。
住宅ローンのタイプを事前にチェックしておきましょう!
家を建てる際の費用については関連記事「【要チェック】家を建てる費用は3,500~4,500万円!価格別のマイホームのイメージや注意点を解説」で解説しています。不安がある方はぜひチェックしてみてください!
もったいないだけじゃないつなぎ融資は必要に応じて使おう
つなぎ融資はもったいないと言われますが、人によっては使うのがおすすめな場合もあります。経済状況や援助の有無をチェックして、使うかどうか考えてみることが大切です。
つなぎ融資を使えば、手元に資金がなくてもマイホームを建てられます。
なかなか家づくりに踏み切れない方にとっては、背中を後押しするきっかけにもなるでしょう。
「すーさんの相談窓口」では、つなぎ融資が本当に必要なのかをあなたと一緒に考えます。つなぎ融資を利用して、負担が重くならないようなアドバイスも可能です。
つなぎ融資を利用しようか迷っている方は、ぜひお気軽にご連絡ください!