「平屋のメリットとデメリットは何?」
「2階建てと比較してどっちが住みやすい?」
「自分が平屋に向いているのか確認したい!」
平屋に住んだことがない人はメリット・デメリットがわからないので、2階建てとの比較も難しく感じるはず。ただ、平屋のメリット・デメリットを把握してから選ばないと、建てた後に後悔するかもしれません。

そのような不安を払拭するべく、この記事では大手ハウスメーカーに15年間勤めた経験のある僕が、以下の内容を解説します!
- 平屋に住むメリット・デメリット
- 平屋がおすすめな人の特徴
- 平屋と2階建てのメリット・デメリットを比較
ぜひこの記事を読んで、家づくりに役立ててみてください。


平屋に住む5つのメリット


平屋に住むメリットは、主に以下の5つです。
- バリアフリーで住みやすい
- 生活動線がシンプルで効率的である
- 家族同士のコミュニケーションが取りやすい
- 構造的に安定しており地震や風に強い
- 修繕費用を抑えられる
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. バリアフリーで住みやすい
平屋は階段がなくバリアフリーになっているので、小さな子どもや赤ちゃん、高齢者にとって住みやすい構造です。
階段からの転落事故は多く、家庭内で起きた不慮の事故による死因の3位となっています。
- 1位:溺死および溺水(40.4%)
- 2位:窒息(24.8%)
- 3位:階段からの転倒(18.6%)
小さな子どもや赤ちゃん、高齢者がいる家庭は、平屋であれば安心して過ごせます。



子どもや赤ちゃんを抱っこしながら階段を昇り降りするのは大変ですよね!



平屋であれば、年を取ってからも転落や転倒のリスクを減らせますよ!
2. 生活動線がシンプルかつ効率的である
平屋は階段がなく上下移動がないため、生活動線がシンプルであり、効率的に家事ができます。
たとえば洗濯をする場合、2階建てであればまず1階の洗濯機置き場から洗濯物を2階へ運びます。そして2階で洗濯物を干し、1階のクローゼットに収納をするので、労力がかかるでしょう。



洗濯物は濡れていると結構重いので、階段を上るのも大変に感じますよね!
また、掃除機をかける際は1階と2階を行き来したり、階段の掃除をしたりする必要があるため負担に感じることもあります。



平屋は生活動線がシンプルなので、家事をするのも楽に感じるでしょう!
3. 家族同士のコミュニケーションが取りやすい
平屋では家族が全員1階にいるため、コミュニケーションが取りやすい傾向です。リビングをとおってすべて部屋に行くような配置にすれば、家族全員が話をする機会を持ちやすくなります。



子どもが学校から帰って来た際に、気づかないうちに自室に入っていることも少なくなるでしょう!
家族同士のコミュニケーションを円滑にしたいと思っている方におすすめです。
4. 構造的に安定しており地震や風に強い
平屋は1階部分に上からの荷重が少なく、建物の構造が安定しており、耐震性が確保されています。
また、建物が低いため耐風圧性にも優れています。



地震が起きたときに、1階よりも2階や3階のほうが揺れが大きくなることをイメージするとわかりやすいですよね!
また、台風の通過数が多い沖縄県に平屋が多いことからも、平屋が風に強いこともわかります。地震や台風に強い構造の家に住みたい方に平屋はおすすめです。



平屋であれば、地震による倒壊のリスクも減らせます!
5. 修繕費用を抑えられる
平屋は2階建てに比べてメンテナンスする面積が少ないため、修繕費用を抑えられます。新築で建築しても、10年や15年も経てば外壁の補修や塗装が必要になり、雨風の影響が多い地域であれば屋根の修繕も必要に。



平屋は建物の外壁や屋根の修繕の際に、大規模な足場を組む必要がないため、2階建てよりも費用が抑えられるのです!
なお、新築一戸建ての修繕費の参考費用は以下のとおりです。
平均修繕費 | |
---|---|
木造 | 470.2万円 |
鉄筋・鉄骨造 | 617.7 万円 |
平均総額 | 532.1万円 |
参考:2021年“新築一戸建て購入後30年以上住んでいる人に聞く「一戸建て修繕の実態」調査”|トレンド調査の調査データ|アットホーム株式会社



修繕費用は結構かかりますが、平屋は2階建てと比べて費用を抑えられて魅力的ですね!
平屋に住む5つのデメリット


反対に、平屋に住むデメリットには以下の5つが考えられます。
- 敷地面積が必要である
- 建築費用が高くなる
- 水害の被害に遭うリスクがある
- 日当たりや風通しが悪くなる可能性がある
- 防犯やプライバシーへの確保が必要である
それぞれ詳しく解説します。
なお、平屋に住むことに不安を感じている方は、関連記事「【保存版】平屋はやめたほうがいいと言われる7つの理由!評価する7つの理由も紹介」をご覧ください。


1. 敷地面積が必要である
広い平屋を建てる場合、広い敷地が必要です。たとえば、2階建てと同じ床面積の家を建てようと思ったら、2倍の広さの敷地が必要になります。
また、土地は地域によって建ぺい率が定められており、30〜80%と決まっています。



建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。広い土地でも建ぺい率が低い地域であれば、建築面積を広くできないため注意が必要です!
なお、家族の人数によって必要な家の広さは変わります。
国土交通省の住生活基本計画を参考にすると、誘導居住面積(世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準)がわかります。
誘導居住面積の種類 | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
---|---|---|---|
都市居住型(都心とその周辺) | 55㎡ | 75㎡ | 95㎡ |
一般型(郊外や都市部以外) | 75㎡ | 100㎡ | 125㎡ |
4人家族に必要な居住面積である125㎡を建てようと思うと、建ぺい率50%の土地なら250㎡(75.62坪)、建ぺい率60%なら208.3㎡(63.01坪)の土地が必要です。4人暮らしが居住する平屋を建てるためには、最低でも60坪ほどの土地を用意する必要があるのです。



広い面積が取れない場合や、建ぺい率が低い地域では平屋の建築は難しくなります!
2. 建築費用が高くなる
平屋は2階建てと同じ延べ床面積を建てる場合に、2階建てよりも建築費用が高くなります。屋根と基礎は工事単価が高いため、基礎部分の面積が大きい平屋は建築費用がかかってしまうのです。



ただ、基礎部分の面積が大きいと地震に強いメリットもあるため、耐震性に優れた家に住みたい方におすすめです!
建築費用は高くなりますが、耐震性に優れた家に住みたい方は平屋を検討してみてください。



地震が多い日本だと、費用がかかっても耐震性に優れていることはメリットですね!
3. 水害の被害に遭うリスクがある
平屋は、台風や豪雨による河川の氾濫などで起こる床上浸水や床下浸水のリスクは高めです。また、2階建てのように上に逃げられないため、垂直非難ができないデメリットもあります。
ハザードマップを確認し、水害が起きそうな場所を避けて高所を選んで建築しましょう。



ハザードマップで土地の高さを確認してから、建築するのがおすすめです!
4. 日当たりや風通しが悪くなる可能性がある
平屋は、周囲に高い建物があると日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。



平屋を建てる場合には、周囲にどのような住宅があって、住宅がない場合にも今後どれぐらいの住宅が建てられるか(建ぺい率)を調べておくとよいでしょう!
また、日当たりや風通しをよくするためには、「コの字型」や「L字型」の間取りにすることで解決します。
5. 防犯やプライバシーへの確保が必要である
平屋は1階部分だけであり、窓が多いので防犯面で配慮する必要があります。道路といった外部からの視線も届きやすいため、間取りの工夫が求められます。
防犯やプライバシーへの対策は、以下のとおりです。
- 防犯ガラスにする
- 防犯フィルムを貼る
- 面格子を設置する
- 補助錠をつける
- 防犯カメラを設置する
- 人感センサーを設置する
- 防犯砂利(踏むと大きな音が出る砂利)を敷く
- 防犯シャッターをつける
- 目線の高さに植木や塀を設置する
- 大きな窓や庭が道路に面しないようにする
このような対策を行えるかどうかは予算や立地によっても異なるため、建築する前にはハウスメーカーや建築士に相談する必要があります。



すーさんに相談すれば、今回ご紹介した内容以外にも平屋のメリット・デメリットを教えてもらえますよ!
営業マンとして豊富な経験を持ち数多くの家を売ってきたからこそ、家づくりの失敗談を熟知しています。これから理想のマイホームを立てたい方は、ぜひお気軽にご相談ください!
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平屋のデメリットを解消する2つの方法


平屋のデメリットを解消する方法として、以下の2つが有効です。
- 「コ」の字型にして日当たりや風通しをよくする
- 「く」の字型にしてプライバシーを確保する
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. 「コ」の字型にして日当たりや風通しをよくする
中庭を囲むように「コ」の字型の間取りにすることで、日当たりや風のとおりがよくなります。



窓の位置も重要であり、1か所設置したらその反対側に窓をつくると風がとおり抜けて、効率よく空気を入れ替えられます!
また、大きな窓の開口部を中庭側に設けることで防犯面も強化可能です。
2. 「く」の字型にしてプライバシーを確保する



「く」の字型の間取りで内側に庭をつくることで、道路側からの視界を遮ってプライバシーを確保できます!
平屋によく見られる長方形ではなく、少しだけ曲げたくの字型にして、敷地の道路側に建物を建てるようにします。長方形よりも建物が縦に長くなるため生活動線は長くなりますが、玄関を家の中心にすることで動線の調整が可能です。
外からの視線が気になる方は「く」の字型の間取りも検討してみてください。
メリット・デメリットからわかる平屋がおすすめな人の特徴


今まで上げた平屋のメリット・デメリットからわかる平屋がおすすめの人の特徴は、以下の3つです。
- 子育てや介護をしている人
- 家族の人数が少ない人
- 開放的な空間で過ごしたい人
それぞれ詳しく見ていきましょう!
1. 子育てや介護をしている人
平屋には階段がなく、小さな子どもや赤ちゃんがいる人でも転落の心配なく過ごせます。子どもを抱っこしたまま階段を登り降りする必要もないので、親の負担も大幅に減らせます。
また、介護が必要な高齢者にとっても階段や段差がないバリアフリーであれば、車椅子を使用していても移動がスムーズに行えるでしょう。



長い期間住むことを考えると、平屋では安心して過ごせますね!
2. 家族の人数が少ない人
家族の人数が少なければ部屋の数を多くする必要がないため、平屋でもゆったりとした空間で過ごせます。
家族の人数が少なければ、必要な家の広さも狭くてすみます。



家族が少なければ、狭い土地でもゆったりとした空間で過ごせますよ!
3. 開放的な空間で過ごしたい人
平屋は仕切りを減らすことで部屋全体を広くでき、部屋数を減らすと開放的な空間をつくれます。



敷地面積が広く天井を高くできるため、2階建てよりも家全体を広く感じられるような設計にしやすいでしょう!
開放的な空間でゆったりとした生活を送りたい方に平屋はおすすめです。
平屋と2階建てのメリット・デメリットを比較


ここでは、平屋と2階建ての比較一覧を紹介するので、どちらが自分にあうのか検討する材料にしてみてください。
平屋 | 2階建て | |
---|---|---|
メリット | ・赤ちゃんから高齢者まで住みやすい ・上下移動がなく家事動線が効率的 ・家族同士のコミュニケーションが取りやすい ・高さがないので耐震性に優れる ・高い足場は不要なため修繕費を抑えられる ・コの字で日当たりがよくなる | ・2階は日当たりに問題なし ・敷地面積は小さくも大丈夫 ・建築費用を抑えられる ・プライベートな空間をつくりやすい ・水害時に2階に避難できる |
デメリット | ・建築に広い面積が必要 ・建築費用が高くなる ・水害の被害に遭うリスクがある ・日当たりや風通しが悪くなる可能性がある ・防犯やプライバシーへの確保が必要である | ・赤ちゃんも高齢者も転倒・転落のリスクがある ・上下移動があるため、家事動線が非効率な場合がある ・2階は1階よりも揺れる ・平屋よりも20~30%修繕費用がかかる |



どちらもメリットとデメリットがありますが、自分が何を優先したいかで選択は異なります!
なお、平屋と2階建ての比較は関連記事「【迷わない】平屋と二階建てどっちがいい?メリット・デメリットや決めるポイントを徹底解説」でより詳しく解説しています。ぜひご覧ください!


平屋のメリット・デメリットを把握して後悔のない家づくりをしよう


平屋にはメリットもありますが、デメリットもあります。平屋のメリットとデメリットを把握して、自分にあっているかどうかを考えましょう。



平屋と2階建てとの比較も参考にして、自分がどのような生活をしたいかを考えてみてくださいね!
とはいえ、自分だけでは判断できない場合も多いでしょう。迷った場合には、家づくりの経験が豊富な専門家に相談してみてください。



私は、大手ハウスメーカーで15年間勤務して、家づくりを学んだプロです。どんな小さな疑問や悩みに対しても、経験をもとにお答えします!
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