「オール電化とガス併用どちらにすべきか悩んでいる」
「電気だけでリスクはないのかな?」
「初期費用が高そうで心配」
オール電化とは、電気のみで家のエネルギーをまかなう設備のことです。
新築の際に、オール電化を検討している方は多いのではないでしょうか。
しかし、ガス併用と比べてどれだけメリットがあるのかよくわからないという方も多いでしょう。そこでこの記事では、新築のオール電化について以下の内容を解説します。
- ガス併用の費用比較
- オール電化の魅力と注意点
- 迷った際に判断するポイント
オール電化とガス併用の違いをわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみくてださい!
新築のオール電化とガス併用の費用を2つの観点で比較
オール電化とガス併用では、費用面ではどのような違いがあるのでしょうか。こちらでは以下の2点から比較していきます。
- 初期費用
- ランニングコスト
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 初期費用
オール電化とガス併用の新築を比較すると、初期費用に大きな差があります。以下の表に、オール電化とガス併用の工事費を含む費用をまとめました。
給湯機 | コンロ | 合計 | |
---|---|---|---|
オール電化 | エコキュート 30~60万円 | IHクッキングヒーター 10~30万円 | 40~90万円 |
ガス併用 | ガス給湯器 10~20万円 | ガスコンロ 8~15万円 | 18~35万円 |
オール電化は、エコキュートやIHクッキングヒーターなどの機器の購入や工事費が比較的高額です。そのため、初期費用は40~90万円が目安となります。一方で、ガスで使用する給湯器やコンロは比較的安価で、18~35万円程度で済みます。
オール電化は初期費用が高くつくのですね。
また、床暖房や太陽光発電システムの導入が加わると、さらに費用がかさみます。
床暖房は12〜20畳で50〜110万円、太陽光発電は7〜10kWで200〜280万円といった価格帯です。ただし、このような設備は、生活スタイルや予算に応じて採用するかを選択可能です。
2. ランニングコスト
ランニングコストの面では、オール電化がガス併用に比べて安価です。以下の表は、世帯員数別の両者の光熱費の比較です。
なお、表の数値は、関西電力のデータ「オール電化プランの会員のデータ」及び「総務省統計局「家計調査 家計収支編 2021年 世帯人員・世帯主の年齢階級別」を参考に算出しています。
1人暮らし | 2人暮らし | 3人暮らし | 4人暮らし | |
---|---|---|---|---|
オール電化 | 10,777円 | 13,406円 | 14,835円 | 16,533円 |
ガス併用 | 9,134円 | 13,406円 | 16,754円 | 17,617円 |
表からは、オール電化の月々の光熱費はガス併用よりも1,000~2,000円安くなることがわかりますね!
オール電化の電気代が安くなる理由としては「深夜電力の活用」などが挙げられます。電気代の安い深夜にお湯を沸かし貯湯器に貯めることで、光熱費を抑えられます。
太陽光発電システムを導入すれば、さらに電気代を抑えることが可能です。
初期費用はガス併用の方が低く抑えられる一方で、オール電化は長期的なメリットを見込んで選ばれることが多いですね!
光熱費が抑えられる家づくりについては、関連記事の「【最初が肝心】光熱費がかからない家を建てる7つのポイント!ランニングコストを抑える設備も紹介」でも詳しく解説しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
オール電化の新築住宅の5つの魅力
オール電化は、ランニングコストが安くなる以外にも多くの魅力があります。こちらでは、以下の5つの魅力を紹介します。
- 火事や一酸化炭素中毒の事故が起こりにくい
- 光熱費をまとめられる
- 太陽光発電システムを導入しやすい
- 電気はガスに比べて災害後の復旧が早い
- 災害時に断水しても貯湯器の水が使える
一つひとつ見ていきましょう。
1. 火事や一酸化炭素中毒の事故が起こりにくい
オール電化住宅のメリットの一つは、火を使わないことによる火事のリスクが低いことです。IHクッキングヒーターは磁力線の働きで熱を出すため、衣類やカーテンなどに火が燃え移る心配がありません。
また、ガスの不完全燃焼による一酸化炭素中毒も起こらないのがポイントです。
小さい子どもや高齢者がいる家庭では安心感がありますね!
安全性を重視する家庭にとって、オール電化は非常に魅力的です。
2. 光熱費をまとめられる
オール電化にすると、光熱費を電気代一つにまとめられます。ガス代や灯油代を個別に支払う必要がなく、家計の管理が簡単になるでしょう。
複数の支払いが煩わしいと感じる方には、一本にまとめられることは大きなメリットです!
光熱費が一括管理できることで、節約の計画も立てやすくなります。
ちなみに我が家はオール電化を選択しました。どれくらいの電気代がかかるかを知りたい方は、ぜひチェックしてみてください!
3. 太陽光発電システムを導入しやすい
オール電化は、太陽光発電システムを効率良く利用できるメリットがあります。なお、作った電力は自宅で使用でき、余った場合には蓄電池に貯めておくことや電力会社へ販売も可能です。
そのため、災害時に電力が途絶えた場合でも、蓄電池があれば必要最低限の電力を使い続けることができます。
災害時に電気が使い続けられることは大きな安心ですね!
家庭用電力の自給自足が可能になるため、環境にも優しい選択です。
4. 電気はガスに比べて災害後の復旧が早い
災害時のライフラインの復旧は、電気がガスに比べて大幅に早くなります!
以下の表は、2011年に発生した東日本大震災と1995年の阪神淡路大震災の、電気とガスの復旧までにかかった日数を示しています。
東日本大震災 | 阪神淡路大震災 | |
---|---|---|
電気 | 6日 | 2日 |
ガス | 34日 | 61日 |
このように、電気でエネルギーをすべてまかなっているオール電化の家は、災害時にガス併用と比べて早くライフラインが復旧します。冷蔵庫や空調設備が使えないと日々の生活に影響を与えるため、復旧が早いことはオール電化の大きなメリットです。
なお、災害に強い家については、関連記事の「【安心の住まい】災害に強い家を建てる7つのポイント!土地の見極め方やおすすめ設備も解説」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
5. 災害時に断水しても貯湯器の水が使える
オール電化の家は、災害時に断水しても貯湯器の水を使用可能です。取水栓がついているため、電気が使えない状態でも水を利用できる設計になっています。
生活用水としてはもちろん、飲料水としても使用できるため、非常時の水の供給源として役立ちますね!
オール電化は、比較的復旧が早い電気でエネルギーをまかなえて、水を貯めておけることから、防災上のメリットが大きいと言えるでしょう。
とはいえ、自身のライフスタイルにオール電化が適しているか悩んでいる方がいるかもしれません。そのような方は、住宅のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
すーさんの相談窓口では、大手ハウスメーカーに15年勤務し、今では全国の住宅営業マンの講師を務める住宅のプロ「すーさん」が無料で家づくりのアドバイスをしてくれます。相談方法はLINEでメッセージを送るだけなので、お気軽に活用してみてください!
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オール電化の新築住宅の6つの注意点
オール電化には多くの魅力がある一方で、注意点もあります。こちらでは、オール電化を導入する際に知っておくべき注意点を紹介します。
- 電気代高騰のリスクがある
- 昼間の電気代が高い
- 停電になるとコンロや給湯器が使えなくなる
- 給湯・貯湯器の使い勝手が悪いと感じることがある
- IHクッキングヒーターで使えない調理器具がある
- ガス給湯に比べて広い設置スペースが必要
一つひとつ見ていきましょう。
1. 電気代高騰のリスクがある
オール電化の大きなリスクの一つは、電気代の変動です。実際に東京電力が発表している「平均モデルの電気料金」によれば、2016年9月には電気料金が6,076円だったのに対し、2022年8月には9,126円まで上昇しています。
近年の電気代高騰の原因は「原子力発電所の停止」といった国内事情や、「ウクライナ情勢」や「円安による燃料輸入価格の高騰」などの国外情勢が挙げられます。
節電を心がけることや太陽光発電システムを活用することなどで、対策をする必要があるでしょう。
ただし、自助努力だけでは電気代の上昇を防ぐことが難しいケースも多いです。
2. 昼間の電気代が高い
オール電化向けの料金プランでは、夜間の電気料金が安く設定されていますが、その分昼間の料金が高くなります。
「昼間に在宅している」「お湯を頻繁に使う」という家庭では、思ったほどコストダウンできないことがあります。
昼間に電気を多く使う場合には、オール電化のメリットが薄れることがあるため、ライフスタイルに合った料金プランを選ぶことが大切です。
3. 停電になるとコンロや給湯器が使えなくなる
オール電化住宅では、停電が発生するとコンロや給湯器も使えなくなります。ガス併用の住宅では停電中でもコンロや給湯器が使えることが多いですが、オール電化ではすべてを電気に依存しているため、完全に機能が停止するリスクがあります。
停電対策として、非常用の電力源や太陽光発電システムを併用することが効果的です!
4. 給湯・貯湯器の使い勝手が悪いと感じることがある
オール電化住宅では、貯湯器を利用して夜間の安い電力でお湯を沸かして貯める仕組みを採用しています。しかし、貯めたお湯を使い切ってしまうと、再度沸かすまでに時間がかかりすぐに使えないことがあります。
また、貯湯器を使った給湯は水道から直接供給されるガス給湯器に比べて水圧が弱いです。
特にシャワーなど一定の水圧が求められる場面では、不満を感じることがあるかもしれません。水圧に不安がある場合には、高圧タイプの給湯を選ぶと良いでしょう。
5. IHクッキングヒーターで使えない調理器具がある
オール電化住宅では、IHクッキングヒーターを使用することが一般的です。しかし、火を使わずに電磁波で鍋やフライパンを加熱するため、IHに対応した調理器具を使う必要があります。そのため、これまで使っていた鍋やフライパンが使えないことがあるでしょう。
また、火を使った調理に慣れている方にとっては、IHクッキングヒーターでは火力が物足りないと感じることがあるかもしれません。
火を使って料理をすることにこだわりがある方には、IHはやや不向きですね!
6. ガス給湯に比べて広い設置スペースが必要
オール電化住宅では、貯湯タンクを設置するため、ガス給湯器に比べて広いスペースが必要です。敷地が狭い家では、スペース確保が問題となることがあります。
家の規模や配置計画に応じて、貯湯タンクのサイズや設置場所を慎重に検討することが大切です。
特に狭小地での新築を検討している場合は、スペースに余裕を持って計画を立てることが求められます!
ただし、最近ではコンパクトサイズのエコキュートも登場しており、限られたスペースでも設置できるように工夫された商品が増えています。
新築時にオール電化にすべきか判断する4つのポイント
オール電化とガス併用にはそれぞれの特徴があります。以下の表に、7つの観点での比較をまとめたので参考にしてみてください。
オール電化 | ガス併用 | |
---|---|---|
初期費用 | 高額 | 安価 |
ランニングコスト | 安価 | 高額 |
給湯の使い勝手 | 再沸騰に時間がかかる水圧が低い | 水圧が高い |
調理の使い勝手 | IH専用の調理器具が必要 | 既存の調理器具が使える |
安全性 | 火事・一酸化炭素中毒のリスクが低い | 火事・一酸化炭素中毒への注意が必要 |
災害対応力 | コンロ・給湯が使えない復旧が早い貯湯タンクの水が使える | コンロが使える |
設置スペース | 貯湯タンク分広いスペースが必要 | コンパクト |
自身にどちらが適しているのか悩んでいる方は、以下の4つのポイントで比較検討してみてください!
- 初期費用とランニングコスト
- 電気を多く使う時間帯
- お湯の使用量
- 調理方法のこだわりと安全性
一つひとつ見ていきましょう。
1. 初期費用とランニングコスト
「初期費用」と「ランニングコスト」どちらを重視するのかを検討してみてください。
オール電化は初期費用が高くなりがちですが、ランニングコストを抑えられます。新築時にある程度のコストをかけられる方は、オール電化を選んだ方が将来的にコストダウンになるでしょう。
一方で、ガス併用は初期費用は抑えられますが、長期的なコストを考えるとオール電化よりも高くなります。新築時の予算に限界がある場合は、ガス併用を選択して、日常的な節約に努めることも選択の一つです。
家族の人数や使用する電力の量に応じて、どちらが得かを検討することが大切です!
2. 電気を多く使う時間帯
オール電化プランは、夜間の電気代が安くなるのが特徴です。エコキュートを使えば、夜間にお湯を貯めておき、昼間に使うことでコストを下げられます。
しかし、昼間の在宅が多い家庭では、節約につながらない可能性があります。昼間の電気の使用が多い場合は、ガス併用の方が生活スタイルに合う可能性が高いです。
生活スタイルに応じてどのプランが最適かを判断することが大切ですね!
3. お湯の使用量
エコキュートはお湯の使用量が多い家庭にとってメリットがありますが、少ない場合にはガス給湯器の方が経済的です。
例えば夫婦二人暮らしの場合、ガス給湯器でも十分な場合があります!
家族構成や使用するお湯の量に応じて、どちらのシステムが適しているかを検討するのがポイントです。無駄なく効率よく生活できるシステムを選びましょう。
4. 調理方法のこだわりと安全性
調理にこだわりがある方は、ガス火での料理を好む場合も多いでしょう。例えば、フライパンを強火で一気に熱したい場合、ガスコンロの方が適しています。
一方で、火を使わないIHコンロは、安全性が高いため、小さな子どもがいる家庭や高齢者のいる家庭に向いています。
調理のこだわりと安全性のバランスを考えて、どちらのシステムが自分たちに合っているかを見極めることが大切ですね!
新築でオール電化とガス併用のどちらにするか迷うなら専門家へ相談しよう
オール電化とガス併用のどちらが自身に適しているかは、人によって異なります。そのため、新築時の予算や昼間に在宅しているかを判断材料にして検討することが大切です。
ただし、判断するポイントはほかにも数多くあります。自身に最適なのはどちらかわからず、悩む方は多いでしょう。オール電化とガス併用のどちらが最適か判断できない方は、専門家への相談がおすすめです。
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