「軒天を木目にするとデメリットはある?」
「木目調の資材だと安っぽく見えるのではと心配」
「張り替えや塗り直しなどのメンテナンスが必要?」
軒天は目立つ場所ではありませんが、素材にこだわると高級感が出ますよね!
外観にこだわりがある場合、注文住宅を建てる際に軒天を木目にしたいと考えている方もいるでしょう。
しかし、軒天は屋外であるため劣化しやすいといったデメリットがあります。そのため、メンテナンス頻度を抑えたい方は、採用する資材選びが重要です。
そこでこの記事では、家づくりのプロが木目の軒天について以下の内容を解説します。
- 軒天の役割
- 無垢材を使用するデメリット
- 費用目安
- おすすめの資材とメーカー
無垢材のほかにも、木目にできる資材を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください!
軒天の役割とは?3つの性能を解説
軒天とは、家の外側に出ている屋根部分の天井のことを指します。軒裏という単語もありますが、指し示す場所は軒天と同じです。
地上から見上げると「軒天」、屋根の上から見下ろすと「軒裏」で、視点が異なるだけで同じ場所です!
軒天には重要な役割として、以下の3つの性能を備えています。
- デザイン性
- 耐久性
- 防火性
軒天材を選ぶ際のポイントにもなるので、しっかりと理解しておきましょう。
1. デザイン性
軒天に軒天材を用いることで、家のデザインに高級感や統一感をプラスできます。
細部にこだわることで、住宅に高級感が出ます!
なお、軒天材を選ぶ際は、壁の色と合わせるのが良いでしょう。外壁や軒天など家全体を木目調にすれば、ナチュラルな高級感を演出することも可能です。
家全体に統一感が生まれるメリットもあります!
2. 耐久性
軒天には、屋根の構造材(垂木や軒桁)を腐食や劣化から防ぐ役割があります。
屋根の下にある構造材でも、風向きや跳ね返りによっては雨水が当たるからです。
雨風から十分に守りきるためには、軒天材の使用が欠かせません。
そのため、軒天材を選ぶ際には木目などのデザイン性を重視するだけではなく、雨風に強い耐久性を備えた資材を選びましょう。
3. 防火性
火災が起きた際、延焼を防ぐ役割を果たすのが軒天です。
自宅で火災が起きてしまった場合、炎は壁を伝って燃え広がります。軒天材に防火性がなければ炎は左右に広がり、近隣の家屋にも延焼による被害を及ぼすでしょう。
また、近隣が火災になった場合には火の粉が飛んできても、外壁や軒天が燃えにくいことで自宅への延焼を防いでくれます。
軒天材を選ぶ際は、防火性に優れた資材を選ぶのがポイントです!
軒天を無垢材で木目にする3つのデメリット
軒天を無垢材で木目にする場合には、以下の3つのデメリットがあります。
- 経年劣化が早い
- 準防火地域では使えない場合がある
- 設置すると色合いが暗く感じる
無垢材の利用は高級感が出ますが、使う際にはデメリットをあらかじめ理解しておきましょう!
1. 経年劣化が早い
無垢材は水に濡れると腐食するため、経年劣化が早くなります。軒天は直接雨に当たる場所ではありませんが、跳ね返りの水での侵食は避けられません。
また無垢材は、時間が経つにつれて色合いが変わります。
色合いの変化は「味が出る」という見方ができる一方で、古ぼけた印象を与えますね!
無垢材の経年劣化を防ぐためには、5年に1回程度の頻度で「表面を保護するための塗装をするメンテナンス」が必要です。
2. 準防火地域では使えない場合がある
家を建てる場所が都市計画上の「準防火地域」である場合、無垢材を軒天に使用できない場合があります!
準防火地域の住宅では、家の階層や面積によって「耐火構造」や「防火構造」などの基準を満たす必要があるからです。もっとも基準が低い「防火構造」であっても、軒天での無垢材の使用はできないかもしれません。
軒天は、隣家からの「延焼のおそれのある部分」であるため、高い防火性能が求められます!
3. 設置すると色合いが暗く感じる
軒天は、日が当たりにくい箇所であるため、木材の見本よりも色味が暗く感じられます。
せっかく細部にこだわっても、理想の色と違うとがっかりしてしまいますよね!
資材を選ぶ際には、見本の色よりも一段階明るめの色を選ぶとよいでしょう。
軒天を木目にする場合の費用
軒天を木目にする場合の費用は「無垢材」と「木目調の資材」を使う場合で大きく変わります。それぞれの費用目安は、以下のとおりです。
- 無垢材:5,000~20,000円/㎡
- 木目調の資材:2,000~10,000円/㎡
無垢材の場合、他の資材に比べて2倍程度の費用がかかると理解しておきましょう!
軒天に無垢材を使う場合には、デメリットやコスト高になる点を理解しておくことが必要です。
なお、無垢材と他の資材のどちらを採用すべきか悩んでいる方は、専門家に相談してみることをおすすめします。住宅のプロ「すーさん」なら、5,000人以上の家づくりに携わった経験を活かして理想のマイホームづくりの手助けが可能です。
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軒天に使われる無垢材以外の資材5選
軒天は、無垢材以外にも主に以下5つの資材が使われます。
- ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)
- プリント合板
- セメント板
- スラグ石膏板
- 金属板
いずれの資材にも木目調のデザインがあります。それぞれの資材の特徴を理解しておきましょう!
1. ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)
ケイカル板は、主に石灰とケイ石といった不燃材料を元にした資材です。木目調やエンボス調などさまざまな柄のデザインが提供されています。
ケイカル板は、一般住宅の軒天資材としてはもっともスタンダードですね!
不燃材料を元にした資材のため、準防火地域での使用に問題ありません。また、耐水性も高いことが特徴で、水の影響を受けやすい屋外での利用に適しています。
2. プリント合板
合板とは、ベニヤ板を複数枚重ねて接着した資材です。合板にプリントシールを貼り合わせることで木目調のデザインを実現しているため、化粧板と呼ばれることがあります。
プリントシートは防水性がありますが、経年劣化により接着力が低下して剥がれやすくなります!
プリントシートが剥がれた場合は、シートのみの補修はできないため、プリント合板ごと張り替えが必要です。
3. セメント板
セメント板とは、セメントと補強繊維を混ぜて作られた合成建材です。フレキシブルボード、スレートとも呼ばれます。
セメント板は不燃性が高く、湿気に強いことが特徴です!
ただし、ケイカル板に比べて重いため施工しにくいことがデメリットです。セメント板は塗装仕上げになっているため、定期的にシリコン系やウレタン系の塗料を塗り直す必要があります。
4. スラグ石膏板
スラグ石膏板は、スラグと言われる鉱物と石膏を混ぜて作られた合成建材です。エクセルボードとも言われます。不燃性が高く、ケイカル板よりも安価で施工しやすいことから軒天としても利用されます。
ただし、耐水性が低いことがデメリットです!
メンテナンス時に、シリコンやウレタン系の塗料で定期的に塗り直すことが求められます。
5. 金属板
金属板としては、ガリバリウム鋼板、アルミスパンドレルが使用されます。耐火性や耐水性に優れた資材です。
ただし単価が高いため、主に高級なデザイン住宅や公共施設で使われます!
また、劣化すると錆が発生するため、20年程度で塗装によるメンテナンスが必要です。
軒天を木目にする資材のおすすめメーカー6選
無垢材以外を使って軒天を木目にする場合、以下6つのメーカーの資材がおすすめです。
- ケイミュー
- ニチハ
- 旭トステム外装(リクシル)
- 大建工業
- 神島化学工業
- 真和建装
一つひとつ見ていきましょう。
1. ケイミュー
引用:軒天材|外壁材[一般地域]|外壁材・屋根材・雨といのケイミュー
ケイミューは、屋根材や外壁材を製造しているメーカーです。
「軒天材ライト30」「軒天材ライト45」という軒天材を製造しています!
「軒天材ライト30」は30分「軒天材ライト45」は45分の準耐火構造を取得した製品です。素材は、ロックウールやガラス質堆積物による人造鉱物繊維を使用しています。軽量で施工しやすいことも特徴の資材です。
ケイミューの軒天材は、耐火性・耐久性に優れた良質な資材と言えます!
2. ニチハ
引用:軒天|商品情報|ニチハ株式会社
ニチハは、外壁材を主体とした建材メーカーです。30分~1時間の耐火性能別に複数の製品があり、カラーバリエーションも豊富です。
素材は「パルプ繊維混入セメント板」となっており、不燃性や耐久性が高い資材と言えます。
ニチハは、外壁材メーカーとしては業界1、2を争うシェアを誇っています!
ニチハの軒天については、Instagramでも紹介しているのであわせてチェックしてみてください!
3. 旭トステム外装(リクシル)
引用:レクタートPZ|施工例|旭トステム外装|LIXILグループ
旭トステム外装は、建材・設備機器メーカーLIXIL(リクシル)グループの外壁材・屋根材メーカーです。軒天としては「ラスティウッドPZ / ラスティミドルブラウンP」などの製品が提供されています。
本物の古木を型取りした木目柄が特徴的ですね!
4. 大建工業
引用:ダイライト軒天井材|施工例|大建工業
大建工業は、素材の開発や建材の製造だけでなく、建築も行う総合企業です。取り扱う「ダイライト軒天井材」には、木目柄が5種類あります。
屋内の天井材にも使用できるため、屋外まで連続して資材をそろえることで、開放感を演出できるのがポイントです。また、軽くて運びやすいことから作業性だけではなく、落下しにくい点がメリットです。
ダイライトは国土交通大臣認定防火材料において不燃認定を得ています!
5. 神島化学工業
引用:ドレッセ プレミアム|商品情報|神島化学工業
神島化学工業は、建材や化成品を研究開発する無機化学メーカーです。オリジナル建材の「ドレッセ」には、12種類の木目柄のほか、石柄やタイル柄などもあります。
金具で留める工法(アトラフィット)により、釘やビス頭などの補修した痕が目立たないデザインが特徴です。また、グランコートと呼ばれる塗装を施すことで、汚れに強く、雨で汚れを流しやすくしています。
美しいデザインもメンテナンス性も大切にしたい人におすすめですね!
色あせにくく、不燃性・防火性にも優れているメリットも見逃せません。
6. 真和建装
引用:マハール|商品情報|真和建装
シート状建材の「マハール」を、開発および販売から施工までを行う会社が真和建装です。
1989年から販売されている「マハール」は、木目調だけでなく石調など6種類51色と豊富な種類がそろっていることから、ぴったりなデザインを見つけやすいでしょう。
シールのように貼り付ける資材ですが、剥がれにくく汚れにも強いのが特徴です!
タイルや合板などと違い、カッターナイフで切れることから粉塵や騒音が発生しないこともメリットです。自宅内にいてもほこりや臭いを心配しなくていいので、リフォームでの採用にも向いています。
軒天を木目にするなら材料やメンテナンス費用を考えよう
無垢材を使った軒天は、天然木ならではの質感や風合いが魅力です!
ただし、無垢材を使う場合にはデメリットを理解しておくことが大切です。他の資材と比べて劣化の速度が早くなるため、張り替えなどのメンテナンス頻度が高くなります。
また、無垢材は不燃性がないため、準防火地域では使用できない点にも注意が必要です。
不燃材を使った木目調デザインの資材であれば、防火基準の心配がなく、メンテナンスの頻度が低くなります!
軒天を木目調にするなら、無垢材だけでなくほかの資材についても比較検討してみてください。
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