「将来的にかかる費用を含めて考えると、新築と中古どちらが得なのかな?」
「中古住宅を買った場合に必要なリフォーム費用を知りたい」
「新築は高額なので購入するにはためらいがある」
住宅購入を考える際に「新築」か「中古」のどちらを購入したほうが得なのかと、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
どちらにもメリット、デメリットがあるため、自身に合っているのかポイントを押さえて検討する必要があります。

この記事では、新築と中古どちらが得かについて、以下の内容を解説します!
- 新築住宅と中古住宅を買う人の割合
- どっちが得か判断するポイント
- 購入前の確認ポイント
- おすすめな人の特徴
購入時の費用だけでなく、将来的な負担や納得いく家選びをするためのポイントを解説するので、ぜひ参考にしてみてください!


新築と中古どっちが得?購入割合をデータをもとに解説


一般社団法人不動産流通経営協会が令和6年2月に発表した「既存住宅流通量の地域別推計について」によると、令和4年の新築、中古住宅の流通量は以下のとおりです。
新築:859,529(57%)
中古:630,701(43%)



中古より新築の流通量が多い現状です!
ただし、国は空き家対策としてリフォームやリノベーションに対して補助金を出すなどの取り組みが増えているため、今後中古市場が活性化していく可能性は高いといえます。
新築と中古どっちが得か判断する10のポイント


新築と中古のどちらを選んだほうが得かを検討するなら、以下のポイントを比較してみましょう。
- 住宅価格
- 住宅ローン
- 購入時の諸費用
- リフォーム費用と時期
- 住宅性能
- 維持費用
- 税金
- 資産価値
- 保証期間
- 物件の下見
短期的な費用だけでなく、将来的な負担などもしっかり押さえておいてください。
1. 住宅価格|中古が得
立地やグレードなどが同条件であれば、住宅価格は中古のほうが安くなります。物件価値は、年月の経過によって下がるためです。
木造戸建て住宅の場合、建物価値は10年で半分、20年でほぼ0になるといわれています。



つまり20年経った中古住宅はほとんど土地代だけですね!
また、中古住宅は売主が個人であった場合には消費税がかからないため、新築と比べて税金分が安くなります。ただし「買取再販」のように売主が不動産会社である場合は、消費税がかかるので注意しましょう。
2. 住宅ローン|新築が得
住宅ローンの組みやすさでは、新築が有利です。ローンを組む際には物件に抵当権を設定しますが、住宅に担保価値がないと住宅ローンが通らない場合があります。
また新築は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の額が大きい点でもお得です。国土交通省の「住宅ローン減税の概要について(令和6年度税制改正後)」によると、省エネ基準を満たした新築であれば初年度で最大31.5万円、中古の場合は最大21万円と、控除額が大きく異なることがわかります。
さらに住宅ローンの控除期間は最大13年(中古は10年)で、ローン残高の0.7%の控除を受けられます。控除期間が長く、恩恵が受けやすいことから新築に軍配が上がるでしょう。



中古住宅は、住宅ローンを組む際に耐震性を高める補強工事を求められることもあるので、注意が必要です!
3. 購入時の諸費用|新築が得
住宅購入時には本体や工事費用だけでなく、諸費用がかかります。
- 印紙税を含む各種税金
- 住宅ローンなどの手続き料
- 地震保険・火災保険などの保険料
- 不動産の登記に必要な費用
- 仲介手数料(中古の場合)
諸費用の負担額は仲介手数料がかかる分、中古のほうがやや高くなる傾向があります。



中古住宅のほうが高くなるのは意外ですね!
諸費用は、新築の場合本体工事費の5~7%、中古の場合は住宅価格の7~12%が相場です。仲介業者への手数料は、400万円を超える場合「取引金額の3%+60,000円+消費税」が上限とされています。
4. リフォーム費用と時期|新築が得
本体価格は新築に比べ中古が安いですが、リフォーム費用によって負担額が大きく変わらない場合があります。



リフォーム費用の目安は、以下の表を参考にしてみてください!
リフォーム箇所 | 費用相場 |
---|---|
トイレ・キッチン・風呂 | それぞれ50~100万円 |
外壁・屋根 | 50~150万円 |
内装(クロス張替え) | 30~50万円 |
間取り変更 | 100~300万円 |
断熱 | 200~500万円 |
耐震 | 25~200万円 |
ただし、新築であっても10~15年経てばリフォームが必要になることは覚えておきましょう。リフォーム時期の目安は、以下の表を参考にしてみてください。
リフォーム箇所 | 時期の目安 |
---|---|
壁・天井のクロス張替え | 10~15年 |
クッションフロアの張替え | 6~10年 |
フローリングの張替え | 15~20年 |
外壁・屋根の塗り替え・補修 | 8~15年 |



住宅は長く使うものであるため、新築であっても将来的なリフォームの必要性は購入時から頭に入れておきましょう!
5. 住宅性能|新築が得
断熱性・気密性・耐震性など住宅性能は年々向上しているので、最新設備の備わった家に住みたいなら、新築がお得といえます。
平成24年に開始された長期優良住宅の認定制度があったことから、耐震性や劣化対策などが取られている住宅が主流になりました。



長期優良住宅は、ローンの金利優遇や税の特例措置もありますよ!
6. 維持費用|新築が得
近年の住宅費は、高気密・高断熱のため光熱水費が安く抑えられます。



高機密・高断熱の住宅は、光熱費がお得になるといった恩恵を受けられます!
また、新築であればメンテナンス時期が数年~10年以上先となり、直近で費用がかさむ心配が少ないです。中古に比べると、新築のほうが維持費は安いといえます。
7. 固定資産税などの税金|新築が得
新築は、中古に比べて減税措置が充実しているのが特徴です。



主な減税措置は、以下の表を参考にしてみてください!
税金 | 新築 | 中古 (新耐震基準を満たす物件のみ) |
---|---|---|
固定資産税 | 半額(戸建て3年、マンション5年) | なし |
所有権の登録免許税 | 0.4%から0.15%に軽減 | 2.0%から0.3%に軽減 |
不動産取得税 | 固定資産評価額から1,200万円控除 | 築年数に応じて控除額が減額 |



固定資産税は控除ではなく、税金そのものが半額になるため大変お得です!
中古住宅は、1981年以降に建てられた新耐震基準を満たしている物件でのみ控除が受けられます。
参考:国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」、国税庁「マイホームを持ったとき」、国土交通省「不動産取得税に係る特例措置」
8. 資産価値|新築が得
資産価値は、一般的には築年数の短い新築のほうが高いです。ただし、立地条件や専有面積などによっては、中古のほうが資産価値が高い場合もあります。



たとえば、中古であっても立地の良い場所である場合などです!
また、購入額と売却額の差は、新築よりも中古のほうが小さいといわれています。
新築の本体価格には、販売業者の利益や営業費用など「新築プレミアム」といわれる費用が2割程度含まれています。購入と同時に新築プレミアムの分だけ価値が減少するため、購入額と売却額に差が生まれるでしょう。



ただし、新築であっても大規模マンションは安値で売り出されるため、好立地の場合は価格を維持しやすいですよ!
9. 保証期間|新築が得
住宅の欠陥が見つかった場合の保証は、新築のほうが充実しています。
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、新築住宅は構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分の「瑕疵担保責任」を最低10年間、販売業者が負っているためです。



保証がしっかりしていれば、予想外の修繕費が発生するリスクに悩むことはありません!
中古の場合は、民法における契約不適合責任として、欠陥や不具合を知ったときから一年以内に限り契約解除や損害賠償を求められます。
なお、新築住宅の保証やアフターサービスについては、関連記事「【要確認】保証が手厚いおすすめハウスメーカー7選!比較ポイントや保証項目も住宅のプロが紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。


10. 物件の下見|中古が得
中古物件は実際に物件の下見ができるため、家の間取りや設備を目で見て確認できることがメリットです。一方、新築はモデルハウスや図面でしか確認できないため、イメージ通りになるのか不安に感じる方は多いでしょう。



また、近隣にどんな人が住んでいるか確認しておくと、長く住み続けるうえで安心です!
住環境に関して思わぬトラブルがあった際に、再度引っ越すのは容易ではありません。中古住宅を選択することでリスクを避けられます。
ここまで新築と中古住宅がどちらがお得かを比較してきましたが、自分はどちらが適しているか判断がつかないという方もいるでしょう。そのような方は、住宅のプロ「すーさん」に相談してみてください。
「すーさんの相談窓口」は、大手ハウスメーカーに15年勤務し、今では全国の住宅営業マンに講師をしている私が無料で家づくりのサポートをいたします。
土地探しや予算の立て方などで不安な点は、なんでもご相談ください。
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購入前のチェックポイント!新築と中古に分けて解説


購入前に確認すべきポイントを、新築と中古に分けて解説します。
1. 新築住宅
新築住宅を購入するなら、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 周辺環境の利便性がいいか
- ハウスメーカーの保証は手厚いか
- 予算内に収まるか
長く住み続けることを想定して、後悔のない選択をしてください。
1-1. 周辺環境の利便性がいいか
周辺環境の治安や近隣にスーパー・病院・学校などがあるかを確認しましょう。生活に欠かせない施設や機関が近ければ、利便性を感じやすいです。



また、再開発が進んでいるかも注目しておきたいところです!
再開発計画が進んでいる場合、生活の利便性が高まることはもちろん、周辺の地価が上がり将来的に家が価値がアップすることがあります。
現段階で検討していなくても、子どもに家を引き継ぐ際などには売却が視野に入るかもしれません。将来を見越した選択ができると、後悔をなくせます。
1-2. ハウスメーカーの保証は手厚いか
建築後のアフターサービスの内容について、よくチェックしておきましょう。10年間の疵担保責任ではカバーしきれない部分の対応や、住まいの定期検診などを対応してくれるかも確認してみてください。



なお、アフターサービスの内容は各社異なるので、比較検討が必要です!
とくに防水に関するトラブルは、15~20年目に見つかるケースがほとんどです。防水に対する初期保証期間は、20年を目安にしておくと安心です。
1-3. 予算内に収まるか
せっかくの新築住宅となれば、理想をすべて叶えたいと思う方は多いでしょう。しかし、すべての理想を反映させれば、予算オーバーとなる可能性があります。



何を優先するかを事前に決めておくことが大切です。
家の広さはもちろん、キッチンのグレードや床材のタイプなど、新築の注文住宅では決めることが盛りだくさんです。それぞれにお金が発生することを踏まえて、予算オーバーとならないように配慮することが求められます。
2. 中古住宅
中古住宅は、費用を抑えられたり住環境を事前に確認できたりするのが魅力です。しかし、購入を検討する前チェックしておきたいいくつかのポイントがあります。
- 再建築不可の物件ではないか
- 駅から徒歩10分以上かかる物件ではないか
- 長期修繕計画があるか(中古マンションの場合)



思わぬ見落としがあるかもしれないので、くまなくチェックしましょう!
2-1. 再建築不可の物件ではないか
中古住宅のなかには、再建築不可物件というものが存在します。



建て替えや増改築ができないなどの場合、再建築不可物件に該当します。
将来的に家族構成が変わるなどで、リフォームを前提に住宅を購入する方は避けておきましょう。数十年単位の長期的な視点で、長く住み続けられるかを判断してください。
2-2. 駅から徒歩10分以上かかる物件ではないか
駅から徒歩10分以上かかる物件は好まれにくく、資産価値が下がりやすい傾向にあります。中古住宅についても、利便性の高さから駅近の物件が人気です。



国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で検索してみても、駅近の方が取引金額が高い傾向にあることがわかります。
中古住宅は立地の選択肢が多いのが利点です。将来的な売却が目的でなくても、老後に車の運転が困難になれば、公共交通機関を利用することになるでしょう。
利便性の良し悪しにも考慮し、いつまで経っても住みやすい物件を探してみてください。
2-3. 長期修繕計画があるか(中古マンションの場合)
中古住宅を検討している方の中には、中古マンションを選択肢に入れている方もいるでしょう。



マンションを中古で購入するなら管理状況を把握しておいてください。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、長期修繕計画を作成している管理組合が88.4%を占める一方で、7.3%の管理組合が作成していないと回答しています。
長期修繕計画が作成されていない場合、ずさんな管理の結果から修繕積立金が足りず、追加で徴収される可能性があります。大規模な修繕であればそのぶん必要な費用は高額になり、大きな負担となるでしょう。
購入してから後悔することがないように、必ず確認しておいてください。
新築住宅がおすすめな人の特徴3選


住宅本体価格では、新築は中古に比べて高くなります。しかし、以下の3つに該当する方は、新築住宅の購入がおすすめです。
- 住みたい家にこだわりがある
- 最新の住宅性能・設備を求めている
- 長期間住み続ける見通しがある
当てはまるか考えながら読み進めてみてください。
1. 住みたい家にこだわりがある
新築は、間取りやデザインなどの住宅設計の打ち合わせから入れるため、中古に比べて理想の家づくりができます。



新築はカタログや住宅展示場のモデルハウスの見学な理想の家を考え、形にしていく楽しさがありますよね!
住宅をなるべく多く見てみたい方は、ライフルホームズからカタログを取り寄せてみてください。複数のハウスメーカーのカタログを一括で取り寄せられるため、自宅での比較検討が叶います。
LIFULL HOME’Sの家づくりノートの詳細は、関連記事「【めっちゃ簡単】家づくりに役立つノートをもらう方法!よくある疑問もスッキリ解決(PR)」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!


2. 最新の住宅性能・設備を求めている
新築は、最新の耐震や断熱機能を備えられています。住宅設備は日々進化しているため、築年数の古い中古と比べると性能面で大きな違いがあります。



使いやすさもアップしているので、最新設備のほうがおうち時間が充実しますね!
たとえば、キッチンであれば全自動食洗器といった、家事を時短できる機能です。性能面を追い求めるなら、新築を検討するのがおすすめです。
3. 長期間住み続ける見通しがある
新築は、10~20年程度で引っ越しをする可能性がある方には向いていません。
新築住宅を売却する計画がある場合、新築プレミアムにより購入額と売却額の差が大きいからです。そのため、長年住み続ける見通しがある方におすすめです。



何かあった場合に売却することを前提にすると、思ったほどの資産価値がない可能性があります!
中古住宅がおすすめな人の特徴3選


中古住宅を購入するメリットは、価格だけではありません。以下に該当する方は、中古の購入を検討してみるといいでしょう。
- 住宅購入費用を抑えたい
- 居住地域にこだわりがある
- 住みやすさを事前に確認したい
費用面だけでなく、自身に当てはまることがないか確認してみてください。
1. 住宅購入費用を抑えたい
中古は住宅購入費用を抑えたい方におすすめです。同じ条件で比較すれば、物件の資産価値の低下により、中古住宅のほうが安価に購入できるからです。
しかし、リフォーム費用がどの程度必要か事前に確認する必要があります。



リフォーム費用を計算したうえで、初期費用が抑えられる場合には、中古住宅を検討してみましょう!
2. 居住地域にこだわりがある
中古住宅は、新築に比べて居住できる地域を選べるメリットがあります。



一方、新築は住みたい地域に家を建てられる土地があるとは限りません!
人気のエリアには既に建物が建っていることが多く、新築できる土地を見つけるのは簡単ではありません。



中古の場合、新築に比べて幅広くさまざまな地域で物件を探せるのが良いですね!
3. 住みやすさを事前に確認したい
中古は、物件の実物を確認したうえで購入できます。日当たりや風通しの良さなど、生活しやすいかの判断を事前にできるのがポイントです。



新築は誰も住んだ経験がないため、どのようなトラブルが起こるのか把握できません。
家事動線などの暮らしやすさに配慮された間取りの物件を選べば、時間のかかる間取り計画に手をわずらわせることがないのも魅力です。
新築と中古どっちが得か判断するには優先順位を考えよう


新築、中古どちらにもメリットとデメリットがあります。「高性能の住宅であることが大事」のように、住宅購入にあたっての優先順位を決めることが大切です。



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