【よく考えて】暖炉のある家の5つの魅力を紹介！設置する際の注意点や費用についてプロが解説

「暖炉のある家に憧れている」
「お手入れが大変だって聞いたけど本当？」
「設置にかかる費用や注意点を教えて」

暖炉があると家を暖めるだけでなく、インテリアとしても活躍します。揺らいでいる炎が居心地の良い雰囲気を演出してくれるでしょう。

しかし、燃料である薪の保管や移動には手間がかかります。また、火災のリスクがあったり、清掃やメンテナンスには大変さを感じたりするでしょう。

そこでこの記事では、暖炉のある家について以下の内容を解説します。

• 暖炉と薪ストーブの違い
• 魅力と注意点
• かかる費用
• 導入された住宅実例

暖炉と薪ストーブの違いをサクッと解説

暖炉は、壁と一体化した煙突や炉がついた暖房器具です。炉にはレンガや石材が多く使われているため、蓄熱効果が高く消火してもしばらく暖かさを保てます。

一般的には扉がついていないことから、炎の揺らぎや薪の燃える音が焚火気分を味わせてくれるでしょう。なお、暖炉と混同しやすい薪ストーブとの違いは、以下の通りです。

薪ストーブは暖炉を改良したもので、燃焼効率を上げながら排気をきれいにします。暖炉と薪ストーブはどちらも遠赤外線の効果があり、室内全体を優しく包み込んでくれるのが特徴です。

暖炉のある家の5つの魅力

暖炉のある生活は室内を優しく暖めるだけでなく、インテリアとしても活躍するでしょう。暖炉のある家の魅力を5つ紹介します。

1. リビングが癒しの空間になる
2. インテリアとしておしゃれな空間をつくれる
3. 豪快な料理が楽しめる
4. 木の香りを楽しめる
5. 災害時でも使える

生活をイメージしてみてください。

1.リビングが癒しの空間になる

暖炉をリビングやダイニングに設置すれば、家族との活発なコミュニケーションが可能です。

人は炎の光や揺らぎを見ると癒されるので、リビングに自然と家族が集まってくるでしょう。現在では消防法や近所の苦情などがあり、庭や公園では焚火ができません。

参照：消防法｜火災の予防

なお、暖炉と相性の良い土間リビングについては、関連記事「【要確認】土間リビングで失敗しがちな4つの理由！後悔しないためのポイントやメリットも解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください！

2.インテリアとしておしゃれな空間をつくれる

暖炉自体のフォルムがおしゃれなので、インテリアとして存在感があります。壁面に季節の飾り付けをすれば、真似のできない素敵な空間になるでしょう。

リビングに設置することが多い暖炉なので、家のインテリアの中心になるでしょう。

3.豪快な料理が楽しめる

暖炉の熱を利用した豪快な料理ができることは、大きな魅力の一つです。暖炉に直接入れられるダッチオーブンが食卓やパーティーで大活躍します。

なお、ダッチオーブンを利用すれば、以下のような料理が作れます。

素材	料理名	おすすめなポイント
肉料理	・ローストチキン ・ビーフシチュー ・チャーシューなど	・塊肉をじっくり調理できる ・長時間の煮込みも光熱費を気にせず作れる
魚料理	・アクアパッツァ ・クラムチャウダー ・スモークサーモン	・保温性が高く温かい状態が維持できる ・燻製に挑戦できる
野菜料理	・炊き込みご飯 ・丸ごと野菜のロースト ・チーズフォンデュ	・手軽に季節の野菜が食べられる ・丸ごと食べられるので栄養価が高い

また、直火で焼いたパンは、格別の美味しさを味わえます。食事の時間が待ち遠しくなるでしょう。

4.木の香りを楽しめる

暖炉があることで、薪を燃やすときに木の香りを楽しめます。

家の中でも自然との触れ合いを楽しめるような雰囲気を演出したい方に、暖炉はおすすめです。

5.災害時でも使える

近年、大きな地震や台風が頻繁に起きています。真冬に災害が起きて停電になると、電気やガスを使用する暖房器具が使えなくなることに不安を覚える方は多いでしょう。

また、炎の光は照明としても活躍します。内閣府の調査では、令和元年9月に起きた房総半島台風で被害件数が約934,000戸と大規模な停電になり、復旧に最大20日かかる地域もありました。

災害に強い家づくりをしたい方は、暖炉があると以下のような場面で役立つでしょう。

暖房器具だけでなく、様々な用途で活用できるのがポイントです。

参照：内閣府｜房総半島台風への対応

暖炉のある家を建てる際の5つの注意点

料理や災害時など様々な活用方法がある暖炉ですが、導入する際に押さえておきたい注意点は以下の5つです。

1. 費用がかかる
2. すぐに暖かくならない
3. メンテナンスが必要である
4. 薪を運ぶ必要がある
5. 近所迷惑にならない煙突の高さにする必要がある

順番に見ていきましょう

1.費用がかかる

出来る事なら薪ストーブとか暖炉が良かったですがランニングコスト考えて断念…

火を見ると落ち着きますよねー！
焚き火も苦情きますからね…だんだん生きづらくなったもんです😅

— kame🐢@RSI (@mr_fxfx) December 27, 2019

暖炉の設置をあきらめる最大の理由は費用です。設置費用だけでなく、薪の燃料費や煙突掃除のメンテナンス費用など、ランニングコストがかかります。

また、暖炉は壁と一体化するため、初期費用が高くなりがちです。暖炉周辺のデザインや素材にこだわると、さらに費用がかかるでしょう。

燃料となる薪選びには注意が必要です。ランニングコストを抑えようと、安価な薪を使うとススが溜まりやすくなり、メンテナンスの回数が増えます。よく乾燥した広葉樹を使用するのがおすすめです。

なお、住宅費の目安については、関連記事「【借り過ぎない】手取りの25％の住宅ローンは負担が大きい！無理のない返済比率や計算方法を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください！

2.すぐに暖かくならない

いつもと違う時間に帰パレしたら暖炉がついてないから部屋が思いのほか寒くて🗝くんが慌てて火をおこしてくれたんだけど温まるまで時間かかるからって自分のマントかけてくれた
すぐ側にブランケットもあることはお互いに気付いてるんだけど

— 倉庫 (@2jrkgkokb) February 19, 2024

薪を点火してもすぐには室内が暖まりません。また、煙突から熱気が逃げるので、隅々まで暖かくなるにはかなりの時間が必要です。

点火してから家が暖まるまでには、だいたい2〜3時間はかかるでしょう。朝の忙しい出社時や帰宅の際は、エアコンの併用がおすすめです。

とはいえ、暖炉は薪が燃焼する赤外線の放射熱によって暖かさを体感できます。人だけでなく壁や床などにも熱が蓄積するため、火を消した際にはしばらく暖かさが続くでしょう。

3.メンテナンスが必要である

叔父の家きたけどやっぱ暖炉いいなって思うけど、ズボラにはメンテナンス無理なんだよなあ。 pic.twitter.com/FioNft3dad

— 鳥 (@tori0w0_dayo) January 2, 2024

暖炉は定期的なメンテナンスをする必要があります。木材を燃やした際に出るススが煙突内にたまるため、1年に1回程度は煙突内の掃除が欠かせません。

面倒に感じる場合には専門業者に依頼する必要があります。

4.薪を運ぶ必要がある

暖炉って暖かくていいんだけど、ホントに手がかかってしょうがない！！毎冬、薪を準備するのも面倒だし何より掃除？これがまた大変！！よかったウチに暖炉がなくて

— 正宗 (@mata_masamune) December 20, 2023

暖炉で薪を燃やすために、保管場所から運んでくる必要があります。高齢になるほど、運搬が困難になるでしょう。

また、薪に最適な広葉樹は1立米（りゅうべい）約550kgで売られていますが、湿度の高い場所や保存方法を誤るとシロアリやゴキブリ、カビが発生します。

なお、薪の水分量は20％前後が燃えやすいため、保存方法に注意が必要です。以下のような対策をとっておくことをおすすめします。

5.近所迷惑にならない煙突の高さにする必要がある

早朝からなんだか、薪臭い！！　直線300mあるかないか位のとこに暖炉煙突あるけど、そこなのか？　知らない煙突がどこかにあるのか？　冬になると薄っすら臭いはあったけど、今日は強烈に臭い。換気も出来ない。迷惑。#薪ストーブ　#暖炉　#煙害　#迷惑

— そら(野焼きの被害)最悪 (@hipho_kei) October 23, 2023

暖炉の導入するなら煙突の設置が必要なので、近所迷惑にならない高さにする必要があります。また、煙突の高さを調整しても、口コミにあるように薪の臭いが気になる方がいる可能性があります。

煙突は壁に埋め込むので一度設置したら場所を変更できません。設計の段階で十分に高さや場所を検討しましょう。

なお、暖炉のある家の間取りで悩んでいる方は「すーさんの相談窓口」までご相談ください。

すーさんは、大手ハウスメーカーに15年勤務した経験のある住宅のプロです。5,000人以上の家づくりのお悩みを解決してきたので、あなたにぴったりのアドバイスをいたします。

暖炉のある家でかかる3つの費用

暖炉設置のハードルとなりやすいコストについて、以下の3つを解説します。

1. 暖炉本体と設置費用
2. 薪代
3. メンテナンス代

具体的にいくらかかるかの目安を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1.暖炉本体と設置費用

暖炉を設置するには、本体価格と設置工事費用が必要です。本体価格の目安は、以下の通りです。

種類	価格相場
薪を使った暖炉	60～200万円
ガス暖炉	15～80万円
電気暖炉	3～30万円
バイオエタノール暖炉	5～40万円

一般的な暖炉は壁に一体化した煙突の工事があるため、設置工事費用に100万円以上必要になるでしょう。

家づくりの設備は費用が高額になりやすく、金銭感覚に狂いが生じやすいです。大幅な予算オーバーは、今後の生活に影響を与えるので注意してください。

なお、注文住宅の費用については、関連記事「【必見】注文住宅の費用はどうシミュレーションする？事前準備やおすすめのサービスを解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください！

2.薪代

暖炉に使われる薪の種類は、針葉樹と広葉樹の2種類です。針葉樹は油分を多く含み燃えやすいですが長持ちしません。一方、広葉樹は堅く着火しにくいですが、火持ちが良い特徴があります。

30坪の新築住宅の場合、朝晩4時間ずつ薪を使用するとおよそ16㎏必要です。家の性能や地域にもよりますが、1ヶ月あたり2～4万円の薪代が目安となるでしょう。

気密性能が低い住宅は、さらに薪が必要になります。薪代を抑えたい方は、ファンヒーターやエアコンの併用を検討してみてください。

3.メンテナンス代

暖炉を使い続けるには、煙突などのメンテナンスが必要です。たまったススを掃除することで、効率よく安定して薪を燃焼させられます。

なお、業者に依頼する場合には、煙突の汚れ状況にもよりますが1回あたり2～4万円で収まるケースが多いです。

また、登りやすい屋根にしておくと自身で煙突掃除が可能です。メンテナンス代を削減したい方は、屋根の形状を施工業者に相談してみるといいでしょう。

【種類別】4タイプの暖炉の特徴と注意点

暖炉に使用できる燃料は、薪以外にもあります。ここでは、4種類の暖炉の特徴と注意点について解説します。

1. ガス暖炉
2. 電気暖炉
3. バイオエタノール暖炉
4. 液体変性エタノール式暖炉

特徴と注意点を知って導入を検討してみてください。

1.ガス暖炉

ガス暖炉は、ガスを使ったファンヒーターです。室内の空気を吸気して温風を吹き出すタイプ（ファンヒーター方式）と、吸気と排気を屋外で行うタイプ（FF方式）の2種類があります。

ガス暖炉の特徴と注意点は、以下の通りです。

特徴	注意点
・壁に埋め込めるため置き場所に困らない ・都市ガス、プロパンの両方に対応できる ・燃料の運搬がない ・ススが出ないので煙突掃除がいらない ・点火と消火がリモコンで操作できる ・FF方式は高気密住宅に対応できる	・室内の空気が乾燥するので加湿が必要 ・二酸化炭素が発生するので換気が必要

設置には大がかりな工事が必要なため、新築またはリフォーム時の取り付けがおすすめです。

2.電気暖炉

電気暖炉はLEDライトで照らした光が、まるで本物のような炎を再現します。置き型であれば設置が簡単で、火を使わないため好きな場所で使用可能です。

電気暖炉の特徴、注意点は以下の通りです。

特徴	注意点
・灯油やガスを使わないため安全性が高い ・ガスやススが発生しない ・ハロゲンランプを使ったタイプはより本物らしい炎（1/fゆらぎ）が演出できる ・煙突工事など特別な施工工事は不要 ・デザインが豊富でインテリアになる	・電気代が高くなる ・家全体は暖められない ・エアコンなどの暖房器具との併用が必要

3.バイオエタノール暖炉

バイオエタノール暖炉は、バイオエタノール（アルコール）を燃やす暖房器具です。一酸化炭素が発生しないので、室内で安心して使えます。

二酸化炭素が発生するので換気は必要ですが、植物に吸収されるエコな暖房器具として知られます。

バイオエタノールの原料は、トウモロコシやサトウキビなどの植物をもとに作った液体燃料です。バイオエタノールを燃料タンクに入れるだけで補充が完了し、ススが出ないことから特別なお手入れがいりません。

特徴、注意点は以下の通りです。

特徴	注意点
・煙突が必要ない ・メンテナンスが簡単にできる ・賃貸でも設置できる ・薪と比べると燃費が良い ・オリジナルデザインの造作ができる ・炎の揺らぎが見られる	・二酸化炭素が発生するので換気が必要 ・灯油ストーブ、エアコンと比べると燃費が悪い （1日3時間の利用で1日500円程度、1ヶ月で15,000円） ・燃料を購入する必要がある ・近所に燃料が売っていない可能性がある

日常使いする暖房器具としてバイオエタノール暖炉を導入すると、コスト面で後悔する可能性があるので、注意点をしっかりと把握しておきましょう。

4.液体変性エタノール式暖炉

液性エタノールとはいわゆる高濃度アルコール燃料であり、日本では法律が厳しいことやコスト面が理由であまり普及していません。

液性エタノール式暖炉の特徴、注意点は以下の通りです。

特徴	注意点
・液体変性エタノールを燃料とする ・燃焼すると水と二酸化炭素に変化する ・暖まった水が水蒸気となって、部屋を加湿する	・二酸化炭素が発生するので換気が必要

暖炉のある家の実例を3つ紹介

最後に暖炉のある家の実例を3つ紹介します。

1. 暖炉と自然素材が温かさを感じさせる平屋
2. 電気式暖炉がリビングのおしゃれさを演出した家
3. バイオエタノール暖炉で愛犬もくつろげる空間を実現した家

暖炉を取り入れたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

1.暖炉と自然素材が温かさを感じさせる平屋

ドアや床の温かみのある木材と、暖炉の暖かさがうまく調和して、ほっと落ち着く空間が実現されています。

ゆらゆらと揺れる火を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごせるでしょう。

2.電気式暖炉がリビングのおしゃれさを演出した家

1階リビングの中央に電気式のビルトイン暖炉を設置した間取りです。背面はファミリーギャラリーとして写真などを飾れるようにしており、インテリアとして目立つ存在になっています。

3.バイオエタノール暖炉で愛犬もくつろげる空間を実現した家

リビングに設置したバイオエタノール暖炉によって、心地よい炎のゆらぎを楽しめる間取りです。

なお、ペットのけがを防ぐために、暖炉付近に保護柵を設置するのがおすすめです。誤って触れることのないよう配慮してあげると、家族みんなのお気に入り空間となるでしょう。

暖炉のある家で後悔しないように経験豊富な業者に設置を依頼しよう

暖炉のある生活は室内で焚火気分が味わえるのが特徴で、家族との団らんや安らぎの時間を過ごせるでしょう。

しかし、本体価格や設置にかかる初期費用、薪代などのランニングコストについては、よく検討する必要があります。

暖炉のある家で後悔しないために、予算オーバーに気をつけながら、実績豊富な業者に設置を依頼しましょう。とはいえ、理想を実現するためには、どのような基準で業者を選べばいいかわからない方がいるかもしれません。

住宅のプロすーさんが運営する「すーさんの相談窓口」では、家づくりに関するアドバイスが可能です。暖炉の設置でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。