「家事動線の良い間取りを知りたい」
「スムーズな移動ができる家にするにはどうしたらいいの?」
「家事を時短して快適な生活を送りたい」
新築を建てるなら、家事動線の良い間取りにするべきと聞いたものの、なにが正解なのかわからず悩む方は多いでしょう。
家事を楽にするためにも、動線の良い間取りを押さえておきたいですよね。
この記事では、大手ハウスメーカーで15年間勤務し、現在は家づくりをサポートしている筆者が、以下の内容を解説します。
- 知っておきたい動線
- 家事動線の良い間取りにするためのコツと注意点
- おすすめ間取りアイデアと事例
家事動線の良い間取りにするためのコツがわかり、後悔のない家づくりができるようになります。ぜひ最後までお読みください!
間取りを決めるときに重要な動線
間取りを決めるときは、以下の6つの動線を押さえておきましょう。
動線 | 概要 |
---|---|
洗濯動線 | 洗濯物を「洗う・干す・畳む・収納する」まで |
掃除動線 | 掃除機をかけてからゴミを捨てるまで |
買い物動線 | 玄関から荷物を収納するまで |
回遊動線 | 家の中をぐるりと回遊できる |
来客動線 | 来客がリビングに移動するまで |
料理動線 | 調理から片付けまで |
洗濯動線を単純にすると、服を洗ってから収納するまでの移動距離を短縮できるので、時短につながります。また、買い物動線を意識しておくと、帰宅後の食材の持ち運びをスムーズにおこなえます。
買い物した重たい荷物を持って家の中を移動するのは大変ですよね…
なお、広い面積に家を建てると回遊性が悪くなりやすい傾向があります。家事動線をよくするためにも、回遊動線を重視しましょう。
家事動線の良い間取りにするための5つのコツ
家事動線の良い間取りにするためのコツは、以下の5つです。
- 移動距離を短くする
- 水回りを集約させる
- 玄関を広くする
- 家事専用スペースを設ける
- 回遊性を意識する
順番に解説していきます。
1.移動距離を短くする
移動距離が短いほど、作業効率アップにつながり、ストレスの少ない日々を送れます。
たとえば、洗濯機から服を干すスペースまでの距離が長いと、体力的にも問題が出てきそうですね…。
集合住宅と比べて、生活スペースが広くなることの多いマイホームでは、家事動線の短さを意識することが大切です。間取りを決めるときには、家事をするときの移動距離が長くなっていないかをチェックしてみてください。
2.水回りを集約させる
家事をするときは、洗濯や掃除などを同時進行でおこなうことがあります。浴室や洗面所などの水回りが集約していれば、必要な作業をまとめて進行できるため時短につながるでしょう。
水回りが集約されていると定期的に掃除がしやすいですね!
ただし、同じ時間帯にトイレや洗面所などを使う家族がいると、狭さを感じてしまうかもしれません。
動線が短いからと一本道にするのではなく、回遊できる間取りにすれば家族全員が使いやすくなりますよ!
3.玄関を広くする
マイホームにおける家事には、玄関掃除も含まれます。玄関が狭いと傘やベビーカー、ゴルフバッグを置くのに場所を取られ、掃除しにくいと感じることがあるでしょう。
掃除用具を収納するスペースを玄関に作っておくと、家事動線が良くなりますよ!
ただし、玄関を広くしすぎると、掃除の手間が増える場合があるため注意が必要です。また、ほかの部屋のスペースを圧迫するため、キッチンなどの家事動線が悪くなる可能性も考えられます。
ハウスメーカーと相談し、ほかの部屋とのバランスを考えて玄関の広さを決めましょう。
玄関が狭いと後悔する理由については、関連記事「【第一印象】玄関が狭いと後悔する7つの理由!広く見せる工夫や広さの目安を紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
4.家事専用スペースを設ける
家事専用スペースとは、洗濯やアイロンがけなどを小スペースで効率良くおこなえる部屋のことです。
ミシンで洋服を縫うときなど、細かい作業をサッとしたいときに重宝しますよ!
家事専用スペースを動線内に設置すれば、短い距離で効率的な作業をおこなえるようになります。間取りに余裕がない場合でも、部屋の一角に作業机を設けるだけで便利な空間が作れるでしょう。
5.回遊性を意識する
回遊性の良い間取りは、家のなかを一周するように移動でき、複数の出入り口とつながっています。たとえば、キッチンから洗面所やトイレなど、それぞれにアクセスできるような間取りのことです。
回遊性を意識すると、移動の選択肢が増えるため家事動線が良くなります。同じ場所を何度も通る必要がないため、短い動線の確保が可能です。
家族がすれ違うことなく移動できるので、暮らしがスムーズになるでしょう!
回遊性の良い間取りがイメージできない方は、無料で間取りを提案してもらえるタウンライフを利用するのがおすすめです。複数のハウスメーカーから間取りを提案してもらえるので、家づくりに役立ちます。
タウンライフの詳細は、関連記事「【希望が叶う】理想の家を実現する間取りの決め方を徹底解説!無料でプロに依頼する方法を紹介」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
家事動線の良い間取りを考えるときの注意点4つ
家事動線の良い間取りを考えるときの注意点は、以下の4つです。
- 時短したい家事の優先順位を決める
- コンセントの位置や数に注意する
- 物を使う場所に収納を付ける
- 家事が楽になる家電を含めて考える
順番に見ていきましょう。
1.時短したい家事の優先順位を決める
すべての家事を時短する間取りを作るのは、家の大きさや構造上難しい場合があります。たとえば、水回りの動線を良くできたものの、キッチンの家事効率が低い間取りになってしまうケースが考えられます。
少しでも動線の良いマイホームにするためには、時短したい家事の優先順位を決めて、間取りへ組み込むことが大切です。
洗濯物を干しにいく動線を楽にしたいなど、優先したい家事を決めて、家づくりに反映させましょう!
2.コンセントの位置や数に注意する
コンセントの位置や数に配慮できていないと、料理や掃除などで使う家電をスムーズに使えないことがあります。
とくに、キッチンのコンセントが足りないと、電子レンジや炊飯器などをシンクから遠い場所に設置しなければなりません…。
コンセントについて後悔しないためには、間取りを設計する時点でシミュレーションしておくことが大切です。将来的に利用するかもしれない家電を含めて、余裕をもった数を設置しておくと良いでしょう。
洗濯物をたたむテーブル付近にコンセントを付けておけば、アイロンが同時に使えるため、家事効率がアップしますよ!
新築でおすすめのコンセントの位置については、関連記事「【注意点あり】新築のコンセントの位置は重要!15パターンに設置場所や数の目安を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3.物を使う場所に収納を付ける
家事動線の良い間取りを作るためには、物を取り出してから片付けるまでのスムーズさが大切です。適切な場所に収納を付けておけば、移動を最小限にして家事をおこなえます。
必要なものを取り出すためにわざわざ別の部屋へ行くのは、効率が悪く感じてしまいますよね。
とくに、頻繁に掃除する場所に収納を設置しておけば、掃除用具が取り出しやすいため家の清潔さを保ちやすいです。とはいえ、収納を付けすぎると部屋が狭くなります。生活スペースとのバランスを考える必要があるでしょう。
4.家事が楽になる家電を含めて考える
家事が楽になる家電を利用すると、一部の家事動線を確保する必要がなくなります。考慮すべき家事動線の数が減れば、間取りに自由さが生まれるでしょう。
たとえば、乾燥機付き洗濯機を導入すれば、洗濯物を干しにいく動線を考えなくてもよくなりますね!
ほかにも、食器洗い乾燥機やロボット掃除機なども、家事動線を減らせる家電に該当します。家づくりを始めるときは、家事が楽になる家電を含めて検討してみてください。
家事動線の良い間取りを作りたいと思ってはいるものの「どこから考えていけば良いかわからない」とお悩みの方は「すーさんの相談窓口」の利用がおすすめです。
私は、大手ハウスメーカーで15年の勤務経験がある家づくりのプロです。どのような小さな悩みでも、解決まで導きます!
「すーさんの相談窓口」では、家事動線の良い間取りの提案もおこなっています。予算や住宅ローンなど、お金に関するお悩みにも答えられるため、お気軽にご相談ください!
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家事動線を楽にするおすすめ間取りアイデア4選
家事動線を楽にするおすすめ間取りは、以下の4つです。
- パントリーはキッチン横に設置する
- ランドリールームはキッチンの近くに設ける
- サンルームは庭先に設置する
- ファミリークローゼットは洗濯スペースと近づける
間取りを決める参考にしてみてください。
1.パントリーはキッチン横に設置する
パントリーとは、キッチンで使用する小物や食品などを収納できるスペースのことです。キッチン横に設置しておけば、料理や食材を片付ける際の時短につながります。
たとえば、購入してきた食品を片付けるとき、冷蔵庫とパントリーが近いと移動距離が短くなり時短できます。ただし、広くしすぎると、キッチンスペースが狭くなる可能性がある点には注意が必要です。
どのようなものを収納したいかを考えておき、ご家庭に適した大きさのパントリーを作ってみてください!
2.ランドリールームはキッチンの近くに設ける
ランドリールームとは、洗濯に関連する家事をまとめておこなえる部屋のことです。洗濯した服を干す作業だけでなく、たたんで片付けるところまで完結させられます。
ランドリールームがあれば、洗濯まわりの家事がまとめてできるため、体力的に負担の少ない生活を送れます!
また、キッチンの近くにランドリールームを設置すれば、洗濯しているあいだに料理するなど、効率的な作業ができるでしょう。
機能的なランドリールームを設置したい方は、関連記事「【確認必須】ランドリールームがいらなかったと後悔する10の理由!失敗しない対策やメリットも紹介」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3.サンルームは庭先に設置する
サンルームとは、ガラスでおおわれた部屋のことで、室内にいながら日光を取り込めるのが特徴です。
サンルームを日光の当たる庭先に設置すれば、物干しスペースとして活用できます。1階で洗濯した服を、2階のバルコニーまで持っていく必要もなくなるでしょう。
水を含んだ服は重いので、階段を上らずに干せるスペースがあると助かりますね!
4.ファミリークローゼットは洗濯スペースに近づける
ファミリークローゼットとは、家族の衣類をまとめて収納しておける部屋のことです。たたんだ服を一部屋に収納できるため、部屋を移動する時間を短縮できます。
ファミリークローゼットは、洗濯スペースの近くに置くと家事の効率が上がります。運ぶ距離が短いため、移動のストレスがありません。
洗濯からたたむ作業までをまとめておこなえる「ランドリールーム」と併設すれば、収納の手間がさらに減りますよ!
家事動線の良い間取り実例3選
家事動線の良い間取りの実例は以下の3つです。
- 回遊動線の高い間取り
- 水回りにアクセスしやすい間取り
- キッチンから水回りが一直線につながる間取り
理想を実現したい方は、それぞれチェックしてみましょう。
1.回遊動線の高い間取り
廊下やキッチンから水回りにアクセスできる間取りです。洗面室から浴室までを一直線にまとめているので、移動距離を短くできています。
水回りを1か所にまとめると、水道の工事費用も抑えられます!
また、洗面室の前にウォークインクローゼットを設置することで、家族みんなが使いやすい収納を実現しています。朝の身支度の際には、洗面後にすぐに着替えを取りに行けるのが魅力です。
2.水回りにアクセスしやすい間取り
水回りにアクセスしやすいように、キッチンを中心にした間取りです。キッチンを中心にリビングダイニングや収納を設置しているので、買い物動線や料理動線の効率化が期待できます。
家事動線を良くしたい場合は、それぞれの動線が単純になるように間取りを考えてみましょう。
玄関からキッチンが近いので、重たい荷物を持っていても移動しやすいですね!
3.キッチンから水回りが一直線につながる間取り
キッチン横に以下の設備をつくったことで、回遊性の高さを実現した間取りです。
- パントリー
- ファミリークローゼット
- 作業カウンター
- 洗濯コーナー
- 脱衣室
- 浴室
また、水回りを一直線につなげることで「料理をしながら洗濯する」といった、家事の並行がしやすくなっているのがポイントです。
移動距離が短いだけでも、時短につながりますよ!
なお、ファミリークローゼットから浴室までつながる間取りは入浴の準備がしやすいので、効率的に移動できるのが魅力です。
家事動線をさらに良くするために採用したい収納スペース3選
家事動線をさらに良くするために、以下の3つの収納スペースを採用してみましょう。
- シューズインクローゼット
- ウォークスルークローゼット
- 階段下収納
それぞれ詳しく解説します。
1.シューズインクローゼット
シューズインクローゼットとは、靴を脱がずに入れるクローゼットのことです。買い物帰りでも靴のまま荷物やアウトドア用品を収納できるのが魅力です。
たとえば、広めの収納スペースを確保すれば、ベビーカーをそのまま収納できます。畳む手間が省略できると、雨の日や荷物の多い日にはとくに重宝するでしょう。
ウォークスルータイプなら、そのまま通り抜けて室内に入れるため効率的な動線を確保可能です!
2.ウォークスルークローゼット
ウォークスルークローゼットを設置すると2か所から出入りできるので、部屋の回遊性をアップできます。特に敷地面積が広い物件は回遊性が悪くなりがちなので、ウォークスルークローゼットを設置して移動手段を増やしましょう。
リビングと浴室の間に設置すれば、洗濯物を収納しやすくなりますね!
また、壁面のすべてを収納スペースにすれば、衣類や物を十分に片付けられます。ひとつの場所に片付けられるスペースを確保しておくと、家事動線の良さを実感できるでしょう。
3.階段下収納
掃除用品を階段下に収納すると、気になったときや汚れたときなどにすぐに掃除できます。サッと用具を取り出せるように、掃除機やほうきなどは手前にしまっておくのがおすすめです。
なお、階段下収納は「見える収納」にするとおしゃれポイントとなり「隠す収納」にすると部屋がすっきりした印象となります。家事のしやすさを考慮して、収納スペースを確保してみてください。
デッドスペースを活用して、家事動線の良いマイホームを実現させましょう。
家事動線の良い間取りにするコツをつかみ快適なマイホームを実現しよう
家事動線の良い間取りを作るコツは、家事をおこなう移動距離をできるだけ短くすることです。
料理や洗濯などを並行しておこなうためには、それぞれの部屋をスムーズに行き来できる間取りにする必要がありますね!
とはいえ、間取りだけを気にしても家事動線の良い家づくりはできません。コンセントの位置や数などの設備にも気を配ることで、理想のマイホームを建てられるでしょう。
家事動線の良い間取りにお悩みの方は、プロに相談してアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。
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